クラスまるごと転移したら、みんな魔族のお嫁さんになりました

桜羽根ねね

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第二部:新婚編

24:曙色アダプテーション

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 長かったようであっという間にも感じる新婚旅行も、終わりが近づいている。山吹くんとジェリンさんに見送られた僕達は、空に浮かぶ、広大な空の国の端っこに立っていた。
 ……ライラさんと紅葉さんとは会えなかったからあれからどうなったのか分からないけど……、上手くいってるといいな。

「わ……、すごい……!」

 雲がそのまま大陸になってるみたいで、踏み心地が少しふわふわしている。ルトラに支えられながら下を覗いてみると、これまで訪れてきた国が遥か彼方に広がっていた。高所恐怖症だったらきっと足が竦んでいただろうけど、これまでルトラに抱っこされて飛んできたのもあって高いところはわくわくする。

「そんなに楽しいか?」
「うん。雲の上ってほんとファンタジーな感じだし。花みたいに咲いてるあのふわふわした物とか、甘くて美味しそう」
「拾い食いしようとすんなよ?ったく……、空ぐらい、オレがいつでも飛んでやるっての」

 ちょっとだけ声音がむすくれてるルトラが可愛い。心配しなくても、僕もそっちの方が好きなんだけどな。

「そろそろ行くぞ。まあ、目的地はすぐそこだけどな」
「うん」

 手を握って歩き出した先には、もこもこした壁が円状に聳えていた。門の所には、雄々しい羽が生えた鳥人が立っている。カラスかな……?黒い羽毛がつやつやしている。

 特に問題なく入ることが出来た町の中は、色んな種類の鳥人が飛び交っていた。極彩色の羽や真っ白な羽、体格も様々だ。ほぼ鳥のような魔族もいれば、人間に羽が生えたような見た目の魔族もいる。

 雲で造られたような家がそこかしこにぷかぷか浮いていて、まるでポルターガイストだ。お店らしき建物が下にずらりと並んでいるから、居住区と分けてる感じなのかな。

 物珍しさでキョロキョロする僕を尻尾でリードしてくれながら、露店で買った飲み物まで渡してくれるルトラ。爽やかで、少し酸味のある味が喉にすうっと馴染んでいく。

「美味しいね、これ」
「この土地にしか咲かない白雲花の蜜が使われてる」
「それって、さっき僕達が見た花のこと?」
「ああ。蜜は美味いが花そのものには毒に近いもんがあるから気をつけろよ」
「わ、分かってるってば」

 確かに甘そうだなとは思ったけど、知らない物を口にする程の勇気はない。そうして暫く歩いていくと、広場らしき所に人だかり……もとい魔族だかりが出来ていた。

「いやー、いい勝ちっぷりだわ」
「さっすがライズの嫁さんだ」
「ここらじゃ負けなしだもんな」

 やいのやいのと響いてくる声は、誰かを褒め称えるものばかりだ。ルトラと一緒に近づいてみると、大柄な鳥人達の隙間から『彼』の姿が見えた。

「あ……。紫堂くん……」

 囲まれているその中心で、伸びた髪を一つに纏めている紫堂くんが、背の高い鳥人を腕相撲で負かせていた。

 本人は照れているみたいだけど嬉しそうだ。
 紫堂くんはミステリアスな不思議くんってイメージだったから、なんというか屈託なく笑うところは初めて見たかもしれない。

「今回もシドウが優勝か。商品は何にするんだ?オレの店の中から好きなもん持って行っていいぜ」
「じゃあ、食べ物にしようかな」

 そしてどうやらさっきの対戦で優勝が決まっていたらしく、近くの雑貨屋のような店の中へと入っていく。

 ……それにしても、鳥人といっても獣人みたいに見た目はだいぶ個人差があるんだなぁ。鳥がそのまま大きくなったような魔族もいれば、足だけ鳥だったり、頭だけ鳥だったり、人間に翼が生えただけのような見た目の魔族も居る。

 そういえば、紫堂くんの旦那になった鳥人は猛禽類のような頭に雄々しい翼、腕は人間のものだったけど身体や足は鳥みたいだったっけ。

「クロ。ちょうどいいから行くか」
「うん」

 まばらに散っていく鳥人達の間を縫って、僕達もお店に向かう。すると、ちょうど商品を貰ったらしき紫堂くんとばったり出くわした。

「あ、れ?く、黒河君。……さっきの、見てた?」
「う、うん。最後の方だけだけど……」
「なら、もう演技しても仕方ないか。こっち来て。ボク達の家に案内するよ」
「え?演技ってどういう……」

 曖昧に微笑んだ紫堂くんは、すっと横を通り過ぎて先に歩き出してしまう。ここは彼について行った方がよさそうだ。

 もふもふの雲を楽しみつつ、僕達は紫堂くんの背中を追っていった。


*****


「ライズ……ボクの旦那様は今別の国に行ってるんだ。今日帰ってくる予定だけど、好きなように寛いでくれていいよ」

 もこもこのソファーに腰かけた僕達の前に、薄い水色の飲み物が入ったティーカップを置いてくれる紫堂くん。香ってくるのはサイダーに似た匂いだ。一口飲んでみると、紅茶みたいな味がした。さっぱりしていて美味しい。

「それで、ええと、ボクのことになるんだけど。簡単に言ってしまえば、没個性なのが嫌で自分でキャラを作ってたんだ。SFが好きな不思議キャラなら、そういう奴なんだって思われて特にツッコまれることもないかなって」
「没個性?そんなことないと思うけど」
「うん、ライズからもそう言われた。というかすぐに見破られてさ。結構演技には自信があったんだけどね」

 落ち着いた雰囲気の紫堂くんは、これまでの彼とは別人のように見える。何かと不思議な言動をしていたから、余計に。

「家庭の事情でよく兄と比べられていたのも影響したんだろうな、って今では冷静に思えるよ」
「そ、そっか」
「黒河君の方も、だいぶ変わったよね」
「えっ、そうかな?」
「うん。視線が合うようになったし、表情も豊かになったよね。楽しい日々を遅れているようで何よりだよ」

 楽しいというよりだいぶ乱れきっている気もするけど。でも、充実しているのは本当だ。

「そう、だね。僕が変わったって感じてくれるなら、それはルトラのおかげかな」

 そっと横目で見ると、頭をわしわし撫でられた。性的な触れ合いじゃなくても、こうやって甘やかしてくれるとドキドキして嬉しくなってしまう。

 ガシャアアアアァン!!

「ひっ!?な、なな何!?何の音!?」
「あー、またやっちゃったんだ」

 何かが割れるような音に驚く僕達を他所に、紫堂くんは苦笑しながら席を立った。こっち、と手招きされて、後をついていく。

「結構大きな音がしたけど、大丈夫かな……」
「多分な。あれだけ落ち着いてんだから日常茶飯事なんだろ」

 もこもこの廊下を歩いて、奥にある扉の中に案内される。ひゅう、と吹き込んでくる風。窓が開いている……もとい、盛大に割れているからだろう。そして、床に蹲った鷹の鳥人が身体を震わせていた。

「おかえり、ライズ。発情期きちゃった?」

 すたすたと歩み寄った紫堂くんが、そんな彼……ライズさんの羽を撫でる。

「ぐ、う……。シド……」
「いいよ。いっぱい愛して」

 そのまましゃがみこんだ彼が、ライズさんの嘴に口付ける。だけど、不思議なことに紫堂くんが発情した様子は見えなかった。

「ん、よかったら、黒河君達も、そっち使って……んぷっ」

 大きな羽に包まれて、捕食されるかのようなキスを始めた紫堂くんは、うっとりと嬉しそうな顔をしているけど。どこか余裕があって、自分からもライズさんの股間を責めていた。

 没個性なんて嘘っぱちじゃん、と思いながら、心臓が高揚していくのを感じる。

 ルトラとキス出来るなら発情して前後不覚になってもいい、って思ってたけど。何らかの方法で紫堂くんのようになれるのなら。

「クロ。折角許可をもらったんだし、あっちで交わうか」
「ん……♡」

 ただ、今はそのことを聞ける雰囲気じゃないから。たっぷり愛し合った後に聞いてみることにしよう。


*****


「ふああぁっ♡ルトラっ♡♡おまんこ、ぐちゅぐちゅ気持ちい……っ♡もっと奥までごつごつしてぇっ♡♡」
「じゃあ自分で腰振ってみろよ」
「んっ、いじ、わる♡」

 でも、意地悪なルトラも好き♡えっちな僕のこといっぱい見てほしい♡

「ふ、ん゛っ、お、おおぉ♡♡」

 騎乗位のままハメスクワット♡お飾りおちんちんがペチペチ情けなく揺れるとこ見てっ♡

「ん、ちゅ……、すごいね、黒河君。別人みたい。あっ、そこ、きもち……っ、ライズっ♡」
「シドっ。はぁ、好きだ……っ。ぐ、うぅ、受け止めてくれっ」
「ん、きてっ♡ライズの子種、ボクに全部ちょうだい……!」

 あれ……?隣のベッドで喘いでいる紫堂くんの背中に、ぱたぱたとはばたく小さな羽が見える。なんだろう、あれ。ライズさんの翼をすごく小さくしたみたいな……。

「余所見してんなよ、クロ」
「はう゛っ♡」

 下からごちゅんと突かれて、プシャッと潮が漏れた♡わ……♡たったこれだけで嫉妬しちゃうんだ♡うれしい♡すき、ルトラっ♡

「へ、えへっ、ちゅう♡るとらと、ちゅーするっ♡」
「いくらでもしてやるよ」
「んっ♡じゅるっ、ちゅ、ふ、んむ゛うううぅ♡」

 起き上がったルトラにぎゅっとされて、ぱちゅぱちゅキスハメっ♡頭がふわふわして幸せで気持ちいい……♡このまま身を任せてとろとろになりたいけど、僕だって紫堂くんみたいに責めることも出来るんだから♡

「んっ♡」
「っ、な、いきなり……っ」

 おまんこにぐーっと力を込めてルトラのおちんちんを締め付けちゃう♡僕も気持ちよくなっちゃうけど、焦ってるルトラが可愛くてきゅんっとしちゃった♡

「んひゅ♡ぎゅうぎゅう、きもちい?ルトラ♡」
「っ、ああ、それはもう、な。お返しに、クロが満足するまでイかせまくってやるよ」
「ひぁ?っん゛おおおおおおおおおぉっ♡♡♡」

 これっ♡宙に浮かんでの駅弁っ♡自重がいつもよりすごくて結腸簡単に入っちゃ……っ♡

 グポォッ♡ズププププッ♡

「~~~~ッッオ゛♡♡」

 あ、だめ♡
 これ、にげられない……♡

「わ、はげしー。ライズ、ボク達もヤってみようか、空中セックス♡」
「っは……、シドが望むなら、付き合ってやろう……」
「うそつき。ボク以上にやりたいって顔に書いてあ……っんぐっ♡」

 視界の端で、紫堂くんがハメられたまま宙に浮かんだのが見える。ふふ、おそろいだ♡一緒に旦那様からバチュバチュ愛してもらおうねっ♡


*****


「は……っ、ふぐ……♡ん……♡」

 押し殺したような声が聞こえてきて目を開けると、ルトラも起きていたようで前髪越しに目が合った。
 この声の主はルトラじゃなくて……、隣のベッドの紫堂くんみたいだ。

「も……、今日の、おっき……っ」
「なかなか出てこんな……。迎えチンポしてやろうか?」
「っ、だめ……♡そんなことされたら、パコパコ我慢出来なくなるから……♡んっ、がんばる、ぅ……♡」

 そっと視線を向けると、四つん這いになった紫堂くんのアナルがみちみちと拡がって、白くてつるりとした物が姿を見せだした。まるで卵みたいだ。

 ライズさんは紫堂くんの背中にある羽の付け根を優しく擽りながら、ちょんちょんと後頭部にキスをしている。

 何度か白いそれがアナルの縁を行ったり来たりした後、ブボッ♡と勢いよく排出された。
 柔らかいシーツに着地したそれは、どう見ても立派なほかほか卵だ。

「ふー……、産めたぁ……♡……っ、あ、ふ、二人とも起きてたんだ……?」
「っ!ご、ごめん、勝手に見ちゃって……!」
「構わないよ。昨日散々えっちなところを見せあったんだし」
「……っ♡……そ、その、それって……本物の卵……?それに、紫堂くんの背中に羽が……」

 居住まいを正しつつ起き上がれば、紫堂くんも体勢を戻して向き合ってくれた。彼がチラリと見上げた先に居るのは、雄々しいライズさん。

「これはワシの固有魔法、順応の効果だ」

 発情期とやらで荒れ狂うように紫堂くんを抱いていた姿はどこへやら、凛とした声で種明かしをしてくれる。

「本来の意図とは少し違うがな。シドにワシの一部を与えることで、簡易的に魔族化させておる。飾りに近い羽が生えて、毎朝無精卵を産むようになり……、その内有精卵も産めるようになるだろうな」
「ボクがそうなりたいってお願いしたんだ。9割は人間のままだけど、1割だけでもライズと一緒の種族になりたいって。人間のままでも、灰島君みたいに孕んだりすることも出来るみたいだけど、ボクは一緒がよかったから。……そうしたら、一部が魔族になった副産物でキスしても発情しないようになったんだ」
「……っ!」
「もちろん、ライズのフェロモンをいっぱい浴びたらどろっどろになるけど……、ずーっといちゃいちゃしたい時に発情なんて野暮でしょ?」
「…………そ、れって……、その……」

 僕にも、その魔法をかけてもらえることって出来ないのかな……?

 チラチラと忙しなく動かしてしまう視線が、ルトラと彼等の間をさ迷ってしまう。言葉に出さなくても、僕の気持ちはバレバレだったみたいで、ルトラが後ろから抱きしめてくれた。

「ライズ。その魔法、クロにもかけてやってくれねぇか?」
「ああ、構わんぞ」
「ずっと羨ましそうに見てたもんね、黒河君」
「あ……。……っ、ありがとう、ございます……!」

 微笑ましい目を向けられるのは気恥ずかしいけど、嬉しさと期待と興奮で心臓がバクバクとうるさい。

「じゃあ、何でも構わんから身体の一部を嫁さんに含ませてもらえるか」
「了解。クロ、口開けとけ」
「ん……」

 後ろから顎を掬われて、開いた口に唾液を垂らされる。甘く感じるそれを飲み込めば、優しく目を細めたライズさんが呪文を唱えてくれた。

 身体の中がほわりと温かくなって、すぐにその感覚が消えていく。それこそ痛くも痒くもなかったけど……、これで本当にキスしても発情しなくなったのかな。

「身体的変化が現れんのには個人差がある。そうさなぁ……、羽か尻尾が生える程度か。出し入れは自由だが、ワシが教えるより王弟さんに教えてもらった方がいいだろう」
「は、はい。ありがとうございます。……その、ルトラ。キスを試して……っん♡」

 間髪入れずに唇を塞がれて、思考がすぐにふわふわに…………、……ならない。しっかり理性が残ってるし、どれだけくっつけていても発情しない……!

 嬉しくなって舌を伸ばせば、すぐにルトラが絡めとってくれた。ピチャピチャとわざとらしく立てられる音が恥ずかしい。でも、気持ちよくて、嬉しくて……♡このままずっとちゅうしていたい……♡

「よかったね、黒河君。……ボクも口寂しくなったから……ライズのそれ、欲しいな」
「どっちのことを言っておるんだ?」
「ん、どっちも♡」

 ──いやらしい水音が響き出した空間で、ひたすらいちゃいちゃと絡み合い出した僕達が我に返ったのは、それから数十分後のことだった。
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