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赤ちゃんが生まれたら市区町村から子供用GPSをプレゼントするというのはどうだろう

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 「大津くん、このニュースかわいそうよね」
 と友子は、テレビを見ながら、大津君に言った。
 「そうだね、かわいそうだよね」 
と大津君は言った。 
「小学校1年生の女の子が家を出たまま行方がわからなくなったのよ」
「心配よね」 
と、友子は、いっしょにテレビを見ている大津君に言った。
友子は、続けて、
「大津くん、何かいいもの考えてよ」
と、大津君の顔を見ながら、真剣な声で言った。
「うん、そうだね」
と、大津君は、言った。
 友子は、大津君が週3回行っている大学の研究室の1年先輩で、おとなしくまじめな大津君が気に入っていて、ときどき、大津君を自分のマンションにさそって、コーヒーをいっしょに飲んでいた。
 その日も、友子のマンションで、2人で、コーヒーを飲みながらテレビを見ていたのである。
 次の日、大津君は、助手として働いているサンエイ科学研究所の自分の席で、パソコンに向かって書類を書いていた。
 この日は、コーヒータイムになっても、大津君は、コーヒーを飲みに来なかったので、所長の市山博士は、大津君の席に行って、パソコンの画面をのぞきこみ、
「なんか、おもしろいことを考えついたのですか」
と市山博士は、ニヤニヤしながら、大津君に言った。
「そうなんです。実は、昨日、先輩に言われて、子供が行方不明にならないようにするためのものを考えてほしいと言われて、考えてたんですが、ちょっといい方法を思いつき、今のうち、書類に書いているんです」
と大津君は、市山博士の方に向き直って、言った。
「それは重要ですね」
と市山博士は、真剣な顔をして大津君を見て言った。
「そうなんです」
「それで、GPSを子供に持たせるようにする。例えばペンダント型にして首からぶら下げるようにして、その位置情報をご両親のスマホで見ることができるようにするんです。また、子供が行ける範囲を設定して、その範囲を越えたら子供が身につけているGPSから警報を鳴らし、子供に知らせ、また、ご両親が持っているスマホにも警報が鳴るようにするのです」
「それにより、ご両親が子供のいる位置を確認できるし、子供が行動範囲を越えたかどうかも確認できるのです。」
「それで、ネットで調べたんですが、子供用GPSは売ってるんですね」
「ですから、赤ちゃんが生まれたら、市区町村から子供用GPSをプレゼントするように提言しようと思い書類を書いているのです」
と、大津君は、市山博士に説明した。
「それは、いいアイデアだね」
と市山博士は、大津君に真剣な顔で言った。
 市山博士は、大津君に、言った。
「大津君、じゃ、続けてその「赤ちゃんが生まれたら、市区町村から子供用GPSをプレゼントする」という提言書を書いてください」
「そして、知り合いの議員さんに提言して、議案にしてもらいましょう」
「さっ、続けてください」
と市山博士は、言い、
「はい、分かりました」
と大津君は、言い、自分の席でそのまま、パソコンに向かって、書類の続きの作成を始めた。
 こうして、サンエイ科学研究所のコーヒータイムは、終わりました。


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