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第3話 損得と判断
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「この資料に書かれているクリスティーナの浪費は、事実だ。こんなに無駄遣いする癖を持つような女など、王妃の座はふさわしくない! 皆も、理解しただろう!」
アーヴァイン王子が記念パーティーの参加者である貴族達に呼びかける。だけど、皆は困惑したり、唖然とした表情をしていた。誰一人として、アーヴァイン様の言葉に賛同する人は居ないようだ。それよりも、よく分からないという人が多いのか。
彼の語る内容が、見当違いもはなはだしいから。それなのに、アーヴァイン王子は周囲の者達の様子など少しも気にせず、話を続けた。
「それで私は、新たなパートナーになってくれる素晴らしい女性を見つけた。彼女の名はエステル。ワイルデン子爵家の令嬢である」
「はじめまして。よろしくおねがいします、皆様」
当然というような顔をして、挨拶をするワイルデン子爵家の令嬢。そして彼女も、周りの様子など気にしていない。まるで、自分が主役だというような振る舞い。
劇場の完成を祝う記念パーティー。そんな場所でアーヴァイン王子は、エステルという女性が新たな婚約相手だと皆に紹介した。私も今、初めて聞いたこと。これが、
彼の目的だった。
最初から、そのつもりだったのだろう。私の都合なんて全て無視して、自分勝手に振る舞うアーヴァイン王子。本当に、なんてことをしてくれたのかしら。
「エステルは、私の考えをよく理解してくれた。クリスティーナがやるような無駄を削って、王国民の負担を減らしていく。その考えを、素晴らしいと言ってくれた!」
「はい。アーヴァイン様は、民のことを第一に考える立派な王になれるでしょう」
「この通り。私の考えに賛同してくれる彼女と協力していける。ロアリルダ王国を、より良くしてくいくためには必要な人材なのだッ!」
ああやって、アーヴァイン王子に取り入ったのね。無批判に賛成する彼女を見て、そんな女性に付け込まれた彼のことを残念に思った。
王子から婚約を破棄したいと言うのであれば、受け入れよう。あんな愚かな方針を貴族達の前で恥ずかしげもなく堂々と述べる彼と一緒になっても損するだけ。
今まで、未来の王妃という立場だった私。その立場を十分に利用させてもらった。この先、王妃になったとしても利益は少ないか。むしろ、面倒なことが多そうだ。
色々と文句を言いたかったけれど、面倒なので何も言わずに婚約破棄を受け入れることにした。
「わかりました。婚約破棄、謹んでお受けいたします」
「ふん」
答えると、面白くなさそうな表情を浮かべるアーヴァイン王子。私の顔を一度だけ見て、それ以上は何も言わずに新たな婚約相手と一緒に帰っていった。
王子達に邪魔されてしまった記念パーティーは、そのまま解散となってしまった。参加してくれた貴族の方々には後で、お詫びの品を送らないとダメそうね。
それから、なるべく早く婚約関係の手続きを処理してしまわないといけないわね。これ以上、面倒なことに巻き込まれる前に。
アーヴァイン王子が記念パーティーの参加者である貴族達に呼びかける。だけど、皆は困惑したり、唖然とした表情をしていた。誰一人として、アーヴァイン様の言葉に賛同する人は居ないようだ。それよりも、よく分からないという人が多いのか。
彼の語る内容が、見当違いもはなはだしいから。それなのに、アーヴァイン王子は周囲の者達の様子など少しも気にせず、話を続けた。
「それで私は、新たなパートナーになってくれる素晴らしい女性を見つけた。彼女の名はエステル。ワイルデン子爵家の令嬢である」
「はじめまして。よろしくおねがいします、皆様」
当然というような顔をして、挨拶をするワイルデン子爵家の令嬢。そして彼女も、周りの様子など気にしていない。まるで、自分が主役だというような振る舞い。
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彼の目的だった。
最初から、そのつもりだったのだろう。私の都合なんて全て無視して、自分勝手に振る舞うアーヴァイン王子。本当に、なんてことをしてくれたのかしら。
「エステルは、私の考えをよく理解してくれた。クリスティーナがやるような無駄を削って、王国民の負担を減らしていく。その考えを、素晴らしいと言ってくれた!」
「はい。アーヴァイン様は、民のことを第一に考える立派な王になれるでしょう」
「この通り。私の考えに賛同してくれる彼女と協力していける。ロアリルダ王国を、より良くしてくいくためには必要な人材なのだッ!」
ああやって、アーヴァイン王子に取り入ったのね。無批判に賛成する彼女を見て、そんな女性に付け込まれた彼のことを残念に思った。
王子から婚約を破棄したいと言うのであれば、受け入れよう。あんな愚かな方針を貴族達の前で恥ずかしげもなく堂々と述べる彼と一緒になっても損するだけ。
今まで、未来の王妃という立場だった私。その立場を十分に利用させてもらった。この先、王妃になったとしても利益は少ないか。むしろ、面倒なことが多そうだ。
色々と文句を言いたかったけれど、面倒なので何も言わずに婚約破棄を受け入れることにした。
「わかりました。婚約破棄、謹んでお受けいたします」
「ふん」
答えると、面白くなさそうな表情を浮かべるアーヴァイン王子。私の顔を一度だけ見て、それ以上は何も言わずに新たな婚約相手と一緒に帰っていった。
王子達に邪魔されてしまった記念パーティーは、そのまま解散となってしまった。参加してくれた貴族の方々には後で、お詫びの品を送らないとダメそうね。
それから、なるべく早く婚約関係の手続きを処理してしまわないといけないわね。これ以上、面倒なことに巻き込まれる前に。
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