ドキドキエロエロバーチャルすごろく

桜羽根ねね

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3「痛くはないが、変な感じだ」

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 ウィンドウのダイスをタップすると、くるくると回転が始まる。続けてもう一回触れるとぴたりと動きが止まった。
 5の目を示したダイスに従い、二人一緒に歩みを進めていく。
 空白のマスに辿り着くと、マスがぽわっと光って黒い文字が浮かび上がってきた。

『イガラシがモモセの乳首を30秒間摘む』

「…………は?」
「こ、これはまた変わった指令だな……」

 その指令内容に、思わず上擦った声が出てしまう。
 男同士。乳首くらい摘まれようが抓られようがどうってことないのだろうが、百瀬にとって五十嵐は恋い慕う人物なのである。好きな人から触れられて嬉しくないわけがない。せめて変な声を出さないようにと唇を噛み締め、そっと服を捲り上げる。

 その行動に慌てたのは五十嵐だ。せめて服の上から触るつもりでいたのに、まさか直接だなんて。
 白い胸の頂点で淡く主張する突起を直視してしまい、ごくりと唾を飲み込む。摘むだけ、摘むだけ。と念仏のように脳内で唱えつつそろそろと両手を伸ばす。

「い、いくぞ」
「ああ、どんとこい」

一つ、深呼吸。
そうして、出来るだけ優しい力で二つの粒をきゅっと摘んだ。

「ひ、ぅ……っ♡」

我慢するはずだったのに、少しだけ甘い吐息が零れてしまい、百瀬は羞恥を堪えるようにぎゅっと目を瞑った。

「(へ、変に思われなかっただろうか……!?乳首で感じているわけではなく、いや気持ちいいのは確かだがそれはお前に触られているからであって、ううう、言い訳したくてもこんなの無理だ……!!)」
「(やっば……!?何だよあの声エロすぎだろ!ち、乳首感じんのかこいつ……?……やべぇ、必死に我慢してる顔もエロいし可愛いし……ああぁ、落ち着け俺!)」

 五十嵐も五十嵐で脳内はパニック状態だ。乳首を摘む手にじんわりと汗が滲む。自然と指に力が入ってしまい、百瀬はそれにぴくりと反応しながらも飛び出しそうになる声を必死に我慢した。
 たかが30秒、されど30秒。
 何十分にも感じたその時間が終わるまで、二人は無言のまま向き合っていた。

「……はァい、指令完了ォ。さくさく次行っちゃおっかァ」

 不意にマスターの声が割って入り、百瀬と五十嵐は弾かれたように身を離した。離れても尚、鼓動は速いし顔も火照ったままだ。それを誤魔化すかのごとく、五十嵐は声を張り上げた。

「っ……!お前っ、何なんだよこの内容!!」
「エー、ちゃァんと言ったデショ。ドキドキエロエロラブハプニングだって」
「それがおかしいんだよ!男同士だってのに何でこんなことしなきゃいけねぇんだ!?」
「別に、死にたいんならヤらなくてもいいんだけどォ?」
「ぐっ……!」
「……五十嵐」

 悔しそうに唸る五十嵐の袖がちょんと引かれる。
 視線をやると、恥ずかしそうに口元を押さえている百瀬がいて。あー、その、と言い淀んだ後に、意を決してそれを口にした。

「…………オレは、お前となら……嫌じゃ、ない。だから、気に病むことはないぞ」

 百瀬は五十嵐が自分本位な人間ではないことを知っている。
 だから、マスターに文句を言ったのも自分のためというより百瀬のことを思っての行動だろう。……そう判断した上で、だから心配するなと伝えたかった百瀬だが、その言葉が持つ破壊力を全く理解していなかった。

 オレはお前となら嫌じゃない、お前となら、お前と、なら。

 フリーズした五十嵐の脳内で何度もそのフレーズがリフレインする。

 俺だって嫌じゃねぇよ!寧ろ歓迎だから!!……とは流石に言えず、「……お、おう」という飾りっ気のない相槌を返すことしか出来なかった。

「つ、次……っ、いくぞ」

 ほわほわした妙な雰囲気に耐えきれず、先にダイスを操作したのは百瀬だった。
次はどんな突拍子もない指令が、とドキドキしながら2マス進む。先程と同様に浮かび上がってきた指令はたったの四文字だった。

『パンイチ』

 パンイチ。
 つまり、パンツ一丁。
 まだ始まって間もないのに、これから先どんな際どい指令があるか分からないというのに、服を脱がないといけないだなんて。
 それでもまだ下着が残っているだけマシなのだろうか。

 こういうことに関しては戸惑いながらも男らしくこなす百瀬は、赤くなりつつもぞもぞと衣服を脱いでいく。さっき摘まれた所為でほんのりぷっくりとしている乳首や、すらりとした生足が晒され、五十嵐は思わず天を仰いだ。

「(頼むから反応してくれるな、俺のジュニア)」

 ……そうして、グレーのトランクス姿になった百瀬と黒のボクサーパンツ姿になった五十嵐は、お互いの身体をあまり視界に入れないようにしながらウィンドウをタップした。

「よし、6だ!」
「おお、一気に進めるな!」

 邪念を振り払うかのように、羞恥を紛らわすかのように、無駄に大きな声を出しながら進んでいく二人。まだまだゴールまでの道のりは長いため、大きい数字は願ったり叶ったりだ。

『互いのペニスを扱き合って勃起させる』

 ……願ったり叶ったりの、はずだった。

 表示されたそれは、もろに性的なモノすぎて。直接的な言葉に二人の顔がかあぁっと発火していく。
 けれども、やらなければ待つのは不条理死というゲームの中で、拒否という選択肢などあってないようなものだった。

「……こ、このまま……触ればいいのか?」
「……なに、百瀬は直に触りたいわけ?」
「なっ……!そ、そんなわけないだろう!」

立ったまま身を寄せ合った二人は、逡巡しながら相手のそれに手を伸ばす。そっと布越しに触れると、少しだけ芯を持った熱の感触。撫でてみるとぴくんと分かりやすい反応が返ってきた。五十嵐が、自分の手で感じてくれている。そのことが堪らなく嬉しい。勿論、それと同様の羞恥も感じているのだが。

「き、……気持ちいいか?五十嵐」
「……ん、もっと強くしても、いーから」
「う、うむ。こうか……、っ、ひゃっ!?」
「……百瀬も、気持ちよさそうだな」

 ぎゅむ、と敏感な陰茎を握られ、下着越しとはいえどぴりぴりとした快感が走る。 そのままむにむにと擦られれば、半開きの唇から艶やかな吐息が零れ落ちた。
 好きな人から触られているためか、触覚のみならず五感全てが快楽を拾う。感じている姿に欲情し、欲を孕んだニオイにくらりとし、押し殺そうとする喘ぎ声が鼓膜を震わせ、口の中には感じるはずのない甘露な味が広がる。

「あっ……、ん、先っぽ、だめ……ぇ、んっ♡」
「……っ、く、そこ、ばっか、やめろ……バカ……!」

 恐る恐る動いていた手は次第に速くなっていき、今ではもう下着を持ち上げる程勃起した陰茎を遠慮なくぐちゅぐちゅと扱いていた。じわ、と染み出した先走りが下着に恥ずかしいシミを作る。百瀬の方は特に分かりやすく、下着の中心が色濃く染まっていた。

 ……このまま、イってしまいたい。

 そう、二人が思ったのを見計らったかのように、

「お楽しみのとこ悪いけどォ、指令完了だヨォ。イかせろとまでは書いてないからァ、イっちゃったら違反行為になるケド、それでもいいならドーゾ続けてヨ」
「っ!!?あ、……す、すまん……っ」
「何謝ってんだよ。……俺も夢中になっちまってたし、お互い様だろ」
「そ、そうだ……な」

 パッと身を離しながらも、窮屈そうに勃起した五十嵐の陰茎が気になってちらちらと視線を向けてしまう。もっと触っていたかったと思ってしまい、慌ててその恥ずかしい考えを打ち消した。これではただの変態だ。まさか五十嵐も自分と同じことを考えていたとは知る由もないまま、性急にウィンドウを操作する。

 ダイスの目は4だ。

「……歩けるか?」
「ん、……大丈夫だ」

 パンイチな上にフル勃起状態という酷い格好のまま、燻っている身体をのろのろと動かしていく。出来れば次の指令でイきたいところだが、そう上手くはいかないだろう。そんな百瀬の予想は、不幸なことにピタリと当たってしまった。

『イガラシがモモセの後ろに玩具を挿れる』

 そんな言葉と共に現れたのは、ローションと大振りのローター。男相手に懸想をしてから、男同士の性行為については二人ともネットで調べ済みだ。だから、後ろというのがどこを指すのか、嫌という程分かってしまった。勿論、ローションとローターの使い方も。

「う、後ろというのは、その…………お尻……か?」
「……それしかないだろうな」
「……………………」
「あー……、百瀬、嫌だろうけど、心の準備が出来るまで待つからさ」
「…………相手がお前なら嫌ではないと、言っただろう?」
「っば、唐突に蒸し返すなバカ!」
「だが、そうだな、……なるべく、優しくしてほしいぞ」

 百瀬は一体どれだけ爆弾を落とせば気が済むのだろうか。
 ちら、とうっすら涙ぐんだ瞳を向けてそんな可愛いことを言ってくるものだから、五十嵐の理性はぐらぐら揺らぐ。今すぐ抱きしめてキスをしながら突っ込みたい衝動を必死に抑え、「……四つん這いになってこっちにケツ向けろ」とどうにか絞り出すように伝えるのが精一杯だった。

「……これで、いいか?」
「…………おお」

 くいっと突き出された尻を揉みしだきたいという劣情に苛まれつつ、五十嵐は百瀬のトランクスにそっと手をかけた。

「……っあ…………」

 そのまま下におろそうとすると、勃起した陰茎が引っかかってしまい、もどかしく柔い刺激が百瀬を襲った。暫く布が擦れた後に、ぷるんと勢いよく外に飛び出てしまう。
 パンツをそのまま抜き取った五十嵐は、恥ずかしがる百瀬の足を肩幅まで開かせた。きゅっと閉じている蕾も、たぷりと精液を溜め込んだ陰嚢も、先走りをだらだらと零しているペニスも全てが眼前に晒される。絶景、と喉の奥で呟いて、五十嵐はローションを手に取った。ネットで見たことはあるとはいえ、実際に尻穴を弄るのは初めてだ。不安と興奮でドキドキしながら、百瀬の尻にとろりとローションを垂らしていく。

「ひっ……!」
「……悪い、冷たかったか?」
「ん……、平気、だ」

 ぬるぬるするそれを塗り込むように広げていき、固く閉じた入口を幾度となくなぞる。くすぐったいのか感じているのか微妙なラインではあるが、百瀬は頻りに短い嬌声を零していた。

 ……暫くして、次第に柔らかくなってきたそこは、五十嵐の指にぷちゅっと吸い尽くような反応を見せた。そろそろ、頃合いだろうか。

「百瀬、痛かったら言えよ」
「分かっ、た」

 ゆっくり、百瀬を傷つけないように、ずぷずぷと人差し指を埋めていく。ローションがたっぷりかかっていたおかげか、思っていたよりすんなりと第二関節まで入ってしまった。

「ふ、んぅ……」
「痛いか?」
「痛くは……ないが、変な感じだ……」
「……なら、動かすけど、……いいか?」

 羞恥に震えながらもこくりと頷いた百瀬を見て、埋めたままだった指をじゅぷじゅぷ抜き差しする。気持ち悪いはずのその感覚は、百瀬にとって甘露な刺激でしかなかった。

「ひ、あっ……!や……♡」
「……指、増やすから」
「え……、待っ、ん、あぁ……っ♡♡」

 圧迫感も感じるが、腸壁を勢いよく擦られてあられもなく喘いでしまう。二本に増やされた指がナカでバラバラと動き、百瀬のイイ所を掠めていく。お尻で感じているだなんて信じられないが、事実なのだから受け入れるしかない。美味しそうに五十嵐の指をきゅうきゅう締め付ける後孔からは、熱を帯びたローションがとろっと垂れていく。
 上半身を支えるのが辛くなって、くたりと伏せると、腰だけ高く上がっている体勢になった。その卑猥さに五十嵐の目の前がぞくりと淫靡に染まる。

 優しく、という思いはあれど、本能には逆らえない。ぐちゅ、とねじ込んだ三本目の指が、百瀬の前立腺をピンポイントで抉った。

「ひ、ゃああああぁっ♡♡」

 びく、びく、と身体を震わせる百瀬だが、後ろだけでは流石にイけず、内で昂ぶる熱情が更に激しく踊り狂う。寧ろ勝手にイったら駄目だということを思い出し、慌てて自らの手で根元をぎゅうっと握りしめた。このまま扱いてイってしまいたいが、それを選ぶと待っているのはもれなく死だ。

 百瀬がイくのを堪える様に、張り詰めていた下肢が更にずくりと疼く。それに気付かないフリをして、五十嵐は丁寧にナカを解した後、ちゅぷんとわざと音を立てつつ指を引き抜いた。ローションでてらてら光り、物欲しそうにはくはくと息をする後孔が、五十嵐を誘うようにゆるりと揺れる。
だが、指令に従わねばならない以上、挿れるのは自らのそれではなく、無機質な玩具だ。

「……イくんじゃねェぞ、百瀬」
「わ……かっ、て、いる……」

 卵程の大きさのそれにもローションを満遍なくかけ、百瀬のアナルにひたりと当てる。
 くぷ、くぷ、とじわじわ異物を飲み込んでいくそこは、ある一定の場所を過ぎた瞬間一気にくぷりと入り込んだ。悩ましげな嬌声が断続的に溢れ、肉棒を戒める手にも力が入る。
 後孔から伸びる長いコードはスイッチに繋がっていて、これを操作すればただでさえトロトロになっている百瀬がもっと痴態を晒すことになるだろう。

「……おい、ローター挿れたからもう指令は終わっただろ」

 そんな姿を見てみたくないと言えば嘘になるが、百瀬に無理を強いたいわけではない。そんな思いから発した言葉を、マスターはきょとんとした顔で聞き返した。

「確かに完了だけどォ、別にスイッチ入れてもいいんだよォ?」
「ふん。それはこっちの勝手だろうが」
「……ふうん。まあアンタ達がそれでいいならいーケド。…………それにしてもモモセちゃん、随分可愛い姿になったねェ」
「ん、う……?」
「全裸でちんこ勃起させてお尻に玩具挿れてるその姿、すっごくすけべで可愛い変態ちゃんだよォ?」
「っ……!!」

 あけすけに今の状態を説明され、全身から火が出そうになる。好きでこんな格好になっているわけじゃないと言い返すも、マスターはくすくすと含み笑いを返すだけだ。

「……大丈夫か、百瀬」
「全然……大丈夫ではないな…………。すまない、肩を貸してくれないか?……こんな狂ったゲーム、さっさと終わらせるぞ」
「……だな」

 さっきまで喘いでいた百瀬はどこへやら。異物が入ったままなので辛そうではあるが、毅然と前を見据える彼の目はしっかりと意思を持っていた。
 お互いを鼓舞し合うように支え合って、二人は次の指令へと進むダイスを振るのであった。
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