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第21話 王国から来た彼女 ※帝国貴族ジャスター視点
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エレノラ嬢と出会ったのは、1年ほど前のこと。
キッカケは、隣国のラドグリア王国で次世代を担うであろう有力貴族家の子息たちが婚約相手以外の、とある1人の令嬢にご執心という噂を耳にしたことから。
未熟者な子息が婚約相手を放置して、別の女に入れ込むなんて。しかも、複数人が同じ女に心を奪われている?
そんな馬鹿みたいな事件が起きているのかと疑いながら情報を集めてみると、それが事実だと判明した。
さらに詳しく調べていくと、婚約相手の令嬢が放置されていることを知った。彼女たちは、王国でも有名な貴族家の令嬢。ぜひとも関係を築きたい。あわよくば帝国に迎え入れたい。
そういう目的で最初に接触したのが、エレノラ嬢だった。帝国を訪れた彼女と接触して、すぐに意気投合。色々と話し合った。出会って間もないが、おそらく信じても大丈夫。そう感じたのでこちらの目的を素直に明かして、彼女の目的や望みを聞かせてもらった。
その勘は大正解だった。
その後の話は、とてもスムーズに進んだ。お互いの利害が一致していた。それから定期的に交流を続けつつ、計画を進めていくことに。
予定通り、婚約を破棄された令嬢たちが実家と共に帝国へ移ってきてくれた。こんなに上手くいくなんて予想していなかった。王国貴族の引き抜きに成功して、陛下のお役に立てた。
帝国に迎え入れた彼女たちの生活が落ち着くまで、もちろん全力でサポートした。他の帝国貴族との仲を取り持ったり、仕事を斡旋したり。ついでに、俺が進めている事業にも関わらせた。王国から来た彼ら彼女たちは、非常に優秀だった。
こんなに優秀な人材が、王国を裏切って帝国に来てくれるなんて。それほど酷い扱いを受けていたのか。どうやら、婚約破棄の方法も酷かったようだし。王国に居る王族や貴族たちの考えは理解できない。我々なら絶対に離さないよう、大事にする。
だが、王国には感謝だな。帝国の未来にとって大きなプラス。そして、向こう側にとっては大きなマイナス。これから大変そうだ。
このタイミングで、色々と仕掛けることも出来そうだな。少し、考えてみるか。
帝国で丁重に迎え入れたエレノラ嬢は、その後は静かに暮らそうなんて考えていたようだ。彼女のような優秀な人材を遊ばせておくなんて、もったいない。
俺の補佐役になってほしいとお願いして、色々な仕事を回してみた。すぐに、その優秀さが証明された。これは、予想以上だ。今回帝国に迎え入れた者たちの中では、一番の収穫だろう。
とても頼りになる女性だった。
その頃の俺は、エレノラ嬢のことを仕事のパートナーとして見ていた。それ以上の感情は抱いていなかった。優秀な部下として信頼はしていても、異性としては見ていなかった。
だけど、そんな気持ちが徐々に変化していく。一緒に過ごしているうちに、あっという間に魅了された。まさか自分が、これほどあっけなく気持ちを変えられるなんて予想外だな。
それだけ彼女が魅力的で、優秀で、素敵な人だということ。
「ジャスター様、婚約の件について」
「うん。それは、自分の口で伝えるよ」
執事長の言葉を遮って、俺は自分の考えをまとめる。
あれだけ逃げてきた結婚について、エレノラ嬢となら嫌じゃなかった。むしろ、彼女との結婚なら大歓迎だった。これが、女性を好きになるという気持ちか。だからこそ、自分で直接伝えたいと思った。
ものすごく緊張するな。断られたらどうしよう。嫌だと言われたら、立ち直れないかもしれない。自分がこんなに弱いなんて、初めて自覚したな。
でも、覚悟を決めて伝えるべきだろう。すぐ行動に移すべきだ。もう二度と、訪れることのないチャンスかもしれないんだ。だから、絶対につかみ取りたい。逃したくない。
この時、執事長と俺のちょっとした会話をエレノラ嬢が聞いて、勘違いが起きた。彼女は、俺の婚約相手が既に居るのだと思ってしまったらしい。そのせいで、彼女が人知れず身を引こうとしていたことを後から知った。本当に危なかった。
キッカケは、隣国のラドグリア王国で次世代を担うであろう有力貴族家の子息たちが婚約相手以外の、とある1人の令嬢にご執心という噂を耳にしたことから。
未熟者な子息が婚約相手を放置して、別の女に入れ込むなんて。しかも、複数人が同じ女に心を奪われている?
そんな馬鹿みたいな事件が起きているのかと疑いながら情報を集めてみると、それが事実だと判明した。
さらに詳しく調べていくと、婚約相手の令嬢が放置されていることを知った。彼女たちは、王国でも有名な貴族家の令嬢。ぜひとも関係を築きたい。あわよくば帝国に迎え入れたい。
そういう目的で最初に接触したのが、エレノラ嬢だった。帝国を訪れた彼女と接触して、すぐに意気投合。色々と話し合った。出会って間もないが、おそらく信じても大丈夫。そう感じたのでこちらの目的を素直に明かして、彼女の目的や望みを聞かせてもらった。
その勘は大正解だった。
その後の話は、とてもスムーズに進んだ。お互いの利害が一致していた。それから定期的に交流を続けつつ、計画を進めていくことに。
予定通り、婚約を破棄された令嬢たちが実家と共に帝国へ移ってきてくれた。こんなに上手くいくなんて予想していなかった。王国貴族の引き抜きに成功して、陛下のお役に立てた。
帝国に迎え入れた彼女たちの生活が落ち着くまで、もちろん全力でサポートした。他の帝国貴族との仲を取り持ったり、仕事を斡旋したり。ついでに、俺が進めている事業にも関わらせた。王国から来た彼ら彼女たちは、非常に優秀だった。
こんなに優秀な人材が、王国を裏切って帝国に来てくれるなんて。それほど酷い扱いを受けていたのか。どうやら、婚約破棄の方法も酷かったようだし。王国に居る王族や貴族たちの考えは理解できない。我々なら絶対に離さないよう、大事にする。
だが、王国には感謝だな。帝国の未来にとって大きなプラス。そして、向こう側にとっては大きなマイナス。これから大変そうだ。
このタイミングで、色々と仕掛けることも出来そうだな。少し、考えてみるか。
帝国で丁重に迎え入れたエレノラ嬢は、その後は静かに暮らそうなんて考えていたようだ。彼女のような優秀な人材を遊ばせておくなんて、もったいない。
俺の補佐役になってほしいとお願いして、色々な仕事を回してみた。すぐに、その優秀さが証明された。これは、予想以上だ。今回帝国に迎え入れた者たちの中では、一番の収穫だろう。
とても頼りになる女性だった。
その頃の俺は、エレノラ嬢のことを仕事のパートナーとして見ていた。それ以上の感情は抱いていなかった。優秀な部下として信頼はしていても、異性としては見ていなかった。
だけど、そんな気持ちが徐々に変化していく。一緒に過ごしているうちに、あっという間に魅了された。まさか自分が、これほどあっけなく気持ちを変えられるなんて予想外だな。
それだけ彼女が魅力的で、優秀で、素敵な人だということ。
「ジャスター様、婚約の件について」
「うん。それは、自分の口で伝えるよ」
執事長の言葉を遮って、俺は自分の考えをまとめる。
あれだけ逃げてきた結婚について、エレノラ嬢となら嫌じゃなかった。むしろ、彼女との結婚なら大歓迎だった。これが、女性を好きになるという気持ちか。だからこそ、自分で直接伝えたいと思った。
ものすごく緊張するな。断られたらどうしよう。嫌だと言われたら、立ち直れないかもしれない。自分がこんなに弱いなんて、初めて自覚したな。
でも、覚悟を決めて伝えるべきだろう。すぐ行動に移すべきだ。もう二度と、訪れることのないチャンスかもしれないんだ。だから、絶対につかみ取りたい。逃したくない。
この時、執事長と俺のちょっとした会話をエレノラ嬢が聞いて、勘違いが起きた。彼女は、俺の婚約相手が既に居るのだと思ってしまったらしい。そのせいで、彼女が人知れず身を引こうとしていたことを後から知った。本当に危なかった。
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