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大好きな彼への時間停止魔法は使えるのに召喚魔法は上手くいかない件について
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魔法学園レツェンパルト。
その名の通り、魔法使いを育成するための、魔法に特化した学園である。
魔力を有して生を受けた子は必ずと言っていいほどこの学園に通わされ、優秀な魔法使いとして巣立っていく。だが、その人数は年々減りつつあり、今では魔法を使えるというだけで一種のステータスとなりつつある。
魔法にも様々な種類があるが、火や水といった自然を操る黒魔法、癒しを司る白魔法の二つが主流だ。音を操る青魔法や精霊を操る銀魔法もあるにはあるのだが、それらを使える人間は限りなく少ない。特に、魔法の中でも一番珍しく高度な赤魔法を唱えられる魔法使いは片手で数えるくらいしか存在しないのが現状だ。
──次元を操る、赤魔法。
異界に交信することが出来たり、時を止めたり、戻したり。自分の思うがままに操ることが出来る魔法ではあるのだが、使い方を間違えると自らが次元の狭間に堕ちてしまうという危険な魔法である。
そんな赤魔法を使う素質があると診断され、赤魔導師を目指す少年が一人。少年、というには大人びていて、青年と呼ぶにはどこか幼い彼の名は、シュガ。由緒正しい家系に生まれた彼は当然のようにレツェンパルトの門をくぐり、最高学年の主席にまで昇りつめた。誰しもがシュガを尊敬し、赤魔導師として卒業することを疑わなかった。
……彼と同室である、ソルト以外は。
「……あー……!くそっ、また失敗だ……。術式は合っているはずなのにどうしてゲートがすぐ閉じるんだよ……!?」
「俺が知るか。つーか、大丈夫なわけ?卒業試験、もう一ヶ月後だろ」
「大丈夫じゃないから焦っているんだ!お前の方こそどうなんだ?顔に似合わず白魔導師を目指しているみたいだけど、卒業試験の回復魔法はクリア出来そうなのかよ?」
「……お前ほど切羽詰まってねぇからいーんだよ。センセーも焦るこたないつってたし?ああ、センセーといや、今日から新しい白魔法かけてもらっ」
「話を逸らしているけど、つまり出来ていないってことか。……はぁ、お前と一緒に留年するなんて冗談じゃないぞ」
「はぁ?それはこっちの台詞だバカ!ま、学年主席サマが留年したら鼻で笑ってやっけど?」
「それこそこっちの台詞だバカ!」
「っ、おい、魔法使うなクソやろ──!」
クソ野郎、と言おうとしたであろうソルトの動きがピタリと停止する。
1分間だけ対象の時を止める赤魔法を、シュガが放ったからである。
この程度のことならばシュガは簡単にやってのけるのだが、一つだけ……卒業試験の課題となっている「異界と交信し使い魔を召喚する」魔法がどうしても成功しないのだ。つい先程も挑戦して、あえなく失敗に終わったばかりである。
クラスメイトはシュガが召喚術を安々と使えると思い込んでいるようだが、実際は試験を一ヶ月後に控えた今になってもスライム一匹喚べやしない状態なのだ。このことを知っているのは赤魔法担当の教師と、同室であるソルトだけである。
かちりと固まって動かないソルトをじっと眺めていたシュガは、……やがてその頬をほんのりと染めて辺りをキョロキョロと見渡す。自分達の部屋だから誰もいないと分かりきってはいるが、いつもの癖だ。そうして、残り時間はあと40秒くらいかと思いながら、ソルトの頬を包んでそっと唇を押し付けた。開いたままの口に舌を潜り込ませ、ちゅうちゅうと熱を絡めとる。うっとりと目を細めてソルトの唇を味わうシュガの脳内は、恋の色に染まりきっていた。
「……っふ、悪いな、ソルト……♡こんな、身勝手なこと……っん♡」
謝りながらも、キスを仕掛けるシュガの動きは止まらない。口を開けば喧嘩ばかりだが、シュガはソルトのことを恋い慕っていた。
始めこそ粗暴で嫌な奴だと思っていたが、一緒に過ごしていく内に嫌悪は友情に、友情は恋情へと形を変えていった。この想いを伝えたところで実ることはないと分かっているため、シュガは時々こうして抵抗をなくしたソルトに触れているのである。
手を繋いで、抱きしめて、今では当たり前のように唇を奪っているこの状況。罪悪感はあるものの、目の前の誘惑に勝てる程シュガは大人ではなかった。
「……ん、ぁ、……好き……、だいすき、……ソルト……♡」
そろそろ効果が切れる、と判断して唇を離したシュガは、顎に垂れた唾液をぺろりと舐め取った。ごちそうさま、と小さく囁いて、ソルトが動き出す前に自室からそろっと逃げ出した。
ほとぼりが冷めるまで同輩のペッパーの部屋に匿ってもらおう、と思考するシュガの耳に、ソルトの怒鳴り声が届く。
自分の唇に残る柔らかな感触を思い出し、頬を緩ませながら、シュガは上機嫌で廊下を駆けていった。
*****
──数日後。
「……よし、今度こそ、大丈夫だ!」
図書館から借りてきた分厚い書物をバタンと閉じたシュガは、デスクに置いていた杖を手に取った。
試験まであまり時間がない。ソルトに触れていたいという欲はあるが、いつまでもそうして自分勝手な自己満足に酔っていては駄目なのだ。目の前のことに集中しようと、シュガは召喚魔法の呪文を唱え始めた。
アクセントやイントネーションを変えながら、一つ一つ、言葉を紡いでいく。これまで幾度となく発してきた呪文だが、今日は最後に一つだけ成功率が上がるらしい文言を付け加えた。
さっきまで熟読していた、古代文字で書かれた魔術書に載っていたものである。魔法の効率を上げる方法はないものかと悩んでいた際に、友人であるペッパーから勧められたのがこの書物だった。解読するまで時間がかかったが、これならきっと、と強く願いながら杖を振る。
途端、シュガを中心に紫色に発光する魔法陣が出現した。これが現世と異界を繋げるゲートと呼ばれるものだ。いつもなら現れてすぐ消えてしまうのだが──……。
「(っ、消えない……!よし、これならいける……!)」
消えることなく光り続ける魔法陣を前に、鼓動が高鳴る。最後の最後まで気を抜いたら駄目だ、と杖をぐっと握りしめ、一気に上へと振り上げた。瞬間、眩いばかりの光が部屋を真っ白に染め上げる。
「っ……!」
咄嗟に目を瞑ってやり過ごしたシュガは、瞼の裏の光が収まっていくのを見計らってそろそろと目を開けた。光っていた魔法陣は何事もなかったかのように消え去っていたが、絨毯の上に見慣れないモノが蠢くのが視界に入り、シュガの心は沸き立った。そのフォルムはどう見ても異界のモノ。つまり、失敗続きだった召喚魔法が、長い時を経てようやく成功したのである。
「やった……、ついに成功したぞ……!これで卒業試験の最低ラインを越えられる……!」
上級者にもなるとドラゴンやケルベロスといった種を召喚出来るのだが、流石にそこまでは難しい。今はもう、この小さな異界の住人で充分である。
「それにしても……、お前は何の種族なんだ?」
近づいてしゃがみこんだシュガは、改めて召喚したそれをまじまじと観察した。スライムかと思ったが、文献で見たものと違って顔がない。試しに触ってみると、ゼリーのようにぷにぷにしていた。両手に収まるほどの小さなサイズで、なまこのようなそうでないような不思議な生き物だ。
色は薄い桃色で、頭らしき所が少しだけ濃くなっている。見た目だけみれば気持ち悪いと思うかもしれないが、シュガにとっては召喚成功第一号だ。ぷにぷにのそれを持ち上げると、嬉しそうにぎゅうっと抱きしめる。
「おれの初めての使い魔だ……!よろしくな!」
一度召喚して魔法で印をつけてしまえば、二回目からは長々とした呪文を唱えずとも簡単に召喚が出来る。嬉々としてぷにぷにの頭に印をつけたシュガは、使い魔を召喚出来たらやってみたかったことを実践することにした。白魔法の特訓に行っているソルトは当分帰ってこないだろうから、その間に使い魔を使役して自慢してやろうという魂胆だ。
「そうだなー……、お前の名前は……安直だけどプニにしよう。プニ、お前の使い魔としての力を見せてくれ」
腕の中で所在なさそうにぷるぷる震えていたモノ……プニは、シュガの言葉が分かったのかこくこくと頭を振った。素直な反応に思わず頬が緩んでしまう。
使い魔として召喚された異界のモノには、必ず一つ特殊能力が備わっている。ドラゴンなら火の息吹、ケルベロスなら索敵、サキュバスなら魅了、といったようにその能力は種族差があるものの抜群の威力を持つ。勿論それらは、召喚した魔法使い自身には何の危害も与えない。だからこそ、シュガは提案したのだ。こんな小さい身体で火を噴いたとしてもマッチ程度だし、他に何かあっても小さいから大丈夫だろう、と。
結果的にそれは正しくもあったし、間違いでもあったのだが。
「え、ちょっ、……わっ!?」
ぴょん、といきなり飛び跳ねたプニに驚くシュガ。そんな主人に構うことなく、プニはシュガが着ているローブの合わせ目から中へと侵入していった。ローブの下はいつもの制服ではなくゆったりとした丸襟の部屋着だったため、ごそごそと潜り込んだプニは簡単に素肌へと辿りついてしまう。
「なっ……、何をやってるんだ、こらっ!」
肌を這うぷよぷよした感触にぞくりとしながらも、シュガはプニを捕まえようと服の中に手を突っ込んだ。だが、シュガの手を器用に避けて這い回るため、なかなか捕らえることが出来ない。時間を止めてしまえばいい話なのだが、生憎自分に触れているモノを止めることは出来ないのだ。その場合、自分をも停止することになってしまうのだから。
「おれは、使い魔としての力を見せろと言ったんだ……!?悪戯しろなんて言ってな……っひゃ!?」
不意に訪れた甘い刺激に、シュガの口から短い悲鳴が零れる。断続的に脳を痺れさせてくるそれに、恐る恐る襟口を引っ張って胸を覗くと。
「っ……!!?ば、ばか、そんなとこ、どうして……っ。というかお前、そこ頭じゃなくて口だったのか!?」
シュガの薄い色をした乳首に吸い付く、プニの姿があった。頭だと思っていたそこをぱっくりと開いて、美味しそうにちゅうちゅうと吸い付いている。咥内から伸びてくる舌らしき長い触手が乳頭に絡みつき、きゅうっと締められる度にびくりと肩が上下する。
……行為としてはアレだが、これが使い魔としての能力なのかもしれない。相手の急所に張り付いて、的確に絞める……といったところだろうか。これだけ分かればもう充分だと、シュガは上擦った声でプニに声をかけた。
「理解出来た、から。もういい……、離れろ、プニ。これ以上は、やばいから……」
だが、プニはシュガの言葉を無視して乳首を責め続ける。元々敏感な体質のシュガの乳首はすっかりぷくりと色付いて、傍目からも分かる程に勃起していた。細く長い舌で擽るように責められれば、唇から勝手に熱を帯びた吐息が溢れてしまう。じわじわと下肢も疼き出してしまい、このままでは本当にやばいと頭の中でガンガン警鐘が鳴る。
「ちく、び、も……っ、いいから……ぁ♡っんん!」
じゅるっ、と一際強く吸われ、迸りそうになった嬌声を両手で塞ぐ。いくら敏感といえど乳首でここまで感じなかったはずなのに、とふぅふぅ息を整えようとするシュガだったが、プニが動いたことによりその努力は無駄に終わった。
服の中で肌に張り付いてぬるぬる移動するプニは、もう片方の乳首には目もくれず下の方へと降りていく。『乳首はもういい』というシュガの言葉を聞いてくれたようだが、その先は乳首よりも急所となるところだ。慌てて制止させようと声をあげかけた、刹那。
「あー……、ったく、マジで疲れたわ……」
「ひっ!?」
「……んだよ、シュガ、人の顔見て悲鳴あげるとか失礼じゃねぇ?」
「い、いや、これは……っ、違くて、その」
何ともタイミング悪く帰宅してきたソルトによって、制止の言葉は喉の奥に引っ込んでしまった。もぞもぞと蠢くプニを見られないようにローブの前を合わせつつ、おどおどと弁解をする。ソルトはどもりながら喋るシュガに不信感を抱いているようだったが、そこまで深く追求はしてこなかった。
……だが。
「いい機会だからちょっと顔借せ。また時間止めやがったら、問答無用で痛い目に合わせっからな」
「へっ、……おれは、ええと、……そうだ、オトギくんに呼ばれてて」
「バレバレの嘘ついてんじゃねぇよ、バカ。いーから黙ってついてこい」
「……ぐ、わ、分かった……」
本当は全力で断りたかったのだが、有無を言わせないソルトの声音に、シュガは頷くことしか出来なかった。ぷよんぷよんと下降していくプニは、既にシュガが穿いている下着の所まで辿りついていた。どうかそれ以上は進んでくれるな、と切に願いつつ、シュガは覚束無い足取りでソルトの後ろについて行った。
*****
──自分の寝室へと足を踏み入れたソルトは、ベッドに腰かけ、シュガにはそこで立っているよう指示を出した。向けられる鋭い視線に、シュガの背筋が震える。
ごそごそとパンツの中へと歩みを進めてきたプニが下生えをなぞる感触も相まって、ぞくぞくとした快感もプラスされてしまう。
早くソルトとの話を終わらせて、プニを止めないと。
ソルトにバレないようローブの下で内腿を擦り合わせつつ、シュガはほんのり赤く色付いた耳を傾けた。
「お前さ、俺の時間止めてる時ナニしてんだよ」
「…………え?」
「だから、動けねぇ俺にナニしてんのか聞いてんだよ。ずっとなあなあにしてたけど、そろそろ吐いてもいいんじゃね?予想だけど、日頃の鬱憤晴らすために殴ってるとか?」
「そ、そんな……っ、暴力は奮ってない!」
「……ふーん、暴力『は』ねぇ……」
「あ……っ」
墓穴を掘ってしまったことに気付くが、気付いたところでもう遅い。顎に手を当ててにやにやとシュガを見やるソルトは、まるで何もかも見通しているかのようだった。
「俺にナニかしてんのは確実っつーわけだ」
「……い、一体どうしたんだよ。これまでわざわざ聞いてくることなんて、なかったのに」
「白魔法にさぁ、能力キャンセルの魔法があるんだわ」
「…………は?」
「俺はまだ使えねぇけど、センセーの魔法試しにかけてもらってさ。それがつい数日前の話なんだけど」
「……ソルト、……もしかし、て」
「やっぱお前の赤魔法強ぇし、センセーの魔法も一番弱い力でかけてもらってたから、全部防ぐことは無理だったけどよ。──あの時、動けなくても意識はあってさぁ。……なぁ、言いたいこと分かるよな、シュガ」
「…………っ!!」
あの時、好き勝手にキスしていたことが、秘めるはずだった気持ちが、全てソルトに筒抜けだった。
その事実はシュガを混乱させるのに充分すぎるものだったが、それ以上の物理的な衝撃が、空気を読まずにシュガを襲い出した。
「(……あ、や、やばい、だめだ、そこ……はぁ……っっ♡♡)」
とうとうシュガの陰茎へと到達したプニが、乳首と同じようにそれを咥えこんできたのである。胸への刺激で半勃ちしていた屹立を、プニは迷うことなく飲み込んでいく。ぬるぬるとした温かい感触はただただ気持ちよく、気を抜けば口からあられもない声が出てしまいそうだ。
「おい、シュガ。黙ってねぇで何か言えよ」
「(いっ……言える、かぁ……!)」
ぎゅっ、と唇を引き結んで声を耐えるシュガだったが、プニの存在を知らないソルトにはそれがただの抵抗にしか見えなかった。
無言のまま立ち上がると、距離を一気に詰めてしまう。逃げられないようシュガの腰と後頭部に手を回して、至近距離でにやりと三日月を描く。
「やられた分、やり返させてもらうわ」
「……っん!!?」
ぶちゅ、と勢いよく重なってきた唇は、シュガがこの数年間、何度も一方的に味わってきたものだ。
これはただの仕返しだとは思っても、ソルトからキスをされているという事実がシュガの全身を熱く蝕む。
性急に侵入してきた舌が咥内を蹂躙し、弱い上顎を丹念に責められ、足がガクガクと震えてしまう。
激しいキスとプニの愛撫によって肉棒がむくむくと膨らんでいくが、今のシュガにそれを我慢するだけの気力は残っていなかった。
「はぁ、んぅ、……っそ、る……っ♡らめ……ぇ、……ん、ひゃうっ!……んあ、ぁ♡♡」
「……ッ、キスだけで、感じすぎなんじゃねぇの?」
「んむっ♡あ、……ちが、……ん、はう……っ♡」
「やめてほしかったら正直に言えよ」
舌をジュルジュルと吸われ、全てを舐めつくさんばかりに暴かれ、シュガの思考も身体もとろとろに溶けていく。
正直に、言わないと。謝らないと。けれど、やめてほしくは、ない。
「……ごめ、ん……そる、とぉ……♡すき……、すき、だから……ぁ、もっと、ちゅー、して……♡♡」
「…………やめてほしくねぇの?」
「んっ……、きもち、い……からぁ、もっと……ちょうらい……?」
唇も舌も吸われすぎて、呂律が回らなくなった言葉をとろりと告げる。ソルトから触れられた所が熱くて堪らない。もっと、とキスをねだったシュガは、ペニスを緩やかに責め続けている存在を……一瞬だけ、忘れていた。
『もっとちょうだい』という言葉を自分への命令だと受け取ったプニが、ぐちゅぐちゅ激しく扱き出すと、シュガの目の前で星が散った。
「あっ、ひあああぁ!?やっ、ちがっ、そっちじゃ、な、っんうううううぅ♡♡♡」
「っ……!?おい、シュガ!?」
いきなり身体を悶えさせながら喘ぎ出したシュガに、思わず動揺するソルト。どう見ても、キスだけで感じているとは思えない。そもそも今は唇を離しているから、まず有り得ないのだが。
ソルトが身を離しても、シュガはひっきりなしに嬌声を発し続ける。それに重なってジュポジュポッ♡と響いてくる水音は、シュガの下肢から奏でられているようだ。
全身を震わせて自分に凭れかかってきたシュガを、ソルトは咄嗟に抱きかかえてベッドの上に横たわらせた。ローブの留め具を外して両側に広げると、そこには予想していなかった光景が広がっていた。
七分丈のパンツの中心がもっこりと盛り上がり、もごもごと蠢いているのを見れば、誰だって驚くであろう。
薄い部屋着を押し上げる、ツンと尖った片方の乳首にも目が行ってしまい、あまりにも扇情的な姿にごくりと喉が鳴る。
「……っや、ソルト、見るな、ぁ……っ♡」
潤んだ瞳でそう訴えてくるシュガだが、ソルトは自らの激情を抑えきれそうになかった。一つ息を吐いて、シュガのパンツに手をかける。そして、制止の言葉がかかる前に、下着ごと一気にそれを下ろしてしまった。
ぶるん、と外気に触れたシュガの陰茎は、根元までプニにぱくりと食いつかれ、じゅぷじゅぷ水音を立てていた。
吃驚して声を失ったのは一瞬で、すぐさまソルトの脳はこうなってしまった原因を悟る。大方、シュガの召喚魔法が成功して、使い魔としての力を見せろとでも言ったのだろう。だとしたら、こんな性的なことになってもおかしくない。
……ソルトは、この異界のモノについてよく知っていた。学術名ヒーリングヒル。高度な白魔法を使える杖の材料にもなる、珍しい魔法生物だ。乱獲の影響で今はもう殺すことは御法度になっているが。
この小さな触手のような生物は、その名の通り回復効果を持っている。対象の突起物に吸い付いてヒーリング効果のある粘液を浸透させたり、身に溜めてある回復薬を注いだりするのだ。
ただ、難点が二つ。その粘液に媚薬に似た成分が含まれていることと、好物が人間の体液であるということだ。
故に、知らず知らずの内に媚薬に犯されていた身体は熱を持ち、陰茎からとめどなく溢れる先走りを啜られているわけである。
「ああぁっ、も……、むり、イっちゃ、……んんっ♡プニ、らめ……っ、あ、……っあぁ、やら♡♡ソルト、み……ちゃ、……っひにゃああぁっ♡♡♡」
考察をしていたソルトの前で、限界を迎えたシュガは身体をしならせて精液をどぷりと吐き出した。美味しそうにちゅぶちゅぶ精液を啜るプニを、ソルトは取り払おうとはしなかった。シュガに害を与える生物であれば容赦なく引っぺがしていただろうが、ヒーリングヒルは害獣ではない。ただただ、シュガを淫らに染め上げて回復してくれる素敵な生物なのである。
イった反動でびくびく痙攣しているシュガを舐め回すように見やった後、ソルトは肉棒を覆ったままのプニに話しかけた。
「お前、プニっつーのか?シュガのこと癒してやりてぇんなら、こっちの穴も使えよ」
「っひゃ!?……やっ、ソルト……!?おまっ、どこ触っ……んっ♡♡」
「嫌がんなよ、シュガ。こいつはただお前を癒そうとしてるだけだろ。お前はただ気持ちよくなってりゃいーの」
「ら、らって、そんなの、入んな、……っ!」
ソルトに声をかけられたプニは、しばし動きを止めてその身をぐいんと伸ばした。長い尾が出来たような形になったプニは、その先端を、提示された後ろの穴へピトリとあてがう。擦りつけるように擦りつけ、アナルに粘液を塗りつけていくと、それだけで固く閉じられていた蕾が綻んでいくのが分かった。
媚薬の効果も相まって、じんじんと疼いてきてしまう。こんなの入るわけがないと思っていたのに、プニの尾がちゅぷりと音を立てて後孔に埋め込まれていく。
「~~~っっっ♡♡♡」
あまりの快感に爪先がピンと伸び、喉からは声にならない嬌声が迸る。初めての感覚なのに、痛くて当たり前のはずなのに、ただただ気持ちいい。快楽しか感じない。
このまま前立腺をごりごり擦って、奥まで突いてほしい。……そう思ってしまった時にはもう、シュガの理性はぷつりと切れてしまっていた。自ら腰を動かしてイイ所に当てようとする始末である。
……そんなシュガの気持ちとは裏腹に、プニは後孔の浅い所で、前触れもなくねっとりとした粘液を放出した。どくどくと注がれるそれは温くぬめっていて、シュガのナカを淫猥に仕立て上げていく。
「あ……、あぁ……っ、でて、るぅ……♡♡なか、いっぱい……♡♡」
うわごとのように呟くシュガの瞳は蕩けきっていて、じゅぷっとプニが蕾から出ていくと物足りなさそうにとろんと潤んだ。
はくはくと息をするアナルからこぷりと溢れる蜜に、傍観していたソルトのペニスはギンギンに張り詰めていた。
カチャカチャと勃起した陰茎を取り出してシュガのそこに当てると、早く欲しいとでも言いたげにちゅうっと吸い付いてくる。このまま一思いに穿ってしまいたいが、その前に一つ、伝えなければならないことがある。シュガとしっかり視線を合わせたソルトは、彼の足を自らの肩にかけながら、野獣のような笑みを浮かべて、
「──俺も好きだぜ、シュガ」
告白の返事と共に、怒張したそれをナカへとねじ込んだ。
「んあああぁっ♡♡♡あっ、ひ、ふか、ふかい……っ♡♡」
「っく、……前立腺擦られんのと、奥までガンガン突かれんの、どっちがいい……?」
「ふ、ぁ……♡ど、っ……、どっち、もぉ……♡♡きもちい、とこ……っ、いっぱいごりごりして……ッッ♡♡♡」
「……注文多いな、お前は、よ……っ!」
「ふ、あぁんっっ♡♡♡」
プニの粘液のおかげで裂けることなくソルトを飲み込む後孔は、快感だけを数倍にして拾ってくる。電流のようなビリビリとした快楽が休む暇なく襲ってきて、シュガは全身が性感帯になったかのような錯覚に陥っていた。理性は飛んでも、大好きな人と一つになれているという実感はある。嬉しさと悦楽とでふにゃふにゃになるシュガを、ソルトは熱のこもったギラギラした瞳で見下ろしていた。
そんな二人に挟まれ、未だにシュガのペニスを咥えていたプニは、身体の長さを元に戻すと同時に、ふと『それ』に気が付いた。
先端にある、穴。
この中にも挿れて、癒してあげたら。
自分を喚んでくれた彼はもっと褒めてくれるのでは、と。そんな純粋な気持ちから、プニは長く細いストロー状になっている舌をシュガの尿道へずぷりと差し込んだ。
「っあ゛!!!?ひゃ、やらああぁっ♡♡♡はいっ、で、あ、……ちん、ちんこの、なかぁっ♡♡ひゃ、あ、あああああっ♡♡」
「……へぇ、俺には見えねぇけど、ちんこの穴に挿れられてんのか?」
「あっ、にゃ、ぁ♡へん……にっ、なっちゃ……♡ああ、ずぷずぷって、んぁっ、や、あ……んっ♡♡♡」
「大丈夫、もうとっくに変になってっから」
「ひあっ♡♡や、いま、そこ、つかれた……ら、あああぁっ♡♡♡♡♡」
尿道を弄られる刺激と、ソルトから与えられる快感に、シュガはひたすら酔っていく。
プニからとぷとぷと粘液を注がれ、反射的にきゅうっとソルトを締め付けてしまい、──ナカに粘液以上に熱いモノが放たれれた。
やべ、という焦った声は、今のシュガに届かない。気持ちよくてたまらなくて、ソルトを離したくなくて、もっと、とでもいうようにぐちゃぐちゃになったそこをぐりぐり押し付ける。
「……そりゅ、とぉ……、からだ、まだ……あつくて、たりない、からぁ……♡♡ぷに、は……すこし、やすんでて、いいぞ……♡」
その言葉に、イったばかりのソルトの肉棒は簡単に熱を持ち、プニは尿道を攻めていた舌をつぷんと引き抜いた。
「……っあ、……だめ、出ちゃ……♡♡」
ぶるっ、とシュガが小さく震えたのはその時だ。
散々尿道を刺激されたせいで、膀胱に溜まっていた尿がチョロチョロと溢れ出す。媚薬に漬けられた尿道は、排尿さえも快楽に変えてしまう。次第に勢いを増す水流に、シュガはだらしなく頬を緩めて快楽に浸った。
「あぁ……、おしっこ、出てるぅ……♡ぷに、に……飲まれて、る……っ、ひゃ、ぁん、止まんな、……っん♡♡」
「……えっろい顔。なぁシュガ、おもらしして気持ちいーのかよ?」
「う、ん……っ♡おしっこ、気持ちいい……っ♡♡ソルト、おれのえっちなとこ、いっぱい見てぇ……♡♡♡」
部屋に響くのは、シュガの喘ぎ声と、大きな粗相の音、そしてプニの咀嚼音。背徳的な空間の中で、ソルトは眼前の獲物をかっ喰らうべく、ドロドロになっているナカを勢いよく穿った。
*****
「………………しにたい……」
「第一声がそれかよ」
「いっそ殺してくれ……」
「却下」
「…………しにたい」
「ループしてんじゃねぇよ」
精根尽き果てるまでまぐわった、次の日の朝。
プニの姿は消えていたが、ソルトのベッドの中、二人して裸で眠っていたことが昨日の行為が現実であったことを裏付けていた。副作用である媚薬の効果はすっかり消え去り、回復粘液のおかげで中出しされた精液も溶かされたようである。痛みは全くといっていい程感じないが、ただただひたすらに気恥ずかしい。
「改めて聞くけど、俺の時間止めてた時いつもキスしてたわけ?」
「…………う゛……」
「……ま、それは別にいいけど。時間止められた回数分、俺の言うこと聞いてもらうからな」
「なっ……!?い、いつもキスしていたわけじゃないぞ!?始めの頃は手を繋ぐくらいで……っ!」
「遅ぇよ。あー、ナニしてもらおっかなぁ?またお前の使い魔に回復してもらうのもいいし、……あぁ、俺の前で漏らすシュガも見てぇわ。おしっこすんの気持ちいい、って言ってたしな?」
「おっ、思い出させるなバカソルト!!」
かあぁっと羞恥の色に染まったシュガが、枕でばしばしとソルトを攻撃する。ちっとも痛くはないが、少しうざったい。経緯も行為もアレではあったが、一応ハジメテの翌日なのだから、もう少し甘くてもいいだろう。
シュガからの枕攻撃をぱしりと受け止めたソルトは、そのまま彼を引き寄せると、わななく柔らかな唇をちゅうっと塞いだ。
口をぱくぱくと開閉させて真っ赤になるシュガに、ソルトは悪戯めいた微笑を向ける。
「おはよ、シュガ。言っとくけど俺、お前のことすげぇ好きだから」
「…………お、はよう……、ソルト。……馬鹿を言うな、おれの方があ……愛してる、ぞ」
自分で言っておきながら恥ずかしそうに俯くシュガを、そっと抱きしめる。
──プニがおしっこを気に入って、シュガが寝ている間に尿道を刺激してごくごく飲んでいたことを、羞恥心の強い彼にいつ伝えようかとほくそ笑みながら。
【大好きな彼への時間停止魔法は使えるのに召喚魔法は上手くいかない件について】
(あ)
(んー?どしたん、ペッパー)
(いやあ……、シュガが悩んでたみたいだったから、前に授業で聞いた魔術書を勧めたんだけどさ)
(へぇ~)
(それが、なんというか……呪文が成功するというより性的な方向に突出した物だったような気がして……)
(……ほうほう?)
(うっかり忘れちゃってたけど……、うん、誰にだって間違いはあるよな?)
(そだねぇ。折角だからシュガっちに教えてあげよーっと♡)
(な……っ、それは待ってくれビネガ……っ!)
その名の通り、魔法使いを育成するための、魔法に特化した学園である。
魔力を有して生を受けた子は必ずと言っていいほどこの学園に通わされ、優秀な魔法使いとして巣立っていく。だが、その人数は年々減りつつあり、今では魔法を使えるというだけで一種のステータスとなりつつある。
魔法にも様々な種類があるが、火や水といった自然を操る黒魔法、癒しを司る白魔法の二つが主流だ。音を操る青魔法や精霊を操る銀魔法もあるにはあるのだが、それらを使える人間は限りなく少ない。特に、魔法の中でも一番珍しく高度な赤魔法を唱えられる魔法使いは片手で数えるくらいしか存在しないのが現状だ。
──次元を操る、赤魔法。
異界に交信することが出来たり、時を止めたり、戻したり。自分の思うがままに操ることが出来る魔法ではあるのだが、使い方を間違えると自らが次元の狭間に堕ちてしまうという危険な魔法である。
そんな赤魔法を使う素質があると診断され、赤魔導師を目指す少年が一人。少年、というには大人びていて、青年と呼ぶにはどこか幼い彼の名は、シュガ。由緒正しい家系に生まれた彼は当然のようにレツェンパルトの門をくぐり、最高学年の主席にまで昇りつめた。誰しもがシュガを尊敬し、赤魔導師として卒業することを疑わなかった。
……彼と同室である、ソルト以外は。
「……あー……!くそっ、また失敗だ……。術式は合っているはずなのにどうしてゲートがすぐ閉じるんだよ……!?」
「俺が知るか。つーか、大丈夫なわけ?卒業試験、もう一ヶ月後だろ」
「大丈夫じゃないから焦っているんだ!お前の方こそどうなんだ?顔に似合わず白魔導師を目指しているみたいだけど、卒業試験の回復魔法はクリア出来そうなのかよ?」
「……お前ほど切羽詰まってねぇからいーんだよ。センセーも焦るこたないつってたし?ああ、センセーといや、今日から新しい白魔法かけてもらっ」
「話を逸らしているけど、つまり出来ていないってことか。……はぁ、お前と一緒に留年するなんて冗談じゃないぞ」
「はぁ?それはこっちの台詞だバカ!ま、学年主席サマが留年したら鼻で笑ってやっけど?」
「それこそこっちの台詞だバカ!」
「っ、おい、魔法使うなクソやろ──!」
クソ野郎、と言おうとしたであろうソルトの動きがピタリと停止する。
1分間だけ対象の時を止める赤魔法を、シュガが放ったからである。
この程度のことならばシュガは簡単にやってのけるのだが、一つだけ……卒業試験の課題となっている「異界と交信し使い魔を召喚する」魔法がどうしても成功しないのだ。つい先程も挑戦して、あえなく失敗に終わったばかりである。
クラスメイトはシュガが召喚術を安々と使えると思い込んでいるようだが、実際は試験を一ヶ月後に控えた今になってもスライム一匹喚べやしない状態なのだ。このことを知っているのは赤魔法担当の教師と、同室であるソルトだけである。
かちりと固まって動かないソルトをじっと眺めていたシュガは、……やがてその頬をほんのりと染めて辺りをキョロキョロと見渡す。自分達の部屋だから誰もいないと分かりきってはいるが、いつもの癖だ。そうして、残り時間はあと40秒くらいかと思いながら、ソルトの頬を包んでそっと唇を押し付けた。開いたままの口に舌を潜り込ませ、ちゅうちゅうと熱を絡めとる。うっとりと目を細めてソルトの唇を味わうシュガの脳内は、恋の色に染まりきっていた。
「……っふ、悪いな、ソルト……♡こんな、身勝手なこと……っん♡」
謝りながらも、キスを仕掛けるシュガの動きは止まらない。口を開けば喧嘩ばかりだが、シュガはソルトのことを恋い慕っていた。
始めこそ粗暴で嫌な奴だと思っていたが、一緒に過ごしていく内に嫌悪は友情に、友情は恋情へと形を変えていった。この想いを伝えたところで実ることはないと分かっているため、シュガは時々こうして抵抗をなくしたソルトに触れているのである。
手を繋いで、抱きしめて、今では当たり前のように唇を奪っているこの状況。罪悪感はあるものの、目の前の誘惑に勝てる程シュガは大人ではなかった。
「……ん、ぁ、……好き……、だいすき、……ソルト……♡」
そろそろ効果が切れる、と判断して唇を離したシュガは、顎に垂れた唾液をぺろりと舐め取った。ごちそうさま、と小さく囁いて、ソルトが動き出す前に自室からそろっと逃げ出した。
ほとぼりが冷めるまで同輩のペッパーの部屋に匿ってもらおう、と思考するシュガの耳に、ソルトの怒鳴り声が届く。
自分の唇に残る柔らかな感触を思い出し、頬を緩ませながら、シュガは上機嫌で廊下を駆けていった。
*****
──数日後。
「……よし、今度こそ、大丈夫だ!」
図書館から借りてきた分厚い書物をバタンと閉じたシュガは、デスクに置いていた杖を手に取った。
試験まであまり時間がない。ソルトに触れていたいという欲はあるが、いつまでもそうして自分勝手な自己満足に酔っていては駄目なのだ。目の前のことに集中しようと、シュガは召喚魔法の呪文を唱え始めた。
アクセントやイントネーションを変えながら、一つ一つ、言葉を紡いでいく。これまで幾度となく発してきた呪文だが、今日は最後に一つだけ成功率が上がるらしい文言を付け加えた。
さっきまで熟読していた、古代文字で書かれた魔術書に載っていたものである。魔法の効率を上げる方法はないものかと悩んでいた際に、友人であるペッパーから勧められたのがこの書物だった。解読するまで時間がかかったが、これならきっと、と強く願いながら杖を振る。
途端、シュガを中心に紫色に発光する魔法陣が出現した。これが現世と異界を繋げるゲートと呼ばれるものだ。いつもなら現れてすぐ消えてしまうのだが──……。
「(っ、消えない……!よし、これならいける……!)」
消えることなく光り続ける魔法陣を前に、鼓動が高鳴る。最後の最後まで気を抜いたら駄目だ、と杖をぐっと握りしめ、一気に上へと振り上げた。瞬間、眩いばかりの光が部屋を真っ白に染め上げる。
「っ……!」
咄嗟に目を瞑ってやり過ごしたシュガは、瞼の裏の光が収まっていくのを見計らってそろそろと目を開けた。光っていた魔法陣は何事もなかったかのように消え去っていたが、絨毯の上に見慣れないモノが蠢くのが視界に入り、シュガの心は沸き立った。そのフォルムはどう見ても異界のモノ。つまり、失敗続きだった召喚魔法が、長い時を経てようやく成功したのである。
「やった……、ついに成功したぞ……!これで卒業試験の最低ラインを越えられる……!」
上級者にもなるとドラゴンやケルベロスといった種を召喚出来るのだが、流石にそこまでは難しい。今はもう、この小さな異界の住人で充分である。
「それにしても……、お前は何の種族なんだ?」
近づいてしゃがみこんだシュガは、改めて召喚したそれをまじまじと観察した。スライムかと思ったが、文献で見たものと違って顔がない。試しに触ってみると、ゼリーのようにぷにぷにしていた。両手に収まるほどの小さなサイズで、なまこのようなそうでないような不思議な生き物だ。
色は薄い桃色で、頭らしき所が少しだけ濃くなっている。見た目だけみれば気持ち悪いと思うかもしれないが、シュガにとっては召喚成功第一号だ。ぷにぷにのそれを持ち上げると、嬉しそうにぎゅうっと抱きしめる。
「おれの初めての使い魔だ……!よろしくな!」
一度召喚して魔法で印をつけてしまえば、二回目からは長々とした呪文を唱えずとも簡単に召喚が出来る。嬉々としてぷにぷにの頭に印をつけたシュガは、使い魔を召喚出来たらやってみたかったことを実践することにした。白魔法の特訓に行っているソルトは当分帰ってこないだろうから、その間に使い魔を使役して自慢してやろうという魂胆だ。
「そうだなー……、お前の名前は……安直だけどプニにしよう。プニ、お前の使い魔としての力を見せてくれ」
腕の中で所在なさそうにぷるぷる震えていたモノ……プニは、シュガの言葉が分かったのかこくこくと頭を振った。素直な反応に思わず頬が緩んでしまう。
使い魔として召喚された異界のモノには、必ず一つ特殊能力が備わっている。ドラゴンなら火の息吹、ケルベロスなら索敵、サキュバスなら魅了、といったようにその能力は種族差があるものの抜群の威力を持つ。勿論それらは、召喚した魔法使い自身には何の危害も与えない。だからこそ、シュガは提案したのだ。こんな小さい身体で火を噴いたとしてもマッチ程度だし、他に何かあっても小さいから大丈夫だろう、と。
結果的にそれは正しくもあったし、間違いでもあったのだが。
「え、ちょっ、……わっ!?」
ぴょん、といきなり飛び跳ねたプニに驚くシュガ。そんな主人に構うことなく、プニはシュガが着ているローブの合わせ目から中へと侵入していった。ローブの下はいつもの制服ではなくゆったりとした丸襟の部屋着だったため、ごそごそと潜り込んだプニは簡単に素肌へと辿りついてしまう。
「なっ……、何をやってるんだ、こらっ!」
肌を這うぷよぷよした感触にぞくりとしながらも、シュガはプニを捕まえようと服の中に手を突っ込んだ。だが、シュガの手を器用に避けて這い回るため、なかなか捕らえることが出来ない。時間を止めてしまえばいい話なのだが、生憎自分に触れているモノを止めることは出来ないのだ。その場合、自分をも停止することになってしまうのだから。
「おれは、使い魔としての力を見せろと言ったんだ……!?悪戯しろなんて言ってな……っひゃ!?」
不意に訪れた甘い刺激に、シュガの口から短い悲鳴が零れる。断続的に脳を痺れさせてくるそれに、恐る恐る襟口を引っ張って胸を覗くと。
「っ……!!?ば、ばか、そんなとこ、どうして……っ。というかお前、そこ頭じゃなくて口だったのか!?」
シュガの薄い色をした乳首に吸い付く、プニの姿があった。頭だと思っていたそこをぱっくりと開いて、美味しそうにちゅうちゅうと吸い付いている。咥内から伸びてくる舌らしき長い触手が乳頭に絡みつき、きゅうっと締められる度にびくりと肩が上下する。
……行為としてはアレだが、これが使い魔としての能力なのかもしれない。相手の急所に張り付いて、的確に絞める……といったところだろうか。これだけ分かればもう充分だと、シュガは上擦った声でプニに声をかけた。
「理解出来た、から。もういい……、離れろ、プニ。これ以上は、やばいから……」
だが、プニはシュガの言葉を無視して乳首を責め続ける。元々敏感な体質のシュガの乳首はすっかりぷくりと色付いて、傍目からも分かる程に勃起していた。細く長い舌で擽るように責められれば、唇から勝手に熱を帯びた吐息が溢れてしまう。じわじわと下肢も疼き出してしまい、このままでは本当にやばいと頭の中でガンガン警鐘が鳴る。
「ちく、び、も……っ、いいから……ぁ♡っんん!」
じゅるっ、と一際強く吸われ、迸りそうになった嬌声を両手で塞ぐ。いくら敏感といえど乳首でここまで感じなかったはずなのに、とふぅふぅ息を整えようとするシュガだったが、プニが動いたことによりその努力は無駄に終わった。
服の中で肌に張り付いてぬるぬる移動するプニは、もう片方の乳首には目もくれず下の方へと降りていく。『乳首はもういい』というシュガの言葉を聞いてくれたようだが、その先は乳首よりも急所となるところだ。慌てて制止させようと声をあげかけた、刹那。
「あー……、ったく、マジで疲れたわ……」
「ひっ!?」
「……んだよ、シュガ、人の顔見て悲鳴あげるとか失礼じゃねぇ?」
「い、いや、これは……っ、違くて、その」
何ともタイミング悪く帰宅してきたソルトによって、制止の言葉は喉の奥に引っ込んでしまった。もぞもぞと蠢くプニを見られないようにローブの前を合わせつつ、おどおどと弁解をする。ソルトはどもりながら喋るシュガに不信感を抱いているようだったが、そこまで深く追求はしてこなかった。
……だが。
「いい機会だからちょっと顔借せ。また時間止めやがったら、問答無用で痛い目に合わせっからな」
「へっ、……おれは、ええと、……そうだ、オトギくんに呼ばれてて」
「バレバレの嘘ついてんじゃねぇよ、バカ。いーから黙ってついてこい」
「……ぐ、わ、分かった……」
本当は全力で断りたかったのだが、有無を言わせないソルトの声音に、シュガは頷くことしか出来なかった。ぷよんぷよんと下降していくプニは、既にシュガが穿いている下着の所まで辿りついていた。どうかそれ以上は進んでくれるな、と切に願いつつ、シュガは覚束無い足取りでソルトの後ろについて行った。
*****
──自分の寝室へと足を踏み入れたソルトは、ベッドに腰かけ、シュガにはそこで立っているよう指示を出した。向けられる鋭い視線に、シュガの背筋が震える。
ごそごそとパンツの中へと歩みを進めてきたプニが下生えをなぞる感触も相まって、ぞくぞくとした快感もプラスされてしまう。
早くソルトとの話を終わらせて、プニを止めないと。
ソルトにバレないようローブの下で内腿を擦り合わせつつ、シュガはほんのり赤く色付いた耳を傾けた。
「お前さ、俺の時間止めてる時ナニしてんだよ」
「…………え?」
「だから、動けねぇ俺にナニしてんのか聞いてんだよ。ずっとなあなあにしてたけど、そろそろ吐いてもいいんじゃね?予想だけど、日頃の鬱憤晴らすために殴ってるとか?」
「そ、そんな……っ、暴力は奮ってない!」
「……ふーん、暴力『は』ねぇ……」
「あ……っ」
墓穴を掘ってしまったことに気付くが、気付いたところでもう遅い。顎に手を当ててにやにやとシュガを見やるソルトは、まるで何もかも見通しているかのようだった。
「俺にナニかしてんのは確実っつーわけだ」
「……い、一体どうしたんだよ。これまでわざわざ聞いてくることなんて、なかったのに」
「白魔法にさぁ、能力キャンセルの魔法があるんだわ」
「…………は?」
「俺はまだ使えねぇけど、センセーの魔法試しにかけてもらってさ。それがつい数日前の話なんだけど」
「……ソルト、……もしかし、て」
「やっぱお前の赤魔法強ぇし、センセーの魔法も一番弱い力でかけてもらってたから、全部防ぐことは無理だったけどよ。──あの時、動けなくても意識はあってさぁ。……なぁ、言いたいこと分かるよな、シュガ」
「…………っ!!」
あの時、好き勝手にキスしていたことが、秘めるはずだった気持ちが、全てソルトに筒抜けだった。
その事実はシュガを混乱させるのに充分すぎるものだったが、それ以上の物理的な衝撃が、空気を読まずにシュガを襲い出した。
「(……あ、や、やばい、だめだ、そこ……はぁ……っっ♡♡)」
とうとうシュガの陰茎へと到達したプニが、乳首と同じようにそれを咥えこんできたのである。胸への刺激で半勃ちしていた屹立を、プニは迷うことなく飲み込んでいく。ぬるぬるとした温かい感触はただただ気持ちよく、気を抜けば口からあられもない声が出てしまいそうだ。
「おい、シュガ。黙ってねぇで何か言えよ」
「(いっ……言える、かぁ……!)」
ぎゅっ、と唇を引き結んで声を耐えるシュガだったが、プニの存在を知らないソルトにはそれがただの抵抗にしか見えなかった。
無言のまま立ち上がると、距離を一気に詰めてしまう。逃げられないようシュガの腰と後頭部に手を回して、至近距離でにやりと三日月を描く。
「やられた分、やり返させてもらうわ」
「……っん!!?」
ぶちゅ、と勢いよく重なってきた唇は、シュガがこの数年間、何度も一方的に味わってきたものだ。
これはただの仕返しだとは思っても、ソルトからキスをされているという事実がシュガの全身を熱く蝕む。
性急に侵入してきた舌が咥内を蹂躙し、弱い上顎を丹念に責められ、足がガクガクと震えてしまう。
激しいキスとプニの愛撫によって肉棒がむくむくと膨らんでいくが、今のシュガにそれを我慢するだけの気力は残っていなかった。
「はぁ、んぅ、……っそ、る……っ♡らめ……ぇ、……ん、ひゃうっ!……んあ、ぁ♡♡」
「……ッ、キスだけで、感じすぎなんじゃねぇの?」
「んむっ♡あ、……ちが、……ん、はう……っ♡」
「やめてほしかったら正直に言えよ」
舌をジュルジュルと吸われ、全てを舐めつくさんばかりに暴かれ、シュガの思考も身体もとろとろに溶けていく。
正直に、言わないと。謝らないと。けれど、やめてほしくは、ない。
「……ごめ、ん……そる、とぉ……♡すき……、すき、だから……ぁ、もっと、ちゅー、して……♡♡」
「…………やめてほしくねぇの?」
「んっ……、きもち、い……からぁ、もっと……ちょうらい……?」
唇も舌も吸われすぎて、呂律が回らなくなった言葉をとろりと告げる。ソルトから触れられた所が熱くて堪らない。もっと、とキスをねだったシュガは、ペニスを緩やかに責め続けている存在を……一瞬だけ、忘れていた。
『もっとちょうだい』という言葉を自分への命令だと受け取ったプニが、ぐちゅぐちゅ激しく扱き出すと、シュガの目の前で星が散った。
「あっ、ひあああぁ!?やっ、ちがっ、そっちじゃ、な、っんうううううぅ♡♡♡」
「っ……!?おい、シュガ!?」
いきなり身体を悶えさせながら喘ぎ出したシュガに、思わず動揺するソルト。どう見ても、キスだけで感じているとは思えない。そもそも今は唇を離しているから、まず有り得ないのだが。
ソルトが身を離しても、シュガはひっきりなしに嬌声を発し続ける。それに重なってジュポジュポッ♡と響いてくる水音は、シュガの下肢から奏でられているようだ。
全身を震わせて自分に凭れかかってきたシュガを、ソルトは咄嗟に抱きかかえてベッドの上に横たわらせた。ローブの留め具を外して両側に広げると、そこには予想していなかった光景が広がっていた。
七分丈のパンツの中心がもっこりと盛り上がり、もごもごと蠢いているのを見れば、誰だって驚くであろう。
薄い部屋着を押し上げる、ツンと尖った片方の乳首にも目が行ってしまい、あまりにも扇情的な姿にごくりと喉が鳴る。
「……っや、ソルト、見るな、ぁ……っ♡」
潤んだ瞳でそう訴えてくるシュガだが、ソルトは自らの激情を抑えきれそうになかった。一つ息を吐いて、シュガのパンツに手をかける。そして、制止の言葉がかかる前に、下着ごと一気にそれを下ろしてしまった。
ぶるん、と外気に触れたシュガの陰茎は、根元までプニにぱくりと食いつかれ、じゅぷじゅぷ水音を立てていた。
吃驚して声を失ったのは一瞬で、すぐさまソルトの脳はこうなってしまった原因を悟る。大方、シュガの召喚魔法が成功して、使い魔としての力を見せろとでも言ったのだろう。だとしたら、こんな性的なことになってもおかしくない。
……ソルトは、この異界のモノについてよく知っていた。学術名ヒーリングヒル。高度な白魔法を使える杖の材料にもなる、珍しい魔法生物だ。乱獲の影響で今はもう殺すことは御法度になっているが。
この小さな触手のような生物は、その名の通り回復効果を持っている。対象の突起物に吸い付いてヒーリング効果のある粘液を浸透させたり、身に溜めてある回復薬を注いだりするのだ。
ただ、難点が二つ。その粘液に媚薬に似た成分が含まれていることと、好物が人間の体液であるということだ。
故に、知らず知らずの内に媚薬に犯されていた身体は熱を持ち、陰茎からとめどなく溢れる先走りを啜られているわけである。
「ああぁっ、も……、むり、イっちゃ、……んんっ♡プニ、らめ……っ、あ、……っあぁ、やら♡♡ソルト、み……ちゃ、……っひにゃああぁっ♡♡♡」
考察をしていたソルトの前で、限界を迎えたシュガは身体をしならせて精液をどぷりと吐き出した。美味しそうにちゅぶちゅぶ精液を啜るプニを、ソルトは取り払おうとはしなかった。シュガに害を与える生物であれば容赦なく引っぺがしていただろうが、ヒーリングヒルは害獣ではない。ただただ、シュガを淫らに染め上げて回復してくれる素敵な生物なのである。
イった反動でびくびく痙攣しているシュガを舐め回すように見やった後、ソルトは肉棒を覆ったままのプニに話しかけた。
「お前、プニっつーのか?シュガのこと癒してやりてぇんなら、こっちの穴も使えよ」
「っひゃ!?……やっ、ソルト……!?おまっ、どこ触っ……んっ♡♡」
「嫌がんなよ、シュガ。こいつはただお前を癒そうとしてるだけだろ。お前はただ気持ちよくなってりゃいーの」
「ら、らって、そんなの、入んな、……っ!」
ソルトに声をかけられたプニは、しばし動きを止めてその身をぐいんと伸ばした。長い尾が出来たような形になったプニは、その先端を、提示された後ろの穴へピトリとあてがう。擦りつけるように擦りつけ、アナルに粘液を塗りつけていくと、それだけで固く閉じられていた蕾が綻んでいくのが分かった。
媚薬の効果も相まって、じんじんと疼いてきてしまう。こんなの入るわけがないと思っていたのに、プニの尾がちゅぷりと音を立てて後孔に埋め込まれていく。
「~~~っっっ♡♡♡」
あまりの快感に爪先がピンと伸び、喉からは声にならない嬌声が迸る。初めての感覚なのに、痛くて当たり前のはずなのに、ただただ気持ちいい。快楽しか感じない。
このまま前立腺をごりごり擦って、奥まで突いてほしい。……そう思ってしまった時にはもう、シュガの理性はぷつりと切れてしまっていた。自ら腰を動かしてイイ所に当てようとする始末である。
……そんなシュガの気持ちとは裏腹に、プニは後孔の浅い所で、前触れもなくねっとりとした粘液を放出した。どくどくと注がれるそれは温くぬめっていて、シュガのナカを淫猥に仕立て上げていく。
「あ……、あぁ……っ、でて、るぅ……♡♡なか、いっぱい……♡♡」
うわごとのように呟くシュガの瞳は蕩けきっていて、じゅぷっとプニが蕾から出ていくと物足りなさそうにとろんと潤んだ。
はくはくと息をするアナルからこぷりと溢れる蜜に、傍観していたソルトのペニスはギンギンに張り詰めていた。
カチャカチャと勃起した陰茎を取り出してシュガのそこに当てると、早く欲しいとでも言いたげにちゅうっと吸い付いてくる。このまま一思いに穿ってしまいたいが、その前に一つ、伝えなければならないことがある。シュガとしっかり視線を合わせたソルトは、彼の足を自らの肩にかけながら、野獣のような笑みを浮かべて、
「──俺も好きだぜ、シュガ」
告白の返事と共に、怒張したそれをナカへとねじ込んだ。
「んあああぁっ♡♡♡あっ、ひ、ふか、ふかい……っ♡♡」
「っく、……前立腺擦られんのと、奥までガンガン突かれんの、どっちがいい……?」
「ふ、ぁ……♡ど、っ……、どっち、もぉ……♡♡きもちい、とこ……っ、いっぱいごりごりして……ッッ♡♡♡」
「……注文多いな、お前は、よ……っ!」
「ふ、あぁんっっ♡♡♡」
プニの粘液のおかげで裂けることなくソルトを飲み込む後孔は、快感だけを数倍にして拾ってくる。電流のようなビリビリとした快楽が休む暇なく襲ってきて、シュガは全身が性感帯になったかのような錯覚に陥っていた。理性は飛んでも、大好きな人と一つになれているという実感はある。嬉しさと悦楽とでふにゃふにゃになるシュガを、ソルトは熱のこもったギラギラした瞳で見下ろしていた。
そんな二人に挟まれ、未だにシュガのペニスを咥えていたプニは、身体の長さを元に戻すと同時に、ふと『それ』に気が付いた。
先端にある、穴。
この中にも挿れて、癒してあげたら。
自分を喚んでくれた彼はもっと褒めてくれるのでは、と。そんな純粋な気持ちから、プニは長く細いストロー状になっている舌をシュガの尿道へずぷりと差し込んだ。
「っあ゛!!!?ひゃ、やらああぁっ♡♡♡はいっ、で、あ、……ちん、ちんこの、なかぁっ♡♡ひゃ、あ、あああああっ♡♡」
「……へぇ、俺には見えねぇけど、ちんこの穴に挿れられてんのか?」
「あっ、にゃ、ぁ♡へん……にっ、なっちゃ……♡ああ、ずぷずぷって、んぁっ、や、あ……んっ♡♡♡」
「大丈夫、もうとっくに変になってっから」
「ひあっ♡♡や、いま、そこ、つかれた……ら、あああぁっ♡♡♡♡♡」
尿道を弄られる刺激と、ソルトから与えられる快感に、シュガはひたすら酔っていく。
プニからとぷとぷと粘液を注がれ、反射的にきゅうっとソルトを締め付けてしまい、──ナカに粘液以上に熱いモノが放たれれた。
やべ、という焦った声は、今のシュガに届かない。気持ちよくてたまらなくて、ソルトを離したくなくて、もっと、とでもいうようにぐちゃぐちゃになったそこをぐりぐり押し付ける。
「……そりゅ、とぉ……、からだ、まだ……あつくて、たりない、からぁ……♡♡ぷに、は……すこし、やすんでて、いいぞ……♡」
その言葉に、イったばかりのソルトの肉棒は簡単に熱を持ち、プニは尿道を攻めていた舌をつぷんと引き抜いた。
「……っあ、……だめ、出ちゃ……♡♡」
ぶるっ、とシュガが小さく震えたのはその時だ。
散々尿道を刺激されたせいで、膀胱に溜まっていた尿がチョロチョロと溢れ出す。媚薬に漬けられた尿道は、排尿さえも快楽に変えてしまう。次第に勢いを増す水流に、シュガはだらしなく頬を緩めて快楽に浸った。
「あぁ……、おしっこ、出てるぅ……♡ぷに、に……飲まれて、る……っ、ひゃ、ぁん、止まんな、……っん♡♡」
「……えっろい顔。なぁシュガ、おもらしして気持ちいーのかよ?」
「う、ん……っ♡おしっこ、気持ちいい……っ♡♡ソルト、おれのえっちなとこ、いっぱい見てぇ……♡♡♡」
部屋に響くのは、シュガの喘ぎ声と、大きな粗相の音、そしてプニの咀嚼音。背徳的な空間の中で、ソルトは眼前の獲物をかっ喰らうべく、ドロドロになっているナカを勢いよく穿った。
*****
「………………しにたい……」
「第一声がそれかよ」
「いっそ殺してくれ……」
「却下」
「…………しにたい」
「ループしてんじゃねぇよ」
精根尽き果てるまでまぐわった、次の日の朝。
プニの姿は消えていたが、ソルトのベッドの中、二人して裸で眠っていたことが昨日の行為が現実であったことを裏付けていた。副作用である媚薬の効果はすっかり消え去り、回復粘液のおかげで中出しされた精液も溶かされたようである。痛みは全くといっていい程感じないが、ただただひたすらに気恥ずかしい。
「改めて聞くけど、俺の時間止めてた時いつもキスしてたわけ?」
「…………う゛……」
「……ま、それは別にいいけど。時間止められた回数分、俺の言うこと聞いてもらうからな」
「なっ……!?い、いつもキスしていたわけじゃないぞ!?始めの頃は手を繋ぐくらいで……っ!」
「遅ぇよ。あー、ナニしてもらおっかなぁ?またお前の使い魔に回復してもらうのもいいし、……あぁ、俺の前で漏らすシュガも見てぇわ。おしっこすんの気持ちいい、って言ってたしな?」
「おっ、思い出させるなバカソルト!!」
かあぁっと羞恥の色に染まったシュガが、枕でばしばしとソルトを攻撃する。ちっとも痛くはないが、少しうざったい。経緯も行為もアレではあったが、一応ハジメテの翌日なのだから、もう少し甘くてもいいだろう。
シュガからの枕攻撃をぱしりと受け止めたソルトは、そのまま彼を引き寄せると、わななく柔らかな唇をちゅうっと塞いだ。
口をぱくぱくと開閉させて真っ赤になるシュガに、ソルトは悪戯めいた微笑を向ける。
「おはよ、シュガ。言っとくけど俺、お前のことすげぇ好きだから」
「…………お、はよう……、ソルト。……馬鹿を言うな、おれの方があ……愛してる、ぞ」
自分で言っておきながら恥ずかしそうに俯くシュガを、そっと抱きしめる。
──プニがおしっこを気に入って、シュガが寝ている間に尿道を刺激してごくごく飲んでいたことを、羞恥心の強い彼にいつ伝えようかとほくそ笑みながら。
【大好きな彼への時間停止魔法は使えるのに召喚魔法は上手くいかない件について】
(あ)
(んー?どしたん、ペッパー)
(いやあ……、シュガが悩んでたみたいだったから、前に授業で聞いた魔術書を勧めたんだけどさ)
(へぇ~)
(それが、なんというか……呪文が成功するというより性的な方向に突出した物だったような気がして……)
(……ほうほう?)
(うっかり忘れちゃってたけど……、うん、誰にだって間違いはあるよな?)
(そだねぇ。折角だからシュガっちに教えてあげよーっと♡)
(な……っ、それは待ってくれビネガ……っ!)
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まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
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