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第15話 イライラする ※ギオマスラヴ王子視点
父上に命じられて、俺は王位を継ぐための教育を受けていた。なかなか大変だが、集中して学んでいる。学園も休んで、かけがえのない大切な時間を犠牲にしながら、毎日勉強漬けである。
しかし、将来のことを考えると仕方ないのだ。今が頑張り時。
愛するリザベットと、幸せな結婚生活を送るために。将来は俺が王を継いで、彼女が王妃として支えてくれるだろう。そうなれば、きっと幸せになれるはずだから。
だが、頑張りすぎると疲れてしまう。ようやく今日の予定が終わったので、ちゃんと休憩しないと。じゃないと、倒れてしまいそうだ。
「リザベットに会いたい……」
俺の新たな婚約者であり、将来の妻。彼女に会うことが、今の俺にとって一番の癒しであり活力源なのだ。彼女に会って、抱きしめてキスをしたい。
会えない寂しさを埋めるために、彼女には色々とプレゼントしている。ドレスや宝石など。欲しい物なら、なんでも。次に会った時、喜んだ顔を見せてくれるだろう。それが楽しみだ。
今は会えなくても、我慢するしかない。今日は自室に戻り、明日に備えてゆっくり休憩することにしよう。
「ん?」
自室に戻る途中、王城の中を歩いていると気づくことがあった。気のせいだろうか、やけに人の気配が少ないような気がする。使用人達の姿を見かけないし、普段より静かだな。
不思議に思いながら、部屋に戻るため廊下を歩く。そして、何事もなく自室に辿り着いた。別に、問題はないか。
「ふぅ、疲れた」
椅子に座って一息つく。喉が渇いたので、茶でも飲みたくなった。事前に用意してくれていないとは、気が利かない侍女め。俺が勉強を頑張っているというのに、侍女たちはサボっているのではないか。
面倒だが俺から呼び出して、茶をいれるように命令するしかないか。
「おい、誰か!」
呼んだのに誰も来ない。何事だ。そう思った瞬間に、ようやく侍女が来た。
「は、はいっ! お待たせてし申し訳ありません。ご用件は何でしょうか?」
来るのが遅いではないか。まったく、何をしているんだ。文句の一つでも言ってやろうと思ったのだが、ぐっと堪える。
ここは大人になって、寛大な態度を見せてやろう。
「喉が渇いて茶を飲みたい。すぐに持ってこい」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
茶を持ってくるように頼む。それから、しばらく待つ。
「……」
やはり遅い。こんなにも時間がかかるなんて、一体どうなっているんだ。イライラしてきたぞ。
ようやく、侍女が茶を持ってやって来た。
「失礼します。お茶をお持ちしました」
「遅い! 何をしていた!?」
流石に、待たせ過ぎだろう。一度目は我慢した。だけど、ちゃんと注意してやらないと分からないかもしれないから、はっきりと告げてやる。これは、ダメだろう。
「申し訳ありません。ですが、他の仕事がありまして手が離せなかったのです」
「言い訳をするな! さっさと自分の仕事をしろ!」
「……はい。申し訳ありませんでした。それでは、失礼致します」
全く使えない奴だ。いつから、この王城の侍女はこうなったのか。昔はもっと質が良かったはずなのに。まあ良い。過ぎたことは忘れよう。それより、早く茶を飲むことにしよう。怒りで、もっと喉が渇いた。
俺は、机の上に用意されているティーカップを手に取る。
「ん?」
これはなんだ。匂いが変だな。違和感があった。おかしいと思いつつ、一口飲んでみる。その途端に、違いがハッキリわかった。これは、いつも飲んでいる茶とは違うな。何を勝手に、別のものを用意しているんだ。
「ぺっ! なんだ、これは」
こんな物を飲んで、休まるわけがない。慌てて用意したから失敗したのか、茶を淹れた者の腕が悪かったのか。とにかく、こんな物ではダメだろう。
しかも、3度目の失敗だな。いちいち反応が遅く、長いこと待たせて、茶を淹れるのも失敗するなんて。
「おい、誰か!」
俺は文句を言うために、部屋の外で待機している侍女を呼び出す。寛大な態度は、ダメだな。やはり、ちゃんと事細かに説明してやらないとダメなのか。まったく!
しかし、将来のことを考えると仕方ないのだ。今が頑張り時。
愛するリザベットと、幸せな結婚生活を送るために。将来は俺が王を継いで、彼女が王妃として支えてくれるだろう。そうなれば、きっと幸せになれるはずだから。
だが、頑張りすぎると疲れてしまう。ようやく今日の予定が終わったので、ちゃんと休憩しないと。じゃないと、倒れてしまいそうだ。
「リザベットに会いたい……」
俺の新たな婚約者であり、将来の妻。彼女に会うことが、今の俺にとって一番の癒しであり活力源なのだ。彼女に会って、抱きしめてキスをしたい。
会えない寂しさを埋めるために、彼女には色々とプレゼントしている。ドレスや宝石など。欲しい物なら、なんでも。次に会った時、喜んだ顔を見せてくれるだろう。それが楽しみだ。
今は会えなくても、我慢するしかない。今日は自室に戻り、明日に備えてゆっくり休憩することにしよう。
「ん?」
自室に戻る途中、王城の中を歩いていると気づくことがあった。気のせいだろうか、やけに人の気配が少ないような気がする。使用人達の姿を見かけないし、普段より静かだな。
不思議に思いながら、部屋に戻るため廊下を歩く。そして、何事もなく自室に辿り着いた。別に、問題はないか。
「ふぅ、疲れた」
椅子に座って一息つく。喉が渇いたので、茶でも飲みたくなった。事前に用意してくれていないとは、気が利かない侍女め。俺が勉強を頑張っているというのに、侍女たちはサボっているのではないか。
面倒だが俺から呼び出して、茶をいれるように命令するしかないか。
「おい、誰か!」
呼んだのに誰も来ない。何事だ。そう思った瞬間に、ようやく侍女が来た。
「は、はいっ! お待たせてし申し訳ありません。ご用件は何でしょうか?」
来るのが遅いではないか。まったく、何をしているんだ。文句の一つでも言ってやろうと思ったのだが、ぐっと堪える。
ここは大人になって、寛大な態度を見せてやろう。
「喉が渇いて茶を飲みたい。すぐに持ってこい」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
茶を持ってくるように頼む。それから、しばらく待つ。
「……」
やはり遅い。こんなにも時間がかかるなんて、一体どうなっているんだ。イライラしてきたぞ。
ようやく、侍女が茶を持ってやって来た。
「失礼します。お茶をお持ちしました」
「遅い! 何をしていた!?」
流石に、待たせ過ぎだろう。一度目は我慢した。だけど、ちゃんと注意してやらないと分からないかもしれないから、はっきりと告げてやる。これは、ダメだろう。
「申し訳ありません。ですが、他の仕事がありまして手が離せなかったのです」
「言い訳をするな! さっさと自分の仕事をしろ!」
「……はい。申し訳ありませんでした。それでは、失礼致します」
全く使えない奴だ。いつから、この王城の侍女はこうなったのか。昔はもっと質が良かったはずなのに。まあ良い。過ぎたことは忘れよう。それより、早く茶を飲むことにしよう。怒りで、もっと喉が渇いた。
俺は、机の上に用意されているティーカップを手に取る。
「ん?」
これはなんだ。匂いが変だな。違和感があった。おかしいと思いつつ、一口飲んでみる。その途端に、違いがハッキリわかった。これは、いつも飲んでいる茶とは違うな。何を勝手に、別のものを用意しているんだ。
「ぺっ! なんだ、これは」
こんな物を飲んで、休まるわけがない。慌てて用意したから失敗したのか、茶を淹れた者の腕が悪かったのか。とにかく、こんな物ではダメだろう。
しかも、3度目の失敗だな。いちいち反応が遅く、長いこと待たせて、茶を淹れるのも失敗するなんて。
「おい、誰か!」
俺は文句を言うために、部屋の外で待機している侍女を呼び出す。寛大な態度は、ダメだな。やはり、ちゃんと事細かに説明してやらないとダメなのか。まったく!
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