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小規模ギルドのある町
第7話 天狗の鼻の行方
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町に出てダンのことを聞くと町外れの岩山にいると言う話だった。あそこは修練の場所として俺も何度か利用したことがある。
ダンの所の射手と戦闘訓練でもさせられるのだろうか?
ダンが見るのであれば、あまり恥をかかせるわけにもいかないから手加減してやらないとな。
岩山に着くとダンがいた。しかしダン以外は誰もいない。不思議がっていたが、ダンが近づいてくる。
ダンが抜刀しながら「準備はできたか?」と尋ねる。
ぁあ、そういうことね。まぁ、ダンとは力量が違いすぎるから手加減はするだろう。少なくとも直ぐに俺の実力は分かるはずだ。
「いつでもどうぞ?」
ダンが両手で大剣を引き付け、真正面に上げる。
そこまでしか分からなかった。一瞬で姿を見失った。
狩人として一度見つけた獲物を見失うことは珍しかった。しかもこの場所で戦士を見失うとは。
どんな技かは分からなかったが、慌てて上空に飛ぶ。
見えていないだけで、大分距離を詰められた可能性がある。戦士の攻撃なら通常攻撃でも致命傷だ。それもダンの一撃なら・・・。
目標も定めず、一瞬で大量の矢を地上に放出させる。
目標を定めなければ当たらない。大量に放てば一撃のダメージは落ちる。その上、戦士の防御力では半端な攻撃では逆効果だ。
だがそれでも視認できなければ何も出来ない。そのための牽制。
狩人の探索技でダンの場所を発見する。先程俺のいた場所で剣を振り下ろしている。
ダンの前方方向は衝撃で岩や木々が吹き飛んでいる。
いきなり突進技かよ!殺すことの恐怖はないのか?
空中で移動しながらダンから距離をとる。
先程から牽制射撃を繰り返しているが、避けるそぶりもない。
先程のように一瞬で距離を詰められると、大きなためのある攻撃は出来ない。
とはいえ技を出すためのための時間がわかれば。
そう考えているとダンが斬撃を飛ばしてくる。斬撃は遠くにいくほど縦に延びるが、攻撃力が落ちる。
とはいえ、技を出しているのがダンであるわけで、避けるしかない。
ダンから目を話さないことに集中しながら、攻撃をすべて避ける。
着地した瞬間にダンに何射か射る。
ダンはそれらを避けることなく距離を詰める。予定通りだ。
ダンに最後の矢が着弾すると、ダンの動きが止まる。
牽制に混ぜて弾速の遅い攻撃力の高い矢を放っておいたのだ。もっとも、攻撃だけではないのだが。
「小賢しい真似を」
「狩人ですから」
話ながら溜めのある矢を放つ。だがダンは一瞬でその場を離れる。
流石に急ぎすぎたか。
ダンは牽制攻撃を避け出してきた。
牽制と溜めのある攻撃を混じらせ、長期戦に巻き込む。いずれ動きが鈍くなってきた頃に畳み掛ける。
しばらくの攻防の末、お互いに攻撃が蓄積される。もっともお互いに、戦闘続行する上で問題があるほどではなかった。
だが徐々にダンに攻撃が当たり出す。
ダンが徐々に呻き声を上げるなかザフは我慢できずに言う。
「最初の牽制の時から徐々にかけてきた移動遅延の技がようやくかかってきたか。あんたにばれないようにチマチマやって来たが、もう飽きた。これで終わりにしてやるよ」
ザフは狩人の技で目眩ましを行うと同時に、同化で岩山に紛れ、姿を隠す。
ダンは背中の鎧の隙間に強い激痛を感じる。たまらず後ろに剣を振るうと、ザフが薄ら笑いを浮かべている。
「やっと勝負を仕掛けてきたか。この時を待っていた」
思いもよらぬダンの発言に背筋の凍るザフ。
ザフは訳もわからずダンから距離をとる。いくら遅延効果を付加させたとはいえ、まともに一撃でも食らえば終わりだという意識がそこにはあった。
だが、もう遅い。ザフはダンの死致領域に達していた。
ダンは自らの術を起動させる。
術には遅延効果は関係ない。この場のあらゆる魔素を纏った大剣がザフを襲う。
ザフは苦し紛れに障壁の効果だけを付けた矢をダンから距離を取りながら射ち続ける。
ダンの大剣は当然のようにそれらの障壁を破壊していく
大剣が迫ってくるのにしたがって、ザフは回避できないことを悟り距離をとるのを諦める。
残った気力で手にしたナイフに最大限の障壁効果を付随させ、大剣の一番魔素の少ない場所を狙って当てる。
ナイフの障壁は大剣に当たるまでもなく、周囲を覆う魔素によって消滅させられる。
ザフはナイフで大剣の攻撃を受け流そうとするが、魔素の濁流によりナイフを弾き飛ばされそうになる。
それを両手で握り一瞬にも満たない間耐えるも、遂に両手首が脱臼し、ザフの体が浮き、回転する。
その頃にはザフの右肩は内側に、左肩は外方向に脱臼し、背中の筋肉は滅茶苦茶に断裂していた。
ダンが大剣を振りかざすと、ザフはダンから放物線を描いて吹き飛ぶ。
ダンが剣を構えたままゆっくりと呻き声をあげるザフの元に歩み寄る。
「まだ命があるとは。吹き飛ばした後障壁を纏っていたのでもしやとおもったが」
ザフは痛みよりも深い怒りを感じ、かろうじで掴んでいたナイフを口に咥えダンに最後の足掻きを見せようとする。
「ここまでやって今だ反省の色が見えんとは。愚かな」
ダンが剣を振り上げる。だがそれを遠くで制止させるように叫ぶ女の声でダンの攻撃は回避される。
その後ダンとその女が口論をしていたが、ザフは痛みのあまり気を失ってしまう。
ダンの所の射手と戦闘訓練でもさせられるのだろうか?
ダンが見るのであれば、あまり恥をかかせるわけにもいかないから手加減してやらないとな。
岩山に着くとダンがいた。しかしダン以外は誰もいない。不思議がっていたが、ダンが近づいてくる。
ダンが抜刀しながら「準備はできたか?」と尋ねる。
ぁあ、そういうことね。まぁ、ダンとは力量が違いすぎるから手加減はするだろう。少なくとも直ぐに俺の実力は分かるはずだ。
「いつでもどうぞ?」
ダンが両手で大剣を引き付け、真正面に上げる。
そこまでしか分からなかった。一瞬で姿を見失った。
狩人として一度見つけた獲物を見失うことは珍しかった。しかもこの場所で戦士を見失うとは。
どんな技かは分からなかったが、慌てて上空に飛ぶ。
見えていないだけで、大分距離を詰められた可能性がある。戦士の攻撃なら通常攻撃でも致命傷だ。それもダンの一撃なら・・・。
目標も定めず、一瞬で大量の矢を地上に放出させる。
目標を定めなければ当たらない。大量に放てば一撃のダメージは落ちる。その上、戦士の防御力では半端な攻撃では逆効果だ。
だがそれでも視認できなければ何も出来ない。そのための牽制。
狩人の探索技でダンの場所を発見する。先程俺のいた場所で剣を振り下ろしている。
ダンの前方方向は衝撃で岩や木々が吹き飛んでいる。
いきなり突進技かよ!殺すことの恐怖はないのか?
空中で移動しながらダンから距離をとる。
先程から牽制射撃を繰り返しているが、避けるそぶりもない。
先程のように一瞬で距離を詰められると、大きなためのある攻撃は出来ない。
とはいえ技を出すためのための時間がわかれば。
そう考えているとダンが斬撃を飛ばしてくる。斬撃は遠くにいくほど縦に延びるが、攻撃力が落ちる。
とはいえ、技を出しているのがダンであるわけで、避けるしかない。
ダンから目を話さないことに集中しながら、攻撃をすべて避ける。
着地した瞬間にダンに何射か射る。
ダンはそれらを避けることなく距離を詰める。予定通りだ。
ダンに最後の矢が着弾すると、ダンの動きが止まる。
牽制に混ぜて弾速の遅い攻撃力の高い矢を放っておいたのだ。もっとも、攻撃だけではないのだが。
「小賢しい真似を」
「狩人ですから」
話ながら溜めのある矢を放つ。だがダンは一瞬でその場を離れる。
流石に急ぎすぎたか。
ダンは牽制攻撃を避け出してきた。
牽制と溜めのある攻撃を混じらせ、長期戦に巻き込む。いずれ動きが鈍くなってきた頃に畳み掛ける。
しばらくの攻防の末、お互いに攻撃が蓄積される。もっともお互いに、戦闘続行する上で問題があるほどではなかった。
だが徐々にダンに攻撃が当たり出す。
ダンが徐々に呻き声を上げるなかザフは我慢できずに言う。
「最初の牽制の時から徐々にかけてきた移動遅延の技がようやくかかってきたか。あんたにばれないようにチマチマやって来たが、もう飽きた。これで終わりにしてやるよ」
ザフは狩人の技で目眩ましを行うと同時に、同化で岩山に紛れ、姿を隠す。
ダンは背中の鎧の隙間に強い激痛を感じる。たまらず後ろに剣を振るうと、ザフが薄ら笑いを浮かべている。
「やっと勝負を仕掛けてきたか。この時を待っていた」
思いもよらぬダンの発言に背筋の凍るザフ。
ザフは訳もわからずダンから距離をとる。いくら遅延効果を付加させたとはいえ、まともに一撃でも食らえば終わりだという意識がそこにはあった。
だが、もう遅い。ザフはダンの死致領域に達していた。
ダンは自らの術を起動させる。
術には遅延効果は関係ない。この場のあらゆる魔素を纏った大剣がザフを襲う。
ザフは苦し紛れに障壁の効果だけを付けた矢をダンから距離を取りながら射ち続ける。
ダンの大剣は当然のようにそれらの障壁を破壊していく
大剣が迫ってくるのにしたがって、ザフは回避できないことを悟り距離をとるのを諦める。
残った気力で手にしたナイフに最大限の障壁効果を付随させ、大剣の一番魔素の少ない場所を狙って当てる。
ナイフの障壁は大剣に当たるまでもなく、周囲を覆う魔素によって消滅させられる。
ザフはナイフで大剣の攻撃を受け流そうとするが、魔素の濁流によりナイフを弾き飛ばされそうになる。
それを両手で握り一瞬にも満たない間耐えるも、遂に両手首が脱臼し、ザフの体が浮き、回転する。
その頃にはザフの右肩は内側に、左肩は外方向に脱臼し、背中の筋肉は滅茶苦茶に断裂していた。
ダンが大剣を振りかざすと、ザフはダンから放物線を描いて吹き飛ぶ。
ダンが剣を構えたままゆっくりと呻き声をあげるザフの元に歩み寄る。
「まだ命があるとは。吹き飛ばした後障壁を纏っていたのでもしやとおもったが」
ザフは痛みよりも深い怒りを感じ、かろうじで掴んでいたナイフを口に咥えダンに最後の足掻きを見せようとする。
「ここまでやって今だ反省の色が見えんとは。愚かな」
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