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前編
よん
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*****
「……今日は、何をしようかなぁ。ね、リリちゃん。新しい洋服買いに行ってみる?それともお散歩行こっか?」
あれから数日が過ぎた。
ミラくんとは、一度も会っていない。
けど、思っていたより憔悴していないのはリリちゃんのおかげだ。僕が泣いているのを慰めようとしてくれたのか、小さい手で指をさすってくれた。優しいリリちゃん。人間は別の星から取り寄せているらしいから、もしかすると大きくて言葉も通じない僕のことは怖くて仕方ないのかもしれないのにね。そんなリリちゃんのために、たっぷりお世話をしてあげないと。
両手サイズのリリちゃんの頭を撫でると、恥ずかしそうにはにかんでくれた。低い声で何かを鳴いている。……リリちゃんの言葉、分かったらいいのにな。
「あっ。そういう機械、ペットショップにあったかも……?リリちゃん、お出かけしよっか!」
そうと決まれば、外出用の服にお着替えだ。今日はシンプルにワンピースタイプ。ただ、サイズが結構ピチピチで乳首の場所が丸分かりだった。最近のリリちゃんはこういう服も嫌がらないようになったんだよね。嬉しいことだ。
二人で一緒にペットショップに行くと、目当ての機械はすぐに見つかった。首に巻くと自動的に言語変換してくれるチョーカーだ。ペットの方につけさえすれば、誰でも意思疎通が出来るらしい。もっと早く買っておけばよかったな~。
店外に出て、少し離れたところで購入したそれを早速つけてみる。リリちゃんはどんなことを喋ってるんだろう。どきどき。
『うわ……。何だこれ。こいつの趣味か?首輪代わり……?まあ、苦しくないから別にいいけど、この変態な格好はどうにかならないかなぁ』
「変態?リリちゃんひどい、可愛い格好だよ!ちょっとサイズは間違えちゃったけど!」
『は……?えっ、声、通じて……!?』
「そうだよ~。僕はムム。リリちゃんの飼い主で、首に付けたのは翻訳チョーカーだよ。リリちゃんとお喋り出来るの嬉しいな」
『いや、リリって誰だよ!おれには陸って名前が……』
「似たようなものじゃん。えへへ、リリちゃん。この前は慰めてくれてありがとうね」
『……はー……。まあ、呼び方ぐらいいいか。慰めるも何も、あんだけ泣いてたらそうするだろ』
少し低くて、聞き心地のいい声。ほんのちょっとだけ、ミラくんに似ていてつきりと胸が痛む。
「だから今日は、リリちゃんにお礼をしようと思って!リリちゃんの好きな物買ってあげるよ~」
そんな痛みを振り切るように明るく声をかけると、リリちゃんがどこか諦めたように笑ってくれた。
『……っ!おいっ、後ろ!!』
「え」
ガッッッ!!!
笑ってくれていた、のに。
最後に見えたのは、険しく切羽詰まったリリちゃんの顔だった。
「……今日は、何をしようかなぁ。ね、リリちゃん。新しい洋服買いに行ってみる?それともお散歩行こっか?」
あれから数日が過ぎた。
ミラくんとは、一度も会っていない。
けど、思っていたより憔悴していないのはリリちゃんのおかげだ。僕が泣いているのを慰めようとしてくれたのか、小さい手で指をさすってくれた。優しいリリちゃん。人間は別の星から取り寄せているらしいから、もしかすると大きくて言葉も通じない僕のことは怖くて仕方ないのかもしれないのにね。そんなリリちゃんのために、たっぷりお世話をしてあげないと。
両手サイズのリリちゃんの頭を撫でると、恥ずかしそうにはにかんでくれた。低い声で何かを鳴いている。……リリちゃんの言葉、分かったらいいのにな。
「あっ。そういう機械、ペットショップにあったかも……?リリちゃん、お出かけしよっか!」
そうと決まれば、外出用の服にお着替えだ。今日はシンプルにワンピースタイプ。ただ、サイズが結構ピチピチで乳首の場所が丸分かりだった。最近のリリちゃんはこういう服も嫌がらないようになったんだよね。嬉しいことだ。
二人で一緒にペットショップに行くと、目当ての機械はすぐに見つかった。首に巻くと自動的に言語変換してくれるチョーカーだ。ペットの方につけさえすれば、誰でも意思疎通が出来るらしい。もっと早く買っておけばよかったな~。
店外に出て、少し離れたところで購入したそれを早速つけてみる。リリちゃんはどんなことを喋ってるんだろう。どきどき。
『うわ……。何だこれ。こいつの趣味か?首輪代わり……?まあ、苦しくないから別にいいけど、この変態な格好はどうにかならないかなぁ』
「変態?リリちゃんひどい、可愛い格好だよ!ちょっとサイズは間違えちゃったけど!」
『は……?えっ、声、通じて……!?』
「そうだよ~。僕はムム。リリちゃんの飼い主で、首に付けたのは翻訳チョーカーだよ。リリちゃんとお喋り出来るの嬉しいな」
『いや、リリって誰だよ!おれには陸って名前が……』
「似たようなものじゃん。えへへ、リリちゃん。この前は慰めてくれてありがとうね」
『……はー……。まあ、呼び方ぐらいいいか。慰めるも何も、あんだけ泣いてたらそうするだろ』
少し低くて、聞き心地のいい声。ほんのちょっとだけ、ミラくんに似ていてつきりと胸が痛む。
「だから今日は、リリちゃんにお礼をしようと思って!リリちゃんの好きな物買ってあげるよ~」
そんな痛みを振り切るように明るく声をかけると、リリちゃんがどこか諦めたように笑ってくれた。
『……っ!おいっ、後ろ!!』
「え」
ガッッッ!!!
笑ってくれていた、のに。
最後に見えたのは、険しく切羽詰まったリリちゃんの顔だった。
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