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自覚
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勢いよく部屋から出たものの、マリウスは息を吐いてその場に立ち尽くしておりました。
こんなのただの嫉妬だ。どうしてこんなにもキツく当たってしまったのだろうか。
手紙を読み上げろなんて、いくらなんでも無理がある。
「何を言っているんだ、俺は...」
誰もいない廊下でマリウスは一人ポツリとつぶやきました。
幼馴染と言った瞬間にマルクスと同じ質問をしてきたナリア。ナリアの表情が一瞬にして明るく輝いたのが面白くなかったのです。
あんな嬉しそうな顔、俺には一度もした事がない。...いや、さっき初めて見たか。
美味しそうにステーキを頬張って幸せそうな表情を浮かべるナリア、部屋を用意したことについてお礼を述べた時の嬉しそうな表情。
それを思い出しながら、自然と笑みが溢れます。
毎日、俺に対してあんな風に微笑んでくれたらどれだけ幸せか。
ナリアが好きだと自覚した途端、マリウスは今まで感じたことのない感情に戸惑っておりました。
言い寄られることはあっても、自ら求めたことなどなかったからです。
自制というものがわからない。このままいくと、俺は一体どうなってしまうのだろうか。こんなことなら自覚するべきではなかったのではないか...
自ら廊下に出てきたものの、もうナリアに会いたくて仕方がなくなっておりました。
あの手紙には何が書いてあるんだ。
渡せばわかるとはどういう意味だ。
「.....っ、はぁ」
今更部屋にノコノコ戻るなんて格好が悪すぎる。でも、気になるものは仕方がない。
そっとドアを開けてマリウスが中の様子を伺うと、大切そうに手紙を広げ、じっくりと目を通すナリアの姿が見えました。
...あんなにも大切に扱うのだな。
マリウスはどうしても苦しくなる胸を押さえながらもそっとナリアへ近づきました。
すぐ側にいるというのに何故こんなにも気がつかないんだ。...それだけ手紙に夢中になっているということか。
ナリアはマリウスには全く気づかない様子で微笑むように何度も何度も文字を目で追っているようでした。
マリウスはふと目に入った文字に顔をしかめました。木陰の森...?
「...木陰の森とは何だ?」
「ひぇっ...!?」
驚いて振り向いたナリアと目があった瞬間、マリウスはかぁっと顔が赤くなりました。
鼻が当たってしまうほどの距離にナリアの顔があったのです。
「.....っ!!?」
ナリアは言葉にならない様子で素早くマリウスから離れました。
こんなのただの嫉妬だ。どうしてこんなにもキツく当たってしまったのだろうか。
手紙を読み上げろなんて、いくらなんでも無理がある。
「何を言っているんだ、俺は...」
誰もいない廊下でマリウスは一人ポツリとつぶやきました。
幼馴染と言った瞬間にマルクスと同じ質問をしてきたナリア。ナリアの表情が一瞬にして明るく輝いたのが面白くなかったのです。
あんな嬉しそうな顔、俺には一度もした事がない。...いや、さっき初めて見たか。
美味しそうにステーキを頬張って幸せそうな表情を浮かべるナリア、部屋を用意したことについてお礼を述べた時の嬉しそうな表情。
それを思い出しながら、自然と笑みが溢れます。
毎日、俺に対してあんな風に微笑んでくれたらどれだけ幸せか。
ナリアが好きだと自覚した途端、マリウスは今まで感じたことのない感情に戸惑っておりました。
言い寄られることはあっても、自ら求めたことなどなかったからです。
自制というものがわからない。このままいくと、俺は一体どうなってしまうのだろうか。こんなことなら自覚するべきではなかったのではないか...
自ら廊下に出てきたものの、もうナリアに会いたくて仕方がなくなっておりました。
あの手紙には何が書いてあるんだ。
渡せばわかるとはどういう意味だ。
「.....っ、はぁ」
今更部屋にノコノコ戻るなんて格好が悪すぎる。でも、気になるものは仕方がない。
そっとドアを開けてマリウスが中の様子を伺うと、大切そうに手紙を広げ、じっくりと目を通すナリアの姿が見えました。
...あんなにも大切に扱うのだな。
マリウスはどうしても苦しくなる胸を押さえながらもそっとナリアへ近づきました。
すぐ側にいるというのに何故こんなにも気がつかないんだ。...それだけ手紙に夢中になっているということか。
ナリアはマリウスには全く気づかない様子で微笑むように何度も何度も文字を目で追っているようでした。
マリウスはふと目に入った文字に顔をしかめました。木陰の森...?
「...木陰の森とは何だ?」
「ひぇっ...!?」
驚いて振り向いたナリアと目があった瞬間、マリウスはかぁっと顔が赤くなりました。
鼻が当たってしまうほどの距離にナリアの顔があったのです。
「.....っ!!?」
ナリアは言葉にならない様子で素早くマリウスから離れました。
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