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【第二部】三章 激動なのか、激情なのか
二十五、凪のレストラン
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水平線を切り取ったかのような大きな窓のすぐ側に置かれたテーブルセット。白を基調とした店内のお陰で、海と空の青がよく映えている。てっきり個室かと思えば、フロアには他にも三組ほどの客がゆったりと食事を楽しんでいる。正直、余りにもベタな雰囲気でちょっとかなり気恥ずかしい。
料理はさすが貿易国家のトーカシアらしく、様々な物が出てきた。楽しみにしていたブイヤベースに、聞き慣れない名前の豆を使ったペーストと焼きたてのパン。魚料理や肉料理。食事の美味しさは間違いなくこの国に来てよかった点の一つだ。
お互いまだまだ成長期でもあるし、それなりにボリュームのあったコースもペロリと食べてしまった。小声で「もう一巡はできるな」「僕も言おうと思った」なんて話して笑い合う。
不意に声をかけられたのは、食後の紅茶を待っているときだった。
「ブライトル殿下。ご歓談中失礼いたします」
声の主は、一番奥のテーブルで食事をしていた男性だった。藍色の髪は長く、細く一つにまとめている。髪と同じ色の切れ長の瞳は鋭く、外見は三十代の半ばくらいなのに、何故か年齢以上に達観したような空気のある人だった。
SPが前に出て、一度会話を遮る。体格のいいSPと並んでも遜色ないほどに背が高い。
「お前は?」
ブライトルは話を聞くことにしたようだ。そっとSPを手で制した。
「ありがとうございます。私、タタドニーサより参りました。セルジオ・ベキスと申します。恐れ多くも下位の官僚を仰せつかっております。本日はご挨拶だけでもさせていただければ、と不躾にもお声を掛けてしまったこと、どうかお許しください。ブライトル殿下をお見かけできるなど、私の人生でまたとない機会。次にお会いできるときにはきっと笑ってお話などできないことでしょう。どうか、ご用命などありますれば、ぜひ、このセルジオ・ベキスに」
「――もういい。下がれ」
「……承知いたしました。婚約者様とのお時間と知りつつ、失礼いたしました。ありがとうございました」
タタドニーサ国……。セイダル国と陸続きの、大河を挟んだニュドニアの西側の国だ。一応独立国となっているけれど、現在はほとんどセイダル国の属国みたいなものだ。
礼の後、セルジオは様子を伺っていた僕に視線を向けた。目が合う。僕は一度瞬きをしてわざとらしく目を逸らした。官僚? とてもそうは見えない。彼の体格はどちらかと言えば軍人に近いし、僕を値踏みするかのような目つきには何か含みを感じた。
「ブライトル」
セルジオが立ち去ったのを確認してから、出された紅茶を口に運んだ。何だろう。何か、嫌な予感がする。
「気になるな。あの男、ニュドニアにいたことがあるかもしれない」
「……セイダルじゃなく?」
「ああ。ニュドニアの訛りがあった気がする。わざとかもしれないが」
ニュドニア語はセイダル語に近いから、トーカシア語を話すとセイダル訛りと言われることが多いのだけれど、母国語側の人からはそれぞれ訛りが分かるらしい。
「そうか。……彼は本当に官僚だと思うか?」
「どういう意味だ?」
「官僚と言うには体格がよすぎる。あれはしっかりと鍛えている体だ。少なくとも武術かモクトスタを扱えると思う。それに、立ち居振る舞いに少し違和感があった気がする。……そもそも、こういうことはよくあるのか?」
僕の言葉にブライトルは左の指先を顎先に添えた。そんな仕草一つ取っても優雅で、場違いにも心音が大きくなる。
「こういうこと自体は珍しいこどじゃない。俺は兄上よりも身軽な分、取り入ろうって輩から声をかけられやすい。ただ、そうだな。確かにあれは何かしら体を動かしている筋肉の付き方だ」
「調べるのか?」
「そうしたいのは山々だが、あの手の人間はそれこそたくさんいるんだ。少し怪しいくらいで行動に移す時間がない」
ブライトルが小さく両肩を竦める。さっきの仕草との違いに、どうしても目尻が下がる。
「ブライトルは、意外に動きが俗っぽいよな」
「そう言うエドマンドは意外に口が悪いよな」
「お互い様か?」
「そういうことにしておこうか?」
「ふ、そうだな」
自然に口角が上がる。正面のブライトルが目を見張る。気分がいい。してやったりと言ったところだ。
「んん、さて、それで、来週のトンプセン家の招待のことだが」
「ああ、そうだったな……」
トンプセン家。ブライトルを王位に就けようと、一時期かなり積極的だった家だ。この間挨拶した当主のシルヴィア様に強引な招待を受たまま保留にしていた案件。いつまでも先延ばしにするわけにもいかず、明後日、僕はマイールズと二人で訪うことになっている。
同席者は悩みに悩んだ。誘われているのが僕だけの状態で、王族であるフルーリア王女やブライトル、英雄のイアンを伴うわけにはいかない。イアンの通訳兼側近やトーカシア国側の官僚など連れて行けば、一人で話もできないかと思われる。かと言って、不慣れな土地と言語の中で一人立ち回るには不安が残る。
そこで白羽の矢が立ったのがマイールズだった。彼なら友人として、せっかくなら流通の話を一緒に、なんて言い訳もできるし、ブライトルからの信用もある。
「基本的には約束の類を取り付けないことだな。判断に迷ったら濁せ。後は感情的になるな、とこれは大丈夫か?」
「相手はかなり上手のようだし、絶対はないような気がする。でも、できるだけマイールズに頼らないで済むよう気を付ける」
「そうしてくれ。マイールズは立場上、強くは出られない。頼りっきりというわけにもいかないだろうしな」
ブライトルの言葉を最後に一瞬だけ間が空く。憂鬱な予定に、お互いにため息でもつきたかったのかもしれない。同時に目が合って、僕が目を細めると正面のブルーも柔らかく光った。
料理はさすが貿易国家のトーカシアらしく、様々な物が出てきた。楽しみにしていたブイヤベースに、聞き慣れない名前の豆を使ったペーストと焼きたてのパン。魚料理や肉料理。食事の美味しさは間違いなくこの国に来てよかった点の一つだ。
お互いまだまだ成長期でもあるし、それなりにボリュームのあったコースもペロリと食べてしまった。小声で「もう一巡はできるな」「僕も言おうと思った」なんて話して笑い合う。
不意に声をかけられたのは、食後の紅茶を待っているときだった。
「ブライトル殿下。ご歓談中失礼いたします」
声の主は、一番奥のテーブルで食事をしていた男性だった。藍色の髪は長く、細く一つにまとめている。髪と同じ色の切れ長の瞳は鋭く、外見は三十代の半ばくらいなのに、何故か年齢以上に達観したような空気のある人だった。
SPが前に出て、一度会話を遮る。体格のいいSPと並んでも遜色ないほどに背が高い。
「お前は?」
ブライトルは話を聞くことにしたようだ。そっとSPを手で制した。
「ありがとうございます。私、タタドニーサより参りました。セルジオ・ベキスと申します。恐れ多くも下位の官僚を仰せつかっております。本日はご挨拶だけでもさせていただければ、と不躾にもお声を掛けてしまったこと、どうかお許しください。ブライトル殿下をお見かけできるなど、私の人生でまたとない機会。次にお会いできるときにはきっと笑ってお話などできないことでしょう。どうか、ご用命などありますれば、ぜひ、このセルジオ・ベキスに」
「――もういい。下がれ」
「……承知いたしました。婚約者様とのお時間と知りつつ、失礼いたしました。ありがとうございました」
タタドニーサ国……。セイダル国と陸続きの、大河を挟んだニュドニアの西側の国だ。一応独立国となっているけれど、現在はほとんどセイダル国の属国みたいなものだ。
礼の後、セルジオは様子を伺っていた僕に視線を向けた。目が合う。僕は一度瞬きをしてわざとらしく目を逸らした。官僚? とてもそうは見えない。彼の体格はどちらかと言えば軍人に近いし、僕を値踏みするかのような目つきには何か含みを感じた。
「ブライトル」
セルジオが立ち去ったのを確認してから、出された紅茶を口に運んだ。何だろう。何か、嫌な予感がする。
「気になるな。あの男、ニュドニアにいたことがあるかもしれない」
「……セイダルじゃなく?」
「ああ。ニュドニアの訛りがあった気がする。わざとかもしれないが」
ニュドニア語はセイダル語に近いから、トーカシア語を話すとセイダル訛りと言われることが多いのだけれど、母国語側の人からはそれぞれ訛りが分かるらしい。
「そうか。……彼は本当に官僚だと思うか?」
「どういう意味だ?」
「官僚と言うには体格がよすぎる。あれはしっかりと鍛えている体だ。少なくとも武術かモクトスタを扱えると思う。それに、立ち居振る舞いに少し違和感があった気がする。……そもそも、こういうことはよくあるのか?」
僕の言葉にブライトルは左の指先を顎先に添えた。そんな仕草一つ取っても優雅で、場違いにも心音が大きくなる。
「こういうこと自体は珍しいこどじゃない。俺は兄上よりも身軽な分、取り入ろうって輩から声をかけられやすい。ただ、そうだな。確かにあれは何かしら体を動かしている筋肉の付き方だ」
「調べるのか?」
「そうしたいのは山々だが、あの手の人間はそれこそたくさんいるんだ。少し怪しいくらいで行動に移す時間がない」
ブライトルが小さく両肩を竦める。さっきの仕草との違いに、どうしても目尻が下がる。
「ブライトルは、意外に動きが俗っぽいよな」
「そう言うエドマンドは意外に口が悪いよな」
「お互い様か?」
「そういうことにしておこうか?」
「ふ、そうだな」
自然に口角が上がる。正面のブライトルが目を見張る。気分がいい。してやったりと言ったところだ。
「んん、さて、それで、来週のトンプセン家の招待のことだが」
「ああ、そうだったな……」
トンプセン家。ブライトルを王位に就けようと、一時期かなり積極的だった家だ。この間挨拶した当主のシルヴィア様に強引な招待を受たまま保留にしていた案件。いつまでも先延ばしにするわけにもいかず、明後日、僕はマイールズと二人で訪うことになっている。
同席者は悩みに悩んだ。誘われているのが僕だけの状態で、王族であるフルーリア王女やブライトル、英雄のイアンを伴うわけにはいかない。イアンの通訳兼側近やトーカシア国側の官僚など連れて行けば、一人で話もできないかと思われる。かと言って、不慣れな土地と言語の中で一人立ち回るには不安が残る。
そこで白羽の矢が立ったのがマイールズだった。彼なら友人として、せっかくなら流通の話を一緒に、なんて言い訳もできるし、ブライトルからの信用もある。
「基本的には約束の類を取り付けないことだな。判断に迷ったら濁せ。後は感情的になるな、とこれは大丈夫か?」
「相手はかなり上手のようだし、絶対はないような気がする。でも、できるだけマイールズに頼らないで済むよう気を付ける」
「そうしてくれ。マイールズは立場上、強くは出られない。頼りっきりというわけにもいかないだろうしな」
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