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第5章 家族旅行編
第37話 朝風呂と朝食
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目を開くと、いつもと違う天井の景色が見えて驚いた。あれ、ここは何処だろうと考えてから、すぐに思い出す。
「そっか、旅館だった」
皆で温泉に入った後、すぐに寝たんだっけ。布団を剥いで体を起こす。ぐっすりと眠れた。疲れも取れているし、体調もかなり良い。これは温泉効果かな。立ち上がると、カーテンをめくって窓の外を見た。
まだ夜が明ける前のようだけど、空は徐々に明るくなってきている。これは朝焼けが見えるかもしれないなぁ、と思ってカーテンを全開にした。すると、ちょうど山の影から太陽が出てくる瞬間で、空一面がオレンジ色に染まっている。
「わぁ。綺麗だなぁ」
無意識に口から、感想の言葉が出るくらいに感動した。川の音や鳥のさえずりなど心地よい。しばらく朝の景色を眺めてから、部屋を出た。とても静かな大部屋には、僕以外に誰もいない。他の皆は、まだ眠っているようだ。
いつも皆の朝食を準備する習慣で、今日も目が覚めた。時刻は6時過ぎ。朝食まで時間がある。
そうだ。ちょうどいいから、朝風呂に入ろうか。そう思い立って、僕は一旦部屋に戻ってから着替えを持って温泉に向かった。部屋に温泉が引いてあるのは、やっぱり楽だ。さっと行って、さっと入ることが出来る。
そんな事を考えながら、脱衣所の扉を開ける。もちろん、誰もいない。それなら、今回は湯浴み着は必要ないな。腰にタオルも巻かずに全裸で浴室に入る。朝の空気はひんやりとしていて、少し肌寒い。かけ湯をしてから、急いで温泉に浸かった。
ああー、……極楽極楽。朝っぱらから温泉に入れるなんて幸せだな。昨日も思ったけれど、この温泉って凄く良いお湯だよねぇ。かなりの広さもある。一度に何十人も入れそうなぐらい。
昨晩は、他の皆も一緒に入っていたけれど、今朝は1人だった。だから、より一層大きく感じていた。こんなに広い温泉を独り占め出来るなんて、本当に贅沢だよね。
ここ最近で、一番リラックスしている気がする。昨日、皆と一緒に入った風呂とはまた違った趣きがあって楽しいなぁ。
来てよかったな。お湯を十分に堪能してから、満足して浴場から出てくる。さあ、そろそろ朝食の時間になる。お腹も減ってきていた。他の皆は、起きているかな。
「おはよう、ゆうくん。温泉に入ってたの?」
「香織さん、おはよう。うん、入ってた」
部屋に戻ってくると香織さんが起きていて、朝の挨拶をしてくれた。そして、僕の頭を見て、温泉に入った事を察したみたい。どうなのか聞かれて、そうだと答えた。
「おはよう」
「ふぁぁぁぁ……」
「ねむいわ……」
「……うん」
「ほら、皆。ちゃんと起きて、朝ご飯を食べたら帰るからね」
それから数分後に、みんな起きてきて朝の挨拶を交わした。今日は朝食を食べたら帰る予定なので、香織さんが各自荷物をまとめておくようにと言っていた。忘れ物があったら困るしね。
眠そうにしながら返事をする寝起きの姉妹たち。そんな彼女たちの様子を見ながら苦笑する香織さん。
「おはようございます。朝食をお持ちしました」
そのタイミングで、仲居さんと数名のスタッフたちが部屋に食事を運んできてくれた。テーブルの上に次々と並べられていく料理の数々。朝から、とても美味しそう。視覚と匂いで、食欲が刺激される。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
全員分の食事を瞬時に並べ終わると、仲居さんたちが早々と退室していった。
「わぁ! おいしそう!」
「本当ですね」
「食べよっか!」
食事を目の前にして、しっかり目覚めた様子の姉妹。早速、手を合わせてから箸を持ち、料理を口に運んでいく。そして、目を輝かせて感想を言い合っていた。
「美味しい」
「これも、美味しいよ」
「魚も、ちゃんと食べなさい」
「えぇ……。わかったよ」
食欲旺盛な彼女たちの様子を見て微笑ましく思いながら、僕も料理に手を付ける。うん。どれもこれも絶品だな。特に、焼き魚が最高だった。皮がパリッとしていて、身がふんわりとしている。白米が進む進む。
ついつい、いつもより早いペースで食べ進めてしまった。そんな食事の最中には、皆と楽しく会話する。
「優は、朝から温泉に入ってたのか?」
「うん。朝風呂に入ったよ」
そう聞いてきたのは、春姉さん。僕はそうだと、頷いた。
「朝風呂か、そりゃいいな」
「1人で入ったの?」
「そうだよ。皆、まだ寝てたからね」
ウンウンと頷く春姉さん。次に、紗綾姉さんが質問してきたので答える。
「起こしてくれたら、一緒に入ったのに」
「いや、それは悪いよ」
「えぇー? 今日も優の背中を流したかったのにぃ」
「私も」
「そうそう」
今朝も紗綾姉さんは、僕と一緒に温泉に入りたかったようだ。そして沙希姉さんは僕の背中を流したかったと語る。紗綾姉さんと春姉さんも激しく頷き同意していた。そんなに、僕の背中を流したかったのか。
「もしかして、湯浴み着は着なかった?」
「うん。1人だったから、大丈夫かなって」
「そ、そっか。全裸で……」
疑問に思ったのは、沙希姉さん。そうだと答えると、ポツリと小声を漏らす。
「あんまり、男の子が破廉恥な姿をするのは良くないと思うのだけど」
「そうよ。あまり、そういうのは関心しないわね」
紗綾姉さんと香織さんに注意される。
「でも、今朝は1人だったから。大丈夫かなって」
「まあまあ、いいじゃないか。何も気にせず温泉に入りたかったんだろう? 気持ちよかったか?」
「うん。とても良かったよ」
春姉さんがフォローしてくれる。でも、やっぱり次から気をつけたほうが良いか。1人でも、湯浴み着は着たほうが良いのかもしれない。
そんな会話をしながら、朝食の時間を楽しんだ。温泉に入るときの格好については少しだけ注意されたりしながら、楽しくお話した。
「そっか、旅館だった」
皆で温泉に入った後、すぐに寝たんだっけ。布団を剥いで体を起こす。ぐっすりと眠れた。疲れも取れているし、体調もかなり良い。これは温泉効果かな。立ち上がると、カーテンをめくって窓の外を見た。
まだ夜が明ける前のようだけど、空は徐々に明るくなってきている。これは朝焼けが見えるかもしれないなぁ、と思ってカーテンを全開にした。すると、ちょうど山の影から太陽が出てくる瞬間で、空一面がオレンジ色に染まっている。
「わぁ。綺麗だなぁ」
無意識に口から、感想の言葉が出るくらいに感動した。川の音や鳥のさえずりなど心地よい。しばらく朝の景色を眺めてから、部屋を出た。とても静かな大部屋には、僕以外に誰もいない。他の皆は、まだ眠っているようだ。
いつも皆の朝食を準備する習慣で、今日も目が覚めた。時刻は6時過ぎ。朝食まで時間がある。
そうだ。ちょうどいいから、朝風呂に入ろうか。そう思い立って、僕は一旦部屋に戻ってから着替えを持って温泉に向かった。部屋に温泉が引いてあるのは、やっぱり楽だ。さっと行って、さっと入ることが出来る。
そんな事を考えながら、脱衣所の扉を開ける。もちろん、誰もいない。それなら、今回は湯浴み着は必要ないな。腰にタオルも巻かずに全裸で浴室に入る。朝の空気はひんやりとしていて、少し肌寒い。かけ湯をしてから、急いで温泉に浸かった。
ああー、……極楽極楽。朝っぱらから温泉に入れるなんて幸せだな。昨日も思ったけれど、この温泉って凄く良いお湯だよねぇ。かなりの広さもある。一度に何十人も入れそうなぐらい。
昨晩は、他の皆も一緒に入っていたけれど、今朝は1人だった。だから、より一層大きく感じていた。こんなに広い温泉を独り占め出来るなんて、本当に贅沢だよね。
ここ最近で、一番リラックスしている気がする。昨日、皆と一緒に入った風呂とはまた違った趣きがあって楽しいなぁ。
来てよかったな。お湯を十分に堪能してから、満足して浴場から出てくる。さあ、そろそろ朝食の時間になる。お腹も減ってきていた。他の皆は、起きているかな。
「おはよう、ゆうくん。温泉に入ってたの?」
「香織さん、おはよう。うん、入ってた」
部屋に戻ってくると香織さんが起きていて、朝の挨拶をしてくれた。そして、僕の頭を見て、温泉に入った事を察したみたい。どうなのか聞かれて、そうだと答えた。
「おはよう」
「ふぁぁぁぁ……」
「ねむいわ……」
「……うん」
「ほら、皆。ちゃんと起きて、朝ご飯を食べたら帰るからね」
それから数分後に、みんな起きてきて朝の挨拶を交わした。今日は朝食を食べたら帰る予定なので、香織さんが各自荷物をまとめておくようにと言っていた。忘れ物があったら困るしね。
眠そうにしながら返事をする寝起きの姉妹たち。そんな彼女たちの様子を見ながら苦笑する香織さん。
「おはようございます。朝食をお持ちしました」
そのタイミングで、仲居さんと数名のスタッフたちが部屋に食事を運んできてくれた。テーブルの上に次々と並べられていく料理の数々。朝から、とても美味しそう。視覚と匂いで、食欲が刺激される。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
全員分の食事を瞬時に並べ終わると、仲居さんたちが早々と退室していった。
「わぁ! おいしそう!」
「本当ですね」
「食べよっか!」
食事を目の前にして、しっかり目覚めた様子の姉妹。早速、手を合わせてから箸を持ち、料理を口に運んでいく。そして、目を輝かせて感想を言い合っていた。
「美味しい」
「これも、美味しいよ」
「魚も、ちゃんと食べなさい」
「えぇ……。わかったよ」
食欲旺盛な彼女たちの様子を見て微笑ましく思いながら、僕も料理に手を付ける。うん。どれもこれも絶品だな。特に、焼き魚が最高だった。皮がパリッとしていて、身がふんわりとしている。白米が進む進む。
ついつい、いつもより早いペースで食べ進めてしまった。そんな食事の最中には、皆と楽しく会話する。
「優は、朝から温泉に入ってたのか?」
「うん。朝風呂に入ったよ」
そう聞いてきたのは、春姉さん。僕はそうだと、頷いた。
「朝風呂か、そりゃいいな」
「1人で入ったの?」
「そうだよ。皆、まだ寝てたからね」
ウンウンと頷く春姉さん。次に、紗綾姉さんが質問してきたので答える。
「起こしてくれたら、一緒に入ったのに」
「いや、それは悪いよ」
「えぇー? 今日も優の背中を流したかったのにぃ」
「私も」
「そうそう」
今朝も紗綾姉さんは、僕と一緒に温泉に入りたかったようだ。そして沙希姉さんは僕の背中を流したかったと語る。紗綾姉さんと春姉さんも激しく頷き同意していた。そんなに、僕の背中を流したかったのか。
「もしかして、湯浴み着は着なかった?」
「うん。1人だったから、大丈夫かなって」
「そ、そっか。全裸で……」
疑問に思ったのは、沙希姉さん。そうだと答えると、ポツリと小声を漏らす。
「あんまり、男の子が破廉恥な姿をするのは良くないと思うのだけど」
「そうよ。あまり、そういうのは関心しないわね」
紗綾姉さんと香織さんに注意される。
「でも、今朝は1人だったから。大丈夫かなって」
「まあまあ、いいじゃないか。何も気にせず温泉に入りたかったんだろう? 気持ちよかったか?」
「うん。とても良かったよ」
春姉さんがフォローしてくれる。でも、やっぱり次から気をつけたほうが良いか。1人でも、湯浴み着は着たほうが良いのかもしれない。
そんな会話をしながら、朝食の時間を楽しんだ。温泉に入るときの格好については少しだけ注意されたりしながら、楽しくお話した。
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