虐げられ追放された悪役令息Ω、実は氷の皇太子αの運命の番で、めちゃくちゃに溺愛されています

水凪しおん

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第二十九話「明かされる真実」

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 全ての真実を知り、僕は呆然と立ち尽くした。
 今までの人生が、大きな嘘の上に成り立っていた。
 僕を苦しめてきたあの人たちは、血の繋がった家族ですらなかったのだ。

「……そう、だったのか……」

 納得した。
 どうして、僕だけがあんなにも酷い仕打ちを受けなければならなかったのか。
 父の僕を見る、汚物を見るかのような冷たい目。
 義母の、僕をいたぶるときの、楽しそうな顔。
 アレクシスの、僕への執拗な暴力。
 全ては、僕の出自に対する、彼らの醜い嫉妬と憎悪から来ていたのだ。

 同時に、僕の胸に、今まで感じたことのない温かい感情が込み上げてきた。

(……お母様……)

 僕は、顔も知らない、僕を産んでくれた本当の母の存在を思った。
 彼女は、僕を愛してくれていたのだろうか。僕が生まれてきたことを、喜んでくれていたのだろうか。
 そう思うと、涙が後から後から溢れてきた。
 僕を抱きしめてくれるゼノンの腕の中で、僕は声を上げて泣いた。
 それは、これまでの人生で虐げられてきた悲しみの涙であり、そして、自分には愛してくれるはずだった母親がいたのだと知った、喜びの涙でもあった。

 ゼノンは、僕が落ち着くまで、ずっと黙って背中をさすってくれていた。

「エリオット。お前は、アシュベリー家の人間などではない。お前は、誇り高きルミナレス王家の血を引く、尊い存在なのだ」

 彼の言葉が、僕の心を強くしてくれた。
 そうだ。僕はもう、あの家に縛られる必要はないのだ。

「お前の母上は、きっとお前のことを深く愛していただろう。そして、今のお前の姿を見て、誇りに思っているはずだ」
「……はい……っ」

 僕は涙を拭い、顔を上げた。
 今まで僕を縛り付けていた、過去という名の呪いが、解けていくのを感じた。
 僕は、虐げられていた可哀想な公爵家の次男じゃない。
 僕は、エリオット。
 ルミナレス王家の血を継ぎ、そして、ヴァイスハイト帝国の皇太子に愛される、唯一の人間。
 僕の本当の物語は、ここから始まるんだ。
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