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第3話 運命のサイン
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ランドリックは、契約書にサインする気満々。でも、後から文句を言われると面倒なので、念のために契約内容の説明をしておくことにする。
「わかりました。それでは、契約の内容を確認――」
「ええい、そんな面倒な確認はいらないッ! 俺とお前の婚約を破棄する、と記録に残しておくだけだろう! なら、さっさとサインしてやるよ」
ただの記録ではない。婚約を破棄するのに、色々と条件をつけている。慰謝料の請求だ。もちろん、ちゃんと正当な金額を支払うように書いてある。そこは、しっかりしておかないとね。騙し取るようなことはしない。
もう一つ、大きな内容。彼が愛する相手と必ず結婚すること。それ以外の人を愛さないこと。そういう内容が書いてある。
内容を説明しようとしたのだが、拒否されてしまった。
説明を聞かないなんて、本当にいいのかしら。ちゃんと内容を確認しないなんて、そんな馬鹿な。後で困るのは、ランドリックの方なのに。
こちらは、ちゃんと説明しようとする姿勢は見せているのに。これで、後から文句を言えないわよ?
「その子、無理やり引き延ばしてどうにかしようって、考えているんじゃないの?」
レイティアが割り込んできた。そして、見当違いの推理を披露してくれる。それは、私にとっての援護なのよ。本人は気づいていないけれど。
そして、この契約は貴女にも関係あるのよ。
そもそも、自分のパートナーが変な契約を結ぼうとしているのに、止めようとしないなんて。せめて、一緒に契約内容を確認するぐらいの考えはないのかしら。
そう思ったが、もちろん助言なんてしない。
「いいえ。引き延ばそうなんて、そんなつもりはないわよ」
「なら、さっさとサインさせろ」
私が持っていた契約書とペンを奪い取るようにして、つかみ取ったランドリック。彼はペンを走らせる。契約書にサインした。
サインさせるために色々と用意をしていた。けれど、無駄になってしまったわね。目的は達成したから、それでいいのだけれど。
「ほら、サインしたぞ」
「それでは、こちらに」
乱暴に渡されたサイン済みの契約書を受け取って、内容をチェックする。すると、契約書が淡く光りだした。
問題なかったので、契約は成立したようだ。ランドリックと私の左手首に金色の輪が現れる。この輪こそ、精霊の契約書を交わした証だ。
その後、金色の輪はスーッと消えていく。念じたら再び出現する。そして、契約を破った時には大変なことになる。
「これで、ちゃんと婚約を破棄する事実を残せたわね!」
「そうだな。もう二度と、俺とお前が婚約関係に戻ることはないぞ。お前がどんなに懇願しても、無駄だからな」
契約を結んで、喜んでいるレイティアとランドリック。
「それは、とっても嬉しいわね」
「は?」
目的を達成して、笑みがこぼれてしまった。もう我慢できないわ。上機嫌な表情でランドリックを見ると、彼はポカーンと口を開けたマヌケな顔になる。
私が、泣くと思っていたようね。それが、全く逆の反応だったので驚いたみたい。
「わかりました。それでは、契約の内容を確認――」
「ええい、そんな面倒な確認はいらないッ! 俺とお前の婚約を破棄する、と記録に残しておくだけだろう! なら、さっさとサインしてやるよ」
ただの記録ではない。婚約を破棄するのに、色々と条件をつけている。慰謝料の請求だ。もちろん、ちゃんと正当な金額を支払うように書いてある。そこは、しっかりしておかないとね。騙し取るようなことはしない。
もう一つ、大きな内容。彼が愛する相手と必ず結婚すること。それ以外の人を愛さないこと。そういう内容が書いてある。
内容を説明しようとしたのだが、拒否されてしまった。
説明を聞かないなんて、本当にいいのかしら。ちゃんと内容を確認しないなんて、そんな馬鹿な。後で困るのは、ランドリックの方なのに。
こちらは、ちゃんと説明しようとする姿勢は見せているのに。これで、後から文句を言えないわよ?
「その子、無理やり引き延ばしてどうにかしようって、考えているんじゃないの?」
レイティアが割り込んできた。そして、見当違いの推理を披露してくれる。それは、私にとっての援護なのよ。本人は気づいていないけれど。
そして、この契約は貴女にも関係あるのよ。
そもそも、自分のパートナーが変な契約を結ぼうとしているのに、止めようとしないなんて。せめて、一緒に契約内容を確認するぐらいの考えはないのかしら。
そう思ったが、もちろん助言なんてしない。
「いいえ。引き延ばそうなんて、そんなつもりはないわよ」
「なら、さっさとサインさせろ」
私が持っていた契約書とペンを奪い取るようにして、つかみ取ったランドリック。彼はペンを走らせる。契約書にサインした。
サインさせるために色々と用意をしていた。けれど、無駄になってしまったわね。目的は達成したから、それでいいのだけれど。
「ほら、サインしたぞ」
「それでは、こちらに」
乱暴に渡されたサイン済みの契約書を受け取って、内容をチェックする。すると、契約書が淡く光りだした。
問題なかったので、契約は成立したようだ。ランドリックと私の左手首に金色の輪が現れる。この輪こそ、精霊の契約書を交わした証だ。
その後、金色の輪はスーッと消えていく。念じたら再び出現する。そして、契約を破った時には大変なことになる。
「これで、ちゃんと婚約を破棄する事実を残せたわね!」
「そうだな。もう二度と、俺とお前が婚約関係に戻ることはないぞ。お前がどんなに懇願しても、無駄だからな」
契約を結んで、喜んでいるレイティアとランドリック。
「それは、とっても嬉しいわね」
「は?」
目的を達成して、笑みがこぼれてしまった。もう我慢できないわ。上機嫌な表情でランドリックを見ると、彼はポカーンと口を開けたマヌケな顔になる。
私が、泣くと思っていたようね。それが、全く逆の反応だったので驚いたみたい。
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