帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~

キョウキョウ

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ゲーム制作

第34話 実況プレイと大きな反響

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 ハヤトたちの配信は続き、視聴者は画面に表示されているゲームに興味津々だった。コメント欄には次々と質問や感想が流れていき、その勢いは通常の配信時よりも明らかに速かった。

 画面上では、暗い洞窟のようなダンジョンの中を、ハヤトのキャラクターが松明の揺らめく光の中を慎重に進んでいく。突然、影から魔物が現れた。

「おっと。敵が来た」

 彼が画面上のキャラクターを操作して、敵と戦闘を開始。剣を振るい、敵の攻撃を避け、カウンター攻撃を決める一連の動きは、実際の戦いのように流麗だった。

「このタイミングで回避して、そして反撃!」

 動きを実況しながら、彼の指先は正確にコントローラーを操作している。画面上のキャラクターは彼の意図通りに動き、魔物を見事に倒した。

-すげえ! うまい!
-さすが勇者www
-これリアルタイムのアクションバトル? コマンドじゃないんだね

 勝利するとコメント欄も大いに盛り上がった。ゲームの戦闘システムについての質問も多く寄せられている。その質問に莉々が丁寧に説明する。

 ハヤトの冒険をより臨場感を持って体験してもらえるように、アクション要素を重視したこと。難易度は調整できようにして、アクションが苦手な方でも楽しめるようにしたいと考えていること。

 一方、ハヤトはどんどんゲームに没頭していった。敵の動きを見極め、攻撃のタイミングを計り、回避とカウンターを繰り返す。彼の表情は真剣そのもので、まるで実際の戦闘を繰り広げているかのようだった。

 モーションキャプチャーのシステムが捉えた彼の真剣な表情は、アバターにも忠実に反映されている。

 黙々と集中して戦い、より強力な魔物も難なく倒していく。ゲームの世界だけど、負けたくない。

 しばらくして、ハヤトは突然我に返ったように顔を上げた。

「おっと、ごめん。戦いに集中してた」
「大丈夫ですよ。視聴者の方々も楽しんでくれていると思います」

 莉々が優しく笑いながら答える。一瞬、配信のことも忘れて集中していた様子を見た視聴者から、コメントが次々と書き込まれる。幸い、好意的な反応で溢れていた。

-没入感がすごい。このゲームやりたい!
-こんな感じで戦うのね。他にも戦い方がありそう
-戦っているだけで、面白そうなのがすごい
-ハヤトさん、マジでゲームうまいな

「それにしても、本当によく作り込まれているな」

 ハヤトがゲームの画面を見つめながら感心した様子で言った。何度見ても、その完成度の高さに驚くハヤト。本当に、細かい部分まで丁寧に作られている。

「いろいろな人に手伝ってもらったので」

 莉々は少し照れた様子で答えた。彼女の表情には、努力が認められた喜びと、まだ言い尽くせない苦労があったことが窺える。

 ゲーム制作の経緯などを話しながら、ハヤトのプレイも続いていく。視聴者たちは興味深く、話を聞きながらコメントを書き込み続けた。



「ということで、このゲームの体験版を今日から公開します。私たちが所属しているプロダクションIVEの公式サイトからダウンロードできますので、ぜひプレイしてみてください」

-もう体験版?
-まさかプレイできるなんて
-今すぐダウンロードする!
-いつ発売予定ですか?
-価格はいくらですか?

「まだ制作している途中なので、完全版の公開日は未定です。ただ、価格は0円です。フリーゲームとして配布しようと考えています」

 その言葉が発せられた瞬間、コメント欄が再び沸き立った。

-え?
-え?
-え?
-フリー?
-無料、ってこと?
-うそだ
-まじで無料なの!?
-このクオリティでフリーは罪だよ!
-早速ダウンロードする!
-ありがとう!!!

 異世界での記憶を多くの人と共有したいという願いを叶えるため、フリーソフトという形式で公開することを決めた。

「また、今後も制作途中の様子を配信で紹介したり、他の仲間たちがゲームをプレイする様子も実況配信する予定です」

 ハヤトが付け加えた。

「皆さんのご意見やフィードバックもぜひお寄せください」
「はい、そうですね。意見をもらえると嬉しいです。今後の参考にさせていただきます」
「さて、そろそろ時間だな」

 ハヤトは時計を確認してから言った。

「今日は初めてのゲーム実況に挑戦してみたけれど、いかがでしたか?」

-面白かった
-斬新だった
-良かった
-毎回こういう配信してほしい
-次回も絶対見る
-冒険の続きが気になる!

 コメント欄は温かい反応で溢れていた。

「皆さんの反応、嬉しかったです」

 莉々は心からの笑顔で答えた。その表情には、単なる配信者としてではなく、自分の作品が認められた創作者としての喜びが溢れていた。

「それでは、次回の配信もお楽しみに」
「また会いましょう!」

 二人が揃って手を振り、今日の配信も無事に終了した。アバターの姿が消えると同時に、スタジオ内の緊張感も徐々に解けていく。



 配信が終わってすぐ、城介がスタジオエリアにやって来た。彼は珍しく興奮した様子で、タブレットを手に持ってきた。

「城介、どうした?」
「ハヤト、莉々。凄い反響だ。SNSを見てくれ」
「ん?」

 言われた通り確認してみると、莉々のゲームがSNS上でトレンド一位になっていた。

「あと、このサイトも」

 そう言って、アクセスした大手ゲームニュースサイトには記事が掲載されていた。

『IVE所属のVtuberグループが高品質フリーゲームを電撃公開!』
『大ヒットの予感! 注目のフリーゲーム制作発表』
『プロ顔負けのクオリティ! Vtuberが贈る注目のフリーゲーム』

 城介はタブレットをスクロールしながら、さらに情報を共有する。

「これは……凄いですね」

 制作を発表しただけで、こんなに注目を集めるなんて。その事実に、莉々は驚いて呆然としていた。完全に予想外の反響だった。
 
「莉々の持つ凄い才能が認められた結果だね」

 ハヤトは優しく言った。

「そして、俺たちの物語も、より多くの人に届くことになる」
「ハヤト」

 その言葉を聞いて、ようやく嬉しいという表情になる莉々。目標に向かって一歩進んだことの喜びと、それを分かち合える仲間がいることの幸せ。

 こうして、ハヤトたちの新たな挑戦は予想外の大きな反響を呼び、彼らの活動は新しい段階へと進んでいく。
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