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貴族学院編
シュクルの避けていた神殿の実態
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「はぁ⋯⋯今日も怪しい魔獣は現れなかった⋯⋯」
火事が起きない事はいい事だが、進捗のない状態が続くと心がすり減る。諜報は心も体も地道な努力が必要なのだった。
それからも特に進もなく一週間が過ぎた。毎日朝まで監視を行い、その足で朝のマルシェへ向かう。
「桃が美味しそうだな~メロンもいい。夏万歳!」
「どれも朝収穫したんだよ。新鮮だよ」
レストランは高いが、朝市で売られている野菜や果物は直接農家から持ってこられた物なので安くて新鮮だ。販売しているおばちゃんも農家のおばちゃんである。
「これが最近の楽しみだよ~」
気に入った果物や野菜を買い、パン屋でパンを買って帰る。朝の涼しい街中を進むと動物に出会う事もある。
「そこの猫ちゃん、この辺に魔獣はいるかい?」
「シャッツ(知るか)」
⋯⋯全く躾のなっていない猫だ。毛玉に対してすべての人間が甘いと思うなよ。
「必殺猫掴み」
野生を忘れた家猫はシュクルの瞬発力に対応できないのだ。
一瞬で猫掴みされてしまうのさ。
「ククク⋯⋯どうした?動けないのか?さっきまでの勢いはどうした?こちょこちょ~」
完全なる悪役のセリフを吐きつつ、猫を撫でまわしの刑に処す。今日も悪い猫の矯正に成功した。
「このままでは大切なお腹を触られてしまうぞ!いいのか?⋯⋯⋯⋯あぁぁ!?蚤ぃ!!」
赤黒い小さな蚤がぴょんと飛んできた。なんて飛躍力!超怖いので猫を手離し、足で蚤を踏み潰す。
「おえぇ?!潰れないぞ?!硬い!蚤って最強じゃないか!」
シュクルは蚤が怖いので悪役の如く逃げ帰った。
さて夕方になり今日も放火現場に向かう。
「おや?」
燃えたアパートの中が整理されているというか、地面が掘り起こされている。
ここに新たなアパートを建設するのかもしれない。焼け跡を放置しておいても仕方がないしな。シュクルは中に入り地面を観察する。百パーセント無いだろうが、地面に魔獣の痕跡がないか調べる
「魔力は感知されず。だが地面から出ている石はなんだろうか」
アパートの基礎部分か?でも材質が違う。それに自然な石ではなく削った石だ。この石⋯⋯ランドの記念公園にある石と同じ感じがする。遺跡の石か?
この町には大神殿があったのだ。その神殿や周辺に使われていた石が今も地面に埋まっているのは普通の事なのかもしれない。
他の二か所のアパートにも行ってみた。
「ここも堀り起こされている」
やはり同様に掘られた地面から遺跡の石が出ている。今回の放火に関係があるのだろうか。
「でも魔力は感じない。魔獣の臭いもしないし」
結局夜の監視でも調査の発展はなかった。
次の日シュクルは図書館に向かった。昨日見たアパートの下に残る遺跡に興味を惹かれたからだ。
「シュクル邸宅も立派な遺跡だからな。他の遺跡にも興味がある」
他の遺跡を見る事により、新たなインスピレーションを得て、より一層シュクル邸宅の庭を素敵にできるかもしれない。
まずは古代の大神殿について書かれている書物を見てみる。すると発掘調査の報告書や大神殿の復元図などを見つけた。
「えぇ~?大きい⋯⋯どうやって造ったんだよ。UFOじゃね?」
イレーヌさんではないが、人の手で造ったとは思えない大きさ⋯⋯それに神殿は一つではなかった。
「今も信仰が残るらしい、白の神の神殿跡があの記念公園かな」
シュクルは神殿が怖いので行った事はないが、昔の大神殿は一神教ではなく、白の神、緑の神、青、赤、黒と神は色で呼ばれていたみたいだ。
白は光であり太陽である。人が産まれ、亡くなったらまた帰る場所。この白の光信仰が今の神殿の中心らしい⋯⋯⋯⋯悪霊に効きそう。白の神の神像で霊を殴ったら成仏するかな?
緑は山や農耕の神らしく、今でも山道の道祖神としてや、豊穣を願う農村では神像が祀られているらしい⋯⋯⋯⋯私もシュクル農園の豊穣を祈る為に神像が欲しい。
青は海や川、雨などの水関係。漁の祈願や雨乞いをしたり、青の神に水害を治めてもらったりするそうだ⋯⋯⋯⋯すみません~青の神様~うちに水道管通してくれませんかね?
赤は火の神で、鍛冶屋や料理人など火を使う仕事の人に信仰されているらしい⋯⋯⋯⋯私も火の神に願おうかな?放火犯はどこにいるか教えて下さい。
黒は闇であり夜であり、人間の七大欲求を司るそうだ⋯⋯⋯⋯是非とも黒の神には公園で裸踊りをする変態共に天罰を与えて欲しい。性欲を無くすとか。
「どれどれ?他の神殿跡地はどこだ?あ~川の位置が変わっていて水に沈んだ神殿もあるのか。しかも赤の火の神殿かよ。そこは青の水の神殿にしておけって」
諸行無常。昔は信仰されていた神殿も今は水の中や土の中⋯⋯
「は~この大神殿の装飾がいい。ローマ遺跡みたいな建築美を感じる」
復元図を見ると古代ロマンを感じざるを得ない。シュクル邸宅も古代神殿風に改造しようかな? 私の服装からして似合う事間違いなし。石工職人目指すか。イレーヌさんが秘密結社だって喜びそう。
そんなどうでもいい事を考えながら緑や黒などの他の神殿の位置も確認する。
「ん?地図が古くて正確にはわからないけど⋯⋯⋯⋯あれ?マジ?」
「あぁ、マジで行きたくない。でも仕事だし、行くかな」
シュクルはランドの町にある神殿にやって来た。近くから見上げるとかなり大きい建築物だ。
礼拝堂の入り口は開いていて自由にお祈りできるようになっているみたいである。
観光客が出たり入ったりしているのでシュクルも中に入ってみた。
「うわ~天井が高い!建築技術がヤバイ!」
重機など無いのにどうやってこの高さまで石を積み上げたのだろうか。魔法?
信者用の長椅子が左右に並び、よく分からない神像が左右の壁側に並ぶ。そして正面には光の神と思われる神像がドン!っと鎮座していた。
「羽が生えている。天使か?右手に何か握っているから自由の女神みたいだ」
宗教画が所狭しと並び、壁画も凄い美しさだ。
「だが一つ尋ねたい。描かれている女性が裸だし、ムチムチと太っているのは何故だ?それに裸の男性の絵をみるとアソコが異様に小さい。これはどんな宗教なんだよ?」
やはり神殿はおかしい。シュクルをストーカーしていた神官も風俗を梯子するほど好きな変態野郎だったしな。
はぁ⋯⋯早く帰りたいが目的を達成するまでは帰れない。シュクルは神殿に併設されている、ランド神殿歴史美術館へ向かった。
「⋯⋯銅貨一枚?高くない?」
入館料が高い。千円くらいする。今朝買ったスイカ二つ分だぞ。ちなみに安くて超~美味しかった。だがここで払うお金は神官の懐に入るのが分かっているのでムカつく。このお金も風俗代になるのだろうか。
「こんにちは」
「こんにちは⋯⋯⋯⋯」
受付にいた神官に銅貨一枚を渡そうとしたのだが、フリーズした。もしかして獣人は入っては駄目なのか?
「すみませんが⋯⋯入館できますか?」
「は、は、はい!!!」
大きな声で叫ばれた。どんな反応だよ。もしかしてここ数年間は客が一人も来なかったので驚いたとか?あり得る。銅貨一枚は高いからな。
「ど、どうぞ!」
高いだけあって紙のパンフレットをもらえた。ちょっと嬉しい。
シュクルは中に入り、まずは順番に見ていく。
「お~!!出土した当時の聖遺物?いいね~装飾が細かい」
壁には宗教画が並ぶ。近くで見ると時間をかけて丁寧に色を塗った事が分かる。これらは神官が描いたのだろうか?いい仕事をしている。
そして中央に頑丈に守られているオブジェがあった。
「何かな?⋯⋯白の神の聖杭?あぁ!!変態神官が間違えて遊んだブツか!」
説明を読むと、これは天と地を結ぶ杭だそうで、天からの声や新しい命がこれを目指して地上に来て、亡くなった魂はここから空へ飛び立つとか⋯⋯避雷針か?電波塔か?
見た目は大きな釘みたいな形だ。どう考えても張形には見えない。やっぱりあの神官はおかしい。
それから宝石の埋まった装飾品や当時の大神殿の神殿長の物や神官服などを見て、やっとお目当ての場所である資料室を見つけた。
「昔の大神殿と他の神殿跡地の詳細な調査結果だ」
図書館の物より正確で細かい。シュクルは資料をめくった。
「⋯⋯⋯⋯」
何だろう?隠れながら神官達がシュクルを見ている。五人はいるぞ。えぇぇ?
そんなにお客さんが珍しいのか?確かに館内に客は一人もいないしな。とりあえずシュクルは無視して資料の確認をする。あと一時間で閉館だからだ。
「やっぱりな。でも偶然かもしれない⋯⋯一応メモをしておこう」
確認を終え、道順に従い歴史美術館から出る⋯⋯前にお土産エリアに辿り着いた。何を買わせるつもりだ?動物園に来た記念に動物のぬいぐるみを買ってしまうアレか?あの罠か?買ったってどうせメイドインC国のだろ?エッフェル塔のお土産もC国製だったぞ。最早お土産の概念が分からん。
それと出口付近にレジ置くなよ。私が何も買わないで出ると、レジ担当者にケチな人間だと思われるじゃないか。 佐藤もシュクルも小心者なんだからマジで止めて欲しい。
「⋯⋯⋯⋯ん?何だこのお土産コーナーは?!これは古代の美術品の精巧な画集?え?欲しい⋯⋯どうしょう?経費で落とせるかな?」
老人とは時として古美術にハマるのだ。シュクルも完全にソレだった。
「これ下さい」
「は、はい!!」
また元気に神官が対応してくれる。きっとお土産が売れたのも数年ぶりなのだろうな。
「つ、ついでにこの商品はいかがでしょうかぁ?!」
「はい?⋯⋯それカイザーぬいじゃないですか。それ十個くらい持っていますから、いりませんよ」
何故かカイザーぬいがここでも売られていた。モヴェーズ商会すげぇな。神殿にまで置いてもらっているのかよ。
「せめて神官服でも着せていれば買うかもしれませんが」
服を変えてご当地カイザーにすればいい。シュクルはお金を払って神殿を後にした。
火事が起きない事はいい事だが、進捗のない状態が続くと心がすり減る。諜報は心も体も地道な努力が必要なのだった。
それからも特に進もなく一週間が過ぎた。毎日朝まで監視を行い、その足で朝のマルシェへ向かう。
「桃が美味しそうだな~メロンもいい。夏万歳!」
「どれも朝収穫したんだよ。新鮮だよ」
レストランは高いが、朝市で売られている野菜や果物は直接農家から持ってこられた物なので安くて新鮮だ。販売しているおばちゃんも農家のおばちゃんである。
「これが最近の楽しみだよ~」
気に入った果物や野菜を買い、パン屋でパンを買って帰る。朝の涼しい街中を進むと動物に出会う事もある。
「そこの猫ちゃん、この辺に魔獣はいるかい?」
「シャッツ(知るか)」
⋯⋯全く躾のなっていない猫だ。毛玉に対してすべての人間が甘いと思うなよ。
「必殺猫掴み」
野生を忘れた家猫はシュクルの瞬発力に対応できないのだ。
一瞬で猫掴みされてしまうのさ。
「ククク⋯⋯どうした?動けないのか?さっきまでの勢いはどうした?こちょこちょ~」
完全なる悪役のセリフを吐きつつ、猫を撫でまわしの刑に処す。今日も悪い猫の矯正に成功した。
「このままでは大切なお腹を触られてしまうぞ!いいのか?⋯⋯⋯⋯あぁぁ!?蚤ぃ!!」
赤黒い小さな蚤がぴょんと飛んできた。なんて飛躍力!超怖いので猫を手離し、足で蚤を踏み潰す。
「おえぇ?!潰れないぞ?!硬い!蚤って最強じゃないか!」
シュクルは蚤が怖いので悪役の如く逃げ帰った。
さて夕方になり今日も放火現場に向かう。
「おや?」
燃えたアパートの中が整理されているというか、地面が掘り起こされている。
ここに新たなアパートを建設するのかもしれない。焼け跡を放置しておいても仕方がないしな。シュクルは中に入り地面を観察する。百パーセント無いだろうが、地面に魔獣の痕跡がないか調べる
「魔力は感知されず。だが地面から出ている石はなんだろうか」
アパートの基礎部分か?でも材質が違う。それに自然な石ではなく削った石だ。この石⋯⋯ランドの記念公園にある石と同じ感じがする。遺跡の石か?
この町には大神殿があったのだ。その神殿や周辺に使われていた石が今も地面に埋まっているのは普通の事なのかもしれない。
他の二か所のアパートにも行ってみた。
「ここも堀り起こされている」
やはり同様に掘られた地面から遺跡の石が出ている。今回の放火に関係があるのだろうか。
「でも魔力は感じない。魔獣の臭いもしないし」
結局夜の監視でも調査の発展はなかった。
次の日シュクルは図書館に向かった。昨日見たアパートの下に残る遺跡に興味を惹かれたからだ。
「シュクル邸宅も立派な遺跡だからな。他の遺跡にも興味がある」
他の遺跡を見る事により、新たなインスピレーションを得て、より一層シュクル邸宅の庭を素敵にできるかもしれない。
まずは古代の大神殿について書かれている書物を見てみる。すると発掘調査の報告書や大神殿の復元図などを見つけた。
「えぇ~?大きい⋯⋯どうやって造ったんだよ。UFOじゃね?」
イレーヌさんではないが、人の手で造ったとは思えない大きさ⋯⋯それに神殿は一つではなかった。
「今も信仰が残るらしい、白の神の神殿跡があの記念公園かな」
シュクルは神殿が怖いので行った事はないが、昔の大神殿は一神教ではなく、白の神、緑の神、青、赤、黒と神は色で呼ばれていたみたいだ。
白は光であり太陽である。人が産まれ、亡くなったらまた帰る場所。この白の光信仰が今の神殿の中心らしい⋯⋯⋯⋯悪霊に効きそう。白の神の神像で霊を殴ったら成仏するかな?
緑は山や農耕の神らしく、今でも山道の道祖神としてや、豊穣を願う農村では神像が祀られているらしい⋯⋯⋯⋯私もシュクル農園の豊穣を祈る為に神像が欲しい。
青は海や川、雨などの水関係。漁の祈願や雨乞いをしたり、青の神に水害を治めてもらったりするそうだ⋯⋯⋯⋯すみません~青の神様~うちに水道管通してくれませんかね?
赤は火の神で、鍛冶屋や料理人など火を使う仕事の人に信仰されているらしい⋯⋯⋯⋯私も火の神に願おうかな?放火犯はどこにいるか教えて下さい。
黒は闇であり夜であり、人間の七大欲求を司るそうだ⋯⋯⋯⋯是非とも黒の神には公園で裸踊りをする変態共に天罰を与えて欲しい。性欲を無くすとか。
「どれどれ?他の神殿跡地はどこだ?あ~川の位置が変わっていて水に沈んだ神殿もあるのか。しかも赤の火の神殿かよ。そこは青の水の神殿にしておけって」
諸行無常。昔は信仰されていた神殿も今は水の中や土の中⋯⋯
「は~この大神殿の装飾がいい。ローマ遺跡みたいな建築美を感じる」
復元図を見ると古代ロマンを感じざるを得ない。シュクル邸宅も古代神殿風に改造しようかな? 私の服装からして似合う事間違いなし。石工職人目指すか。イレーヌさんが秘密結社だって喜びそう。
そんなどうでもいい事を考えながら緑や黒などの他の神殿の位置も確認する。
「ん?地図が古くて正確にはわからないけど⋯⋯⋯⋯あれ?マジ?」
「あぁ、マジで行きたくない。でも仕事だし、行くかな」
シュクルはランドの町にある神殿にやって来た。近くから見上げるとかなり大きい建築物だ。
礼拝堂の入り口は開いていて自由にお祈りできるようになっているみたいである。
観光客が出たり入ったりしているのでシュクルも中に入ってみた。
「うわ~天井が高い!建築技術がヤバイ!」
重機など無いのにどうやってこの高さまで石を積み上げたのだろうか。魔法?
信者用の長椅子が左右に並び、よく分からない神像が左右の壁側に並ぶ。そして正面には光の神と思われる神像がドン!っと鎮座していた。
「羽が生えている。天使か?右手に何か握っているから自由の女神みたいだ」
宗教画が所狭しと並び、壁画も凄い美しさだ。
「だが一つ尋ねたい。描かれている女性が裸だし、ムチムチと太っているのは何故だ?それに裸の男性の絵をみるとアソコが異様に小さい。これはどんな宗教なんだよ?」
やはり神殿はおかしい。シュクルをストーカーしていた神官も風俗を梯子するほど好きな変態野郎だったしな。
はぁ⋯⋯早く帰りたいが目的を達成するまでは帰れない。シュクルは神殿に併設されている、ランド神殿歴史美術館へ向かった。
「⋯⋯銅貨一枚?高くない?」
入館料が高い。千円くらいする。今朝買ったスイカ二つ分だぞ。ちなみに安くて超~美味しかった。だがここで払うお金は神官の懐に入るのが分かっているのでムカつく。このお金も風俗代になるのだろうか。
「こんにちは」
「こんにちは⋯⋯⋯⋯」
受付にいた神官に銅貨一枚を渡そうとしたのだが、フリーズした。もしかして獣人は入っては駄目なのか?
「すみませんが⋯⋯入館できますか?」
「は、は、はい!!!」
大きな声で叫ばれた。どんな反応だよ。もしかしてここ数年間は客が一人も来なかったので驚いたとか?あり得る。銅貨一枚は高いからな。
「ど、どうぞ!」
高いだけあって紙のパンフレットをもらえた。ちょっと嬉しい。
シュクルは中に入り、まずは順番に見ていく。
「お~!!出土した当時の聖遺物?いいね~装飾が細かい」
壁には宗教画が並ぶ。近くで見ると時間をかけて丁寧に色を塗った事が分かる。これらは神官が描いたのだろうか?いい仕事をしている。
そして中央に頑丈に守られているオブジェがあった。
「何かな?⋯⋯白の神の聖杭?あぁ!!変態神官が間違えて遊んだブツか!」
説明を読むと、これは天と地を結ぶ杭だそうで、天からの声や新しい命がこれを目指して地上に来て、亡くなった魂はここから空へ飛び立つとか⋯⋯避雷針か?電波塔か?
見た目は大きな釘みたいな形だ。どう考えても張形には見えない。やっぱりあの神官はおかしい。
それから宝石の埋まった装飾品や当時の大神殿の神殿長の物や神官服などを見て、やっとお目当ての場所である資料室を見つけた。
「昔の大神殿と他の神殿跡地の詳細な調査結果だ」
図書館の物より正確で細かい。シュクルは資料をめくった。
「⋯⋯⋯⋯」
何だろう?隠れながら神官達がシュクルを見ている。五人はいるぞ。えぇぇ?
そんなにお客さんが珍しいのか?確かに館内に客は一人もいないしな。とりあえずシュクルは無視して資料の確認をする。あと一時間で閉館だからだ。
「やっぱりな。でも偶然かもしれない⋯⋯一応メモをしておこう」
確認を終え、道順に従い歴史美術館から出る⋯⋯前にお土産エリアに辿り着いた。何を買わせるつもりだ?動物園に来た記念に動物のぬいぐるみを買ってしまうアレか?あの罠か?買ったってどうせメイドインC国のだろ?エッフェル塔のお土産もC国製だったぞ。最早お土産の概念が分からん。
それと出口付近にレジ置くなよ。私が何も買わないで出ると、レジ担当者にケチな人間だと思われるじゃないか。 佐藤もシュクルも小心者なんだからマジで止めて欲しい。
「⋯⋯⋯⋯ん?何だこのお土産コーナーは?!これは古代の美術品の精巧な画集?え?欲しい⋯⋯どうしょう?経費で落とせるかな?」
老人とは時として古美術にハマるのだ。シュクルも完全にソレだった。
「これ下さい」
「は、はい!!」
また元気に神官が対応してくれる。きっとお土産が売れたのも数年ぶりなのだろうな。
「つ、ついでにこの商品はいかがでしょうかぁ?!」
「はい?⋯⋯それカイザーぬいじゃないですか。それ十個くらい持っていますから、いりませんよ」
何故かカイザーぬいがここでも売られていた。モヴェーズ商会すげぇな。神殿にまで置いてもらっているのかよ。
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