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欲求不満なDomは甘くとろとろにとかされる
その②
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*****
「Switchですね」
「は?」
「それも極端にSub性が強いです。無理矢理押し込められていることで、身体に不調が出ているんでしょう。すぐに自分の意思で切り替えることは難しいかもしれませんので、誘発剤を処方しますね。あとはSub側としてプレイしてもらうのが一番です」
最近後天的にSwitchの性が現れることもあるんですよね、という医者の言葉がどこか遠くで聞こえる。
これまで純粋なDomとして生きてきたカズトにとって、Switchという診断はまさに青天の霹靂だった。そういった性があることも知っているし、実際にキャストの中にも居る。だが、自分の意思で性を切り替えることが出来ない時点で、普通のSwitchとも言いづらい。
ただ、信じられない一方で、納得もしていた。Subとして満たされなかったから、ずっと欲求が燻り続けて消えなかったのだと。
診察を終え、待合室へと向かったカズトを待っていたのは、付き添ってくれたアカネだ。スマホの画面を眺めながらにこにことしていたが、カズトの姿に気が付くとパッと立ち上がって小走りで近寄ってくる。
「どーだった?やっぱSSS?」
「……違う」
「えー。マジ?絶対そうだと思ったんだけどなー。……って、うわ、顔色悪くね?え、もしかして何かヤバい結果だった?」
ゆるっとした雰囲気から一転、真剣な声音で問いかけてくるアカネ。嘘をついて誤魔化すことも出来るが、なんだかんだ彼は鋭いところがある。動揺が消えない今、嘘を言ったところですぐにバレてしまうだろう。
こくりと唾を飲み込んで、カズトはゆっくり口を開いた。
「俺さ、Switchだったみたいだ」
「へ?Switch?カズトが?」
信じられない、と言いたげに大きくなった瞳に、所在無げな自分が映る。がば、と口元を隠して俯いたアカネは震えているようだった。
まさか笑っているわけじゃないだろうな、と少しむっとした矢先、腕を伸ばしてきたアカネから勢いよくハグをされた。
「なっ!?アカネ!?」
「よかったー、ここに居たのがオレで。ね、カズト。オレがコマンドしてあげるよ。お試しでさ、やってみよ?」
ぽんぽんとあやすように頭を撫でられ、身体の内側が甘くわななく。これまで意識していなかったが、Subとしての本能が表に出かかっているような心地で、どうしようもなくじくじくと疼き出す。
断る選択肢は、存在しなかった。
「……じゃあ、お試しで」
「ん!お薬もらったらオレん家行こーね」
その声音があまりにも優しく、目の前がとろりと緩みそうになった。ここが待合室で他人の目があると気付かなければ、そのまま身を任せてしまっていただろう。
「Switchですね」
「は?」
「それも極端にSub性が強いです。無理矢理押し込められていることで、身体に不調が出ているんでしょう。すぐに自分の意思で切り替えることは難しいかもしれませんので、誘発剤を処方しますね。あとはSub側としてプレイしてもらうのが一番です」
最近後天的にSwitchの性が現れることもあるんですよね、という医者の言葉がどこか遠くで聞こえる。
これまで純粋なDomとして生きてきたカズトにとって、Switchという診断はまさに青天の霹靂だった。そういった性があることも知っているし、実際にキャストの中にも居る。だが、自分の意思で性を切り替えることが出来ない時点で、普通のSwitchとも言いづらい。
ただ、信じられない一方で、納得もしていた。Subとして満たされなかったから、ずっと欲求が燻り続けて消えなかったのだと。
診察を終え、待合室へと向かったカズトを待っていたのは、付き添ってくれたアカネだ。スマホの画面を眺めながらにこにことしていたが、カズトの姿に気が付くとパッと立ち上がって小走りで近寄ってくる。
「どーだった?やっぱSSS?」
「……違う」
「えー。マジ?絶対そうだと思ったんだけどなー。……って、うわ、顔色悪くね?え、もしかして何かヤバい結果だった?」
ゆるっとした雰囲気から一転、真剣な声音で問いかけてくるアカネ。嘘をついて誤魔化すことも出来るが、なんだかんだ彼は鋭いところがある。動揺が消えない今、嘘を言ったところですぐにバレてしまうだろう。
こくりと唾を飲み込んで、カズトはゆっくり口を開いた。
「俺さ、Switchだったみたいだ」
「へ?Switch?カズトが?」
信じられない、と言いたげに大きくなった瞳に、所在無げな自分が映る。がば、と口元を隠して俯いたアカネは震えているようだった。
まさか笑っているわけじゃないだろうな、と少しむっとした矢先、腕を伸ばしてきたアカネから勢いよくハグをされた。
「なっ!?アカネ!?」
「よかったー、ここに居たのがオレで。ね、カズト。オレがコマンドしてあげるよ。お試しでさ、やってみよ?」
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断る選択肢は、存在しなかった。
「……じゃあ、お試しで」
「ん!お薬もらったらオレん家行こーね」
その声音があまりにも優しく、目の前がとろりと緩みそうになった。ここが待合室で他人の目があると気付かなければ、そのまま身を任せてしまっていただろう。
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