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第一部:婚姻編
⑥白色ピュアラブ
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改めて辺りを見渡すと、緑くん達とは少し離れた所に、別の魔族も来ていたみたいだ。ただ、なんだか様子がおかしい。
「お前みたいな気持ち悪い存在が、ぼくをモノに出来るとでも思ったわけ?最悪。気分悪すぎるんだけど~」
「あ……、あぅ……、ちが……、ご、めんなさ……」
「ダッサ。魔族のくせに泣いちゃうんだ?ああ、お前他の魔族と違って雑魚そうだし仕方ないかぁ?」
馬鹿にしたように笑う金見くんに続いて、銀くんと銅鐘くんが同意するように見下している。そんな彼等の前には、背丈が半分くらいしかない青い魔族がいた。服を着ているけど、半透明のぷるぷるした涙を流しているその魔族は、多分スライムだ。金見くんに酷い言葉を浴びせられて、落ち込んでしまっている。
こういう時に声をかけることが出来たら……、いいんだけど。情けないことに、やめろという三文字すら声にならない。いくら慣れたとはいっても、僕だって悪口を言われたいわけじゃないから。どうしたって、自分の身が可愛いんだ。
それは他の皆も同じようだったけど、そんな中、ぐすぐすと目を擦るスライムに近づく人がいた。
「金見、言い過ぎ」
「はぁ?ぼくに口答えする気なの?貧乏人の分際で?」
大家族の四男で、事あるごとに貧乏だということを揶揄られている白雪くんだ。制服も鞄も、何もかもお下がりで古いものばかり。だけど、白雪くん自身は真っ直ぐでとても良い人だ。関わりは薄かったけど、どもって上手く話せない僕のことも、嫌な顔一つしないで接してくれた。
「貧乏人は関係ないだろ。悪いと思ったことを指摘しているだけだ」
「あー、はいはい。勝手に言ってれば?……あぁ、そうだ、お前ら貧乏人と雑魚同士でお似合いなんじゃない?あははっ!」
「くくっ……、駄目ですよ、そんな……本当のこと言っちゃ」
白雪くんは、蔑む金見くん達から視線を逸らして、ぼたぼたと大粒の涙を零すスライムの前で片膝を折った。多分だけど、彼には弟妹が多いから、父性ならぬ兄性が働いたんじゃないかな。
「ひぐっ……、う、うぅ……」
「君はダサくないし、雑魚でもないから」
「ん……っ」
「寧ろ……、すごく可愛いと思う」
「っえ……?」
そう言って目元を優しく拭う白雪くんの前で、スライムの嗚咽が小さくなっていく。青肌がじんわりほんのりと赤くなって、潤んだ瞳が嬉しそうに緩み出す。
「こっ……、こんな、最弱の魔族なのに……?」
「それを言ったら俺も貧乏だし。今はそんなもの関係ないだろ?君には、……その、泣き顔より笑顔が似合うと思う」
「ッ……」
はにかむように笑う白雪くんは、少し照れているようだった。誤魔化すように、スライムの頭を何度も撫でている。
ふわふわと漂う空気は、まるで少女漫画だ。金見くん達はというと、そんな彼等の様子すらも指をさして笑っていた。だけど、そんな程度の低い嫌がらせは、二人にはもう視界にすら入っていないようだった。
「う、嬉しい……。……あ、のっ、お嫁さまに……、嫌じゃなかったら、ボクの、お嫁さまになってほしい、です……っ」
「……うん、いいよ。俺も、君の嫁になりたい」
額を軽く合わせて、鼻を擦り合わせて、それからゆっくり唇を重ねた彼等は、そこだけ純愛時空だった。今まで見てきたエロい契りとの差に熱が出そうだ。
スライムの見た目が子供だから、少し犯罪臭がするけど……、と、思った矢先だった。
ぎゅぽんっ!
何ともコミカルな音と共に、スライムの身体が大きく膨らんだ。驚く白雪くんをぎゅっと抱き締めたまま、服を破きながら成長したスライムは──、あどけなかった相貌が嘘のような色気のある美青年……もとい美スライムになっていた。
「え、……っえ……?」
「驚いた?ボクの種族はちょっと特別で、心から愛し合う相手が出来ると成体になれるんだ」
「す、すごいな……?その、一気にかっこよくなったな」
「……可愛くなくなったボクは嫌い?」
「嫌いなわけない、けど。ま、眩しくて困る……」
「光属性だからね。ふふ、嫌われなくてよかった」
どこかズレた答えを返したスライムは、柔らかい身体で白雪くんを包み込む。腕が触手のように伸びて服の中に入り始めて、少女漫画のエロのターンが来たことを察する。
「待っ……!お、俺がリードするつもりで、っんぷッ♡♡」
「安心して、お嫁さま。ちゃんと気持ちよくするからね」
ぐぷぐぷとスライムの中に顔から下が取り込まれていく白雪くんは、深いキスをされてうっとりと蕩けていった。
パチンッという何かが割れたような音が聞こえたのは、そんな時だ。音の方を見ると、吸血鬼が作った黒いドームが消えていた。
「あ゛ぇ……♡もぉ、無理……♡♡おまんこ、いっぱい゛ぃ……♡♡」
「は、ぁ゛……ッ♡♡きもち、よ゛すぎ……♡♡」
全裸で白濁塗れになっている緑くんと、藍城くん。ぱかっと開かれた足の間からは、びっくりするくらい大量の精液が溢れていた。そんな二人を愛おしげに見下ろす吸血鬼達は、それぞれの嫁を抱き上げてあやすようにキスをする。
シャアアァ、と控えめな水音が聞こえてくると思ったら、どうやら二人揃っておしっこを漏らしてしまったみたいだ。お尻から垂れる精液も混ざって、卑猥な滝のようになっている。
「ん~♡もっともっと食べたいけど、流石に我慢しなきゃかぁ♡つーか、あんだけ口煩かったくせに、親父の方ががっついてたじゃん」
「ふ……、年甲斐もなく愛してしまう程、魅力的だったのだから仕方ないだろう。……ああ、眠ってしまったか」
くったりと幸せそうに寝息を立て始めた彼等を抱えたまま、吸血鬼達は音もなく姿を消した。残されたおもらしの跡もスウッと消えていく。彼等のだけじゃなくて、これまで放たれた精液や潮といった液体も、跡形もなく消えていっている。そういう魔法がかけられているんだろうな。
……でも、今は、それより。
「(やばい……、皆がえっちだから勃起してきたかも……。隣の悪魔にバレない内に、萎えさせないと……!)」
硬くなってきた息子を抑える方に、意識を向けることにした。
「お前みたいな気持ち悪い存在が、ぼくをモノに出来るとでも思ったわけ?最悪。気分悪すぎるんだけど~」
「あ……、あぅ……、ちが……、ご、めんなさ……」
「ダッサ。魔族のくせに泣いちゃうんだ?ああ、お前他の魔族と違って雑魚そうだし仕方ないかぁ?」
馬鹿にしたように笑う金見くんに続いて、銀くんと銅鐘くんが同意するように見下している。そんな彼等の前には、背丈が半分くらいしかない青い魔族がいた。服を着ているけど、半透明のぷるぷるした涙を流しているその魔族は、多分スライムだ。金見くんに酷い言葉を浴びせられて、落ち込んでしまっている。
こういう時に声をかけることが出来たら……、いいんだけど。情けないことに、やめろという三文字すら声にならない。いくら慣れたとはいっても、僕だって悪口を言われたいわけじゃないから。どうしたって、自分の身が可愛いんだ。
それは他の皆も同じようだったけど、そんな中、ぐすぐすと目を擦るスライムに近づく人がいた。
「金見、言い過ぎ」
「はぁ?ぼくに口答えする気なの?貧乏人の分際で?」
大家族の四男で、事あるごとに貧乏だということを揶揄られている白雪くんだ。制服も鞄も、何もかもお下がりで古いものばかり。だけど、白雪くん自身は真っ直ぐでとても良い人だ。関わりは薄かったけど、どもって上手く話せない僕のことも、嫌な顔一つしないで接してくれた。
「貧乏人は関係ないだろ。悪いと思ったことを指摘しているだけだ」
「あー、はいはい。勝手に言ってれば?……あぁ、そうだ、お前ら貧乏人と雑魚同士でお似合いなんじゃない?あははっ!」
「くくっ……、駄目ですよ、そんな……本当のこと言っちゃ」
白雪くんは、蔑む金見くん達から視線を逸らして、ぼたぼたと大粒の涙を零すスライムの前で片膝を折った。多分だけど、彼には弟妹が多いから、父性ならぬ兄性が働いたんじゃないかな。
「ひぐっ……、う、うぅ……」
「君はダサくないし、雑魚でもないから」
「ん……っ」
「寧ろ……、すごく可愛いと思う」
「っえ……?」
そう言って目元を優しく拭う白雪くんの前で、スライムの嗚咽が小さくなっていく。青肌がじんわりほんのりと赤くなって、潤んだ瞳が嬉しそうに緩み出す。
「こっ……、こんな、最弱の魔族なのに……?」
「それを言ったら俺も貧乏だし。今はそんなもの関係ないだろ?君には、……その、泣き顔より笑顔が似合うと思う」
「ッ……」
はにかむように笑う白雪くんは、少し照れているようだった。誤魔化すように、スライムの頭を何度も撫でている。
ふわふわと漂う空気は、まるで少女漫画だ。金見くん達はというと、そんな彼等の様子すらも指をさして笑っていた。だけど、そんな程度の低い嫌がらせは、二人にはもう視界にすら入っていないようだった。
「う、嬉しい……。……あ、のっ、お嫁さまに……、嫌じゃなかったら、ボクの、お嫁さまになってほしい、です……っ」
「……うん、いいよ。俺も、君の嫁になりたい」
額を軽く合わせて、鼻を擦り合わせて、それからゆっくり唇を重ねた彼等は、そこだけ純愛時空だった。今まで見てきたエロい契りとの差に熱が出そうだ。
スライムの見た目が子供だから、少し犯罪臭がするけど……、と、思った矢先だった。
ぎゅぽんっ!
何ともコミカルな音と共に、スライムの身体が大きく膨らんだ。驚く白雪くんをぎゅっと抱き締めたまま、服を破きながら成長したスライムは──、あどけなかった相貌が嘘のような色気のある美青年……もとい美スライムになっていた。
「え、……っえ……?」
「驚いた?ボクの種族はちょっと特別で、心から愛し合う相手が出来ると成体になれるんだ」
「す、すごいな……?その、一気にかっこよくなったな」
「……可愛くなくなったボクは嫌い?」
「嫌いなわけない、けど。ま、眩しくて困る……」
「光属性だからね。ふふ、嫌われなくてよかった」
どこかズレた答えを返したスライムは、柔らかい身体で白雪くんを包み込む。腕が触手のように伸びて服の中に入り始めて、少女漫画のエロのターンが来たことを察する。
「待っ……!お、俺がリードするつもりで、っんぷッ♡♡」
「安心して、お嫁さま。ちゃんと気持ちよくするからね」
ぐぷぐぷとスライムの中に顔から下が取り込まれていく白雪くんは、深いキスをされてうっとりと蕩けていった。
パチンッという何かが割れたような音が聞こえたのは、そんな時だ。音の方を見ると、吸血鬼が作った黒いドームが消えていた。
「あ゛ぇ……♡もぉ、無理……♡♡おまんこ、いっぱい゛ぃ……♡♡」
「は、ぁ゛……ッ♡♡きもち、よ゛すぎ……♡♡」
全裸で白濁塗れになっている緑くんと、藍城くん。ぱかっと開かれた足の間からは、びっくりするくらい大量の精液が溢れていた。そんな二人を愛おしげに見下ろす吸血鬼達は、それぞれの嫁を抱き上げてあやすようにキスをする。
シャアアァ、と控えめな水音が聞こえてくると思ったら、どうやら二人揃っておしっこを漏らしてしまったみたいだ。お尻から垂れる精液も混ざって、卑猥な滝のようになっている。
「ん~♡もっともっと食べたいけど、流石に我慢しなきゃかぁ♡つーか、あんだけ口煩かったくせに、親父の方ががっついてたじゃん」
「ふ……、年甲斐もなく愛してしまう程、魅力的だったのだから仕方ないだろう。……ああ、眠ってしまったか」
くったりと幸せそうに寝息を立て始めた彼等を抱えたまま、吸血鬼達は音もなく姿を消した。残されたおもらしの跡もスウッと消えていく。彼等のだけじゃなくて、これまで放たれた精液や潮といった液体も、跡形もなく消えていっている。そういう魔法がかけられているんだろうな。
……でも、今は、それより。
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硬くなってきた息子を抑える方に、意識を向けることにした。
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