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#1:Lost.
②
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ソファで目を覚まし、冷蔵庫からクエン酸入りのレモンドリンクを取り出して、胃に流し込む。
もう木曜日の昼になっていた。
キリリと胃に染みて痛むのは効いている証拠だと都合良く解釈して、瓶の中身を空にした。
『明日は休みなさい』と言われてからの記憶は曖昧だった。
帰りにコンビニで酒を買い、潰れるまで飲んだようで、ご丁寧にレモンドリンクまで買っていた。そんな自分が少しおかしかった。
(明日はどんな顔をして会社に行けば良いのかな…)
二日前に処方された睡眠導入剤が視界に入る。
(見えない所に置こう…)
薬袋を裏返して、見えない様にテーブルの下に追いやった。
金曜日の朝を告げるアラームが鳴る。目を閉じて起きていた体を起こして、活動を開始する。
歯を磨き、電動シェーバーで髭を剃ってから顔を洗い、少し濡れた手で髪をかき上げる。整髪料は何も付けない。意味の無いこだわりだ。
通勤電車の中で、昨日休ませてもらったことに対する謝罪の言葉を組み立てながら、社内でどう振る舞うべきか考えていた。
会社が入るビルを前にした時、ボクの体は完全に停止してしまった。
(…あれ?)
心音が大きくなり、周りの雑音がシャットアウトされる。吐く息は全力疾走した後のように荒くなり、手も足も冷たくなっていることが分かった。本能なのか、体温を上げろと体が震えている。
目に映る景色は、端から墨汁が染み込むように滲んでいった。
…お……ます………せんぱ……?
「先輩っ!」
背中を叩かれ、視界が白く弾けた。
隣には、ボクの顔を覗き込む男の姿があった。
「おはようございます、先輩」
後輩が不思議そうな顔をして、ボクの顔を覗き込んでいた。
「あぁ…おはよう…」
絞り出すように放った口は、カラカラに乾いていた。
「どうしたんすか?遅刻しちゃいますよ?」
頼りになる人、味方、明日は休みなさい、貴方の人柄を知っていて、変わることは無い。
特に意味は無い。
ボクに向けられたその言葉たちが、濁流のように流れてきて、全てを飲み込んでいく。
ハリボテだと思っていた経験は、全て自分に対しての重圧でしかなかった。
期待されることが怖かった。
体は冷えきっているのに、汗は滝のように流れていた。
「……ぁ……こ、こわい……」
消え入りそうな声だったのに、聞き逃されていなかった。
「なに言ってんすか?ほら行きますよっ!」
(嫌だ…行きたくない)
いま行ってしまったら、全てが終わる気がした。
オフィスに入ると、すぐに体が拒絶反応を起こしてしまった。トイレに駆け込み、昨日飲んだレモンドリンクも、一昨日飲んだ酒も全て出し尽くしてしまった。
吐く物が無くなった後は、支社長が運転する車の後部座席で横たわっていた。高速道路の一定間隔で襲ってくる段差の振動は、空っぽの胃袋を執拗に刺激した。
自宅マンションのエントランス前まで送り届けてもらったボクは、この晒してしまった醜態を、どう償えば良いのか分からなかった。
「ボクは…どうすれば良いですか?」
バックミラー越しに聞いたボクに、ハンドルを握って前を向いまま「今はとにかく休みなさい」とだけ言った彼女は、こちらに顔を向けてくれることは無かった。
自宅に着くと、すぐにインナーと下着だけの姿になって布団に潜り込んだ。
一秒でも早く現実から逃げ出したかった。
あれだけ夜は眠れなかったのに、その時だけは不思議と、アルコールや睡眠導入剤に頼らずに眠ることが出来た。
土曜日の昼前まで、一度も起きることなく眠り続けていた。
昨日帰宅した正確な時間は分からないけれど、丸一日以上眠っていたらしい。
昨日までに起こった出来事を、振り返らずに忘却したくて家中を丁寧に掃除することにした。
キッチン周りや換気扇のフィルターの埃取りまで、この数週間で澱んでしまった空気を晴らすかのように、他の思考を自分に与えないよう黙々と体を動かした。
掃除を終えてから熱めのシャワーを浴びて、体を覆う穢れを落とした。シャンプーと石鹸の香りを纏う自分は、新品になった気がして清々しかった。
昨日空っぽにした胃袋は、まだ食べ物を求めていなかったけれど、冷蔵庫の中に何か無いか漁ることにした。
好奇心というものは、時にそれを上回るダメージを返してくることがある。ボクは冷蔵庫を開けてしまったことを、すぐに後悔した。
『食べる物が無かったこと』にではなく『見てはいけない物』を見てしまったことに。
異動の挨拶回り中に、とあるクライアントから戴いた一本の瓶だった。
『蒸溜所貯蔵 焙煎樽仕込梅酒』
選考を辞退した、あの会社の、ボクにメッセージを残してくれた人間から贈られた、ボクが好きだと知っていて贈ってくれた、嬉しいプレゼントだった物が、そこにはあった。
忘却しようとしていた昨日までの記憶が戻って来てしまう。
咄嗟に冷蔵庫から瓶を排除し、冷凍室から氷カップを取り出した。この贈り物を無かったことにしたかった。
味は殆どしなかったけれど、空腹の体に十四度のアルコールをロックで注ぎ込むことは、想像以上に堪えたようで、そのままソファで寝てしまっていた。
また『テレビと部屋の灯りは点いたまま』だった。
目が覚めた時、テレビ画面には競馬番組が流れていて、グランプリレースの勝利ジョッキーに、花束を渡す女優の姿が映し出されていた。
瞬間、猛烈な吐き気が押し寄せてきて、トイレに駆け込んだ。嬉しいプレゼントだったものは、下水道の彼方に流れていった。
リビングに戻ると競馬番組は終わっていて、バラエティ番組が始まっていた。いかにも日曜日の夕方らしい『家族みんなで観れる』ような番組だった。
テレビを消して昨日空にした瓶を手に取り、マンションの室内ゴミ置き場に向かう。管理人の居ない日曜日のゴミ置き場は、ゴミが乱雑に散らばっていて、同じ建物に住んでいる人達の気遣いの無さに嫌気が差した。綺麗に捨てれば良いのに…そう思いながら、あきビン専用のカゴの中に、割れないよう丁寧に贈り物の亡骸を葬った。
眠れない夜を過ごし、朝を告げるアラームが鳴り響く。
手探りでスマートフォンをタップして、不愉快な音を止める。
今日からまた新しい日常が始まる。
そう思っていたし、そう信じていた。
またボクは、体を起こすことが出来なかった。
窓の外からは、今年も産卵期を迎えてこの街に戻ってきた、ウミネコの鳴き声が聞こえていた。
もう木曜日の昼になっていた。
キリリと胃に染みて痛むのは効いている証拠だと都合良く解釈して、瓶の中身を空にした。
『明日は休みなさい』と言われてからの記憶は曖昧だった。
帰りにコンビニで酒を買い、潰れるまで飲んだようで、ご丁寧にレモンドリンクまで買っていた。そんな自分が少しおかしかった。
(明日はどんな顔をして会社に行けば良いのかな…)
二日前に処方された睡眠導入剤が視界に入る。
(見えない所に置こう…)
薬袋を裏返して、見えない様にテーブルの下に追いやった。
金曜日の朝を告げるアラームが鳴る。目を閉じて起きていた体を起こして、活動を開始する。
歯を磨き、電動シェーバーで髭を剃ってから顔を洗い、少し濡れた手で髪をかき上げる。整髪料は何も付けない。意味の無いこだわりだ。
通勤電車の中で、昨日休ませてもらったことに対する謝罪の言葉を組み立てながら、社内でどう振る舞うべきか考えていた。
会社が入るビルを前にした時、ボクの体は完全に停止してしまった。
(…あれ?)
心音が大きくなり、周りの雑音がシャットアウトされる。吐く息は全力疾走した後のように荒くなり、手も足も冷たくなっていることが分かった。本能なのか、体温を上げろと体が震えている。
目に映る景色は、端から墨汁が染み込むように滲んでいった。
…お……ます………せんぱ……?
「先輩っ!」
背中を叩かれ、視界が白く弾けた。
隣には、ボクの顔を覗き込む男の姿があった。
「おはようございます、先輩」
後輩が不思議そうな顔をして、ボクの顔を覗き込んでいた。
「あぁ…おはよう…」
絞り出すように放った口は、カラカラに乾いていた。
「どうしたんすか?遅刻しちゃいますよ?」
頼りになる人、味方、明日は休みなさい、貴方の人柄を知っていて、変わることは無い。
特に意味は無い。
ボクに向けられたその言葉たちが、濁流のように流れてきて、全てを飲み込んでいく。
ハリボテだと思っていた経験は、全て自分に対しての重圧でしかなかった。
期待されることが怖かった。
体は冷えきっているのに、汗は滝のように流れていた。
「……ぁ……こ、こわい……」
消え入りそうな声だったのに、聞き逃されていなかった。
「なに言ってんすか?ほら行きますよっ!」
(嫌だ…行きたくない)
いま行ってしまったら、全てが終わる気がした。
オフィスに入ると、すぐに体が拒絶反応を起こしてしまった。トイレに駆け込み、昨日飲んだレモンドリンクも、一昨日飲んだ酒も全て出し尽くしてしまった。
吐く物が無くなった後は、支社長が運転する車の後部座席で横たわっていた。高速道路の一定間隔で襲ってくる段差の振動は、空っぽの胃袋を執拗に刺激した。
自宅マンションのエントランス前まで送り届けてもらったボクは、この晒してしまった醜態を、どう償えば良いのか分からなかった。
「ボクは…どうすれば良いですか?」
バックミラー越しに聞いたボクに、ハンドルを握って前を向いまま「今はとにかく休みなさい」とだけ言った彼女は、こちらに顔を向けてくれることは無かった。
自宅に着くと、すぐにインナーと下着だけの姿になって布団に潜り込んだ。
一秒でも早く現実から逃げ出したかった。
あれだけ夜は眠れなかったのに、その時だけは不思議と、アルコールや睡眠導入剤に頼らずに眠ることが出来た。
土曜日の昼前まで、一度も起きることなく眠り続けていた。
昨日帰宅した正確な時間は分からないけれど、丸一日以上眠っていたらしい。
昨日までに起こった出来事を、振り返らずに忘却したくて家中を丁寧に掃除することにした。
キッチン周りや換気扇のフィルターの埃取りまで、この数週間で澱んでしまった空気を晴らすかのように、他の思考を自分に与えないよう黙々と体を動かした。
掃除を終えてから熱めのシャワーを浴びて、体を覆う穢れを落とした。シャンプーと石鹸の香りを纏う自分は、新品になった気がして清々しかった。
昨日空っぽにした胃袋は、まだ食べ物を求めていなかったけれど、冷蔵庫の中に何か無いか漁ることにした。
好奇心というものは、時にそれを上回るダメージを返してくることがある。ボクは冷蔵庫を開けてしまったことを、すぐに後悔した。
『食べる物が無かったこと』にではなく『見てはいけない物』を見てしまったことに。
異動の挨拶回り中に、とあるクライアントから戴いた一本の瓶だった。
『蒸溜所貯蔵 焙煎樽仕込梅酒』
選考を辞退した、あの会社の、ボクにメッセージを残してくれた人間から贈られた、ボクが好きだと知っていて贈ってくれた、嬉しいプレゼントだった物が、そこにはあった。
忘却しようとしていた昨日までの記憶が戻って来てしまう。
咄嗟に冷蔵庫から瓶を排除し、冷凍室から氷カップを取り出した。この贈り物を無かったことにしたかった。
味は殆どしなかったけれど、空腹の体に十四度のアルコールをロックで注ぎ込むことは、想像以上に堪えたようで、そのままソファで寝てしまっていた。
また『テレビと部屋の灯りは点いたまま』だった。
目が覚めた時、テレビ画面には競馬番組が流れていて、グランプリレースの勝利ジョッキーに、花束を渡す女優の姿が映し出されていた。
瞬間、猛烈な吐き気が押し寄せてきて、トイレに駆け込んだ。嬉しいプレゼントだったものは、下水道の彼方に流れていった。
リビングに戻ると競馬番組は終わっていて、バラエティ番組が始まっていた。いかにも日曜日の夕方らしい『家族みんなで観れる』ような番組だった。
テレビを消して昨日空にした瓶を手に取り、マンションの室内ゴミ置き場に向かう。管理人の居ない日曜日のゴミ置き場は、ゴミが乱雑に散らばっていて、同じ建物に住んでいる人達の気遣いの無さに嫌気が差した。綺麗に捨てれば良いのに…そう思いながら、あきビン専用のカゴの中に、割れないよう丁寧に贈り物の亡骸を葬った。
眠れない夜を過ごし、朝を告げるアラームが鳴り響く。
手探りでスマートフォンをタップして、不愉快な音を止める。
今日からまた新しい日常が始まる。
そう思っていたし、そう信じていた。
またボクは、体を起こすことが出来なかった。
窓の外からは、今年も産卵期を迎えてこの街に戻ってきた、ウミネコの鳴き声が聞こえていた。
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