36 / 40
第36話 犯人 ※ペトラ視点
しおりを挟む
フェリクス様が取り仕切るパーティーで事件が起きた。まだ王子様と親しくなっていないのに、仲良くなる機会が失われてしまった。
これじゃあ、私の考えた計画が上手くいかない。
なんで侵入を許したの。警備の人間は何をしていたの? どうして私の邪魔をするのよ。
大事なパーティーなのに、こんな事になってしまうなんて。パーティーの準備をしいるときは、あれほど自信満々だったフェリクス様。けれども、あっさり失敗した。私は失望した。やっぱり、私の相手は彼じゃなかったのね。所詮は、お姉様なんかの婚約相手だった男。この程度なのよね。
奪い取る価値も無かった。
このまま彼と一緒に居ると、私まで危なくなるかもしれない。今回のパーティーの失敗で、責任を追求されるだろう。巻き込まれたくない。さっさと離れるべき。
王子と親しくなる機会を失って、新しい婚約相手も頼りにならない。
私は、友人を頼ることにした。彼は貴族じゃないけれど、それなりに力があった。今は、とりあえず彼を頼る。貴族のパーティーを準備するのに雇われる職人の男。
「大変だったのよ、アントマー。フェリクス様のパーティーが大失敗して」
「やっぱり、失敗したのか」
「え? やっぱりって、どういうことよ?」
会って話をすると、そんな事を言いだした彼。今回の仕事から外されていたはず。フェリクス様が怒って、彼との契約を打ち切った。それなのに、何か知っているようだった。どうして。
「警備の情報や会場の内容を漏らしたのは俺だ。情報料を、たんまり貰ったぜ」
「貴方が……」
そんな事を告白したアントマー。今回の事件は、彼が原因だったらしい。仕事から外された腹いせに、情報を漏らしたと語る。私が依頼していた時に渡していた情報。それを、他の誰かに売った。
「しかし、あんな古い情報が役立つなんてな。普通、警備の内容は見直すだろう? それなのに、そのまま使えるなんてな。フェリクスって野郎は馬鹿だぜ。その手間をサボりやがって、失敗するなんて。俺を仕事から外した罰だな。アッハッハ!」
「……」
嬉しそうに語り続けるアントマー。彼と一緒に居ると、私も危ないかもしれない。ここから早く離れたほうが良さそう。悪い流れを感じた、その瞬間。
「我々は王国騎士団だ! 大人しくしろ!」
「なんだと!? くそっ! お前が連れてきたのか!?」
「ち、ちがう! 私じゃないわ!」
突然、王国騎士団がアントマーの拠点に乗り込んできた。どうして私が疑われているの。私は関係ない。早く逃げないと。
「その女も捕縛しろ。逃がすなよ!」
「私は違うわッ! スターム侯爵家の娘で、ハルトマイヤー公爵家の次期当主であるフェリクス様の婚約者よ!」
「なぜ、そんな女がここに?」
「は、離して頂戴!」
「とりあえず、一緒に連れて行け。ちゃんと調べてみないと分からない」
「そ、そんな……」
私も捕まった。頼りになるかと思ったら、最悪の選択だった。名乗ってみても無駄だった。王国騎士団は離してくれない。拘束されて連れて行かれてしまう。
どうして、こんな事になってしまったの。
これじゃあ、私の考えた計画が上手くいかない。
なんで侵入を許したの。警備の人間は何をしていたの? どうして私の邪魔をするのよ。
大事なパーティーなのに、こんな事になってしまうなんて。パーティーの準備をしいるときは、あれほど自信満々だったフェリクス様。けれども、あっさり失敗した。私は失望した。やっぱり、私の相手は彼じゃなかったのね。所詮は、お姉様なんかの婚約相手だった男。この程度なのよね。
奪い取る価値も無かった。
このまま彼と一緒に居ると、私まで危なくなるかもしれない。今回のパーティーの失敗で、責任を追求されるだろう。巻き込まれたくない。さっさと離れるべき。
王子と親しくなる機会を失って、新しい婚約相手も頼りにならない。
私は、友人を頼ることにした。彼は貴族じゃないけれど、それなりに力があった。今は、とりあえず彼を頼る。貴族のパーティーを準備するのに雇われる職人の男。
「大変だったのよ、アントマー。フェリクス様のパーティーが大失敗して」
「やっぱり、失敗したのか」
「え? やっぱりって、どういうことよ?」
会って話をすると、そんな事を言いだした彼。今回の仕事から外されていたはず。フェリクス様が怒って、彼との契約を打ち切った。それなのに、何か知っているようだった。どうして。
「警備の情報や会場の内容を漏らしたのは俺だ。情報料を、たんまり貰ったぜ」
「貴方が……」
そんな事を告白したアントマー。今回の事件は、彼が原因だったらしい。仕事から外された腹いせに、情報を漏らしたと語る。私が依頼していた時に渡していた情報。それを、他の誰かに売った。
「しかし、あんな古い情報が役立つなんてな。普通、警備の内容は見直すだろう? それなのに、そのまま使えるなんてな。フェリクスって野郎は馬鹿だぜ。その手間をサボりやがって、失敗するなんて。俺を仕事から外した罰だな。アッハッハ!」
「……」
嬉しそうに語り続けるアントマー。彼と一緒に居ると、私も危ないかもしれない。ここから早く離れたほうが良さそう。悪い流れを感じた、その瞬間。
「我々は王国騎士団だ! 大人しくしろ!」
「なんだと!? くそっ! お前が連れてきたのか!?」
「ち、ちがう! 私じゃないわ!」
突然、王国騎士団がアントマーの拠点に乗り込んできた。どうして私が疑われているの。私は関係ない。早く逃げないと。
「その女も捕縛しろ。逃がすなよ!」
「私は違うわッ! スターム侯爵家の娘で、ハルトマイヤー公爵家の次期当主であるフェリクス様の婚約者よ!」
「なぜ、そんな女がここに?」
「は、離して頂戴!」
「とりあえず、一緒に連れて行け。ちゃんと調べてみないと分からない」
「そ、そんな……」
私も捕まった。頼りになるかと思ったら、最悪の選択だった。名乗ってみても無駄だった。王国騎士団は離してくれない。拘束されて連れて行かれてしまう。
どうして、こんな事になってしまったの。
117
あなたにおすすめの小説
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
妹と再婚約?殿下ありがとうございます!
八つ刻
恋愛
第一王子と侯爵令嬢は婚約を白紙撤回することにした。
第一王子が侯爵令嬢の妹と真実の愛を見つけてしまったからだ。
「彼女のことは私に任せろ」
殿下!言質は取りましたからね!妹を宜しくお願いします!
令嬢は妹を王子に丸投げし、自分は家族と平穏な幸せを手に入れる。
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った
ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。
昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。
しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。
両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。
「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」
父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
心から信頼していた婚約者と幼馴染の親友に裏切られて失望する〜令嬢はあの世に旅立ち王太子殿下は罪の意識に悩まされる
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢アイラ・ミローレンス・ファンタナルは虚弱な体質で幼い頃から体調を崩しやすく常に病室のベットの上にいる生活だった。
学園に入学してもアイラ令嬢の体は病気がちで異性とも深く付き合うことはなく寂しい思いで日々を過ごす。
そんな時、王太子ガブリエル・アレクフィナール・ワークス殿下と運命的な出会いをして一目惚れして恋に落ちる。
しかし自分の体のことを気にして後ろめたさを感じているアイラ令嬢は告白できずにいた。
出会ってから数ヶ月後、二人は付き合うことになったが、信頼していたガブリエル殿下と親友の裏切りを知って絶望する――
その後アイラ令嬢は命の炎が燃え尽きる。
従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです
hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。
ルイーズは伯爵家。
「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」
と言われてしまう。
その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。
そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる