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第19話 私を守ってくれる王子様 ※アイリーン視点
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マルク王子との婚約が決まって、私は妃教育を受けるように指示された。面倒ね。なんとかサボることはできないのかしら。そんなことより、もっと楽しいことをして過ごしたい。そっちの方が人生において大事だと思う。妃教育って、古臭いのよ。
とりあえず、適当にこなしても大丈夫でしょ。きっと、なんとかなると思う。それぐらいの気持ちで挑んでみた。
妃教育を実際に体験してみたら、話に聞いていた通り厳しすぎる内容だった。
何あれ。無理でしょ。あんなことを続けていたら、心も体も壊れてしまうわ。特に王家が定めた王妃に相応しい体型というのは、本当に馬鹿らしい。あんなのを目標にしたら、死んでしまう。
教育係のババアが、ぐちぐち言ってくるのが耐えられない。イライラする。すぐに限界がきて、マルク王子を頼った。
「なんとかして!」
「わかった。私から言っておくよ」
こうして、お願いしたら対応してくれた。さすが、私の王子様ね。とっても頼りになる。彼にお願いすることで、私の望んだ通りになるのね。
王妃の座を他の誰かに譲ると言ったら、慌てて聞いてくれた。そんなつもりは一切なかった。けれど、ちょっとでも諦めそうな雰囲気を出すことで、言うことを聞いてもらえる。これは、とても有効な手段のようね。
彼をコントロールする方法は、これだ。今後も、必要な場面で使わせてもらうわよ。
マルク王子は、とてもやりやすい。彼のような人が相手なら、私の将来も安泰ね。やっぱり、権力や地位を持っている男と一緒になれてよかった。これから先も、私のために尽くしてくれるでしょう。
その後、ちゃんと対応をしてくれたマルク王子。彼が盾になってくれたおかげで、私は気分よく過ごせるようになった。
それでも、やっぱり妃教育を受けるのは面倒なのよ。マルク王子が対応してくれることが分かったので、どんどんサボることにした。やってる風は続けるので、これでいいでしょ。そんな真面目にする必要もない。彼が居てくれるから、大丈夫。
さて、私は王妃になるための準備を自分なりに進める。着飾るためのドレスを用意してもらう。どれも素敵なデザインのものばかり。どれを着ても似合うに違いない。
宝石類も買ってもらえた。これも一級品ばかり。こんなものをポンッと買えるなんて、王族って素敵よね。
妃教育を受けるよりも、こうやって外見を磨く方がずっと有意義じゃない? 見た目を良くして、やる気も出てくる。マルク王子も褒めてくれた。だから、この方向性で問題ないはず。
私は私なりに、もっと頑張りましょう。だって、いずれ王妃になる女なんだもの。完璧を目指したいわね。
とりあえず、適当にこなしても大丈夫でしょ。きっと、なんとかなると思う。それぐらいの気持ちで挑んでみた。
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