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29 この世界ですること
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翌日、朝食後ノブタダがやって来て全員の着る服を用意してくれた。
「これで、この世界を歩き回れますね」とレジン。
用意されたのは和服だった。
和洋折衷のアレじゃなくて、ちょっとほっとする。
和服なら多少の体格の違いは何とかなるし便利だ。
「うん、これで問題無く動き回れる。感謝する」
俺は素直に礼を言った。
「はっ、有り難き幸せ」
「ノブタダさん、もう堅苦しいのは止めましょう。普通でいいですよ」
いつまでも敬語を使われるのも疲れる。
「ですが」
「大丈夫です。神罰なんて下りません」
「そ、そうですか。安心しました」
「もう、神罰が下った世界みたいですしね」メリスがそんな事を言った。
「おお、さすがにお見通しですか」
メリスの言葉に、ノブタダが驚いて応えた。
「どういうこと?」
「お恥ずかしい話ですが実は長く飢饉が続いております」
「なるほど。ノブタダさんこそ試練の真っ最中ということか」
「はい」
「なんだろう? 冷害が続いてるのかな?」
「冷害とは?」
「夏の間、天候不順で作物が育たない事です」
「はい、おっしゃる通りです。それで不作が続いているのです」
飢饉になる原因は一つではない。
水不足や害虫の大発生などの問題もあるだろう。ただ、今回の場合は寒冷化のようだった。
日照時間が足りないことは特に対策が出来ない種類の原因だ。聞くところによると寒い夏がずっと続いているようで人口もかなり減ったらしい。
「確か、小氷期は十九世紀までじゃなかったか?」俺が少ない知識で言った。
「そうですね。その時代は世界中で火山活動が活発化していたようです」
レジンとも話が一致した。まぁ、世界Rと世界Lの話でしかないが。
「ん? 浅間の噴火はいつだった?」
俺はノブタダに聞いてみた。
「浅間山の噴火ですか? 確か、大噴火は三百年前と聞いています」
俺の世界Rとは二百年もズレている。
世界Lから見ても百五十年のズレだ。なのに溶岩がむき出しなのは寒冷化の影響か?
「噴火は西暦で言うと千七百年あたりか。とすると、むしろ他の国の噴火の影響かもな」
世界的な火山活動の話ならありうるか。
「あるいは、太陽黒点の影響もあるでしょう」
シナノも小氷期の原因について知っているようだ。
「何れにしても、簡単に手出し出来るようなことではないな」
俺はちょっと残念だった。
「やはり、これが最大の試練なのですね」
俺たちの話を聞いてノブタダも課題の大きさを改めて認識したようだ。
この世界の人間にとって最大の試練なのは間違いない。ただ、それが俺たちが転移した理由なのかどうかは何とも言えない。
ノブタダは、深刻な面持ちで帰って行った。
* * *
午後になって、俺たちは状況の把握と今後の活動について話し合った。
まず、この世界は仙台時代が続いていることから世界Sと名付けた。
多重世界の存在確率としては、世界Lよりレアな世界という認識で全員の意見が一致した。手持ちの転移発光物質が全く光らないからだ。
また、世界の状況は小氷期が長く続いたために衰退している状態と思われた。
これはノブタダからの情報だが国の中枢の見解なので間違いないだろう。
ただ、存在確率としては低いが特に急変しているという訳ではない。つまり、修正が必要な事件が起こっている訳ではないようだ。
「おおよそだが、この世界の状況はこんなところかな。レアな不運が続いているようで、存在確率はかなり低くなっていると思う」
「自分たちのせいではなく、自然現象っていうのがやるせないところよね」
メリスは思わず同情して言った。まぁ、自然は俺たちのためにあるわけじゃないからな。自然は普通に人を殺すし生物を殺す。
で、問題は俺たちはどうするかだ。
この多重世界で転移が起こるメカニズムは解明されていない。気まぐれとしか思えない。
また、転移先がどう決まるのかも分からない。ただ、印象として下流に流され易いようだというだけだ。
「俺たちは、どうすべきだと思う?」
俺は皆を見渡して言った。
「俺たちの目標は『自分の世界に戻る』ということ。これはいいよな?」
誰も文句はないようだ。
「ということは、俺たちがやるべきことは転移を発生させることだ」
「転移を自分から発生させるの?」
メリスは、ちょっと驚いて言った。
「なんか、怖い」ユリだ。
「闇雲に転移したら、さらに遠くへ行ってしまう可能性もありますね」とレジン。
「そうだな。下流に流されるだけなら戻れない。だが、上流に流れることもあるかも知れない。もしそうなら戻れる可能性が出てくる」
「それだけ多くのサンプルが必要ということですね」とレジン。
「そういうこと。一時的には遠くへ行ったとしても、転移の方向についての法則を見つけられればいい」
「そうね。リスクを冒して挑戦するか、黙って何もしないか」メリスが言った。
「そういうことだ。で、どうする?」
「それを研究者に聞くの?」メリスだ。
「そうそう」とメリス。
「そうですね。我慢して待ってるとか、ちょっと無理ですね」これはレジンだ。
「私たち場合、待っていても救いの手は伸びないでしょうね」とシナノ。
「伸ばすのは私たち」とセリー。ほほぉ。
「そうなると、俺たちは目標達成のために積極的に転移することになる。その中で転移の法則を見付けられるかどうかが重要なポイントだ」
「頑張って見つけましょう」とレジン。
一同、しっかりと頷いた。
* * *
「ただ、問題は転移が起こる条件ですね。『トリガー条件』と『対象が選択される条件』です」レジンが言った。
いまのところ、怪しい発生条件しか思いつかない。
「最初の実験の時みたいな、球状の空間を切り出す転移は分かりやすかったのに」とメリス。
「新しい、今の転移は人間を選択するから難しいわよね」とユリ。
「ホントにそうなのかな?」
「どういうこと?」とメリス。
「いや、今の転移は単純じゃないというけど、それは法則や原理を知らないからで、本当は単純な理由で転移している気がする」
「単純な理由? どんな」とユリ。
「いや、そこまでは分からない」
「そうですね。リュウさんのいうことも一理ありますね。いづれにしても、私たちが世界の存在確率にどのように影響しているかなど全く分かりませんし、研究しようがありません」
「確かに」とメリス。
「世界の存在確率を測定しているわけでもないですし想像の域を出ません。当面は、これについては研究対象から外したほうがいいと思います」
「そうね。とりあえずリュウの関係者なら転移できるっぽいし」とメリス。
「『リュウさんの仲間だから』でいいことにしましょう」とシナノ。おい。
「そうなると、残る課題は『トリガー条件』と『転移の方向』か。この解明が俺たちの当面のテーマだな」
「そこまで分かれば、何とか軌道修正できそうですしね」とレジン。
他には技術的な目標として転移発光物質を見付けることが最優先課題との認識で一致した。多重世界において唯一の解明されつつある現象だからだ。
世界を渡り歩くなら『世界の識別』は最重要項目だろう。
こうして、この世界での方針は決まったのだった。
「これで、この世界を歩き回れますね」とレジン。
用意されたのは和服だった。
和洋折衷のアレじゃなくて、ちょっとほっとする。
和服なら多少の体格の違いは何とかなるし便利だ。
「うん、これで問題無く動き回れる。感謝する」
俺は素直に礼を言った。
「はっ、有り難き幸せ」
「ノブタダさん、もう堅苦しいのは止めましょう。普通でいいですよ」
いつまでも敬語を使われるのも疲れる。
「ですが」
「大丈夫です。神罰なんて下りません」
「そ、そうですか。安心しました」
「もう、神罰が下った世界みたいですしね」メリスがそんな事を言った。
「おお、さすがにお見通しですか」
メリスの言葉に、ノブタダが驚いて応えた。
「どういうこと?」
「お恥ずかしい話ですが実は長く飢饉が続いております」
「なるほど。ノブタダさんこそ試練の真っ最中ということか」
「はい」
「なんだろう? 冷害が続いてるのかな?」
「冷害とは?」
「夏の間、天候不順で作物が育たない事です」
「はい、おっしゃる通りです。それで不作が続いているのです」
飢饉になる原因は一つではない。
水不足や害虫の大発生などの問題もあるだろう。ただ、今回の場合は寒冷化のようだった。
日照時間が足りないことは特に対策が出来ない種類の原因だ。聞くところによると寒い夏がずっと続いているようで人口もかなり減ったらしい。
「確か、小氷期は十九世紀までじゃなかったか?」俺が少ない知識で言った。
「そうですね。その時代は世界中で火山活動が活発化していたようです」
レジンとも話が一致した。まぁ、世界Rと世界Lの話でしかないが。
「ん? 浅間の噴火はいつだった?」
俺はノブタダに聞いてみた。
「浅間山の噴火ですか? 確か、大噴火は三百年前と聞いています」
俺の世界Rとは二百年もズレている。
世界Lから見ても百五十年のズレだ。なのに溶岩がむき出しなのは寒冷化の影響か?
「噴火は西暦で言うと千七百年あたりか。とすると、むしろ他の国の噴火の影響かもな」
世界的な火山活動の話ならありうるか。
「あるいは、太陽黒点の影響もあるでしょう」
シナノも小氷期の原因について知っているようだ。
「何れにしても、簡単に手出し出来るようなことではないな」
俺はちょっと残念だった。
「やはり、これが最大の試練なのですね」
俺たちの話を聞いてノブタダも課題の大きさを改めて認識したようだ。
この世界の人間にとって最大の試練なのは間違いない。ただ、それが俺たちが転移した理由なのかどうかは何とも言えない。
ノブタダは、深刻な面持ちで帰って行った。
* * *
午後になって、俺たちは状況の把握と今後の活動について話し合った。
まず、この世界は仙台時代が続いていることから世界Sと名付けた。
多重世界の存在確率としては、世界Lよりレアな世界という認識で全員の意見が一致した。手持ちの転移発光物質が全く光らないからだ。
また、世界の状況は小氷期が長く続いたために衰退している状態と思われた。
これはノブタダからの情報だが国の中枢の見解なので間違いないだろう。
ただ、存在確率としては低いが特に急変しているという訳ではない。つまり、修正が必要な事件が起こっている訳ではないようだ。
「おおよそだが、この世界の状況はこんなところかな。レアな不運が続いているようで、存在確率はかなり低くなっていると思う」
「自分たちのせいではなく、自然現象っていうのがやるせないところよね」
メリスは思わず同情して言った。まぁ、自然は俺たちのためにあるわけじゃないからな。自然は普通に人を殺すし生物を殺す。
で、問題は俺たちはどうするかだ。
この多重世界で転移が起こるメカニズムは解明されていない。気まぐれとしか思えない。
また、転移先がどう決まるのかも分からない。ただ、印象として下流に流され易いようだというだけだ。
「俺たちは、どうすべきだと思う?」
俺は皆を見渡して言った。
「俺たちの目標は『自分の世界に戻る』ということ。これはいいよな?」
誰も文句はないようだ。
「ということは、俺たちがやるべきことは転移を発生させることだ」
「転移を自分から発生させるの?」
メリスは、ちょっと驚いて言った。
「なんか、怖い」ユリだ。
「闇雲に転移したら、さらに遠くへ行ってしまう可能性もありますね」とレジン。
「そうだな。下流に流されるだけなら戻れない。だが、上流に流れることもあるかも知れない。もしそうなら戻れる可能性が出てくる」
「それだけ多くのサンプルが必要ということですね」とレジン。
「そういうこと。一時的には遠くへ行ったとしても、転移の方向についての法則を見つけられればいい」
「そうね。リスクを冒して挑戦するか、黙って何もしないか」メリスが言った。
「そういうことだ。で、どうする?」
「それを研究者に聞くの?」メリスだ。
「そうそう」とメリス。
「そうですね。我慢して待ってるとか、ちょっと無理ですね」これはレジンだ。
「私たち場合、待っていても救いの手は伸びないでしょうね」とシナノ。
「伸ばすのは私たち」とセリー。ほほぉ。
「そうなると、俺たちは目標達成のために積極的に転移することになる。その中で転移の法則を見付けられるかどうかが重要なポイントだ」
「頑張って見つけましょう」とレジン。
一同、しっかりと頷いた。
* * *
「ただ、問題は転移が起こる条件ですね。『トリガー条件』と『対象が選択される条件』です」レジンが言った。
いまのところ、怪しい発生条件しか思いつかない。
「最初の実験の時みたいな、球状の空間を切り出す転移は分かりやすかったのに」とメリス。
「新しい、今の転移は人間を選択するから難しいわよね」とユリ。
「ホントにそうなのかな?」
「どういうこと?」とメリス。
「いや、今の転移は単純じゃないというけど、それは法則や原理を知らないからで、本当は単純な理由で転移している気がする」
「単純な理由? どんな」とユリ。
「いや、そこまでは分からない」
「そうですね。リュウさんのいうことも一理ありますね。いづれにしても、私たちが世界の存在確率にどのように影響しているかなど全く分かりませんし、研究しようがありません」
「確かに」とメリス。
「世界の存在確率を測定しているわけでもないですし想像の域を出ません。当面は、これについては研究対象から外したほうがいいと思います」
「そうね。とりあえずリュウの関係者なら転移できるっぽいし」とメリス。
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「そうなると、残る課題は『トリガー条件』と『転移の方向』か。この解明が俺たちの当面のテーマだな」
「そこまで分かれば、何とか軌道修正できそうですしね」とレジン。
他には技術的な目標として転移発光物質を見付けることが最優先課題との認識で一致した。多重世界において唯一の解明されつつある現象だからだ。
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