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第二部:新婚編
14:碧玉と菖蒲のトラップ(後編)
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またもや魔法で無理矢理身体の自由を奪われて、目の前の部屋にポポイと入れられてしまう。
そこは、子供部屋とは打って変わった内装……というより、簡易的なアクアリウムだった。中央に大きな水槽があって、壁の一つが巨大水槽になっている。薄暗い照明はムードがあって、普通に良い雰囲気だと思う。ただ、水槽の中は水が入っているだけで魚一匹泳いでいない。
『部屋はランダム仕様なんだけど、いい部屋を引けたね!ここの課題は【水槽に浸かってショーを楽しもう!】リラックスして楽しい時間を過ごしてね♡』
そう言いながら、僕達を浮かせるラビアン。普通に使ってるけど、こういった他者への浮遊魔法は上級魔法だって前にルトラが教えてくれた気がする。幻覚か何かだから好き放題出来てるとか、単純にこの兎を動かしている魔族の魔力が強いとか?
そんなことを考えていられたのも、中央の水槽にドボンと落とされるまでだった。咄嗟に息を止めたけど、肩から下まで水面に入った状態でピタリと静止した。水面が浮き輪になってるような感じだ。腕は外に出ているから、試しに水の中に入れてみようとしたけど、もにりと弾かれてしまった。水は透明なはずなのに何故か曇っていて下が見えない。一体どういう魔法を使っているんだろう。
「わ、すごい。オレ、泳げないのに浮いてる」
「何で喜んでんだよ。またさっきみたいなえろい目に合うかもしれねぇのに」
水星くんと千草くんも隣で同じような体勢になっているけど、思うことはバラバラだった。
『早速ショーを始めていくよ~!最後まで楽しんでね!』
ラビアンが杖を振ると、部屋の中が更に暗くなって、僕達が入っている水槽と、目の前の巨大水槽だけがライトアップされた。
さっきまで魚の影一つなかったのに、どこからともなくクラゲみたいなカラフルな生き物が現れて、踊るように泳ぎ始める。虹が水中を揺蕩っているようで、とても綺麗だ。ぐるりと水槽内を一周すると、今度はクラゲの代わりに、鰻みたいに長い魚が出現した。鱗がキラキラしていて宝石みたいだ。それから入れ代わり立ち代わり現れる、少し不思議な魚のショー。僕も二人も喋ることなく見入ってしまった。
最後に、これまで出てきた魚達が大きなハートを描いて、泡のように消えていった。
『──はいっ、ショーは楽しんでもらえたかな?課題をクリアしたから次の部屋に行くよ~!』
ざばっ、と浮いた身体は、なんだか少し痺れていた。そんなに長い時間入っていたわけじゃないはずだけど。
「チグサ、えろいことされなかったね」
「今回はな。どうせまだ続くんだろ」
濡れていた身体は、床に立つ頃には乾いていた。先導するラビアンの後を、今の僕達はついて行くことしか出来ない。
扉の向こうには、案の定同じような扉。その中は、広いシアタールームになっていた。リクライニングチェアが三つ並んでいて、座るところには黒々としたディルドが聳え立っている。
『君達の大好きな伴侶と同じサイズにしてあげたよ♡チグサきゅんにはちゃーんと二つ用意してるからね♡この部屋の課題は、【旦那様ディルド椅子で映像鑑賞しよう!】ほらほら、止まってないで座って座って!』
「う、わっ」
魔法で後押しされるがままに、極太ディルドの目の前に立つ。最初にアナルパールを挿れられたとはいえ、ルトラサイズの玩具を挿れるなら慣らさないと……。
「は、ぇ゛っ!?」
そう思った矢先、勝手に動かされた身体は、ディルドを奥深くまで咥えていた。前立腺をごりっと抉られる快感に目の前がチカチカしたけど、全く痛くない。
「あ、あれ、はいっちゃ、ん、きもちい……♡」
「ふ、ううぅ、二本も、いらねぇのに……!」
二人の声も、痛がるどころか感じ入った声だ。不思議に思っている内に、手足を拘束されて、ナカのディルドがゆっくり動き出す。
甘い刺激に声を漏らす僕達の前で、その『映像』が始まった。
「は?」
「え……。えっ、あれ、オレ達?」
「さ、さっきの……?嘘、なんで……っ」
スクリーンに映るのは、大きな水槽に入っている僕達の姿。ついさっき、ショーを見ていた時のものだ。だけど、正面から映された水槽の中は、とんでもないことになっていた。
ガニ股に開かされた脚。水槽内にうじゃうじゃと現れたピンク色の触手。
触手はそうすることが当然のように僕達の身体を弄り始めて、胸に腹におちんちんにお尻……至る所を這い出した。
「な、んだよ、これ……っ、趣味悪ぃ……!」
『感覚遮断の魔法だよ~♡さっき君達がショーを楽しんでる下で、身体はえっちに弄られてたんだ♡』
「全然、気づかなかった……。あ、う、クリ、吸われて伸ばされてる。はずかしい……♡」
どうやらクリ弄りのターンに入ったらしく、二人の女性器がアップで映された。僕は尿道責めをされているおちんちんがアップにされてしまう。細い触手をするする飲み込んでひくつく鈴口が恥ずかしい。
ただでさえ大きいクリを更に吸われている二人は、小さな尿道口まで触手に侵入されていた。水音がぐちゅぐちゅ響いてきて、全身が熱くなってくる。
そして、尿道からズルルッと触手が抜けた瞬間。僕達はほぼ同時におしっこを漏らしていた。
「~~~ッ!!」
ぱくりと、おちんちんや女性器を覆った触手が、おしっこをごくごく飲んでいく。
そんなことをされているのに、全身を映すアングルになった画面の中の僕は、楽しそうに笑っている。あまりにもミスマッチで、恥ずかしくて、ディルドをきゅうっと締め付けてしまった。
ショーは短く感じたのに、羞恥を煽る時間はやたら長く感じて……、ビリビリとした微弱な電撃で三人揃って足ピンしながらイったところで、ようやく終わりを告げた。
ずっと震えていたディルドもようやく止まる。全身が羞恥で溶けそうなのに、お腹が疼いて疼いて堪らない。あれだけ触手に弄ばれて、ルトラと同じ形のディルドで責められたのに。僕の身体はもう、ルトラが相手じゃないと満足出来なくなってしまったんだ。
「ふ、う、くそっ、馬鹿にしやがって……!」
ブポッと音を立ててディルドを抜いた千草くんは、荒い息と共にそう吐き捨てた。
「気持ちいいけど、物足りない……」
どこかぽわっとした表情で零す水星くんは、さっきまで弄られていた女性器をすりすりと触り始めてしまう。物足りないのは僕も同じだ。発情してもいいから、キスがしたい。唇を擦り合わせて、舌を絡めながら奥を突かれたい。
『いい感じに出来上がってきたね~♡それじゃあ最後の部屋、行ってみようか!』
悶々としたまま、最後だという部屋に無理矢理運ばれていく。
そこは、ダイニングルームらしき場所だった。広くて長い机の上に、何故か大きなクッションのような物が三つ置かれている。上着を剥かれてとうとう全裸にされても、抵抗のしようがないからされるがままだ。
僕は真ん中のクッションの上で仰向けにされた。脚ははしたなく開かされて、全部丸見え。右隣の水星くんも、同じように仰向けにされていた。ただ、脚を浮かされているせいで、ビンビンに勃起したクリがてらりと天を向いているのがはっきり分かってしまう。左隣の千草くんは、うつ伏せでお尻だけを高く上げさせられていた。ここからだとよく分からないけど、後ろに回している手からして、自分で自分の性器を開かされてるんだと思う。
『クロきゅんもミズきゅんもチグサきゅんも、可愛いカッコになったね!それじゃあ最後の課題だよ!【大好きな伴侶とずっと一緒にまぐわおう!】』
ハートの杖から飛び出した光が、目の前の壁を破壊した。そこから現れたのは、念願の旦那様の姿、だったんだけど。
「ル、トラ?えっ、角も、尻尾もなくなって……?」
「イリス!足が、人間のものに……っ」
「は?おい、お前ら何言ってんだ?」
後ろを向かされている千草くんだけは、何が起きているのか分からない。だから、説明しないと。
「み、みんな、人間の姿に、なってて。ジャスパーさんも、手足にあった羊毛や頭の角が消えてる……」
「はぁ?んなの偽物じゃねぇか」
偽物。
そうだ、そうに決まってる。
そのはず、なのに。
「クロ。誘ってんのか?可愛いな」
甘やかすような声も、綺麗な金髪の下で細められる群青も、肌に触れてきた体温も、ルトラそのものだ。何度も抱かれてきたから、覆い被さってきた身体から香る匂いも、抱きしめてくる力加減も、ルトラ本人のものだと分かってしまう。
「クロのために、オレも人間になったんだよ。好きなだけキスがしていって思ってただろ?」
「っ、う、うん」
そうだ。ずっと思ってた。僕がちゃんと僕としての意識を保ったまま、触れ合いたいって。
「ねえねえ、みずほしチャン。そのかっわいいくりチャン、おれのために育ててくれたの?」
「イ、リス、待って。足、蜘蛛の足は?」
「あんなのより、こっちの方がいっぱい密着出来るでしょ。手も足もぜーんぶ絡めて抱き合うの、きっと気持ちいいよ?」
「そう、かも、しれないけど……」
戸惑っている水星くんと、楽しそうなイリスさんの声。
「なんとも煽情的なことをしてくれるね、お嫁くんは」
「うるせぇ、さっさと消えろ、偽物野郎!」
「偽物?酷いことを言うなぁ。僕の羊毛がくすぐったくて邪魔だと言っていただろう?なくなったのだから寧ろ喜ぶべきだと思うよ!それに、姿は変わっても、中身は君のことが愛おしくて堪らない一人の男だよ」
「ば、か言ってんじゃ……」
「僕が嘘をついているかどうか、君なら目を見ただけで分かるよね」
「っ」
覇気がなくなる千草くんと、落ち着いたジャスパーさんの声。ああ、そうだ、偽物だとしても、幻覚でも、好きなだけ触れ合えるんだからいいじゃないか。何も迷う必要なんてない。そう、思うのに。
「……ゃ、だ」
「クロ?」
「嫌、嫌だ。僕が好きなのは、魔族のルトラなんだ。幻覚だとしても、ルトラじゃない相手とまぐわいたくなんてないっ」
「発情せずにキス出来るのにか?」
「それは……、一度、夢に見たことがあるよ。嬉しくて、苦かった。現実だと出来るわけじゃないから。……でも、さっき気付いたんだ。発情してもいいからキスがしたいって思う程、ルトラに触れたいって。だから僕は幻覚とは、お前とはまぐあわないっ」
人間ということを除けば、どこまでもそっくりだけど。心までは本物じゃない。だって、きっとルトラなら。
「本物のルトラなら……、魔族のまま僕の願いを叶えてくれるはずだから」
自分で言っておいて傲慢だな、とは思う。流石に本人を前にして言うことは出来ないけど、相手がルトラじゃないから。
「クロカワの、言う通り。オレは、魔族のイリスのことが好き。蜘蛛の脚で抱きしめられるのも、糸でちょっと意地悪されるのも、全部好き」
「チッ……。くそ、惑わしてきやがって。いいか、不本意だが俺の好きな奴は、こんな状態の俺を前にしたら真っ先にケツを叩いてくる変態なんだよ!」
左右から聞こえてくる声に、迷いはない。何か返されるかと思ったけど、人間姿のルトラ達は、じっと押し黙ってしまった。
『ちょっとちょっと~?わっちの話聞いてた?伴侶とまぐあわないとクリア出来ないんだよ~?』
宙を飛び回るラビアンが、煽るように告げてくる。その手に握られたハートの杖を見て、もしかして、という気持ちが過ぎった。
ただの勘だし、ペナルティとやらを受けるかもしれない。それでも、今は自分の直感を信じてみたい。
「……じゃあ、ラビちゃん。身体を動かせるようにしてよ。僕、されるがままなのは嫌なんだ」
「はぁ!?お前、さっきと言ってることが……」
「お、思い直したんだ。やっぱり、大好きな相手と触れ合えないなんて、嫌だって」
『分かってくれて嬉しいよ!じゃあクロきゅんは自由にしてあげる~!』
くるくると回りながら降りてきたラビアンが杖を振る。身体が動くことを確認した僕は、目の前のルトラに抱きつくフリをして、ラビアンに飛び掛かった。
『えっ、ちょ、もう何っ!?』
「っ……!取れた……!」
ペナルティ覚悟で奪った杖は、チープな見た目に反してずっしりしていた。
ここが不思議な空間で、魔力が溜められているのなら。杖そのものに魔力が宿っているのなら。人間が魔法を使えても、おかしくはない、はず。
「僕と水星くんと千草くんを、本当の伴侶のところに戻して!」
根拠が少なすぎる、賭けに近い行為。心臓がバクバクうるさい。
そんな鼓動に呼応するかのように、ハートが眩いばかりに発光した。
*****
「──魔力のない人間が開けると快楽漬けにしてしまう、奇怪箱と呼ばれる古い魔道具で……。僕達のような魔族が開ければ、時間が止まった箱の中で好きなだけいちゃつける仕様になるんだ」
「へぇ~、んな危ねぇモンを?俺に説明もなく取り寄せたってことか?俺があのまま出られなくなってもよかったってことかよ」
「違う!それは有り得ない!ローズからは古代魔道具の一つという話しか聞いてなくて、実際に見るまで効果が分からなかっただけなんだ!それに、チィ達の姿は外からも見れていたし、箱の仕掛けを解けば中に閉じ込められた人間を解放出来る仕組みで」
「ふ~~~~~~ん。外から?見てた?俺達が好き勝手されてんのを?魔法が得意な王弟さんまで居んのに?それはそれは楽しかっただろうなぁ?」
……あの後。
無事に外に出ることが出来た僕達は、それぞれの旦那に抱きしめられて激しくキスしながら事に及んだ。満足するまでたっぷり抱かれて、人心地ついた翌日。
正座させられたジャスパーさんの前で、仁王立ちした千草くんが静かにキレていた。僕も事情を一緒に聞いていたけど、確かにルトラなら仕掛けなんて簡単に解いてしまいそうなのにと思ってしまった。
ソファーの隣に座っている彼を見上げると、あからさまに顔を逸らされる。あ、これ、わざと解かずに見てたな。
「ごめんねみずほしチャン。えっちで可愛いみずほしチャン見てたら、助けなきゃなのに興奮しちゃって。でもでも、みずほしチャンが蜘蛛のおれのこと選んでくれてすっごく嬉しかったよ」
「ん……。すぐ、助けてくれなかったの、怒ってる」
「うん。気が済むまで怒って。みずほしチャンが許してくれるまで何でもするよ」
「じゃあ……、イリスの作ったハンモックで、一日中甘やかして」
「ええ……、それ、おれにはご褒美なんだけど」
イリスさんに身を預けている水星くんは、そのまま互いに愛撫を始めてしまった。怒る気持ちも分かるし、見られていたと思うと恥ずかしいけど、それ以上に、ドキドキしている自分がいる。いつも以上にねちっこく深く愛してくれるくらい、ルトラが興奮してくれたと思ったら……。
「クロ、悪かった」
「謝らなくていいよ。き、気持ちよかったから」
「……必ず」
「え?」
「必ず、見つけてやるから。運命の相手同士でキスしても、発情しなくなる方法」
「そ、れは、もう、いいのに……」
そんなことを言われたら、ドキドキが更に増してしまう。発情しても構わないと思うようにはなったけど、傲慢で欲張りな僕が甘えたがっている。ああ、今すぐキスがしたくなってきた……♡
「ん」
「っ、おい」
「あ、綺麗についた」
「……お前なぁ」
鎖骨に出来たキスマークに満足していると、お返しとばかりに首筋を吸われた。互いが互いのモノだという証に、心の内側がぽかぽかしてくる。
「今日から一週間、俺に触れるの禁止だからな。クソ羊」
「うう……。甘んじて受け入れるよ……」
唯一ブリザードを発している千草くんだけど、後でこっそり水星くんが教えてくれた。
『オレ達が居るから、余計に素直になれないんだ。きっと一日も保たずにえっちすると思う』
その言葉通り、夜に廊下で出会った千草くんの肌には、夥しい数のキスマークや歯形がついていたけど……、何も見なかったことにした。
そこは、子供部屋とは打って変わった内装……というより、簡易的なアクアリウムだった。中央に大きな水槽があって、壁の一つが巨大水槽になっている。薄暗い照明はムードがあって、普通に良い雰囲気だと思う。ただ、水槽の中は水が入っているだけで魚一匹泳いでいない。
『部屋はランダム仕様なんだけど、いい部屋を引けたね!ここの課題は【水槽に浸かってショーを楽しもう!】リラックスして楽しい時間を過ごしてね♡』
そう言いながら、僕達を浮かせるラビアン。普通に使ってるけど、こういった他者への浮遊魔法は上級魔法だって前にルトラが教えてくれた気がする。幻覚か何かだから好き放題出来てるとか、単純にこの兎を動かしている魔族の魔力が強いとか?
そんなことを考えていられたのも、中央の水槽にドボンと落とされるまでだった。咄嗟に息を止めたけど、肩から下まで水面に入った状態でピタリと静止した。水面が浮き輪になってるような感じだ。腕は外に出ているから、試しに水の中に入れてみようとしたけど、もにりと弾かれてしまった。水は透明なはずなのに何故か曇っていて下が見えない。一体どういう魔法を使っているんだろう。
「わ、すごい。オレ、泳げないのに浮いてる」
「何で喜んでんだよ。またさっきみたいなえろい目に合うかもしれねぇのに」
水星くんと千草くんも隣で同じような体勢になっているけど、思うことはバラバラだった。
『早速ショーを始めていくよ~!最後まで楽しんでね!』
ラビアンが杖を振ると、部屋の中が更に暗くなって、僕達が入っている水槽と、目の前の巨大水槽だけがライトアップされた。
さっきまで魚の影一つなかったのに、どこからともなくクラゲみたいなカラフルな生き物が現れて、踊るように泳ぎ始める。虹が水中を揺蕩っているようで、とても綺麗だ。ぐるりと水槽内を一周すると、今度はクラゲの代わりに、鰻みたいに長い魚が出現した。鱗がキラキラしていて宝石みたいだ。それから入れ代わり立ち代わり現れる、少し不思議な魚のショー。僕も二人も喋ることなく見入ってしまった。
最後に、これまで出てきた魚達が大きなハートを描いて、泡のように消えていった。
『──はいっ、ショーは楽しんでもらえたかな?課題をクリアしたから次の部屋に行くよ~!』
ざばっ、と浮いた身体は、なんだか少し痺れていた。そんなに長い時間入っていたわけじゃないはずだけど。
「チグサ、えろいことされなかったね」
「今回はな。どうせまだ続くんだろ」
濡れていた身体は、床に立つ頃には乾いていた。先導するラビアンの後を、今の僕達はついて行くことしか出来ない。
扉の向こうには、案の定同じような扉。その中は、広いシアタールームになっていた。リクライニングチェアが三つ並んでいて、座るところには黒々としたディルドが聳え立っている。
『君達の大好きな伴侶と同じサイズにしてあげたよ♡チグサきゅんにはちゃーんと二つ用意してるからね♡この部屋の課題は、【旦那様ディルド椅子で映像鑑賞しよう!】ほらほら、止まってないで座って座って!』
「う、わっ」
魔法で後押しされるがままに、極太ディルドの目の前に立つ。最初にアナルパールを挿れられたとはいえ、ルトラサイズの玩具を挿れるなら慣らさないと……。
「は、ぇ゛っ!?」
そう思った矢先、勝手に動かされた身体は、ディルドを奥深くまで咥えていた。前立腺をごりっと抉られる快感に目の前がチカチカしたけど、全く痛くない。
「あ、あれ、はいっちゃ、ん、きもちい……♡」
「ふ、ううぅ、二本も、いらねぇのに……!」
二人の声も、痛がるどころか感じ入った声だ。不思議に思っている内に、手足を拘束されて、ナカのディルドがゆっくり動き出す。
甘い刺激に声を漏らす僕達の前で、その『映像』が始まった。
「は?」
「え……。えっ、あれ、オレ達?」
「さ、さっきの……?嘘、なんで……っ」
スクリーンに映るのは、大きな水槽に入っている僕達の姿。ついさっき、ショーを見ていた時のものだ。だけど、正面から映された水槽の中は、とんでもないことになっていた。
ガニ股に開かされた脚。水槽内にうじゃうじゃと現れたピンク色の触手。
触手はそうすることが当然のように僕達の身体を弄り始めて、胸に腹におちんちんにお尻……至る所を這い出した。
「な、んだよ、これ……っ、趣味悪ぃ……!」
『感覚遮断の魔法だよ~♡さっき君達がショーを楽しんでる下で、身体はえっちに弄られてたんだ♡』
「全然、気づかなかった……。あ、う、クリ、吸われて伸ばされてる。はずかしい……♡」
どうやらクリ弄りのターンに入ったらしく、二人の女性器がアップで映された。僕は尿道責めをされているおちんちんがアップにされてしまう。細い触手をするする飲み込んでひくつく鈴口が恥ずかしい。
ただでさえ大きいクリを更に吸われている二人は、小さな尿道口まで触手に侵入されていた。水音がぐちゅぐちゅ響いてきて、全身が熱くなってくる。
そして、尿道からズルルッと触手が抜けた瞬間。僕達はほぼ同時におしっこを漏らしていた。
「~~~ッ!!」
ぱくりと、おちんちんや女性器を覆った触手が、おしっこをごくごく飲んでいく。
そんなことをされているのに、全身を映すアングルになった画面の中の僕は、楽しそうに笑っている。あまりにもミスマッチで、恥ずかしくて、ディルドをきゅうっと締め付けてしまった。
ショーは短く感じたのに、羞恥を煽る時間はやたら長く感じて……、ビリビリとした微弱な電撃で三人揃って足ピンしながらイったところで、ようやく終わりを告げた。
ずっと震えていたディルドもようやく止まる。全身が羞恥で溶けそうなのに、お腹が疼いて疼いて堪らない。あれだけ触手に弄ばれて、ルトラと同じ形のディルドで責められたのに。僕の身体はもう、ルトラが相手じゃないと満足出来なくなってしまったんだ。
「ふ、う、くそっ、馬鹿にしやがって……!」
ブポッと音を立ててディルドを抜いた千草くんは、荒い息と共にそう吐き捨てた。
「気持ちいいけど、物足りない……」
どこかぽわっとした表情で零す水星くんは、さっきまで弄られていた女性器をすりすりと触り始めてしまう。物足りないのは僕も同じだ。発情してもいいから、キスがしたい。唇を擦り合わせて、舌を絡めながら奥を突かれたい。
『いい感じに出来上がってきたね~♡それじゃあ最後の部屋、行ってみようか!』
悶々としたまま、最後だという部屋に無理矢理運ばれていく。
そこは、ダイニングルームらしき場所だった。広くて長い机の上に、何故か大きなクッションのような物が三つ置かれている。上着を剥かれてとうとう全裸にされても、抵抗のしようがないからされるがままだ。
僕は真ん中のクッションの上で仰向けにされた。脚ははしたなく開かされて、全部丸見え。右隣の水星くんも、同じように仰向けにされていた。ただ、脚を浮かされているせいで、ビンビンに勃起したクリがてらりと天を向いているのがはっきり分かってしまう。左隣の千草くんは、うつ伏せでお尻だけを高く上げさせられていた。ここからだとよく分からないけど、後ろに回している手からして、自分で自分の性器を開かされてるんだと思う。
『クロきゅんもミズきゅんもチグサきゅんも、可愛いカッコになったね!それじゃあ最後の課題だよ!【大好きな伴侶とずっと一緒にまぐわおう!】』
ハートの杖から飛び出した光が、目の前の壁を破壊した。そこから現れたのは、念願の旦那様の姿、だったんだけど。
「ル、トラ?えっ、角も、尻尾もなくなって……?」
「イリス!足が、人間のものに……っ」
「は?おい、お前ら何言ってんだ?」
後ろを向かされている千草くんだけは、何が起きているのか分からない。だから、説明しないと。
「み、みんな、人間の姿に、なってて。ジャスパーさんも、手足にあった羊毛や頭の角が消えてる……」
「はぁ?んなの偽物じゃねぇか」
偽物。
そうだ、そうに決まってる。
そのはず、なのに。
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「クロのために、オレも人間になったんだよ。好きなだけキスがしていって思ってただろ?」
「っ、う、うん」
そうだ。ずっと思ってた。僕がちゃんと僕としての意識を保ったまま、触れ合いたいって。
「ねえねえ、みずほしチャン。そのかっわいいくりチャン、おれのために育ててくれたの?」
「イ、リス、待って。足、蜘蛛の足は?」
「あんなのより、こっちの方がいっぱい密着出来るでしょ。手も足もぜーんぶ絡めて抱き合うの、きっと気持ちいいよ?」
「そう、かも、しれないけど……」
戸惑っている水星くんと、楽しそうなイリスさんの声。
「なんとも煽情的なことをしてくれるね、お嫁くんは」
「うるせぇ、さっさと消えろ、偽物野郎!」
「偽物?酷いことを言うなぁ。僕の羊毛がくすぐったくて邪魔だと言っていただろう?なくなったのだから寧ろ喜ぶべきだと思うよ!それに、姿は変わっても、中身は君のことが愛おしくて堪らない一人の男だよ」
「ば、か言ってんじゃ……」
「僕が嘘をついているかどうか、君なら目を見ただけで分かるよね」
「っ」
覇気がなくなる千草くんと、落ち着いたジャスパーさんの声。ああ、そうだ、偽物だとしても、幻覚でも、好きなだけ触れ合えるんだからいいじゃないか。何も迷う必要なんてない。そう、思うのに。
「……ゃ、だ」
「クロ?」
「嫌、嫌だ。僕が好きなのは、魔族のルトラなんだ。幻覚だとしても、ルトラじゃない相手とまぐわいたくなんてないっ」
「発情せずにキス出来るのにか?」
「それは……、一度、夢に見たことがあるよ。嬉しくて、苦かった。現実だと出来るわけじゃないから。……でも、さっき気付いたんだ。発情してもいいからキスがしたいって思う程、ルトラに触れたいって。だから僕は幻覚とは、お前とはまぐあわないっ」
人間ということを除けば、どこまでもそっくりだけど。心までは本物じゃない。だって、きっとルトラなら。
「本物のルトラなら……、魔族のまま僕の願いを叶えてくれるはずだから」
自分で言っておいて傲慢だな、とは思う。流石に本人を前にして言うことは出来ないけど、相手がルトラじゃないから。
「クロカワの、言う通り。オレは、魔族のイリスのことが好き。蜘蛛の脚で抱きしめられるのも、糸でちょっと意地悪されるのも、全部好き」
「チッ……。くそ、惑わしてきやがって。いいか、不本意だが俺の好きな奴は、こんな状態の俺を前にしたら真っ先にケツを叩いてくる変態なんだよ!」
左右から聞こえてくる声に、迷いはない。何か返されるかと思ったけど、人間姿のルトラ達は、じっと押し黙ってしまった。
『ちょっとちょっと~?わっちの話聞いてた?伴侶とまぐあわないとクリア出来ないんだよ~?』
宙を飛び回るラビアンが、煽るように告げてくる。その手に握られたハートの杖を見て、もしかして、という気持ちが過ぎった。
ただの勘だし、ペナルティとやらを受けるかもしれない。それでも、今は自分の直感を信じてみたい。
「……じゃあ、ラビちゃん。身体を動かせるようにしてよ。僕、されるがままなのは嫌なんだ」
「はぁ!?お前、さっきと言ってることが……」
「お、思い直したんだ。やっぱり、大好きな相手と触れ合えないなんて、嫌だって」
『分かってくれて嬉しいよ!じゃあクロきゅんは自由にしてあげる~!』
くるくると回りながら降りてきたラビアンが杖を振る。身体が動くことを確認した僕は、目の前のルトラに抱きつくフリをして、ラビアンに飛び掛かった。
『えっ、ちょ、もう何っ!?』
「っ……!取れた……!」
ペナルティ覚悟で奪った杖は、チープな見た目に反してずっしりしていた。
ここが不思議な空間で、魔力が溜められているのなら。杖そのものに魔力が宿っているのなら。人間が魔法を使えても、おかしくはない、はず。
「僕と水星くんと千草くんを、本当の伴侶のところに戻して!」
根拠が少なすぎる、賭けに近い行為。心臓がバクバクうるさい。
そんな鼓動に呼応するかのように、ハートが眩いばかりに発光した。
*****
「──魔力のない人間が開けると快楽漬けにしてしまう、奇怪箱と呼ばれる古い魔道具で……。僕達のような魔族が開ければ、時間が止まった箱の中で好きなだけいちゃつける仕様になるんだ」
「へぇ~、んな危ねぇモンを?俺に説明もなく取り寄せたってことか?俺があのまま出られなくなってもよかったってことかよ」
「違う!それは有り得ない!ローズからは古代魔道具の一つという話しか聞いてなくて、実際に見るまで効果が分からなかっただけなんだ!それに、チィ達の姿は外からも見れていたし、箱の仕掛けを解けば中に閉じ込められた人間を解放出来る仕組みで」
「ふ~~~~~~ん。外から?見てた?俺達が好き勝手されてんのを?魔法が得意な王弟さんまで居んのに?それはそれは楽しかっただろうなぁ?」
……あの後。
無事に外に出ることが出来た僕達は、それぞれの旦那に抱きしめられて激しくキスしながら事に及んだ。満足するまでたっぷり抱かれて、人心地ついた翌日。
正座させられたジャスパーさんの前で、仁王立ちした千草くんが静かにキレていた。僕も事情を一緒に聞いていたけど、確かにルトラなら仕掛けなんて簡単に解いてしまいそうなのにと思ってしまった。
ソファーの隣に座っている彼を見上げると、あからさまに顔を逸らされる。あ、これ、わざと解かずに見てたな。
「ごめんねみずほしチャン。えっちで可愛いみずほしチャン見てたら、助けなきゃなのに興奮しちゃって。でもでも、みずほしチャンが蜘蛛のおれのこと選んでくれてすっごく嬉しかったよ」
「ん……。すぐ、助けてくれなかったの、怒ってる」
「うん。気が済むまで怒って。みずほしチャンが許してくれるまで何でもするよ」
「じゃあ……、イリスの作ったハンモックで、一日中甘やかして」
「ええ……、それ、おれにはご褒美なんだけど」
イリスさんに身を預けている水星くんは、そのまま互いに愛撫を始めてしまった。怒る気持ちも分かるし、見られていたと思うと恥ずかしいけど、それ以上に、ドキドキしている自分がいる。いつも以上にねちっこく深く愛してくれるくらい、ルトラが興奮してくれたと思ったら……。
「クロ、悪かった」
「謝らなくていいよ。き、気持ちよかったから」
「……必ず」
「え?」
「必ず、見つけてやるから。運命の相手同士でキスしても、発情しなくなる方法」
「そ、れは、もう、いいのに……」
そんなことを言われたら、ドキドキが更に増してしまう。発情しても構わないと思うようにはなったけど、傲慢で欲張りな僕が甘えたがっている。ああ、今すぐキスがしたくなってきた……♡
「ん」
「っ、おい」
「あ、綺麗についた」
「……お前なぁ」
鎖骨に出来たキスマークに満足していると、お返しとばかりに首筋を吸われた。互いが互いのモノだという証に、心の内側がぽかぽかしてくる。
「今日から一週間、俺に触れるの禁止だからな。クソ羊」
「うう……。甘んじて受け入れるよ……」
唯一ブリザードを発している千草くんだけど、後でこっそり水星くんが教えてくれた。
『オレ達が居るから、余計に素直になれないんだ。きっと一日も保たずにえっちすると思う』
その言葉通り、夜に廊下で出会った千草くんの肌には、夥しい数のキスマークや歯形がついていたけど……、何も見なかったことにした。
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閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
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フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
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可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
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誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
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