ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める

亀野内アンディ

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貴族学院編

シュクルは帝都で夕食を

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 王都の中心地に来た。 

「⋯⋯⋯⋯」 

「シュクルどうしたの?元気ない?悪霊にでも取り憑かれた?」 

「いや⋯⋯」 

先ほどの大男の部屋を出たら王宮騎士団棟だった。一度タチアナさんの父親であるクロワサント伯爵と来た事があるからすぐに気づいた。 

そして騎士団の建物から出て道を歩いていたらギルド長に会った。どうしてここにいるのかと聞かれたので、怪しい大男を成敗したと話したら『やだ~!!超~面白そう!!最高じゃない!!』と言って消えていった。
その頭には先ほどの大男と同じ黒髪から同じ様な耳が見えた気がした。 

「⋯⋯いや、違うよな」 

そういえば昔ギルド長が『弟は超~大きくなっちゃった』とか『スレイプニルに乗ってる~』だの言っていた。あれはいつだったか⋯⋯軍馬の中にダークマターな馬とダークマター男がいたのを見た気がする。 

「まぁいいや。ギルド長の弟って公爵だろ?公爵様は自身の城で執務だな~」 

または誰かに仕事をさせて公爵自身は〇〇〇ヒルズで酒池肉林パーティーか、昔の雑誌の裏にありがちだった謎の通販広告を模して、札束風呂に美女と入っているだろう。だがあれは気持ちいいのか?札束の角が刺さりそうだ。 


「あれ可愛い~!」「横のはキモいよ!」「可愛いじゃない」 

王都の下町には可愛い小物屋やおしゃれな服屋が並んでいる。女子が四人も揃うと歩くだけで賑やかだ。 

「可愛い物があるのか?そろそろ我がシュクル邸宅も可愛くデコりたいから何か買うかな。どれどれ?⋯⋯⋯⋯っておい?!」 

我々の目の前に怪しい全身黒ローブの男と、かつての大きさのニーチェがいた。 

「う~(いた)」 

「ニーチェなのか?!本物か?!この大きさは?!」 

懐かしいギルドタグも付けているしニーチェで間違いない。でもどうしてここにいる?この大きさは? 

「ムシシ、会いに来たヨ、王都広クテ、時間カカッタ」 

「おぉ?!精霊じゃないか!こりゃ運がいい!」 

通常であれば二人が王都に来ていたとしても、学園にいる私とは絶対に会えなかっただろう。事前にテレパシーで連絡をくれればよかったのに。 

「シュクルサマ、驚かせタカッタ、ア!女のコ!!可愛いネ、ムシシ」 

「えぇ?!何コレ?!」「あ!呪いのポストの所で見た奴!」「ドラゴンね~」 

「ちょっと!ここでフードを取るなよ!その姿は色々まずいんだよ。そうだ、小さくなれ!」 

その場でエロ精霊はチンチラ型になった。 これで不審者の目撃通報はされないだろう。


「すみません、高級レストランに行けなくなってしまって」 

「いいわよ」「UMA連れじゃあ無理だよね」「これが精霊なの?」 

使役魔獣であるニーチェがいるので高級なレストランには行けなくなり、テラス席のあるカフェレストランでの夕食となった。ちなみに帰りも魔法陣で学院に帰れるので、寮の門限である八時までに戻ればいいそうだ。⋯⋯⋯⋯マジで魔法陣欲しい。自分で作れるかな?

「お父様から噂は聞いていたんだよね精霊。これが本物かぁ」 

「くぅ~ん(抱っこ)」 

何を愛想良くしているのだね。残念だが先ほど気色悪い顔を見られたのだから、抱っこなぞしてもらえる訳がないだろ。 

「ニーチェよ。サラダはどうだい?」 

「うー(おいしい)」 

日が傾きかけた王都の初夏は満開の花盛りで一年で一番美しい季節だと思う。
人々の笑い声があちらこちらから聞こえる。シュクルはニーチェと離れ離れになってから心に穴が開いている感じがしていたが、その穴が塞がれた気がして満たされた気分になった。 

「ちょっとシュクル?その大量な魔獣の生肉はドラゴン用じゃなくて、まさかあなたが食べるわけ?!」 

「ええ。うちの子は草食な優しいドラゴンですので」 

ニーチェと一緒ならご飯がより美味しい。 

モグモグ――ムシャムシャ――モグモグ――ムシャムシャ――モグモグ 

「ちょっと?!」「どれだけ食べるの?!しかも早い!!」「どこまで食べられるのか気になるわ。追加よ!」 

モグモグ――ムシャムシャ――モグモグ――ムシャムシャ――モグモグ 

満たされるなぁ~こんな気分は久しぶり。 

「お?そこのねーちゃんスゲ~な!」「おい!俺らからも肉注文しょうぜ!」 
「おねぇさん凄いね!」「私からもお肉を!」「もう店の肉全部だ!」 

――頑張れ!――頑張れ!――もう少しだ!――頑張れ!――あと一枚!―― 

「お?もう無いのか?ご馳走様でした」 

パチパチパチパチパチパチ パチパチパチパチパチパチ パチパチパチパチパチパチ 

あれ?どうして大勢の人達が私を見ているのだ? 

「シュクルのお腹はどうなってるの?」「不思議だね~四次元なのかな?」 「膨らんでないわね」

どうやら私の大食いを店の客と道行く人々が鑑賞していたらしい。 
しかも皆様がお肉をおごってくれたとか。神か? 

「皆様ありがとうございました!エイエイ!」 

上機嫌な私は、見学者達に理事長から教わった花と綺麗なピカピカ魔法を降らせてお礼をした。 

「綺麗!」「魔法なの?!」「あ!この子バザーの子じゃない!」「オーギュ様のお弟子さんよ!」「次の舞台も楽しみにしているわね!」「可愛いであります!」 

理事長の弟子ではないが応援されると嬉しい。魔境な王都でもいい人はいるのだな。 


「そろそろ帰りましょうか」 

「は~い。あれ?ポムだ」 

ギルド長の使い魔であるポムが私の腕に止まった。手紙を持っているようだな。 

「ポムありがとう。え~何が書かれているんだろうな~?えぇぇぇ?」 

「何て書かれていたの?」 

『超~~~楽しかった!!また弟と遊んであげてね!』 

や、やっぱりギルド長の弟だったぁ!!私たちの未来の上司じゃないかぁ?!ヤバイ、私たち何したっけ?あれ?そもそも何をしに行ったんだ? 

「あら?ふ~ん?また遊んで欲しいのね。好いじゃない」 

あれ?アンジェラさんも気にしてないし、いいのかな?ギルド長は楽しかったみたいだから、いいか! 

「帰ろうなニーチェ。シュクル邸宅を案内するよ。森だってあるんだ」 

「ウー(うん)」 

シュクルは幸せな気分で学院に戻った。 
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