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第24話 王都奪還※ガーランド王視点
しおりを挟む 朝靄が晴れ始めた頃、窓の外に広がる風景は壮観だった。
「陛下、準備が整いました」
側近の声が静かに響く。
「そうか」
バーミリオン家の広大な敷地には、各地から集まった軍勢が整列していた。鎧に反射する朝日が輝き、まるで星の海のよう。旗印が風になびき、兵士たちの息が白い霧となって立ち昇る。
東部の剣を誇るウォーレン家、西部の騎兵で知られるハーバート家、そして南部の盾と呼ばれるシュトラウス家まで。王国の各地方を治めている主要な貴族がほぼ全て私の旗の下に集結している。
事前に危険を察知し、王都から逃れた後。バーミリオン家に保護されていた私は、アルフレッド・バーミリオン公爵のサポートを受けながら他の地方の貴族たちと交渉を重ね、信頼関係を築いてきた。
特に難しかったのは南部の貴族たち。彼らは常に中立の立場を取ることで知られている。シュトラウス家当主を説得するために、政略結婚でリーオンを利用することも検討した。だが最終的には、ザインの横暴さや、彼を支持する貴族たちの暴走により生じた不満が南部にも及び、シュトラウス家を動かすことになった。ザインの統治下での貿易の混乱が、南部の経済に大打撃を与えていたのだ。
「陛下、皆様がお集まりです」
「わかった」
私は、階下の作戦室へと向かった。そこには各家の当主が集まり、最終的な作戦確認が行われていた。地図が広げられ、各隊の動きが細かく示されている。
「おはようございます、陛下」
アルフレッド・バーミリオン公爵が一礼する。彼の目には、勝利を確信する輝きがあった。
「諸君、作戦の準備は万全だな?」
「はい」
各家の当主が揃って頷いた。彼らの表情にも、作戦を成功させる自信が満ちている。
「我々の密偵からの報告では、様々な問題が発生しているようです。それにより、王都の防衛兵力は予想より少なく、士気も低いとのことです」
「ザイン派を名乗る貴族たちは、こちらの動きに対応する様子はありません。彼らは自分たちの利益だけを考えており、防衛には関心がないようです。おそらく逃げ出すつもりなのでしょう」
「彼らを一人も逃さぬよう、外周部には精鋭を配置する予定です」
「良い」
それぞれの報告を聞いて、私は大きく頷いた。予想以上に順調な様子。いや、相手が油断しきっているのか。けれど、こちらは油断しないように気を引き締めないと。
「失敗する可能性はほぼゼロだろう。だが油断はするな。不必要な犠牲は避けるように。我々の目的は破壊ではなく、秩序の回復だ」
全員が私の言葉に頷いた。
「陛下」
アルフレッドが進み出た。
「一つだけ確認を。偽の王ザインを捕らえられた場合、どのように扱いますか?」
部屋の空気が一瞬止まる。誰もが知りたいと思っていたのだろう。だが、口に出すのを避けてくれていた。息子の処遇。王としての決断と、父としての情が交錯する難題だ。私は胸の内で葛藤しながらも、表情を変えなかった。
「王の名を騙り、正当な統治者を追放した罪は非常に重い」
私はゆっくりと言葉を選んだ。
「だが、彼はまだ若く、周囲の貴族たちに操られていた面もある。捕らえたら私のもとへ連れてくるように。その後の判断は私がする」
全員が頷き、作戦会議は終了した。
程なくして、王都への進軍が始まった。旗が風になびき、馬のいななきと鎧の音が響く中、大軍は威風堂々と進んでいく。主力部隊の中央に位置し、四方を各家の兵で固められた私は、かつての王都が次第に視界に入ってくるのを見た。
先頭には、バーミリオン家とウォーレン家の精鋭部隊。彼らが城門を突破する役目を担っていた。接近するにつれ、城壁に立つ兵士の少なさが目についた。彼らの多くは恐怖に震え、戦う意志が薄いように見えた。
戦いが始まってすぐ、予想外の展開が起きた。
「陛下!」
伝令が馬を走らせてきた。顔には興奮の色が見える。
「ザインを捕まえたという報告がありました。城外の路地で逃亡を図っていたところを、バーミリオン家の斥候に発見されたとのことです」
「わかった」
思いがけない報告に、胸の内に様々な感情が渦巻いた。この戦いに自らは参加せず、逃げようとしていたなんて。だが、それを押し殺して冷静に命じる。
「降伏を勧告せよ。ザインが捕らえられたと、伝えるように」
抵抗する敵兵に状況を伝えて、戦いを止めるように呼びかける。すると、ザインを捕らえたという情報は一気に広まり、城内の兵士たちが次々と投降してきた。事前に聞いていた通り、士気は相当低かったようだ。彼らは戦う意味を見出せなかったのだろう。
その状況を見て、私は即座に命じた。
「全軍に伝えよ。これ以降、不必要な戦闘は避けること。投降する者は受け入れよ。だが、ザイン派の貴族は一人も逃がすな。彼らこそが、この国を混乱に陥れた連中だからな」
伝令が去り、私たちは整然と王都へと入城していく。かつて私が日々歩いた道、そして追われるようにして出た城へと戻るのだ。その間にも、王都から一緒に脱出していた側近たちが、元の場所へ戻っていく。彼らには王都の現状を確認するよう指示した。
「王都の状況はどうだ?」
「各所の治安は、想定していたよりも悪くありません。民衆は不満を抱いていたようですが、暴動などは起きませんでした」
「ザイン派を名乗っていた貴族たちも全て捕らえました。彼らは城から逃げ出そうとしていましたが、バーミリオン家とウォーレン家の精鋭部隊に阻まれたようです」
「良い。すぐに王都の現状を詳しく調べよ。問題があれば報告するように」
側近たちは散り、各所の調査に向かった。私は王宮へと足を向ける。かつて私が座した玉座のある広間へと戻る。
しばらくして戻ってきた側近たちの報告によると、状況は想定よりも良好だった。財政は危機的状況にあるが、王都の機能そのものは大きく損なわれてはいない。反抗的だった貴族たちを一掃できれば、国は再び安定へと向かうだろう。
「陛下」
アルフレッドが近づいてきた。
「偽の王ザインは牢屋に収監されています。お会いになりますか?」
私は深く息を吸い、覚悟を決めた。息子の処遇を決断しなければならない時だ。
「会おう」
牢へと向かう足取りは重かった。冷たい石の階段を下り、薄暗い牢屋の前に立つと、中から息子の姿が見えた。かつての威厳は影も形もなく、服は汚れ、表情は暗く沈んでいた。彼が私に気づくと、急にその表情が明るく希望に満ちたものに変わった。
「父上!」
ザインは檻に駆け寄った。その目には、救われるという確信が浮かんでいた。まだそんな目をするのか。こんな状況で。
「助けてくれるんですね!」
私は何も答えず、ただ彼を見つめた。王位を継がせようと考えていた跡取り。あまりにも簡単に道を踏み外してしまった愚か者。このようにさせてしまった私自身にも責任はある。
「父上、聞いてくれ! 俺は、あの貴族たちにそそのかされただけなんだ! 連中が悪いんだ! 俺は悪くない!」
彼は慌てた様子で言い訳を始めた。責任を他者に押し付け、自分の非を認めようとしない。その言葉を聞いて、息子の処遇をどうするべきか決まってしまった。
「言いたいことは、それだけか?」
私は静かに尋ねた。ザインは私の冷たい態度に、初めて不安を感じたようだった。
「ち、ちがう……だから、悪いのは周りの連中で。……父上! 何か言ってくれ! 俺を助けてくれるんだろう?」
「そうか」
それが、私たち父子の最後に交わした会話となった。息子の目には、まだ現実を理解していない様子が浮かんでいた。彼は最後まで、自分の罪と向き合うことができなかったのだ。救いのない結末だった。
聞こえてくる喚き声を背中に受けながら、牢屋から離れる。せめて、息子の死は王国のために最後まで有効活用させてもらう。彼の処刑は、新たな秩序の象徴となるだろう。そして王国は、再び平和への道を歩み出す。
それが王としての、そして父としての最後の務めだ。
「陛下、準備が整いました」
側近の声が静かに響く。
「そうか」
バーミリオン家の広大な敷地には、各地から集まった軍勢が整列していた。鎧に反射する朝日が輝き、まるで星の海のよう。旗印が風になびき、兵士たちの息が白い霧となって立ち昇る。
東部の剣を誇るウォーレン家、西部の騎兵で知られるハーバート家、そして南部の盾と呼ばれるシュトラウス家まで。王国の各地方を治めている主要な貴族がほぼ全て私の旗の下に集結している。
事前に危険を察知し、王都から逃れた後。バーミリオン家に保護されていた私は、アルフレッド・バーミリオン公爵のサポートを受けながら他の地方の貴族たちと交渉を重ね、信頼関係を築いてきた。
特に難しかったのは南部の貴族たち。彼らは常に中立の立場を取ることで知られている。シュトラウス家当主を説得するために、政略結婚でリーオンを利用することも検討した。だが最終的には、ザインの横暴さや、彼を支持する貴族たちの暴走により生じた不満が南部にも及び、シュトラウス家を動かすことになった。ザインの統治下での貿易の混乱が、南部の経済に大打撃を与えていたのだ。
「陛下、皆様がお集まりです」
「わかった」
私は、階下の作戦室へと向かった。そこには各家の当主が集まり、最終的な作戦確認が行われていた。地図が広げられ、各隊の動きが細かく示されている。
「おはようございます、陛下」
アルフレッド・バーミリオン公爵が一礼する。彼の目には、勝利を確信する輝きがあった。
「諸君、作戦の準備は万全だな?」
「はい」
各家の当主が揃って頷いた。彼らの表情にも、作戦を成功させる自信が満ちている。
「我々の密偵からの報告では、様々な問題が発生しているようです。それにより、王都の防衛兵力は予想より少なく、士気も低いとのことです」
「ザイン派を名乗る貴族たちは、こちらの動きに対応する様子はありません。彼らは自分たちの利益だけを考えており、防衛には関心がないようです。おそらく逃げ出すつもりなのでしょう」
「彼らを一人も逃さぬよう、外周部には精鋭を配置する予定です」
「良い」
それぞれの報告を聞いて、私は大きく頷いた。予想以上に順調な様子。いや、相手が油断しきっているのか。けれど、こちらは油断しないように気を引き締めないと。
「失敗する可能性はほぼゼロだろう。だが油断はするな。不必要な犠牲は避けるように。我々の目的は破壊ではなく、秩序の回復だ」
全員が私の言葉に頷いた。
「陛下」
アルフレッドが進み出た。
「一つだけ確認を。偽の王ザインを捕らえられた場合、どのように扱いますか?」
部屋の空気が一瞬止まる。誰もが知りたいと思っていたのだろう。だが、口に出すのを避けてくれていた。息子の処遇。王としての決断と、父としての情が交錯する難題だ。私は胸の内で葛藤しながらも、表情を変えなかった。
「王の名を騙り、正当な統治者を追放した罪は非常に重い」
私はゆっくりと言葉を選んだ。
「だが、彼はまだ若く、周囲の貴族たちに操られていた面もある。捕らえたら私のもとへ連れてくるように。その後の判断は私がする」
全員が頷き、作戦会議は終了した。
程なくして、王都への進軍が始まった。旗が風になびき、馬のいななきと鎧の音が響く中、大軍は威風堂々と進んでいく。主力部隊の中央に位置し、四方を各家の兵で固められた私は、かつての王都が次第に視界に入ってくるのを見た。
先頭には、バーミリオン家とウォーレン家の精鋭部隊。彼らが城門を突破する役目を担っていた。接近するにつれ、城壁に立つ兵士の少なさが目についた。彼らの多くは恐怖に震え、戦う意志が薄いように見えた。
戦いが始まってすぐ、予想外の展開が起きた。
「陛下!」
伝令が馬を走らせてきた。顔には興奮の色が見える。
「ザインを捕まえたという報告がありました。城外の路地で逃亡を図っていたところを、バーミリオン家の斥候に発見されたとのことです」
「わかった」
思いがけない報告に、胸の内に様々な感情が渦巻いた。この戦いに自らは参加せず、逃げようとしていたなんて。だが、それを押し殺して冷静に命じる。
「降伏を勧告せよ。ザインが捕らえられたと、伝えるように」
抵抗する敵兵に状況を伝えて、戦いを止めるように呼びかける。すると、ザインを捕らえたという情報は一気に広まり、城内の兵士たちが次々と投降してきた。事前に聞いていた通り、士気は相当低かったようだ。彼らは戦う意味を見出せなかったのだろう。
その状況を見て、私は即座に命じた。
「全軍に伝えよ。これ以降、不必要な戦闘は避けること。投降する者は受け入れよ。だが、ザイン派の貴族は一人も逃がすな。彼らこそが、この国を混乱に陥れた連中だからな」
伝令が去り、私たちは整然と王都へと入城していく。かつて私が日々歩いた道、そして追われるようにして出た城へと戻るのだ。その間にも、王都から一緒に脱出していた側近たちが、元の場所へ戻っていく。彼らには王都の現状を確認するよう指示した。
「王都の状況はどうだ?」
「各所の治安は、想定していたよりも悪くありません。民衆は不満を抱いていたようですが、暴動などは起きませんでした」
「ザイン派を名乗っていた貴族たちも全て捕らえました。彼らは城から逃げ出そうとしていましたが、バーミリオン家とウォーレン家の精鋭部隊に阻まれたようです」
「良い。すぐに王都の現状を詳しく調べよ。問題があれば報告するように」
側近たちは散り、各所の調査に向かった。私は王宮へと足を向ける。かつて私が座した玉座のある広間へと戻る。
しばらくして戻ってきた側近たちの報告によると、状況は想定よりも良好だった。財政は危機的状況にあるが、王都の機能そのものは大きく損なわれてはいない。反抗的だった貴族たちを一掃できれば、国は再び安定へと向かうだろう。
「陛下」
アルフレッドが近づいてきた。
「偽の王ザインは牢屋に収監されています。お会いになりますか?」
私は深く息を吸い、覚悟を決めた。息子の処遇を決断しなければならない時だ。
「会おう」
牢へと向かう足取りは重かった。冷たい石の階段を下り、薄暗い牢屋の前に立つと、中から息子の姿が見えた。かつての威厳は影も形もなく、服は汚れ、表情は暗く沈んでいた。彼が私に気づくと、急にその表情が明るく希望に満ちたものに変わった。
「父上!」
ザインは檻に駆け寄った。その目には、救われるという確信が浮かんでいた。まだそんな目をするのか。こんな状況で。
「助けてくれるんですね!」
私は何も答えず、ただ彼を見つめた。王位を継がせようと考えていた跡取り。あまりにも簡単に道を踏み外してしまった愚か者。このようにさせてしまった私自身にも責任はある。
「父上、聞いてくれ! 俺は、あの貴族たちにそそのかされただけなんだ! 連中が悪いんだ! 俺は悪くない!」
彼は慌てた様子で言い訳を始めた。責任を他者に押し付け、自分の非を認めようとしない。その言葉を聞いて、息子の処遇をどうするべきか決まってしまった。
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それが王としての、そして父としての最後の務めだ。
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◆◆◆ 更新中の作品 ◆◆◆
【新作】聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/189958313
【連載中】帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/88950443/175949747
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