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第11章 姉妹関係の儀式で、誓(ちか)ったこと
064 13日目 アリムの脳にダメージ
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アリムの負傷は治療できないのかな?
◇
13日目 PM14:30 昼
《2日に一度の会議: なし、
第3回襲撃予測日: 本日の昼 300名
一番権利者: 真々美 昨日の夜が流れたため。》
スリーカー
「アリム様の治療方針について確認します。」
ご要望は腹部の損傷の治療ですが、
それよりも脳の治療を優先することを
強力に推奨いたします。
実力をはるかに超えるほど酷使されたため、大脳のダメージが重大です。
短期間で、【正性知識 2000】を1800まで習得しようなんて、無茶すぎます。
とどめに、正性知識 1600 をコールして実行した結果、脳にかなり高い負荷が掛かりました。」
絵美
「真々美? 聞きたいことが有るのだけれど、いいかな?」
絵美は、いつものように明るい声を出していない。
深刻な話を始めるようだ。
真々美
「深刻な話のようだな。」
絵美
「ええ、とても深刻な話よ。
真々美だけでなく、冬香さんのことも責めたくなるわ。
そして、酷だけれど、オルアさんにも言いたいことがある。」
オルア
「わたしに、なんでしょうか?」
絵美は、とても怖い表情をしていた。
絵美
「オルアさん?
アリムさんの正性知識の習得スピードは速すぎるわ。
わたしでも、大学卒業時に 1200まで、
それから、3年間かけて、1800まで習得したの。
それに対して、アリムさんは、光元国から来て2週間、
つまり14日間も経っていない。
どうして、こんな無理をさせたのか、知りたいわ。」
オルア
「そうなのですか、知りませんでした。」
絵美
「知ろうとしなかったの間違いよね。」
真々美
「絵美、待ってくれ!
オルアを責めないでくれ。」
絵美
「冬香さん、アリムさんは頭痛などの症状を訴えていなかった?」
冬香
「いいえ、わたしたちに気付かれないように隠していたのかもしれません。」
絵美
「はっきり言って、これは、愛情の搾取よ。
アリムさんは使いつぶされた馬車馬のような状態よ。」
真々美
「絵美、アリムが言うには、前世で【正性知識 2000】を学んだことがあるそうなんだ。」
絵美
「アリムさんの前世?
でも、いくらなんでも短期間過ぎるわ。
よほど優秀なひとに師事しない限り無理よ。」
スリーカー
「お取込み中のところに割って入りますが、早く決めてください。
どうされますか?」
オルア
「大脳も腹部も両方とも治してくれませんか?」
スリーカー
「お代が足りませんね。」
オルア
「なんでも、す」
冬香がオルアの口に手を当ててさえぎった。
冬香
「オルア、
なんでも
という言葉は使ってはダメよ。
どんな不幸な目に遭うか予測できないわ。」
絵美
「スリーカーさん、選んだ結果、どうなるか教えてくれますか?」
スリーカー
「大脳の損傷を修復した場合は、腹部からの流血により、死に至る可能性が有ります。
腹部の損傷を修復した場合は、大脳に障害が残るため、多大なダメージが残って今までのような生活はできないでしょう。
どちらかお選びください。」
オルア
「そんな、嫌よ。
アリムが死んだり、アリムに障害が残るなんて、どちらもダメ。」
スリーカー
「選ばないなら、御暇します。
他からも呼ばれていますからね。」
真々美
「スリーカーさん、もっともお薦めは何か教えてくれないか?」
スリーカー
「そうですねえ、大脳の治療を選ばれてはいかがですか?
腹部の治療をできる医者は探せばいるでしょうからね。
ただし、アリム様の大脳の損傷を治せるのは私だけですね。」
冬香
「腹部の治療なら、医療用AI のアインスに任せればいいわ。」
スリーカー
「それでも、時間的猶予はありませんよ。
女の人のクラスターが4人もいて、支払えないなんて情けないですね。」
絵美
「くっ。」
絵美 こころの声
『ここは、耐えるしかないか?』
絵美
「スリーカーさん、申し訳ないが本当に手持ちがないんだ。
わたしが依頼した治療で本日3回も来てもらって、図々しいかもしれないが、なんとか便宜を図って、最善策を提供してもらえないか?」
スリーカー
「それでしたら、ご提案します。
大脳の治療に重点を置きつつ、止血もしましょうか?
ただし、大脳の治療が完了しても、エネルギーの再充填を省く結果、意識が戻るまで1週間かかります。
そして、腹部については止血のみしますが、臓器の修復はしません。
この条件で良ければ、36ポイントで治療します。
いかがですか?」
冬香
「その条件でお願いします。」
スリーカー
「分かりました。
治療を開始します。
おや、あなたも医者ですね。
もしかして、黄花様ですか?」
冬香
「おうか?」
スリーカー
「いいえ、気のせいかもしれません。
医療は、2.5術です。
仁術《2術》と算術《3術》のどちらにも偏ってはいけない。
患者に同情してはいけない。
と、わたしに教えてくださった方です。」
絵美 36ポイント使用後、
性魔力 現在値 2/最大値 90
◇
10分経過
スリーカー
「お待たせしました。
かなり時間が掛かりましたが、私以外に治せる存在はいませんよ。」
冬香
「ぷっ。
ごめんなさい。
わたしの相棒アインスみたいなことを言うから、おかしくて。」
スリーカー
「大事にしてあげてくださいね。
それでは。」
スリーカーとの交信が終わった。
冬香
「オルア、しっかりしなさい。
アリムを、医療用AI のアインスのところに連れて行くわよ。
絵美様も是非お越しください。
お茶をご用意いたします。」
◇
冬香の医療室に着いた。
冬香
「アインス、起きて。
治療をお願いしたいの。」
医療用AI アインス
「・・・」
冬香
「どうしたの?
なぜ、黙っているの?」
医療用AI アインス
「・・・」
真々美
「電源が抜けているんじゃないか?」
冬香
「そんなことはないと思うけれど、再起動しましょうか?」
ピーッ。
医療用AI アインス
「システムが存在しません。
ディスクを交換しますか? <Yes / No>」
冬香
「こんな非常時に、ふざけないで。」
オルア
「ねえ、冬香、変だよ。
いつもなら、動作確認のランプが点灯しているよね。」
冬香
「まさか?」
冬香は手持ちのデバイスと接続した。
冬香
「うそ、すべてのデータが消されている。
いつの間に?
仕方ないわね。
バックアップから復元するしかないか。」
冬香はバックアップを取り出そうとした。
しかし・・・
冬香
「全部、盗まれている、そんな。
こうなったら、徒手で手術するしか、でも時間が掛かりすぎて、アリムが耐えられない。」
オルア
「冬香、わたしも手伝うから。」
冬香
「オルアとわたしが10人いても足りないわよ。」
オルア
「そんな、アリム・・・」
絵美
「ねえ、大事なバックアップが1つしかないなんてことは、ないわよね。
他のバックアップを出せばいいでしょ。」
冬香
「駄目、全部盗られている。
パスワードを知らないひとの手にわたっても悪用はされないけれど・・・」
冬香とオルアは、茫然としていた。
絵美
「真々美、なにか手は無いの?
バックアップは複数を離れた場所に置かないと安全性が足りないわよね。」
真々美
「そうだ。
冬香、オルア、思い出せ。
アリムに言われただろう。
敵に予想されないような場所に、バックアップを隠しておいた方が良いと。
わたしは、アリムの上着クローゼットに、バックアップコピーを隠した。
冬香は、どこに隠したんだ。」
冬香
「アリムの下着タンスの奥に、バックアップコピーを隠した。」
☆ 結果として、医療用AI Einsの予想は正解だった。
☆
☆ 真々美は、アリムの上着クローゼットに、バックアップコピーを隠した。
☆ 冬香は、アリムの下着タンスの奥に、バックアップコピーを隠した。
☆ オルアは、アリムの布団入れの下に、バックアップコピーを隠した。
☆
☆ このことが大きな助けになるのだった。
☆
☆ 056 11日目 医療用AIからの相談と交配届け前検査
冬香は、アリムの部屋に隠したバックアップを使って、医療用AI Einsを復活させた。
医療用AI Eins
「冬香様、いま、何月何日の何時何分ですか?」
冬香
「ああ、会いたかったわ、アインス。
2023年 8月13日のPM15:30 昼よ。」
医療用AI Eins
「わかりました。
GoGoGo社のドライブから、差分データをダウンロードします。
お待たせしました。
なにを致しましょうか?」
冬香
「アリムの内臓の損傷を完全に回復して。」
医療用AI Eins
「ひどい損傷ですね。
まるで、日本刀の刃を突き刺してできた傷ですね。
海賊を装った敵にやられたのですか?」
オルア
「そうなの、アリムさんを治して。」
医療用AI Eins
「お任せください。
オルア様。
1時間ほど、掛かります。」
冬香
「アインスは、いい子ね。
あなたは、高額を請求するような医者にならないでね。」
医療用AI Eins
「冬香様、なにかあったのですか?」
冬香は、スリーカーとの会話について話した。
医療用AI Eins
「そんなことがあったのですか?
大変でしたね。
ところで、アリム様の大脳の疲労について、どうされますか?」
冬香
「アインス、治せるの?」
医療用AI Eins
「もちろんです。
このリストにある物質を頂けますか?」
冬香
「どれどれ?
これらは高すぎるわ。
買えないわよ。
お金は確かに大事よね。
スリーカーさんは、適正費用を請求していたのね。」
医療用AI Eins
「時と場合によりますが、この場合は費用が問題ですね。
アリム様が自力で意識を取り戻すまで、7日間お待ちください。」
医療用AI Einsは、冬香との会話を記録することにした。
==========================
医療は、2.5術です。
仁術《2術》と算術《3術》のどちらにも偏ってはいけない。
患者に同情してはいけない。
==========================
2023年 8月13日のPM17:30 夜
◇
アリムが助かりそうで良かったです。
ただし、7日間は待ち遠しいですね。
【読者様へ】
あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
◇
13日目 PM14:30 昼
《2日に一度の会議: なし、
第3回襲撃予測日: 本日の昼 300名
一番権利者: 真々美 昨日の夜が流れたため。》
スリーカー
「アリム様の治療方針について確認します。」
ご要望は腹部の損傷の治療ですが、
それよりも脳の治療を優先することを
強力に推奨いたします。
実力をはるかに超えるほど酷使されたため、大脳のダメージが重大です。
短期間で、【正性知識 2000】を1800まで習得しようなんて、無茶すぎます。
とどめに、正性知識 1600 をコールして実行した結果、脳にかなり高い負荷が掛かりました。」
絵美
「真々美? 聞きたいことが有るのだけれど、いいかな?」
絵美は、いつものように明るい声を出していない。
深刻な話を始めるようだ。
真々美
「深刻な話のようだな。」
絵美
「ええ、とても深刻な話よ。
真々美だけでなく、冬香さんのことも責めたくなるわ。
そして、酷だけれど、オルアさんにも言いたいことがある。」
オルア
「わたしに、なんでしょうか?」
絵美は、とても怖い表情をしていた。
絵美
「オルアさん?
アリムさんの正性知識の習得スピードは速すぎるわ。
わたしでも、大学卒業時に 1200まで、
それから、3年間かけて、1800まで習得したの。
それに対して、アリムさんは、光元国から来て2週間、
つまり14日間も経っていない。
どうして、こんな無理をさせたのか、知りたいわ。」
オルア
「そうなのですか、知りませんでした。」
絵美
「知ろうとしなかったの間違いよね。」
真々美
「絵美、待ってくれ!
オルアを責めないでくれ。」
絵美
「冬香さん、アリムさんは頭痛などの症状を訴えていなかった?」
冬香
「いいえ、わたしたちに気付かれないように隠していたのかもしれません。」
絵美
「はっきり言って、これは、愛情の搾取よ。
アリムさんは使いつぶされた馬車馬のような状態よ。」
真々美
「絵美、アリムが言うには、前世で【正性知識 2000】を学んだことがあるそうなんだ。」
絵美
「アリムさんの前世?
でも、いくらなんでも短期間過ぎるわ。
よほど優秀なひとに師事しない限り無理よ。」
スリーカー
「お取込み中のところに割って入りますが、早く決めてください。
どうされますか?」
オルア
「大脳も腹部も両方とも治してくれませんか?」
スリーカー
「お代が足りませんね。」
オルア
「なんでも、す」
冬香がオルアの口に手を当ててさえぎった。
冬香
「オルア、
なんでも
という言葉は使ってはダメよ。
どんな不幸な目に遭うか予測できないわ。」
絵美
「スリーカーさん、選んだ結果、どうなるか教えてくれますか?」
スリーカー
「大脳の損傷を修復した場合は、腹部からの流血により、死に至る可能性が有ります。
腹部の損傷を修復した場合は、大脳に障害が残るため、多大なダメージが残って今までのような生活はできないでしょう。
どちらかお選びください。」
オルア
「そんな、嫌よ。
アリムが死んだり、アリムに障害が残るなんて、どちらもダメ。」
スリーカー
「選ばないなら、御暇します。
他からも呼ばれていますからね。」
真々美
「スリーカーさん、もっともお薦めは何か教えてくれないか?」
スリーカー
「そうですねえ、大脳の治療を選ばれてはいかがですか?
腹部の治療をできる医者は探せばいるでしょうからね。
ただし、アリム様の大脳の損傷を治せるのは私だけですね。」
冬香
「腹部の治療なら、医療用AI のアインスに任せればいいわ。」
スリーカー
「それでも、時間的猶予はありませんよ。
女の人のクラスターが4人もいて、支払えないなんて情けないですね。」
絵美
「くっ。」
絵美 こころの声
『ここは、耐えるしかないか?』
絵美
「スリーカーさん、申し訳ないが本当に手持ちがないんだ。
わたしが依頼した治療で本日3回も来てもらって、図々しいかもしれないが、なんとか便宜を図って、最善策を提供してもらえないか?」
スリーカー
「それでしたら、ご提案します。
大脳の治療に重点を置きつつ、止血もしましょうか?
ただし、大脳の治療が完了しても、エネルギーの再充填を省く結果、意識が戻るまで1週間かかります。
そして、腹部については止血のみしますが、臓器の修復はしません。
この条件で良ければ、36ポイントで治療します。
いかがですか?」
冬香
「その条件でお願いします。」
スリーカー
「分かりました。
治療を開始します。
おや、あなたも医者ですね。
もしかして、黄花様ですか?」
冬香
「おうか?」
スリーカー
「いいえ、気のせいかもしれません。
医療は、2.5術です。
仁術《2術》と算術《3術》のどちらにも偏ってはいけない。
患者に同情してはいけない。
と、わたしに教えてくださった方です。」
絵美 36ポイント使用後、
性魔力 現在値 2/最大値 90
◇
10分経過
スリーカー
「お待たせしました。
かなり時間が掛かりましたが、私以外に治せる存在はいませんよ。」
冬香
「ぷっ。
ごめんなさい。
わたしの相棒アインスみたいなことを言うから、おかしくて。」
スリーカー
「大事にしてあげてくださいね。
それでは。」
スリーカーとの交信が終わった。
冬香
「オルア、しっかりしなさい。
アリムを、医療用AI のアインスのところに連れて行くわよ。
絵美様も是非お越しください。
お茶をご用意いたします。」
◇
冬香の医療室に着いた。
冬香
「アインス、起きて。
治療をお願いしたいの。」
医療用AI アインス
「・・・」
冬香
「どうしたの?
なぜ、黙っているの?」
医療用AI アインス
「・・・」
真々美
「電源が抜けているんじゃないか?」
冬香
「そんなことはないと思うけれど、再起動しましょうか?」
ピーッ。
医療用AI アインス
「システムが存在しません。
ディスクを交換しますか? <Yes / No>」
冬香
「こんな非常時に、ふざけないで。」
オルア
「ねえ、冬香、変だよ。
いつもなら、動作確認のランプが点灯しているよね。」
冬香
「まさか?」
冬香は手持ちのデバイスと接続した。
冬香
「うそ、すべてのデータが消されている。
いつの間に?
仕方ないわね。
バックアップから復元するしかないか。」
冬香はバックアップを取り出そうとした。
しかし・・・
冬香
「全部、盗まれている、そんな。
こうなったら、徒手で手術するしか、でも時間が掛かりすぎて、アリムが耐えられない。」
オルア
「冬香、わたしも手伝うから。」
冬香
「オルアとわたしが10人いても足りないわよ。」
オルア
「そんな、アリム・・・」
絵美
「ねえ、大事なバックアップが1つしかないなんてことは、ないわよね。
他のバックアップを出せばいいでしょ。」
冬香
「駄目、全部盗られている。
パスワードを知らないひとの手にわたっても悪用はされないけれど・・・」
冬香とオルアは、茫然としていた。
絵美
「真々美、なにか手は無いの?
バックアップは複数を離れた場所に置かないと安全性が足りないわよね。」
真々美
「そうだ。
冬香、オルア、思い出せ。
アリムに言われただろう。
敵に予想されないような場所に、バックアップを隠しておいた方が良いと。
わたしは、アリムの上着クローゼットに、バックアップコピーを隠した。
冬香は、どこに隠したんだ。」
冬香
「アリムの下着タンスの奥に、バックアップコピーを隠した。」
☆ 結果として、医療用AI Einsの予想は正解だった。
☆
☆ 真々美は、アリムの上着クローゼットに、バックアップコピーを隠した。
☆ 冬香は、アリムの下着タンスの奥に、バックアップコピーを隠した。
☆ オルアは、アリムの布団入れの下に、バックアップコピーを隠した。
☆
☆ このことが大きな助けになるのだった。
☆
☆ 056 11日目 医療用AIからの相談と交配届け前検査
冬香は、アリムの部屋に隠したバックアップを使って、医療用AI Einsを復活させた。
医療用AI Eins
「冬香様、いま、何月何日の何時何分ですか?」
冬香
「ああ、会いたかったわ、アインス。
2023年 8月13日のPM15:30 昼よ。」
医療用AI Eins
「わかりました。
GoGoGo社のドライブから、差分データをダウンロードします。
お待たせしました。
なにを致しましょうか?」
冬香
「アリムの内臓の損傷を完全に回復して。」
医療用AI Eins
「ひどい損傷ですね。
まるで、日本刀の刃を突き刺してできた傷ですね。
海賊を装った敵にやられたのですか?」
オルア
「そうなの、アリムさんを治して。」
医療用AI Eins
「お任せください。
オルア様。
1時間ほど、掛かります。」
冬香
「アインスは、いい子ね。
あなたは、高額を請求するような医者にならないでね。」
医療用AI Eins
「冬香様、なにかあったのですか?」
冬香は、スリーカーとの会話について話した。
医療用AI Eins
「そんなことがあったのですか?
大変でしたね。
ところで、アリム様の大脳の疲労について、どうされますか?」
冬香
「アインス、治せるの?」
医療用AI Eins
「もちろんです。
このリストにある物質を頂けますか?」
冬香
「どれどれ?
これらは高すぎるわ。
買えないわよ。
お金は確かに大事よね。
スリーカーさんは、適正費用を請求していたのね。」
医療用AI Eins
「時と場合によりますが、この場合は費用が問題ですね。
アリム様が自力で意識を取り戻すまで、7日間お待ちください。」
医療用AI Einsは、冬香との会話を記録することにした。
==========================
医療は、2.5術です。
仁術《2術》と算術《3術》のどちらにも偏ってはいけない。
患者に同情してはいけない。
==========================
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