真実の愛とやらの結末を見せてほしい~婚約破棄された私は、愚か者たちの行く末を観察する~

キョウキョウ

文字の大きさ
14 / 33

第14話 遠くから観察する

しおりを挟む
 帝国領に移り住んだ私は、早く馴染めるように帝国の文化や歴史など勉強するのに時間を費やしていた。帝国で雇った先生に習いながら、少しずつ覚えていく。

 その合間に、ギオマスラヴ王子とリザベット男爵令嬢の仲睦まじい様子についての調査結果を確認していた。

「なるほどねぇ」

 受け取った書類を、ペラペラとめくって読む。イステリッジ公爵家が離脱した後の王国の反応や動き、状況について調査するという名目で、重要人物である王子と婚約相手の情報を集めてもらっていた。

 その報告書が、私の手元に届いていた。真実の愛が存在すると言っていた彼らが、どのような状況にあるのか非常に興味がある。

 報告書を読み進める。ふむふむ、なるほど。

 ギオマスラヴ王子は王位を受け継ぐ準備を進めていて、国王としての振る舞い方を学ぶための再教育を受けているらしい。学園も休んで、自分の勉強に明け暮れているようだ。

 以前は、学園生活の方が大事だと言って、国王としての勉強を疎かにしていた彼が真剣に取り組んでいる。これが、真実の愛というものの影響なのかしらね。

 私と彼との間には、愛情なんて存在していなかった。親が決めた相手。真実の愛なんて、当然存在しない。だから、その頃は王になるための勉強も真剣に取り組めなかったのかも。

 もしかしたら、これは意外と上手くいくかもしれないわね。

 でも普通は、王子のやる気や気持ちなんて関係ない。王になるために生まれたからには、その役割を全うするために必要なことをやるだけ。王として、国を導いていかないといけない。

 まあでも、彼が変わったのは間違いないみたいだし、どれだけ続くのか楽しみではある。どこまで、真実の愛というものの効果が続くのか。それで、立派な王になるれるのかどうか。

 最後まで貫けたら、本当に凄いと思うけどね。



 そして、新たな婚約相手であるリザベット・ルシヨンヌ男爵令嬢について。彼女については詳しく知らなかったので、来歴から調べてもらった。

 とあるパーティーで王子と出会って、猛烈にアプローチしたそうだ。王子も彼女のことを気に入って、真実の愛を育む相手に男爵令嬢が選ばれた。

 よく男爵令嬢が、王子を相手にアプローチしたものだ。その時は、婚約相手だった私も居たというのに。貴族社会というものを理解していないのか、それとも何か勝算があったのか。失敗したら大きなリスクがあるのに。度胸が凄い。

 何も考えていなくて、無謀なだけかも。

 ルシヨンヌ男爵家も娘の蛮行を止めなかったのか。それとも、知らなかったのか。もしかしたら、実家から指示された可能性もある。公爵家を敵に回すリスクよりも、王家との繋がりを得る方がメリットが大きいと判断したのかもしれない。

 実際に、王家との繋がりを得ることには成功している。その影響で、王家とイステリッジ公爵家の関係が終わったのは予想外だったんじゃないかしら。それとも、その後釜を狙ってとか。それは、私の考えすぎかしら。

 とにかく、リザベット男爵令嬢はギオマスラヴ王子と婚約するに至った。

 その後、男爵令嬢は王子にねだって貢がせていると、社交界で噂になっているみたい。未来の王妃になれると舞い上がって、高価なドレスや宝石を手に入れているらしい。

 ちょっと、浮かれるのが早すぎるんじゃないかしら。まだ、結婚すらしていないのよ? いくら何でも、気が早いと思うんだけど。私は、リザベット男爵令嬢の軽率な行動に呆れてしまう。貢ぐ王子もダメだけど。

 2人の現在の状況については、こんな感じかしら。引き続き、2人の動向を調査してもらいましょう。そして、真実の愛がどうなるのか、この目で結末を見届けたい。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたので、愛のない契約結婚を選んだはずでした

鍛高譚
恋愛
王太子の婚約者だった伯爵令嬢・カーテンリンゼ。 しかし、王太子エドワルドは突然の婚約破棄を言い渡し、彼女を冷たく突き放す。 ――だが、それは彼女にとってむしろ好都合だった。 「婚約破棄? 結構なことですわ。むしろ自由を満喫できますわね!」 ところが、婚約破棄された途端、カーテンリンゼは別の求婚者たちに目をつけられてしまう。 身分を利用されるだけの結婚などごめんだと思っていた彼女の前に現れたのは、冷徹と噂される若き公爵・レオポルド。 「契約結婚だ。君の自由は保証しよう」 「まあ、それは理想的ですわね」 互いに“愛のない”結婚を選んだ二人だったが、次第に相手の本当の姿を知り、想いが変わっていく――。 一方、王太子エドワルドは、自分が捨てたはずのカーテンリンゼを取り戻そうと動き出し……!?

父母に見捨てられ、妹に婚約者を奪われ、妹の奸計で魔竜の生贄にされた王太女だが、皇太子に溺愛される。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 父母に見捨てられ妹ミアに婚約者を奪われたばかりか、女王の座を狙うミアの奸計で魔竜の生贄として魔境に追いやられた王太女イザベラだったが、偶然魔竜を斃しに来ていた金色の聖騎士に助けられた。だが金色の騎士はただの騎士ではなく、大陸一の強国ウィロウビー皇国の皇太子だった。

『婚約破棄された令嬢ですが、気づけば王国の基準になっていました』

ふわふわ
恋愛
公開の場で婚約破棄された伯爵令嬢セレスティア。 感情に溺れることなく彼女が選んだのは、王都を去ることでも復讐でもなく――王国の財政を立て直すという、最も冷静で最も残酷な道だった。 港湾優遇策による揺さぶり、商会の流出圧力、貴族の反発、制度への不信、そして他国との経済圏構想。 次々と襲いかかる試練の中で、彼女が守り続けたのはただ一つ――「揺らがぬ基準」。 短期の利益ではなく、持続する構造。 称賛ではなく、透明性。 権力ではなく、制度。 やがて王国は、規模ではなく“基準”で選ばれる国へと変わっていく。 そして気づけば、かつて婚約を破棄した者たちは、彼女の築いた秩序の上で判断を仰ぐ立場になっていた。 これは、感情でざまあする物語ではない。 静かに、確実に、世界の重心を塗り替えていく令嬢の逆転譚。 揺れながらも崩れない王国と、選び続ける一人の令嬢の物語。

なんでも私のせいにする姉に婚約者を奪われました。分かり合えることはなさそうなので、姉妹の関係を終わらせようと思います。

冬吹せいら
恋愛
侯爵家令嬢のミゼス・ワグナーは、何かあるとすぐに妹のリズのせいにして八つ当たりをした。 ある日ミゼスは、リズの態度に腹を立て、婚約者を奪おうとする。 リズはこれまで黙って耐えていた分、全てやり返すことにした……。

婚約破棄を求められました。私は嬉しいですが、貴方はそれでいいのですね?

ゆるり
恋愛
アリシエラは聖女であり、婚約者と結婚して王太子妃になる筈だった。しかし、ある少女の登場により、未来が狂いだす。婚約破棄を求める彼にアリシエラは答えた。「はい、喜んで」と。

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

「君の話はつまらない」と言われて婚約を破棄されましたが、本当につまらないのはあなたの方ですよ。

冬吹せいら
恋愛
「君の話はつまらない」  公爵令息のハメッド・リベルトンに婚約破棄をされた伯爵令嬢、リゼッタ・アリスベル。  リゼッタは聡明な美少女だ。  しかし、ハメッドはそんなリゼッタと婚約を破棄し、子爵令嬢のアイナ・ゴールドハンと婚約を結び直す。  その一方、リゼッタに好意を寄せていた侯爵家の令息が、彼女の家を訪れて……?

許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。 それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。 ※全3話。

処理中です...