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堀宮樹
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「大人の男性って感じ……」
三十代だし、そりゃそうか。俺より歳上ってことだもんね。プロフィールで感じ取った印象だけだからアレだけど……普通の人っぽいしメッセージ送ってみようかな。このままだと人を漁るだけで終わっちゃいそうだし。
こういうときってどんなメッセージを送ったらいいんだろう。
「えっと……はじめまして、ほりみーです」
ほりみー、それが俺のマッチングアプリでの名前。本名は堀宮樹なんだけど、本名で登録するのに抵抗があったから学生時代のあだ名で登録してみた。こうやって自己紹介に使うとちょっと滑稽だな。
「ゲーム好きなんですね、おすすめのゲーム教えてください……と。こんな感じでいいのかな」
迷っていても仕方がないので打ち込んだメッセージをそのままえいっと送信する。すぐに返事は来ないと思うし……ご飯でも作ろうかな。
*
自分のためだけに作った料理をテーブルに並べて手を合わせて「いただきます」と口にする。ちょうどそのタイミングで床に置きっぱなしにしていたスマホが震える。お腹が空いてたから一口食べてからスマホを確認することにした。
「あ、うまっ」
冷蔵庫にあったもので適当に作った料理だけど、おいしくできた。一口食べてからと思ったのに結局四口くらいいってしまった。
ごくんと飲み込んでコップ一杯分の水を飲み干してから、ここでようやくスマホを手に取る。
「お」
思っていたよりも早く返事が来ていた。
『はじめまして、たつひさです。メッセージありがとう。最近はゲームする時間があんまり取れないんだけど……』と、たつひささんは自分が一番好きなゲームを教えてくれた。見事に俺がやったことないやつ。ここから話題を広げるのは難しいかも。
「あっ」
どう返事しようかなと悩んでいたら、追加でメッセージが送られてきた。
『ほりみーくんの趣味、ギターなんだね。俺楽器弾けないから羨ましいな』だって。こっちの趣味にも触れてくれるんだ。会話を広げようとしてくれてる、もしかしたら当たり前のことなのかもしれないけど嬉しかった。
それから返信が来るたびにたつひささんとメッセージのやり取りを繰り返した。共通の趣味はほとんどないに等しかったけど、こっちにも興味を持った返信をしてくれるから会話が尽きなくて。
こんなふうに誰かとたくさんメッセージのやり取りをしたの、初めてかも。
マッチングアプリなんだしもっといろんな人もいるんだから、他の人ともやり取りをしてみればいいものの……俺はたつひささんにだけメッセージを送りつづけた。
*
マッチングアプリでたつひささんとやり取りを始めてから約一週間。ほぼ毎日メッセージを送り合っていると言ってもいい。そろそろ会って話してみたいなと思った矢先──『今度ご飯でもどう?』たつひささんからそう誘ってもらえた。
会える……メッセージでしか話したことがないたつひささんと。声も知らないし、もしかしたらプロフィールの写真も偽物かもしれない。
少し怖かったけどそれよりも会いたいという気持ちのほうが強かった。
「会ってみよう」
実際会いにいって全然違う人だったら帰ればいいし……うんうん! まずは踏み出さないと!
よーし、そうと決まったらなに着ていくか考えないと!
*
三十代だし、そりゃそうか。俺より歳上ってことだもんね。プロフィールで感じ取った印象だけだからアレだけど……普通の人っぽいしメッセージ送ってみようかな。このままだと人を漁るだけで終わっちゃいそうだし。
こういうときってどんなメッセージを送ったらいいんだろう。
「えっと……はじめまして、ほりみーです」
ほりみー、それが俺のマッチングアプリでの名前。本名は堀宮樹なんだけど、本名で登録するのに抵抗があったから学生時代のあだ名で登録してみた。こうやって自己紹介に使うとちょっと滑稽だな。
「ゲーム好きなんですね、おすすめのゲーム教えてください……と。こんな感じでいいのかな」
迷っていても仕方がないので打ち込んだメッセージをそのままえいっと送信する。すぐに返事は来ないと思うし……ご飯でも作ろうかな。
*
自分のためだけに作った料理をテーブルに並べて手を合わせて「いただきます」と口にする。ちょうどそのタイミングで床に置きっぱなしにしていたスマホが震える。お腹が空いてたから一口食べてからスマホを確認することにした。
「あ、うまっ」
冷蔵庫にあったもので適当に作った料理だけど、おいしくできた。一口食べてからと思ったのに結局四口くらいいってしまった。
ごくんと飲み込んでコップ一杯分の水を飲み干してから、ここでようやくスマホを手に取る。
「お」
思っていたよりも早く返事が来ていた。
『はじめまして、たつひさです。メッセージありがとう。最近はゲームする時間があんまり取れないんだけど……』と、たつひささんは自分が一番好きなゲームを教えてくれた。見事に俺がやったことないやつ。ここから話題を広げるのは難しいかも。
「あっ」
どう返事しようかなと悩んでいたら、追加でメッセージが送られてきた。
『ほりみーくんの趣味、ギターなんだね。俺楽器弾けないから羨ましいな』だって。こっちの趣味にも触れてくれるんだ。会話を広げようとしてくれてる、もしかしたら当たり前のことなのかもしれないけど嬉しかった。
それから返信が来るたびにたつひささんとメッセージのやり取りを繰り返した。共通の趣味はほとんどないに等しかったけど、こっちにも興味を持った返信をしてくれるから会話が尽きなくて。
こんなふうに誰かとたくさんメッセージのやり取りをしたの、初めてかも。
マッチングアプリなんだしもっといろんな人もいるんだから、他の人ともやり取りをしてみればいいものの……俺はたつひささんにだけメッセージを送りつづけた。
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マッチングアプリでたつひささんとやり取りを始めてから約一週間。ほぼ毎日メッセージを送り合っていると言ってもいい。そろそろ会って話してみたいなと思った矢先──『今度ご飯でもどう?』たつひささんからそう誘ってもらえた。
会える……メッセージでしか話したことがないたつひささんと。声も知らないし、もしかしたらプロフィールの写真も偽物かもしれない。
少し怖かったけどそれよりも会いたいという気持ちのほうが強かった。
「会ってみよう」
実際会いにいって全然違う人だったら帰ればいいし……うんうん! まずは踏み出さないと!
よーし、そうと決まったらなに着ていくか考えないと!
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