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第12話「報いと新たな時代の幕開け」
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絶対的な王の力の前に、人間連合軍は為す術もなく崩壊した。
戦いは、魔王軍の圧勝に終わった。
アシュトは逃げ惑う彼らを追い打ちすることなく、静かに見送るだけだった。
だが、この戦いの首謀者であるカイたちへの罰は、まだ終わっていなかった。
アシュトは自らの魔力を使い、カイたちがユキに行った仕打ち――彼を便利屋として酷使し、報酬を渡さず、最後には生贄として裏切ったという全ての事実を映像として記録した。
そして、その映像を逃げ帰った連合軍の兵士たちを通じて、人間たちの世界に広く拡散させたのだ。
真実を知った人々は愕然とした。
魔王討伐と囚われの仲間の救出という大義名分が、全てカイの自己保身と欲望のための真っ赤な嘘だったことを知ったのだ。
世間の非難の矛先は、一斉にカイたち「光の剣」の元メンバーへと向けられた。
「偽りの勇者め! 我々を騙していたのか!」
「人の善意を利用するとは、悪魔以下の所業だ!」
「あの心優しい支援職の少年になんてことを!」
彼らは、文字通り全てを失った。
力を失いただのプレイヤーに戻った彼らに、以前のような権力も財産もない。
人々からの侮蔑と憎悪を一身に受け、彼らは行く先々で石を投げられ、罵声を浴びせられるようになった。
もはや、彼らが安息できる場所は世界のどこにもなかった。
エレナは、その美貌を武器に貴族の愛人になろうとしたが、悪評が広まり誰からも相手にされず、場末の酒場で働くことになった。
ゴードンは、その腕力を頼りに傭兵になろうとしたが、「裏切り者のゴードン」として誰からも信用されず、日雇いの肉体労働で食いつなぐのが精一杯だった。
ジンは、盗賊のスキルを活かして裏社会で生きようとしたが、かつての仲間さえも平気で裏切る男としてすぐに孤立し、衛兵に捕らえられた。
そして、カイ。
彼は最後まで「自分は悪くない、騙されたんだ」と叫び続けていた。
しかし、その言葉に耳を貸す者はいなかった。
勇者の力を失った彼は、もはや誰の目にも魅力的に映らなかった。
彼はプライドだけを抱えたまま物乞いにまで身を落とし、路地裏で惨めな日々を送ることになったという。
それが、俺を裏切った者たちの末路だった。
俺が直接手を下したわけではない。彼らが自分たちの行いの報いを受けただけだ。
まさしく、因果応報という言葉がぴったりの結末だった
彼らの破滅の噂を耳にした時、俺の心は不思議なほど静かだった。
喜びも、憐れみもなかった。
ただ、これでようやく過去とのしがらみが完全に断ち切れたのだと、そう感じただけだった。
戦いの後、人間たちの国から正式な謝罪の使者が魔王領へと送られてきた。
彼らはカイの嘘に騙されたことを深く詫び、魔王領との和平を望んできた。
アシュトは、俺を隣に座らせその使者と会見した。
「和平、だと? 我が領地を一方的に侵略しておきながら、都合のいいことだ」
アシュトの冷たい言葉に、使者は平伏するしかなかった。
「も、申し訳ございません! 我々は、真実を知らなかったのです! 全ては、あの偽りの勇者が……」
「言い訳は聞かぬ。だが……」
アシュトは、俺の顔をちらりと見た。
俺は、彼に向かって小さくうなずく。争いは、もう望んでいなかった。
「……私の伴侶がそれを望むのであれば、考えてやらんこともない」
アシュトの言葉に、使者は安堵の表情を浮かべた。
「ユキ様の、お考えを……」
俺は、静かに口を開いた。
「俺は、無益な争いは望みません。ただ、二度とこのような過ちが繰り返されないよう、確かな約束が欲しいのです」
俺の提案により、人間と魔族の間で史上初の不可侵条約が結ばれることになった。
互いの領土を尊重し、不当な干渉は行わない。
そして、種族の違いによる差別をなくし対等な関係を築いていく。
それは、新しい時代の幕開けを告げる歴史的な条約だった。
条約締結の祝賀会が、魔王城で盛大に開かれた。
人間たちの代表も招かれ、魔族たちと杯を交わしている。
少し前までは、考えられなかった光景だ。
俺は、バルコニーからその賑やかな様子を眺めていた。
後ろから、アシュトがそっと俺を抱きしめる。
「お前の望んだ世界は、これか?」
「はい。みんなが、笑っていられる世界。それが、俺の望みです」
俺がそう答えると、アシュトは愛おしそうに俺の髪にキスを落とした。
「お前は、本当に……聖なる運び手だな。私の世界だけでなく、この世界そのものに光をもたらした」
「そんなことないです。俺は、ただアシュト様のそばにいたかっただけですから」
俺たちが築き上げた、この平和な楽園。
豊かな大地と、人々の笑顔。その全てが、俺の宝物だ。
俺は、アシュトの方に向き直り彼の首に腕を回した。
「アシュト様。俺を、あなたの正式な伴侶にしてください」
それは、俺からのプロポーズだった。
アシュトは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに今まで見た中で一番幸せそうな笑顔を浮かべた。
「……言われるまでもない。お前は、最初から私の唯一の伴侶だ」
俺たちは、唇を重ねた。
絶望の底から始まった俺の物語は、最高のハッピーエンドを迎えた。
勇者に裏切られた支援職は、魔王の深い愛に包まれ世界に平和をもたらす存在となった。
これは、俺が自分の手で掴み取った幸せな居場所の物語。
そして、この幸せはこれからもずっと、愛する人の隣で続いていくのだ。
戦いは、魔王軍の圧勝に終わった。
アシュトは逃げ惑う彼らを追い打ちすることなく、静かに見送るだけだった。
だが、この戦いの首謀者であるカイたちへの罰は、まだ終わっていなかった。
アシュトは自らの魔力を使い、カイたちがユキに行った仕打ち――彼を便利屋として酷使し、報酬を渡さず、最後には生贄として裏切ったという全ての事実を映像として記録した。
そして、その映像を逃げ帰った連合軍の兵士たちを通じて、人間たちの世界に広く拡散させたのだ。
真実を知った人々は愕然とした。
魔王討伐と囚われの仲間の救出という大義名分が、全てカイの自己保身と欲望のための真っ赤な嘘だったことを知ったのだ。
世間の非難の矛先は、一斉にカイたち「光の剣」の元メンバーへと向けられた。
「偽りの勇者め! 我々を騙していたのか!」
「人の善意を利用するとは、悪魔以下の所業だ!」
「あの心優しい支援職の少年になんてことを!」
彼らは、文字通り全てを失った。
力を失いただのプレイヤーに戻った彼らに、以前のような権力も財産もない。
人々からの侮蔑と憎悪を一身に受け、彼らは行く先々で石を投げられ、罵声を浴びせられるようになった。
もはや、彼らが安息できる場所は世界のどこにもなかった。
エレナは、その美貌を武器に貴族の愛人になろうとしたが、悪評が広まり誰からも相手にされず、場末の酒場で働くことになった。
ゴードンは、その腕力を頼りに傭兵になろうとしたが、「裏切り者のゴードン」として誰からも信用されず、日雇いの肉体労働で食いつなぐのが精一杯だった。
ジンは、盗賊のスキルを活かして裏社会で生きようとしたが、かつての仲間さえも平気で裏切る男としてすぐに孤立し、衛兵に捕らえられた。
そして、カイ。
彼は最後まで「自分は悪くない、騙されたんだ」と叫び続けていた。
しかし、その言葉に耳を貸す者はいなかった。
勇者の力を失った彼は、もはや誰の目にも魅力的に映らなかった。
彼はプライドだけを抱えたまま物乞いにまで身を落とし、路地裏で惨めな日々を送ることになったという。
それが、俺を裏切った者たちの末路だった。
俺が直接手を下したわけではない。彼らが自分たちの行いの報いを受けただけだ。
まさしく、因果応報という言葉がぴったりの結末だった
彼らの破滅の噂を耳にした時、俺の心は不思議なほど静かだった。
喜びも、憐れみもなかった。
ただ、これでようやく過去とのしがらみが完全に断ち切れたのだと、そう感じただけだった。
戦いの後、人間たちの国から正式な謝罪の使者が魔王領へと送られてきた。
彼らはカイの嘘に騙されたことを深く詫び、魔王領との和平を望んできた。
アシュトは、俺を隣に座らせその使者と会見した。
「和平、だと? 我が領地を一方的に侵略しておきながら、都合のいいことだ」
アシュトの冷たい言葉に、使者は平伏するしかなかった。
「も、申し訳ございません! 我々は、真実を知らなかったのです! 全ては、あの偽りの勇者が……」
「言い訳は聞かぬ。だが……」
アシュトは、俺の顔をちらりと見た。
俺は、彼に向かって小さくうなずく。争いは、もう望んでいなかった。
「……私の伴侶がそれを望むのであれば、考えてやらんこともない」
アシュトの言葉に、使者は安堵の表情を浮かべた。
「ユキ様の、お考えを……」
俺は、静かに口を開いた。
「俺は、無益な争いは望みません。ただ、二度とこのような過ちが繰り返されないよう、確かな約束が欲しいのです」
俺の提案により、人間と魔族の間で史上初の不可侵条約が結ばれることになった。
互いの領土を尊重し、不当な干渉は行わない。
そして、種族の違いによる差別をなくし対等な関係を築いていく。
それは、新しい時代の幕開けを告げる歴史的な条約だった。
条約締結の祝賀会が、魔王城で盛大に開かれた。
人間たちの代表も招かれ、魔族たちと杯を交わしている。
少し前までは、考えられなかった光景だ。
俺は、バルコニーからその賑やかな様子を眺めていた。
後ろから、アシュトがそっと俺を抱きしめる。
「お前の望んだ世界は、これか?」
「はい。みんなが、笑っていられる世界。それが、俺の望みです」
俺がそう答えると、アシュトは愛おしそうに俺の髪にキスを落とした。
「お前は、本当に……聖なる運び手だな。私の世界だけでなく、この世界そのものに光をもたらした」
「そんなことないです。俺は、ただアシュト様のそばにいたかっただけですから」
俺たちが築き上げた、この平和な楽園。
豊かな大地と、人々の笑顔。その全てが、俺の宝物だ。
俺は、アシュトの方に向き直り彼の首に腕を回した。
「アシュト様。俺を、あなたの正式な伴侶にしてください」
それは、俺からのプロポーズだった。
アシュトは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに今まで見た中で一番幸せそうな笑顔を浮かべた。
「……言われるまでもない。お前は、最初から私の唯一の伴侶だ」
俺たちは、唇を重ねた。
絶望の底から始まった俺の物語は、最高のハッピーエンドを迎えた。
勇者に裏切られた支援職は、魔王の深い愛に包まれ世界に平和をもたらす存在となった。
これは、俺が自分の手で掴み取った幸せな居場所の物語。
そして、この幸せはこれからもずっと、愛する人の隣で続いていくのだ。
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