真実の愛とやらの結末を見せてほしい~婚約破棄された私は、愚か者たちの行く末を観察する~

キョウキョウ

文字の大きさ
28 / 33

第28話 よりを戻すために ※ギオマスラヴ王子視点

しおりを挟む
 エルミリアのことを誤解していた。リザベットなんて女を信じた俺が愚かだった。だけど、目が覚めた。誤解が解けて良かった。だから、前のような関係に戻りたい。そのためなら俺は、エルミリアに心の底から謝罪する。この気持ちを、彼女に知ってもらいたい。

 だけど、どうすればエルミリアに伝えられるのか。

 イステリッジ公爵家は、帝国に行ってしまったらしい。なら、彼女も一緒に帝国へ行ってしまったのか。そんな彼女と、どうやって連絡を取ればいいのか。

 会いに行こうとしても、イステリッジ公爵領に入る手前で止められてしまう。そこに彼女が待っている保証もない。

「それなら、私にお任せください! イステリッジ公爵家とは、何度も取引した実績がありますよ」
「本当か? なら、お前に任せよう」

 色々と考えて、手紙を送ることにした。これを商人に預けて、彼女の手元に届けてもらう。偶然出会えたその商人は、イステリッジ公爵家と取引したことがあり、今も関係が繋がっているらしい。

 やはり、出来る人間に任せるべきだな。自分で行って、時間を無駄にしてしまうのはダメだ。

 金を支払い、商人に依頼した。イステリッジ公爵家の令嬢であるエルミリアに必ず届けるように。王国の存続に関わる重要な仕事だから、金なんて払わず王子としての権力を使いべきだと思ったけれど、そうすると彼女は受け取らない気がしてやめた。しっかりと手順を踏んで、正しく俺の意思を伝えるべきだと思った。

 それが、俺の誠意。



 後日、手紙を任せた商人が無事に届けたという報告に来た。しっかり届けてくれたのか。それで返事はあるのか聞いたが、彼女からの返事は無いとのことだった。

「本当に、俺の手紙をエルミリアに届けたんだろうな?」
「もちろん、届けましたよ。ですが、本人に直接届いたかどうか……」
「なに? どういうことだ!?」
「イステリッジ公爵家の関係者に渡してもらうよう、お願いはしたんです。私が把握しているのは、そこまで。イステリッジ公爵家は今、帝国との関係構築に必死で大変忙しいようでしたから。私でも会うのが困難で」
「……なるほど、そうか」

 ちゃんと届いたのか。商人の報告によると、本人の手元に届いているのかどうかは分からないとのこと。本当に、こいつは届けたのかどうか。言っていることは本当のように聞こえるが、少し怪しい。疑ってしまう。だけど、イステリッジ公爵家の当主には届いているはずだという。それは、確実らしい。

 王族に対して商人が、嘘はつけないだろう。それが嘘だとバレた場合には、責任を取らせる。それを理解しているはずだから。とりあえず、この商人は信じよう。

 だが返事が無いということは、イステリッジ公爵家の当主が握ったままで渡していない可能性があるな。そうだとしたら、厄介だな。

 今の俺の力だけでは、エルミリアと連絡を取り合うことすら難しいか。ローレタウ王国の王子だというのに、それすら出来ないなんて情けない。

 こうなってしまうと、国王である父上を頼るしかないのか。

 王家の権力を存分に発揮し、帝国に行ってしまったイステリッジ公爵家を呼び戻すために協力してもらう。これは、王家の今後にも関わることだし、父上は断ることはないはず。

 リザベットという愚かな女に関する報告も、直接しておきたい。色々と話しておくことがあった。

 最近、王の仕事が忙しいそうで父上と会う機会も減っていた。だが、大事な用件があると言えば、優先して会ってもらえるだろう。

 話し合う時間を作ってもらい、父上に相談しよう。そうすれば、解決の糸口が見つかるはずだ。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたので、愛のない契約結婚を選んだはずでした

鍛高譚
恋愛
王太子の婚約者だった伯爵令嬢・カーテンリンゼ。 しかし、王太子エドワルドは突然の婚約破棄を言い渡し、彼女を冷たく突き放す。 ――だが、それは彼女にとってむしろ好都合だった。 「婚約破棄? 結構なことですわ。むしろ自由を満喫できますわね!」 ところが、婚約破棄された途端、カーテンリンゼは別の求婚者たちに目をつけられてしまう。 身分を利用されるだけの結婚などごめんだと思っていた彼女の前に現れたのは、冷徹と噂される若き公爵・レオポルド。 「契約結婚だ。君の自由は保証しよう」 「まあ、それは理想的ですわね」 互いに“愛のない”結婚を選んだ二人だったが、次第に相手の本当の姿を知り、想いが変わっていく――。 一方、王太子エドワルドは、自分が捨てたはずのカーテンリンゼを取り戻そうと動き出し……!?

父母に見捨てられ、妹に婚約者を奪われ、妹の奸計で魔竜の生贄にされた王太女だが、皇太子に溺愛される。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 父母に見捨てられ妹ミアに婚約者を奪われたばかりか、女王の座を狙うミアの奸計で魔竜の生贄として魔境に追いやられた王太女イザベラだったが、偶然魔竜を斃しに来ていた金色の聖騎士に助けられた。だが金色の騎士はただの騎士ではなく、大陸一の強国ウィロウビー皇国の皇太子だった。

『婚約破棄された令嬢ですが、気づけば王国の基準になっていました』

ふわふわ
恋愛
公開の場で婚約破棄された伯爵令嬢セレスティア。 感情に溺れることなく彼女が選んだのは、王都を去ることでも復讐でもなく――王国の財政を立て直すという、最も冷静で最も残酷な道だった。 港湾優遇策による揺さぶり、商会の流出圧力、貴族の反発、制度への不信、そして他国との経済圏構想。 次々と襲いかかる試練の中で、彼女が守り続けたのはただ一つ――「揺らがぬ基準」。 短期の利益ではなく、持続する構造。 称賛ではなく、透明性。 権力ではなく、制度。 やがて王国は、規模ではなく“基準”で選ばれる国へと変わっていく。 そして気づけば、かつて婚約を破棄した者たちは、彼女の築いた秩序の上で判断を仰ぐ立場になっていた。 これは、感情でざまあする物語ではない。 静かに、確実に、世界の重心を塗り替えていく令嬢の逆転譚。 揺れながらも崩れない王国と、選び続ける一人の令嬢の物語。

なんでも私のせいにする姉に婚約者を奪われました。分かり合えることはなさそうなので、姉妹の関係を終わらせようと思います。

冬吹せいら
恋愛
侯爵家令嬢のミゼス・ワグナーは、何かあるとすぐに妹のリズのせいにして八つ当たりをした。 ある日ミゼスは、リズの態度に腹を立て、婚約者を奪おうとする。 リズはこれまで黙って耐えていた分、全てやり返すことにした……。

婚約破棄を求められました。私は嬉しいですが、貴方はそれでいいのですね?

ゆるり
恋愛
アリシエラは聖女であり、婚約者と結婚して王太子妃になる筈だった。しかし、ある少女の登場により、未来が狂いだす。婚約破棄を求める彼にアリシエラは答えた。「はい、喜んで」と。

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

「君の話はつまらない」と言われて婚約を破棄されましたが、本当につまらないのはあなたの方ですよ。

冬吹せいら
恋愛
「君の話はつまらない」  公爵令息のハメッド・リベルトンに婚約破棄をされた伯爵令嬢、リゼッタ・アリスベル。  リゼッタは聡明な美少女だ。  しかし、ハメッドはそんなリゼッタと婚約を破棄し、子爵令嬢のアイナ・ゴールドハンと婚約を結び直す。  その一方、リゼッタに好意を寄せていた侯爵家の令息が、彼女の家を訪れて……?

許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。 それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。 ※全3話。

処理中です...