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大好きなあいつを誘おうと思ったけど失敗作媚薬でカントボーイになってしまう話
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エイクは困っていた。
新しい魔法薬精製の式を練る時よりも頭を悩ませていた。
その原因はただ一つ、というよりただ一人。恋人関係になったロードのことである。
彼はこれまでの天邪鬼な態度が嘘のように、二人きりになると甘い言葉を囁いてくるようになった。
それは別に問題ない。寧ろ良い気分になるのでもっと言ってほしいくらいだ。
あからさまに嫉妬をして、エイクが他の教授と話していると横入りするようになった。
これも別に問題ない。独占されるのは悪い気分ではないからだ。
今のエイクの目下の悩みは、どうやって夜の誘いを行うか、これに尽きる。
「(こうなってしまったのも、全てロードくんのせいだ……!)」
燻る恨みを心中で吐きながら、ベッドの上で丸くなるエイク。その手は育てられた性感帯へと伸び、コリコリシコシコヌチヌチと弄り出す。
付き合い始めて一ヶ月、それはもう丹念にじっくり愛されたアナルは、今ではふわふわとろとろのおまんこだ。指だけでは足りない、ロードくんのおちんぽが欲しいとばかりにきゅうきゅう締め付けてくる。小粒だった乳首も、ロードによってしっかり育てられ、今では指で摘んで刺激するだけで軽くイけるようにまでなってしまった。
それなのに、ここ二週間はキスすら碌に出来ていない。数日後に控えている魔法弁論大会のため、ロードが準備に追われているからだ。ばたばたと忙しない彼を見ると、身体を重ねたいなどと言えるはずもない。
欲求不満な身体を持て余し、毎日自慰に勤しんでいるエイクだったが、それもそろそろ限界が近づいていた。
「う、ぁ、だめ、だ、いけ、ない。ロードくんっ、ロードくんがほしいっ……♡」
指を三本咥えたアナルがじんじん疼く。胎はぽっかりと寂しく、熱くて太いモノでみっちり埋めてほしくて堪らない。
今日も今日とて、エイクはひんひん喘ぎながら寂しく淫らな夜を過ごすのだった。
*****
「(いや、もう無理だ。これ以上我慢なんて出来ない。襲ってでもロードくんに抱いてもらう……っ。ロードくんだって、僕様と触れ合えなくて溜まりに溜まってるはずなんだ。そう、気晴らしに少しくらい、三発……、いや、五発はほしいな)」
満足にイくことが出来ず、ギンギンに滾った頭のまま、ずかずかと廊下を闊歩するエイク。普段のおどおどした姿とはかけ離れた様相に、生徒達は驚きながら端に避けて行った。
「(くひっ……、見てろよロードくん)」
懐にそっと仕込んでいる小瓶には、碌に働かない頭で作った媚薬がたっぷり入っている。これを使えばどんな状態だろうとそういう行為になだれ込めるはずだと、エイクは信じて疑わなかった。
そうしてロードの研究室まであと少しという時、あまり見たくない光景が目に入ってしまった。並んで喋っている、容姿の整った二人の青年。一人はロードだが、もう一人は最近よくロードと共に居るのを見かけるファラネスだ。弁論大会に一緒に出るようなので仕方ないことではあるのだが、エイクにとっては面白くない。
「(ち……っ、近いぞロードくん!その距離は近すぎないか!?くそっ、僕様のロードくんに近寄るな!この自己愛野郎!)」
脳内で悪しざまに罵りながら、隠れたまま邪念を飛ばすエイク。
だが、快活に笑うファラネスには、そんなものなど届いていないようだ。逆にロードの髪をくしゃくしゃと撫でる始末である。
「(あっ、あああぁっ!セクハラだ!セクハラだぞ!ロードくんに触っていいのは僕様の特権なのに!!)」
「ちよっと……、ファラネス先生。子供じゃないんだから」
「はっはっ!いいじゃないか。この歳になると褒められることなど早々ないだろう?私が存分に褒めて甘やかしてやろう」
「(くそ、離れろ……!ロードくんが嫌がってるじゃないか……!)」
ギリギリと嫉妬を剥き出しにしながら、気がつけばズカズカと大股で近寄っていた。
そんなエイクの姿にすぐ気付いたロードは、軽く目を見張る。『嫉妬しています』という感情を隠しもせずに詰め寄ってきている彼の姿は初めて見るもので、にやけてしまう口元を咄嗟に隠した。そんなロードの様子を見て、何を勘違いしたのか彼を庇うように前に立つファラネス。その瞳は剣呑な色を帯びている。
「……何か用かい、エイク先生。そんな不躾に睨んできて……、ロードが困っているじゃないか」
「は、はあぁ!?おっ、お前にそんなことを言われる筋合いはないぞ!僕様はロードくんの……っ」
恋人だ。
そう続けようとして、急速に頭の中が冷えていった。
自分達の関係は表沙汰にしていない。エイク自身が拒否したのだ。ただでさえ目立っているロードの恋人が自分だと知られたら、面倒な奴等が湧いてくるからと。
だが、本心は少し違う。嫌われ者な自分のせいでロードの価値を落としたくないと、根っこの部分ではそう思ってしまっているのだ。
だから、言葉が出てこない。口を噤んで睨むことしか出来ないエイクを見下し、ファラネスは嘲笑の息を吐いた。
「私達はこれから最終調整で忙しいんだ。そこにいても通行の邪魔になるだけだから、研究室に引きこもったらどうだい?君のようなジメジメ人間にはお似合いじゃあないか。ロードもそう思うだろう?」
「…………。……ああ。確かに、邪魔だな。これ以上声を聞くのも億劫だ」
「はっは、温厚な君でも流石に言葉が悪くなって──」
「とっとと失せろ、クソ野郎」
「え」
ロードの口からファラネスに向かって吐き捨てられたのは、短い呪文の詠唱だった。
ファラネスは虚をつかれていたが、エイクはそれが変身魔法の応用だと理解した。何らかのアクションがない限り人の姿に戻ることが出来ない、小さな呪いのおまけ付きだ。
ポンッ、とコミカルな音がする。
背の高い美男子はどこへやら、小さいイボガエルに姿を変えられたファラネスは、蒼白な顔でゲコゲコと鳴き出した。
「エイクならこの程度の呪い、自分が作った魔法薬で治すくらい優秀だが……、お前はどうだろうな」
冷めた目でカエルを見下ろした後、目を白黒させながら事態を見守っていたエイクをちょいちょいと手招きする。
睨んでいたのもどこへやら、素直にそろそろと寄ってきたエイクの腰を抱けば、そのまま一緒に研究室へと吸い込まれていくのは自明の理だった。
扉の外に放置されたカエルの泣き声だけが、廊下にむなしく響いていた。
*****
「はーーーー……。エイクさぁ、嫉妬してんの可愛すぎ。あーでも、あいつのこと踏み潰してやればよかったな」
「グロいのは嫌だぞ、ロードくん。ん……っ、久しぶりの、ロードくんの匂い。うれしい……♡」
「は、なにそれ、かっわい……。抱き潰したくなるから煽んなよ」
抱きしめ合って、互いの首元に顔を埋めて久方ぶりの逢瀬を堪能する。ロードとしてはこのまま押し倒して朝まで貪りつくしたかったが、それより甘やかしたくて仕方がない。ちゅ、ちむ、と触れるだけのキスを落としながら、にこりと微笑む。
「なあ、さっきさ。俺の勘違いじゃなかったら、恋人だって言ってくれようとしただろ」
「う……。いや、あれはだな……」
「分かってる。エイクは優しいから、俺のこと考えてくれたんだろ。でもさぁ、それってバカみたいじゃねぇか?なんで周りの目なんか気にしなきゃいけねぇんだよ。俺たちはただ普通に好き合って、付き合ってるだけなのに」
「ん、ふあ、ロードくん、くるし……」
「あ、悪ぃ。大丈夫か?」
痛いくらいに抱きしめられ、ロードからの想いの強さを再認識させられる。彼がそう思い、そう言ってくれるのは嬉しい。だが、どうしても冷静な思考が邪魔をしてくるのだ。自分がどう言われても構わないが、ロードくんが何か言われるのは嫌だ、と。
いい落としどころが見当たらず言いよどむ内に、ふと媚薬の存在を思い出した。当初の予定では、これをロードに飲ませてとろとろになったところをお尻でいただく予定だった。
「(そうだ、逆に自分がぐずぐずになってしまえば、もっと素直になれるかもしれない)」
頭の良いエイクではあるが、恋愛方面となるとぽんこつだ。それが良案だと思ってしまえば、すぐさま実行に移してしまう。力が緩まったのをいいことに、懐に潜ませておいたそれを取り出し、一気に呷った。
ごくり。白いのどが上下に動く。
「は……?おい、今何した?何飲んだ?」
「安心するといい、僕様特製の媚薬だ。本当はロードくんに使おうと思ったんだが、これは僕様が使った方がいいと考え直したのだ」
「え、は……?俺に使う気だった?媚薬?を?エイクが飲ん……?」
「くひっ、慌てているロードくんはレアだな♡かわいいぞ……♡」
「うっわ、もうえろい顔になってんじゃねぇか」
頭の中がロードでいっぱいになって、勝手に股間が濡れていく。全身が熱い。今すぐ抱いて注いでほしい。
「ん、ぁう♡ロードくん、おねがい、ろーどくん♡僕様のおまんこ、ろーどくんのおちんぽでいっぱいにして……♡」
腰を浮かせてだぼついたズボンをぬぎながら、とろりとした瞳を向けるエイク。下着ごとおろしたそこはいやらしい糸を引き、大きくぷりっと膨らんだクリがてらてらと光っていた。
「っ……!?媚薬って言ってたよな?なんでまたまんこが……」
「ろーどくん♡はやくはめはめして♡えっちしたい♡ゆびやおもちゃじゃ満足できない……、ずっと、さみしかったぁ……♡」
ぽやんと蕩け切った表情で、おまんこをくぱぁと開いてみせるエイク。碌に回らない頭で媚薬を作ってしまったため、どうやら別の効果が含まれてしまっていたようだ。
とろぉ、と滴る愛液の量は多く、ぱたぱたと染みを作っていく。ひくひく収縮する肉壺は、ロードを待ち望んで後から後から涎を垂らす。
自らご馳走を差し出してくる最愛の恋人を前にして、飢えた獣が我慢できる道理はなかった。
──プシュッ、プシャアアァ♡♡
バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡
プショオオオオオッ♡
ピストンの度に、湯水のように溢れる潮がエイクの肌を濡らす。指を絡め合い、ぴったりと唇を重ねたキスハメでガツガツと奥を突かれ、歓喜に震える足は何度もピンッと伸びては力なくガニ股になった。
「んちゅ♡んうぅっ♡ろーどくん♡らいしゅき♡ぼくさま、ろーどくんのおよめしゃんになるの……♡ろーどくんのあかちゃんはらみたいの♡」
瞳孔にハートが浮かんでいるエイクは、キスの合間にこれでもかと愛を紡ぐ。媚薬のせいで舌っ足らずの甘え声になり、嫁になりたい子がほしいとせがむ姿に、ロードの心臓は可愛いという感情で埋め尽くされた。
「はっ……、エイク、そんなに俺と結婚したいのかよ?」
「うん、したい……♡でもね、ろーどくんはぼくさまといると、ん゛ほっ♡わ、わるくいわれちゃうからやなの♡だから、ほんとはずっとらぶらぶして、んあっ、いちゃいちゃしたいけど……ッお゛、がまんするの゛っ……♡ぼくさまは、がまんできるもん、ん゛ん~~ッ♡」
「ん……。我慢なんてする必要ねぇよ。俺ももう、好きなようにすっから。誰にも文句は言わせねぇ。お前は俺の恋人で……、いずれ嫁になるんだからな」
「あ……♡う、うれ、し……♡僕様、およめしゃん……♡くひ、ひ♡ろーどくん、だ、だんなしゃま、らいしゅき……っ♡♡」
「……っ!だから、お前は……、ッチ、俺だって、好きだっての……!」
きゅううぅんっ♡ときつく締まったおまんこに呼応するかのように、ジョロジョロとおしっこが漏れ出していく。水音に負けないくらいの肉音が激しくなり、一滴も零さないというように搾り取ってくる蜜壷の奥に、ロードの子種が大量に注がれていった。
「(あ……♡しあわせ……♡♡僕様のなか、あったかい……♡♡)」
いずれ本当に子宮が出来てしまう魔法薬を作ろうと考えながら、エイクはうっとりと瞳を潤ませて自らの腹を撫でたのだった。
──ちなみに、魔法弁論大会はつつがなく終了した。何故かげっそりと憔悴しているファラネスとは対称的に、つやっつやなロードは朗々とした語りで観客を魅了した。
そんな彼が、最愛の恋人、将来の伴侶としてエイクのことを大々的に触れ回り、公衆の面前で深いベロキスをぶちかまし、あまり解明されていない愛の魔法が発動したことは、魔法学校エゼルギアースのひとつの逸話として残ることになるのだった。
(愛の魔法:どこからともなく鐘の音が鳴り響き、花吹雪が舞い、天使達の祝福の歌声が聞こえてくる。男同士でも子を成せるようになるらしい)
新しい魔法薬精製の式を練る時よりも頭を悩ませていた。
その原因はただ一つ、というよりただ一人。恋人関係になったロードのことである。
彼はこれまでの天邪鬼な態度が嘘のように、二人きりになると甘い言葉を囁いてくるようになった。
それは別に問題ない。寧ろ良い気分になるのでもっと言ってほしいくらいだ。
あからさまに嫉妬をして、エイクが他の教授と話していると横入りするようになった。
これも別に問題ない。独占されるのは悪い気分ではないからだ。
今のエイクの目下の悩みは、どうやって夜の誘いを行うか、これに尽きる。
「(こうなってしまったのも、全てロードくんのせいだ……!)」
燻る恨みを心中で吐きながら、ベッドの上で丸くなるエイク。その手は育てられた性感帯へと伸び、コリコリシコシコヌチヌチと弄り出す。
付き合い始めて一ヶ月、それはもう丹念にじっくり愛されたアナルは、今ではふわふわとろとろのおまんこだ。指だけでは足りない、ロードくんのおちんぽが欲しいとばかりにきゅうきゅう締め付けてくる。小粒だった乳首も、ロードによってしっかり育てられ、今では指で摘んで刺激するだけで軽くイけるようにまでなってしまった。
それなのに、ここ二週間はキスすら碌に出来ていない。数日後に控えている魔法弁論大会のため、ロードが準備に追われているからだ。ばたばたと忙しない彼を見ると、身体を重ねたいなどと言えるはずもない。
欲求不満な身体を持て余し、毎日自慰に勤しんでいるエイクだったが、それもそろそろ限界が近づいていた。
「う、ぁ、だめ、だ、いけ、ない。ロードくんっ、ロードくんがほしいっ……♡」
指を三本咥えたアナルがじんじん疼く。胎はぽっかりと寂しく、熱くて太いモノでみっちり埋めてほしくて堪らない。
今日も今日とて、エイクはひんひん喘ぎながら寂しく淫らな夜を過ごすのだった。
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「(いや、もう無理だ。これ以上我慢なんて出来ない。襲ってでもロードくんに抱いてもらう……っ。ロードくんだって、僕様と触れ合えなくて溜まりに溜まってるはずなんだ。そう、気晴らしに少しくらい、三発……、いや、五発はほしいな)」
満足にイくことが出来ず、ギンギンに滾った頭のまま、ずかずかと廊下を闊歩するエイク。普段のおどおどした姿とはかけ離れた様相に、生徒達は驚きながら端に避けて行った。
「(くひっ……、見てろよロードくん)」
懐にそっと仕込んでいる小瓶には、碌に働かない頭で作った媚薬がたっぷり入っている。これを使えばどんな状態だろうとそういう行為になだれ込めるはずだと、エイクは信じて疑わなかった。
そうしてロードの研究室まであと少しという時、あまり見たくない光景が目に入ってしまった。並んで喋っている、容姿の整った二人の青年。一人はロードだが、もう一人は最近よくロードと共に居るのを見かけるファラネスだ。弁論大会に一緒に出るようなので仕方ないことではあるのだが、エイクにとっては面白くない。
「(ち……っ、近いぞロードくん!その距離は近すぎないか!?くそっ、僕様のロードくんに近寄るな!この自己愛野郎!)」
脳内で悪しざまに罵りながら、隠れたまま邪念を飛ばすエイク。
だが、快活に笑うファラネスには、そんなものなど届いていないようだ。逆にロードの髪をくしゃくしゃと撫でる始末である。
「(あっ、あああぁっ!セクハラだ!セクハラだぞ!ロードくんに触っていいのは僕様の特権なのに!!)」
「ちよっと……、ファラネス先生。子供じゃないんだから」
「はっはっ!いいじゃないか。この歳になると褒められることなど早々ないだろう?私が存分に褒めて甘やかしてやろう」
「(くそ、離れろ……!ロードくんが嫌がってるじゃないか……!)」
ギリギリと嫉妬を剥き出しにしながら、気がつけばズカズカと大股で近寄っていた。
そんなエイクの姿にすぐ気付いたロードは、軽く目を見張る。『嫉妬しています』という感情を隠しもせずに詰め寄ってきている彼の姿は初めて見るもので、にやけてしまう口元を咄嗟に隠した。そんなロードの様子を見て、何を勘違いしたのか彼を庇うように前に立つファラネス。その瞳は剣呑な色を帯びている。
「……何か用かい、エイク先生。そんな不躾に睨んできて……、ロードが困っているじゃないか」
「は、はあぁ!?おっ、お前にそんなことを言われる筋合いはないぞ!僕様はロードくんの……っ」
恋人だ。
そう続けようとして、急速に頭の中が冷えていった。
自分達の関係は表沙汰にしていない。エイク自身が拒否したのだ。ただでさえ目立っているロードの恋人が自分だと知られたら、面倒な奴等が湧いてくるからと。
だが、本心は少し違う。嫌われ者な自分のせいでロードの価値を落としたくないと、根っこの部分ではそう思ってしまっているのだ。
だから、言葉が出てこない。口を噤んで睨むことしか出来ないエイクを見下し、ファラネスは嘲笑の息を吐いた。
「私達はこれから最終調整で忙しいんだ。そこにいても通行の邪魔になるだけだから、研究室に引きこもったらどうだい?君のようなジメジメ人間にはお似合いじゃあないか。ロードもそう思うだろう?」
「…………。……ああ。確かに、邪魔だな。これ以上声を聞くのも億劫だ」
「はっは、温厚な君でも流石に言葉が悪くなって──」
「とっとと失せろ、クソ野郎」
「え」
ロードの口からファラネスに向かって吐き捨てられたのは、短い呪文の詠唱だった。
ファラネスは虚をつかれていたが、エイクはそれが変身魔法の応用だと理解した。何らかのアクションがない限り人の姿に戻ることが出来ない、小さな呪いのおまけ付きだ。
ポンッ、とコミカルな音がする。
背の高い美男子はどこへやら、小さいイボガエルに姿を変えられたファラネスは、蒼白な顔でゲコゲコと鳴き出した。
「エイクならこの程度の呪い、自分が作った魔法薬で治すくらい優秀だが……、お前はどうだろうな」
冷めた目でカエルを見下ろした後、目を白黒させながら事態を見守っていたエイクをちょいちょいと手招きする。
睨んでいたのもどこへやら、素直にそろそろと寄ってきたエイクの腰を抱けば、そのまま一緒に研究室へと吸い込まれていくのは自明の理だった。
扉の外に放置されたカエルの泣き声だけが、廊下にむなしく響いていた。
*****
「はーーーー……。エイクさぁ、嫉妬してんの可愛すぎ。あーでも、あいつのこと踏み潰してやればよかったな」
「グロいのは嫌だぞ、ロードくん。ん……っ、久しぶりの、ロードくんの匂い。うれしい……♡」
「は、なにそれ、かっわい……。抱き潰したくなるから煽んなよ」
抱きしめ合って、互いの首元に顔を埋めて久方ぶりの逢瀬を堪能する。ロードとしてはこのまま押し倒して朝まで貪りつくしたかったが、それより甘やかしたくて仕方がない。ちゅ、ちむ、と触れるだけのキスを落としながら、にこりと微笑む。
「なあ、さっきさ。俺の勘違いじゃなかったら、恋人だって言ってくれようとしただろ」
「う……。いや、あれはだな……」
「分かってる。エイクは優しいから、俺のこと考えてくれたんだろ。でもさぁ、それってバカみたいじゃねぇか?なんで周りの目なんか気にしなきゃいけねぇんだよ。俺たちはただ普通に好き合って、付き合ってるだけなのに」
「ん、ふあ、ロードくん、くるし……」
「あ、悪ぃ。大丈夫か?」
痛いくらいに抱きしめられ、ロードからの想いの強さを再認識させられる。彼がそう思い、そう言ってくれるのは嬉しい。だが、どうしても冷静な思考が邪魔をしてくるのだ。自分がどう言われても構わないが、ロードくんが何か言われるのは嫌だ、と。
いい落としどころが見当たらず言いよどむ内に、ふと媚薬の存在を思い出した。当初の予定では、これをロードに飲ませてとろとろになったところをお尻でいただく予定だった。
「(そうだ、逆に自分がぐずぐずになってしまえば、もっと素直になれるかもしれない)」
頭の良いエイクではあるが、恋愛方面となるとぽんこつだ。それが良案だと思ってしまえば、すぐさま実行に移してしまう。力が緩まったのをいいことに、懐に潜ませておいたそれを取り出し、一気に呷った。
ごくり。白いのどが上下に動く。
「は……?おい、今何した?何飲んだ?」
「安心するといい、僕様特製の媚薬だ。本当はロードくんに使おうと思ったんだが、これは僕様が使った方がいいと考え直したのだ」
「え、は……?俺に使う気だった?媚薬?を?エイクが飲ん……?」
「くひっ、慌てているロードくんはレアだな♡かわいいぞ……♡」
「うっわ、もうえろい顔になってんじゃねぇか」
頭の中がロードでいっぱいになって、勝手に股間が濡れていく。全身が熱い。今すぐ抱いて注いでほしい。
「ん、ぁう♡ロードくん、おねがい、ろーどくん♡僕様のおまんこ、ろーどくんのおちんぽでいっぱいにして……♡」
腰を浮かせてだぼついたズボンをぬぎながら、とろりとした瞳を向けるエイク。下着ごとおろしたそこはいやらしい糸を引き、大きくぷりっと膨らんだクリがてらてらと光っていた。
「っ……!?媚薬って言ってたよな?なんでまたまんこが……」
「ろーどくん♡はやくはめはめして♡えっちしたい♡ゆびやおもちゃじゃ満足できない……、ずっと、さみしかったぁ……♡」
ぽやんと蕩け切った表情で、おまんこをくぱぁと開いてみせるエイク。碌に回らない頭で媚薬を作ってしまったため、どうやら別の効果が含まれてしまっていたようだ。
とろぉ、と滴る愛液の量は多く、ぱたぱたと染みを作っていく。ひくひく収縮する肉壺は、ロードを待ち望んで後から後から涎を垂らす。
自らご馳走を差し出してくる最愛の恋人を前にして、飢えた獣が我慢できる道理はなかった。
──プシュッ、プシャアアァ♡♡
バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡バチュッ♡
プショオオオオオッ♡
ピストンの度に、湯水のように溢れる潮がエイクの肌を濡らす。指を絡め合い、ぴったりと唇を重ねたキスハメでガツガツと奥を突かれ、歓喜に震える足は何度もピンッと伸びては力なくガニ股になった。
「んちゅ♡んうぅっ♡ろーどくん♡らいしゅき♡ぼくさま、ろーどくんのおよめしゃんになるの……♡ろーどくんのあかちゃんはらみたいの♡」
瞳孔にハートが浮かんでいるエイクは、キスの合間にこれでもかと愛を紡ぐ。媚薬のせいで舌っ足らずの甘え声になり、嫁になりたい子がほしいとせがむ姿に、ロードの心臓は可愛いという感情で埋め尽くされた。
「はっ……、エイク、そんなに俺と結婚したいのかよ?」
「うん、したい……♡でもね、ろーどくんはぼくさまといると、ん゛ほっ♡わ、わるくいわれちゃうからやなの♡だから、ほんとはずっとらぶらぶして、んあっ、いちゃいちゃしたいけど……ッお゛、がまんするの゛っ……♡ぼくさまは、がまんできるもん、ん゛ん~~ッ♡」
「ん……。我慢なんてする必要ねぇよ。俺ももう、好きなようにすっから。誰にも文句は言わせねぇ。お前は俺の恋人で……、いずれ嫁になるんだからな」
「あ……♡う、うれ、し……♡僕様、およめしゃん……♡くひ、ひ♡ろーどくん、だ、だんなしゃま、らいしゅき……っ♡♡」
「……っ!だから、お前は……、ッチ、俺だって、好きだっての……!」
きゅううぅんっ♡ときつく締まったおまんこに呼応するかのように、ジョロジョロとおしっこが漏れ出していく。水音に負けないくらいの肉音が激しくなり、一滴も零さないというように搾り取ってくる蜜壷の奥に、ロードの子種が大量に注がれていった。
「(あ……♡しあわせ……♡♡僕様のなか、あったかい……♡♡)」
いずれ本当に子宮が出来てしまう魔法薬を作ろうと考えながら、エイクはうっとりと瞳を潤ませて自らの腹を撫でたのだった。
──ちなみに、魔法弁論大会はつつがなく終了した。何故かげっそりと憔悴しているファラネスとは対称的に、つやっつやなロードは朗々とした語りで観客を魅了した。
そんな彼が、最愛の恋人、将来の伴侶としてエイクのことを大々的に触れ回り、公衆の面前で深いベロキスをぶちかまし、あまり解明されていない愛の魔法が発動したことは、魔法学校エゼルギアースのひとつの逸話として残ることになるのだった。
(愛の魔法:どこからともなく鐘の音が鳴り響き、花吹雪が舞い、天使達の祝福の歌声が聞こえてくる。男同士でも子を成せるようになるらしい)
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