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15 政党支援1
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俺の学生時代の春休みは、怪しい探偵社に勤務することで全部埋まりそうである。
未来の俺が夢に見ることになりそうで、ちょっと嫌だ。
「なに、仏頂面してんの?」
俺の腕に絡みつくようにくっ付きながら、麗華が言った。
「いや、俺の学生時代の思い出は、このおんぼろビルが舞台なんだなと思ってな」
見上げると、さえない雑居ビルが見えた。
二階には『神海探偵社』とデカデカと書いてある。そういや、目立ってていいのかよ。
「ふふふ。私を思い出せばいいのよ」麗華はそんなことを言った。
* * *
「こんにちは~っ」
「こんにちは!」
いつもの神海希美とは違う女がいた。客ではないようだ。
「あら、妖子ちゃん。こんにちは!」麗華は知ってるらしい。
「こんにちは、麗華さん」
「知り合いなのか?」
「えっ? 下の花屋さんじゃない」と麗華。
俺は花屋に興味はないからな。
いや、花は好きだが、特にどうしようとか思わない。何故かと言うと、綺麗な時間は短くて枯れている時間が長いからだ。主に俺のせいだが。
「あら、いらっしゃい」奥から希美が出てきた。
「こんにちは~っ」
「龍一くん、夢野妖子ちゃん初めてだったのね」
希美は、何か伝票を処理しながら言った。
「ここの花は妖子ちゃんにお願いしてるのよ。あと、ときどき仕事も手伝って貰ってるの」
「夢野妖子です。よろしくお願いします」
「あ、神岡龍一です。よろしく」
夢野妖子が帰った事務所には、新しい花の香りが漂っていた。
* * *
「おう、来たか」
例の社訓の額縁を背に、大きな背もたれのある椅子にもたれ掛かって意次は言った。ちょっと、待ちわびた顔つきだ。今日は、ちょっと遅かったからな。
「ま、仲がいいのはいいことだ」バレてるし。麗華が、ちょっと恥ずかしそうにした。
「それでだ。あ、まぁ座ってくれ」
意次は、やはり急いているような感じだ。
俺たちは接客用のソファに座った。
「今回のミッションは未来からの依頼じゃないが、未来へ飛ぶ必要のある依頼だ」
意次は自分の席を立って俺達の前に座って言った。
今日は共感定期便じゃないのか?
「そんな依頼もあるんですね」
「そうだな。結果がどうなるか分からないような話だからな」
なるほど、未来に大きな不安があるような類か。
「まぁ、ちょっと厄介だが、未来の結果を報告するのが仕事だ。ちょっと繰り返しになって煩わしいと思うが、よろしく頼む」と意次が言った。
「どんな話なんですか?」
「ああ、詳しくは、村長の話を聞いてくれ。大体、政治がらみだと言うことは聞いたんだが詳細は俺も知らない」
「政治ですか?」
「そうだ。政治家ともうまくやらないとな」
* * *
少し待っていると村長と数名の顔役らしき人達がやって来た。
早速、仮眠室のある部屋へ移動して話を聞く。
大人数の会議テーブルがあるのは、この部屋だけだし共感遷移をする必要があるからだ。
「お世話になります」未来で会った村長とは別人だった。
「初めまして、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」と麗華。
それから、連れて来た人たちも含め簡単に名乗り合った。
「さっそくですが」
希美がお茶を置いていくと、村長はすぐに話を切り出した。
「実は、私やここにいる顔役たちに議員になってくれという依頼が殺到してましてな」
村長は、そう言ってから、少しこちらの反応を見るようにした。
「はい」
俺は先を催促するように、それだけ言った。
「それ自体は、大変好ましいことなのです。我々の仕事が外部からも評価されているわけですからな」
村長は微妙な顔で言う。喜んでいないというか、ありがた迷惑な顔だ。
「ご存じでしょうが、我々は目立ちたくありません」
「はい」
「つまり、目立った時点で失敗な訳です」失敗しちゃったんだ。
みると、村の顔役たちも憔悴している感じだ。議員を要請された人間がする顔じゃない。
「ずっと断ってたんですが、ここまできたら諦めて政党を作ろうってことになりました」と村長。
「そこで、いろいろと対策を講じるわけですが、立候補などの期限もあります。結果をすぐに知りたいわけです。もちろん、もし当選してしまったら、いい加減なことはできません」
なるほど。ここの人達はそうだよな。半端な仕事はしない。
「そうですね」
「そこで、政策つまりマニフェストを決定したら結果をすぐに知りたいのです。その結果を以って修正したいと思います。何度も、お世話になると思いますが、よろしくお願いします」と村長。
真摯な人だなと思った。なるほど、人気が出るのも分かる。
「分かりました」
つまり、彼らがマニフェストを作ったら、未来(この場合議員の任期が完了する時点)まで飛んで評価を確認してくるというのが今回の俺の仕事である。いい感じの評価になれば、ミッションは完了という訳だ。
まずは、最初のマニフェストは出来ているので、そのまま未来へと飛んだ。
<夢野妖子>
イラスト:AIアニメジェネレーターにて生成。
https://perchance.org/ai-anime-generator
未来の俺が夢に見ることになりそうで、ちょっと嫌だ。
「なに、仏頂面してんの?」
俺の腕に絡みつくようにくっ付きながら、麗華が言った。
「いや、俺の学生時代の思い出は、このおんぼろビルが舞台なんだなと思ってな」
見上げると、さえない雑居ビルが見えた。
二階には『神海探偵社』とデカデカと書いてある。そういや、目立ってていいのかよ。
「ふふふ。私を思い出せばいいのよ」麗華はそんなことを言った。
* * *
「こんにちは~っ」
「こんにちは!」
いつもの神海希美とは違う女がいた。客ではないようだ。
「あら、妖子ちゃん。こんにちは!」麗華は知ってるらしい。
「こんにちは、麗華さん」
「知り合いなのか?」
「えっ? 下の花屋さんじゃない」と麗華。
俺は花屋に興味はないからな。
いや、花は好きだが、特にどうしようとか思わない。何故かと言うと、綺麗な時間は短くて枯れている時間が長いからだ。主に俺のせいだが。
「あら、いらっしゃい」奥から希美が出てきた。
「こんにちは~っ」
「龍一くん、夢野妖子ちゃん初めてだったのね」
希美は、何か伝票を処理しながら言った。
「ここの花は妖子ちゃんにお願いしてるのよ。あと、ときどき仕事も手伝って貰ってるの」
「夢野妖子です。よろしくお願いします」
「あ、神岡龍一です。よろしく」
夢野妖子が帰った事務所には、新しい花の香りが漂っていた。
* * *
「おう、来たか」
例の社訓の額縁を背に、大きな背もたれのある椅子にもたれ掛かって意次は言った。ちょっと、待ちわびた顔つきだ。今日は、ちょっと遅かったからな。
「ま、仲がいいのはいいことだ」バレてるし。麗華が、ちょっと恥ずかしそうにした。
「それでだ。あ、まぁ座ってくれ」
意次は、やはり急いているような感じだ。
俺たちは接客用のソファに座った。
「今回のミッションは未来からの依頼じゃないが、未来へ飛ぶ必要のある依頼だ」
意次は自分の席を立って俺達の前に座って言った。
今日は共感定期便じゃないのか?
「そんな依頼もあるんですね」
「そうだな。結果がどうなるか分からないような話だからな」
なるほど、未来に大きな不安があるような類か。
「まぁ、ちょっと厄介だが、未来の結果を報告するのが仕事だ。ちょっと繰り返しになって煩わしいと思うが、よろしく頼む」と意次が言った。
「どんな話なんですか?」
「ああ、詳しくは、村長の話を聞いてくれ。大体、政治がらみだと言うことは聞いたんだが詳細は俺も知らない」
「政治ですか?」
「そうだ。政治家ともうまくやらないとな」
* * *
少し待っていると村長と数名の顔役らしき人達がやって来た。
早速、仮眠室のある部屋へ移動して話を聞く。
大人数の会議テーブルがあるのは、この部屋だけだし共感遷移をする必要があるからだ。
「お世話になります」未来で会った村長とは別人だった。
「初めまして、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」と麗華。
それから、連れて来た人たちも含め簡単に名乗り合った。
「さっそくですが」
希美がお茶を置いていくと、村長はすぐに話を切り出した。
「実は、私やここにいる顔役たちに議員になってくれという依頼が殺到してましてな」
村長は、そう言ってから、少しこちらの反応を見るようにした。
「はい」
俺は先を催促するように、それだけ言った。
「それ自体は、大変好ましいことなのです。我々の仕事が外部からも評価されているわけですからな」
村長は微妙な顔で言う。喜んでいないというか、ありがた迷惑な顔だ。
「ご存じでしょうが、我々は目立ちたくありません」
「はい」
「つまり、目立った時点で失敗な訳です」失敗しちゃったんだ。
みると、村の顔役たちも憔悴している感じだ。議員を要請された人間がする顔じゃない。
「ずっと断ってたんですが、ここまできたら諦めて政党を作ろうってことになりました」と村長。
「そこで、いろいろと対策を講じるわけですが、立候補などの期限もあります。結果をすぐに知りたいわけです。もちろん、もし当選してしまったら、いい加減なことはできません」
なるほど。ここの人達はそうだよな。半端な仕事はしない。
「そうですね」
「そこで、政策つまりマニフェストを決定したら結果をすぐに知りたいのです。その結果を以って修正したいと思います。何度も、お世話になると思いますが、よろしくお願いします」と村長。
真摯な人だなと思った。なるほど、人気が出るのも分かる。
「分かりました」
つまり、彼らがマニフェストを作ったら、未来(この場合議員の任期が完了する時点)まで飛んで評価を確認してくるというのが今回の俺の仕事である。いい感じの評価になれば、ミッションは完了という訳だ。
まずは、最初のマニフェストは出来ているので、そのまま未来へと飛んだ。
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