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【第二部】三章 激動なのか、激情なのか
二十四、心穏やかなとき
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『エドマンド様
いかがお過ごしでしょうか? 私たちは貴方の面影を探す毎日ですが、いつかお会いできるときに情けない姿をお見せするわけにもいきません。毎日勉学にモクトスタの訓練、両親や祖父母からの指導などに励む日々です。
アンドリューは最近ダンと過ごす時間が増えました。役人として外交するだけではなく、市井の人たちの様子を知るためにも、彼の話が参考になるようです。ダンのように広い目で物事を捉え、未来のニュドニアをさらに躍進させるのだとやる気を見せてくれています。
バートンは以前のエドマンド様のように、法律書の勉強を始めました。法律家になるつもりなのかと言うほどの熱心さです。罪を知るためには、まず法を知るべきだと珍しく真剣な顔で語っていました。体術にも力を入れていますし、人々を守るという意識が高まってきているようです。
ダンは相変わらずですが、かなり忙しそうにしています。イアンのいない今、軍に残った英雄は彼だけなので、色々と頼られて四苦八苦しているようです。アンドリュー、バートンと共に疲れたら言って欲しいと伝えてはいます。
私は最近、市場などの商品の流れや輸出入の流れなど、分かる範囲で調べるようになってまいりました。もちろん、勉強とモクトスタを含めたトレーニングも行っています。今行っていることが、どれだけ将来に実を結ぶかは分かりません。でもいつか結果に繋がれば、と期待しております。
エドマンド様のお手紙をいつも楽しみに拝読しております。お体に気を付けて。
セドリック』
セドリックからの手紙を一気に読み切ると、僕は椅子の背に背中を預けて正面にある窓の外を眺めた。ずいぶんと頑張っているようだ。僕がこちらへ来たことによって、彼等からどれだけの物を取り上げるのかと不安に思っていたけれど、前向きに取り組んでくれているようで嬉しい。文面だけが全てではないのかもしれないけれど、きっと事実なのだと信じたい。
実は同時期にアンドリューとバートン、何とダンからも手紙が届いている。自分を鼓舞するためにも、彼等の手紙は重要な栄養の一つだ。外はかなり寒くなってきていて、トレーニングと通学以外で出る用事も少ない。僕はいそいそと次の手紙に手を伸ばした。
セイダル国は、ニュドニアを諦めるつもりは毛頭ないようだ。調べさせた情報によると、来年の秋にでもまた進軍するのではないかと予想されている。トイメトアでの損失は一年半もあれば補填できてしまったのだろう。戦争は、終わらない。セイダルがニュドニアを、モカトを欲しがる限り。
ダンの手紙によると、イアンだけじゃなく他の三人も軍に招集されるだろうとのことだった。本格的に開戦すれば、僕とブライトルもニュドニアの地へ向かう可能性もある。望んだ形ではないけれど、僕が彼等に会える日も、そう遠くないのかもしれない。
*****
イアンの帰国を二週間後に控えた十一月中旬。僕とブライトルは久しぶりに二人で出かけることができた。
場所は屋台や市場とは違ってしっかりと店舗を構えている高級宝飾店だ。珍しい輸入品などを見たいというから、仕方なくここへ来ている。この後は僕の希望で海の見える店で海鮮料理を食べる予定だ。スパイスの利いたブイヤベースが美味しいそうなので、とても楽しみにしている。
「うーん、瞳の色に合わせるならエメラルドだけど、敢えてルビーで華やかにするか。せっかくならトーカシアブルーにしたい気持ちもあるな……」
宝飾店と聞いたときから嫌な予感はしていたけれど、やっぱりブライトルは僕に何かを見繕うつもりでいたらしい。今は、カフスボタンでどの宝石にするかで真剣に悩んでいる。
「うん、でも今日はこれにしよう。エドマンド、腕を」
「……はい」
結局僕の瞳の色に近いエメラルドにしたらしい。シンプルなプラチナの丸い台座に埋まっているのは綺麗にカットされた緑の石だ。きっと、どの角度からでも光を反射するよう計算されているのだろう。
熟練の販売員らしき壮年の男性が静かに僕たちのやり取りを見ている。白手袋をした手はむやみに商品を触ることなく、ビロードの生地に添えられていた。
「うん、君は色が白いから濃い色の方が映えるね。これにしよう。このままで」
「承知いたしました」
「――失礼いたします」
販売員が頭を下げると、少しして若い販売員が紅茶を取り換えてきた。ブライトルがティーカップを持ち上げて、何かに気づいたように僕を振り向いた。
「ああ……エドマンド、飲んでみてごらん」
「はい……、あ……これは」
「はい、ニュドニア産でございます。エドマンド様はもちろん、ブライトル殿下もお好きだと伺いましたので」
「ありがとう。いい時間になった」
「ありがとうございます」
「光栄です」
出されたのはニュドニア産の紅茶だった。ちょっとしたことなのに、どうしても感動してしまった。
僕はとても裕福な家に生まれたし、行儀作法も叩き込まれたからある程度の社交だってできる。でも、残念ながらこういった『遊び』の経験がひどく少ない。接待されることに不慣れなのだ。
「これでは何かもう一つくらい見ないわけにはいかないな」
そして、ブライトルは『遊び』に慣れている。相手の気持ちを汲むのが上手いのだ。駆け引きが上手い。また一つ課題が見つかってしまった。
「エドマンド、どうだ?」
レストランへ向かう馬車の中、ブライトルが軽く胸を張って見せてきた。僕は言葉に詰まって十五センチ近く上にある顔を見上げる。
「言わせたいのか?」
「そうだな。言ってくれたら嬉しい」
「……似合っている」
「そうか、ありがとう」
覗き込んでくるブライトルは素直に嬉しそうだ。追加の一つにサファイアのラペルピンを選んで、僕と同じように身に着けている。台座がカフスボタンとよく似たデザインだから、どうしても唇の端っこがムズムズする。……この空気は苦手だ。
「あんたと宝飾店に行くのは二度目だな」
「そうだな」
「っ、」
ツ、と人差し指で襟の辺りを辿られる。咄嗟に体が硬直した。まるで服の下に着けているチェーンの上から、皮膚を撫でられているような気持ちになる。首の辺りがゾワゾワして、何だか目の奥が熱い。
「そ、ういえばっ、あのとき指輪を買っていなかったか?」
「ああ、あれはマイールズ経由でアイツの父親に渡したんだ。ニュドニアの物価の状態や、品の良し悪しを伝えるのも政務の内だったからな。……何だ? 気になったか?」
「そういうわけじゃない。……デザインは違うのに、石は同じで、サイズも同じだったから」
「よく覚えているじゃないか」
「何を言わせたいんだ」
「さあね?」
微かに唇が尖る。ここまでの地位のある人ならば、わざわざ店に向かう必要もない。つまり、あのときのデートは完全にブライトルの事情に巻き込まれていたってことか。
「エドマンド? どうした?」
「……今日は、どうしてわざわざ店まで足を運んだんだ?」
「どうしてって、お前と色々な所へ行きたかったから、だな」
「それが理由か?」
「それ以外にあるか?」
「いや……。なら、いい……」
視線を下ろすと、カフスボタンが小さく光る。ブライトルからすれば大した買い物じゃないだろうけれど、この先も、これはずっと持ってるんだろうな、と思った。なのに、ふとまた違和感が胸を過った。ほんの一瞬だし、掴みようがないから無視しているけれど、これが一体何なのかは分からないままでいる。
いかがお過ごしでしょうか? 私たちは貴方の面影を探す毎日ですが、いつかお会いできるときに情けない姿をお見せするわけにもいきません。毎日勉学にモクトスタの訓練、両親や祖父母からの指導などに励む日々です。
アンドリューは最近ダンと過ごす時間が増えました。役人として外交するだけではなく、市井の人たちの様子を知るためにも、彼の話が参考になるようです。ダンのように広い目で物事を捉え、未来のニュドニアをさらに躍進させるのだとやる気を見せてくれています。
バートンは以前のエドマンド様のように、法律書の勉強を始めました。法律家になるつもりなのかと言うほどの熱心さです。罪を知るためには、まず法を知るべきだと珍しく真剣な顔で語っていました。体術にも力を入れていますし、人々を守るという意識が高まってきているようです。
ダンは相変わらずですが、かなり忙しそうにしています。イアンのいない今、軍に残った英雄は彼だけなので、色々と頼られて四苦八苦しているようです。アンドリュー、バートンと共に疲れたら言って欲しいと伝えてはいます。
私は最近、市場などの商品の流れや輸出入の流れなど、分かる範囲で調べるようになってまいりました。もちろん、勉強とモクトスタを含めたトレーニングも行っています。今行っていることが、どれだけ将来に実を結ぶかは分かりません。でもいつか結果に繋がれば、と期待しております。
エドマンド様のお手紙をいつも楽しみに拝読しております。お体に気を付けて。
セドリック』
セドリックからの手紙を一気に読み切ると、僕は椅子の背に背中を預けて正面にある窓の外を眺めた。ずいぶんと頑張っているようだ。僕がこちらへ来たことによって、彼等からどれだけの物を取り上げるのかと不安に思っていたけれど、前向きに取り組んでくれているようで嬉しい。文面だけが全てではないのかもしれないけれど、きっと事実なのだと信じたい。
実は同時期にアンドリューとバートン、何とダンからも手紙が届いている。自分を鼓舞するためにも、彼等の手紙は重要な栄養の一つだ。外はかなり寒くなってきていて、トレーニングと通学以外で出る用事も少ない。僕はいそいそと次の手紙に手を伸ばした。
セイダル国は、ニュドニアを諦めるつもりは毛頭ないようだ。調べさせた情報によると、来年の秋にでもまた進軍するのではないかと予想されている。トイメトアでの損失は一年半もあれば補填できてしまったのだろう。戦争は、終わらない。セイダルがニュドニアを、モカトを欲しがる限り。
ダンの手紙によると、イアンだけじゃなく他の三人も軍に招集されるだろうとのことだった。本格的に開戦すれば、僕とブライトルもニュドニアの地へ向かう可能性もある。望んだ形ではないけれど、僕が彼等に会える日も、そう遠くないのかもしれない。
*****
イアンの帰国を二週間後に控えた十一月中旬。僕とブライトルは久しぶりに二人で出かけることができた。
場所は屋台や市場とは違ってしっかりと店舗を構えている高級宝飾店だ。珍しい輸入品などを見たいというから、仕方なくここへ来ている。この後は僕の希望で海の見える店で海鮮料理を食べる予定だ。スパイスの利いたブイヤベースが美味しいそうなので、とても楽しみにしている。
「うーん、瞳の色に合わせるならエメラルドだけど、敢えてルビーで華やかにするか。せっかくならトーカシアブルーにしたい気持ちもあるな……」
宝飾店と聞いたときから嫌な予感はしていたけれど、やっぱりブライトルは僕に何かを見繕うつもりでいたらしい。今は、カフスボタンでどの宝石にするかで真剣に悩んでいる。
「うん、でも今日はこれにしよう。エドマンド、腕を」
「……はい」
結局僕の瞳の色に近いエメラルドにしたらしい。シンプルなプラチナの丸い台座に埋まっているのは綺麗にカットされた緑の石だ。きっと、どの角度からでも光を反射するよう計算されているのだろう。
熟練の販売員らしき壮年の男性が静かに僕たちのやり取りを見ている。白手袋をした手はむやみに商品を触ることなく、ビロードの生地に添えられていた。
「うん、君は色が白いから濃い色の方が映えるね。これにしよう。このままで」
「承知いたしました」
「――失礼いたします」
販売員が頭を下げると、少しして若い販売員が紅茶を取り換えてきた。ブライトルがティーカップを持ち上げて、何かに気づいたように僕を振り向いた。
「ああ……エドマンド、飲んでみてごらん」
「はい……、あ……これは」
「はい、ニュドニア産でございます。エドマンド様はもちろん、ブライトル殿下もお好きだと伺いましたので」
「ありがとう。いい時間になった」
「ありがとうございます」
「光栄です」
出されたのはニュドニア産の紅茶だった。ちょっとしたことなのに、どうしても感動してしまった。
僕はとても裕福な家に生まれたし、行儀作法も叩き込まれたからある程度の社交だってできる。でも、残念ながらこういった『遊び』の経験がひどく少ない。接待されることに不慣れなのだ。
「これでは何かもう一つくらい見ないわけにはいかないな」
そして、ブライトルは『遊び』に慣れている。相手の気持ちを汲むのが上手いのだ。駆け引きが上手い。また一つ課題が見つかってしまった。
「エドマンド、どうだ?」
レストランへ向かう馬車の中、ブライトルが軽く胸を張って見せてきた。僕は言葉に詰まって十五センチ近く上にある顔を見上げる。
「言わせたいのか?」
「そうだな。言ってくれたら嬉しい」
「……似合っている」
「そうか、ありがとう」
覗き込んでくるブライトルは素直に嬉しそうだ。追加の一つにサファイアのラペルピンを選んで、僕と同じように身に着けている。台座がカフスボタンとよく似たデザインだから、どうしても唇の端っこがムズムズする。……この空気は苦手だ。
「あんたと宝飾店に行くのは二度目だな」
「そうだな」
「っ、」
ツ、と人差し指で襟の辺りを辿られる。咄嗟に体が硬直した。まるで服の下に着けているチェーンの上から、皮膚を撫でられているような気持ちになる。首の辺りがゾワゾワして、何だか目の奥が熱い。
「そ、ういえばっ、あのとき指輪を買っていなかったか?」
「ああ、あれはマイールズ経由でアイツの父親に渡したんだ。ニュドニアの物価の状態や、品の良し悪しを伝えるのも政務の内だったからな。……何だ? 気になったか?」
「そういうわけじゃない。……デザインは違うのに、石は同じで、サイズも同じだったから」
「よく覚えているじゃないか」
「何を言わせたいんだ」
「さあね?」
微かに唇が尖る。ここまでの地位のある人ならば、わざわざ店に向かう必要もない。つまり、あのときのデートは完全にブライトルの事情に巻き込まれていたってことか。
「エドマンド? どうした?」
「……今日は、どうしてわざわざ店まで足を運んだんだ?」
「どうしてって、お前と色々な所へ行きたかったから、だな」
「それが理由か?」
「それ以外にあるか?」
「いや……。なら、いい……」
視線を下ろすと、カフスボタンが小さく光る。ブライトルからすれば大した買い物じゃないだろうけれど、この先も、これはずっと持ってるんだろうな、と思った。なのに、ふとまた違和感が胸を過った。ほんの一瞬だし、掴みようがないから無視しているけれど、これが一体何なのかは分からないままでいる。
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