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①全裸転移しました
俺の名前は鞍馬霞。
何か特技があるわけでも、運動神経がいいわけでもない、22歳一般男性だ。
大学を卒業したばかりで、春から社会人一年生になる予定……、だった。
卒業旅行で訪れた温泉に浸かっていたら、何故か辺りの光景が一変して──、気が付けばRPGに出てくる神殿みたいな所にへたりこんでいた。
全裸で。
「は……?」
温泉に入っていたわけだから、勿論濡れたままだし、身一つのままだ。タオルすらない。
そんな状態の俺を囲むようにして、神父的な人達とやたら整った顔のイケメンが驚いた表情で立っていた。いや、驚きたいのこっちなんだけど???
流石にこの謎の空間で全裸なのは恥ずかしくて、そっと股間を隠す。辺りを見渡してみたけど、古風な旅館の面影はゼロだ。もしかして俺、のぼせてぶっ倒れて夢でも見てんのか?
「ごほん、……私の言葉は分かりますか。もし通じておりましたら、貴方様のお名前をお聞かせください」
「えっ、あ、はあ、鞍馬霞……ですけど、ここ、どこですか。あと、よかったら服を貸してくれませんか」
白い髭をたくわえた、偉い立場っぽいじいさんに話しかけられた。見た目からして外人っぽかったけど、聞こえてきたのが日本語でほっとする。とにかく、夢にしろなんにしろずっとこのままなのは避けたい。
「ここはアクアラルド王国のバブルア神殿です。貴方様は、こちらにいらっしゃいますグウェン殿下の伴侶として召喚されました。お召し物はすぐにお持ちしますので、少しばかりお待ちください」
「ん……?いや、……はん、りょ?」
「そうでございます。伴侶、嫁、番……、呼び方はいくつかございますが、通じましたでしょうか」
「…………」
通じる通じないの問題じゃない。
いまだ俺のことを驚いたように……というより値踏みするように見てくるイケメンが、きっとグウェン殿下って奴なんだろう。青くて長い髪を高いところで一つに結っていて、なんかこうファンタジーって感じだ。宝石みたいな緑の目に俺の裸が映っているかと思うと、妙に居心地が悪い。
そんなイケメン王子の、伴侶?誰が?……俺が?
「いや、いやいやいや!?普通に考えて無理!俺は男だし、そっちも男だろ?そういうわけで、俺は女の子が好きだから元の世界に返してください!」
「ですが……、その、もう決まったことでして。それに、カスミ様がいらっしゃった世界と魔力経路が繋がるのは1年後になるので……、この場で帰すことも出来ません」
「はあぁ!?拒否権ぐらい用意しておけよ!」
「囀るな。そんなものがあるくらいなら、私はここに居ない」
「ひっ」
イケメン王子の圧がすごくて思わず縮こまってしまった。
顔もよければ声もいいとか何なんだ。コツコツと音を立てて近付いてきた王子が、座り込む俺を見下ろしてくる。……いやこれ、見下されてんのか?怖ぇよ。
「この国では、繁栄を齎すために、100年に一度、異世界人を第一王子の嫁として召喚している。例外はない」
「えぇ……、何そのめちゃくちゃな理由……。というか繁栄って男同士でどうしろと?」
「伝統であり、歴史だ。……故に、たとえ貴様が嫌がろうと、男であろうと、『異世界人』である限り私の妻となってもらう」
暴論すぎるし無理矢理すぎるし、乾いた笑いしか出てこない。ついでに身体が冷えてきて、小さくくしゃみをしてしまった。
「お待たせしました。タオルと衣類一式をお持ちしました」
タイミングよく服を持ってきてくれたのは、まだ中学生ぐらいの子供だった。茶色い癖っ毛にアーモンドみたいな瞳。小さいけど、じいさんと同じような服を着てるから、この子もそういう役職なんだろう。
とにかく、まずは服を着よう。受け取ったタオルで全身を拭いて、背を向けて下着らしきものに足を通そうとした、瞬間。
『装備できません』
そんな機械音声が聞こえてくると共に、持っていた下着が弾かれてしまった。パサリ、と下に落ちたそれに、俺も、周りの人達も「???」状態だ。
もう一度試しても、やっぱり同じように弾かれた。それならと下着を無視してシャツとズボンを身につけようとしても、
『装備できません』
結果は同じ。
べしんと弾かれた服が、床に放られてしまった。こうなったらとタオルを巻こうとしても、駄目だった。
いや、待て、何なんだよこれ。
「……成程、貴様がヒューマンではないからか」
「は……?え?ヒューマン……って、人間?いや俺どっからどう見ても人間だろ」
「話は最後まで聞け。この世界には、ヒューマン族とモンスター族、二つの種族が存在している。そして、男物女物問わず、衣類……装備はヒューマンのみが着用出来る物だ。そして、貴様はヒューマンではなく『異世界人』という例外的な三つめの種族となる。故に、貴様が服を着ることは不可能というわけだ」
「へー、なるほど…………って、納得出来るわけないだろ!?じゃああれか?俺は今後全裸で過ごさなきゃいけないってことかよ!?」
「ふん、そうしたいならさせてやってもいいが?」
「嫌に決まって……!……ん?そんな言い方するってことは、何か解決方法があるのか……?」
「ああ、異世界人からヒューマンになる儀式をしてしまえばいいだけの話だ」
「じゃあ、そうしてくれ!」
「カ、カスミ様、どうか落ち着いてください。即答していいことでは……」
「ラド、控えていろ」
「……っ、……かしこまりました」
口を挟んでくれた中学生くんの名前は、ラドというらしい。……確かに、詳細も何も分からないのは怖いな。この不遜な王子様が100パー好意で言ってくれてるわけがないだろうし、少し確認しておくか。
「それって、何か痛かったり苦しかったり……死んだりする時もあるのか?」
「死にはしない。痛みや苦しみについては貴様の努力次第だ」
「にべもないな……。なあ、その儀式をしてヒューマンになっても、俺は元の世界に戻れるんだろうな?」
「ああ。1年後にはなるがな」
「……何をされんのか、詳しく聞いてもいいか」
「それは不可能だ。この国の情報を易々と渡す訳にはいかない」
極秘情報みたいなものなんだろうか。まあ、それならホイホイ教えられないよな。
うーん……、こうなったらもう、なるようになれってやつか。
「…………分かった。俺をヒューマンとやらにしてくれ。服が着れないまま1年なんて御免だからな」
「私とて、露出狂の伴侶を傍に置く趣味はない」
「っ……!好きで裸になってるわけじゃないからな!?」
くそ……、一言多い王子様だな。
何にせよ、服問題は解決出来そうでよかった。ラドって子も心配してくれてたけど、死なないんならきっと大丈夫……、な、はずだ。
「それで、結局何をすればいいんだよ」
「……ここは雑音が多い。移動するぞ」
「ちょっ、……わ!」
無理矢理引っ張られたかと思えば、景色が一変した。さっきの神殿はどこへやら、めちゃくちゃ広くて豪華な部屋に立っていた。
「い……っ、今のって魔法か何かか?瞬間移動?すっご……、わぷっ!」
感心していたのに、まるで物のようにポイッと放られた。さっき弾かれた服の気持ちが分かったかもしれない。
投げられた先は、これまたどでかいベッドの上で……、いや、裸で乗るようなもんじゃない気がするんだけど。
「動くな」
「んっ……!?」
これも魔法なんだろうか。王子の言葉通り、身体が動かなくなってしまった。
やばい、股間を隠す暇もなかったから脚も開きっぱなしでちんこが見えてる。
「み、見るな……ってか何すんだよ!」
「黙っていろ」
「ひあっ!?」
な、ななな何してんだこの王子!?俺の玉を掴んできたんだけど!?
「へ、変態……!揉むな馬鹿!」
「変態ではない」
「どう見てもそうだろ!あ、んくっ、そこ、強く……すんな、ぁっ!」
「……ふむ、この辺りか」
「なに、が、…………っお゛っっ♡♡♡」
それは、あまりにも唐突すぎた。
金玉に直接電気を流されたような、精液全部搾り取られるような、強すぎる快感。痛みはないけど、その代わりに死ぬほど気持ちいい。
動きたくても動けない身体がビクビク震えて、気がつけば射精していた。
「あ゛ああぁっ♡な、なんで、ぇ……っっ♡♡」
「必要なことだからだ、騒ぐな」
鬱陶しいとでも言いたげに眉を顰めた王子は、クズで最低だと思う。
玉から手を離した王子が指を振ると、その動きに合わせて俺が出した精液が集まっていく。白いそれが空中で体積を増していって……、ポンッ、というコミカルな音と共に一冊の本に変化した。
何が起きてるのかさっぱりだし、無理矢理射精されて余韻がやばいし、身体は動くようになったけどベッドから起き上がれそうにない。
「はあ、は、ぁ……っ♡せ、説明……っ、しろ、変態……!」
「次、変態と呼んだら潰すぞ」
「…………」
ナニをとは言われなかったけど、口を噤むしかなかった。この冷たすぎる瞳……、クズ王子ならやりかねない。
「……今のは、儀式をする上での前準備だ。貴様の睾丸にヒューマンの紋をつけた。この紋が全て桃色に染まれば儀式完了だ」
ふわりと出現させた鏡には、ぱかっと脚を開いて股間を剥き出しにしている俺の姿が映っていた。やっぱり変態なことしてきてるじゃない、か……って、うわ、これ……。
「い、淫紋じゃん……」
「紋と言っただろう」
「そうだけど!えっちなやつ!なんで金玉にこんなのつけるんだよ……!」
俺の玉に描かれた、黒いハートマークの……どう見ても淫紋にしか見えないモノ。とんでもないところにとんでもないものをつけられて、早速心が挫けそうだ。
「ここに刻むことで、貴様の精本が抽出される」
鏡を消した王子の手に、ふわふわ浮いていた白い本が近寄っていく。……それって、さっき俺の精液から出来たやつだよな。それが何、せいほん?もう訳が分からない。
「この本のページに、一つずつ儀式の内容が記されていく。その内容は千差万別だ。過去にモンスターからヒューマンになった事例では、『卵を綺麗に10個割る』『教会で清掃活動』等があったな」
「何そのお手伝いみたいなやつ……。それくらいなら、俺にも出来そう、だけど。せめて説明してから始めてくれよ……」
「ふん、そうしたところで、貴様は反抗するだろう?」
「う……」
まあ、玉に淫紋いれるから射精してね~って言われたら逃げるわな。
「……っ、と、とにかく、その本に書いてあることをさっさと終わらせればいいんだろ?」
ようやくひくついた余韻が抜けてきて、足を擦り合わせつつ起き上がる。いつまでもちんこ晒しっぱなしってのも恥ずいしな……。
卵割るとか掃除とか、日本でもやってきたことだし。こんな儀式さっさと終わらせて服を着るんだ……!
王子から本を受け取って、やる気に満ちながらページを開く。本の形をしていたけど、開いてみれば見開き1ページ分しかなかった。無駄に分厚いな。
そして、その真っ白なページには、ご丁寧に日本語で黒い文字が並んでいた。
何か特技があるわけでも、運動神経がいいわけでもない、22歳一般男性だ。
大学を卒業したばかりで、春から社会人一年生になる予定……、だった。
卒業旅行で訪れた温泉に浸かっていたら、何故か辺りの光景が一変して──、気が付けばRPGに出てくる神殿みたいな所にへたりこんでいた。
全裸で。
「は……?」
温泉に入っていたわけだから、勿論濡れたままだし、身一つのままだ。タオルすらない。
そんな状態の俺を囲むようにして、神父的な人達とやたら整った顔のイケメンが驚いた表情で立っていた。いや、驚きたいのこっちなんだけど???
流石にこの謎の空間で全裸なのは恥ずかしくて、そっと股間を隠す。辺りを見渡してみたけど、古風な旅館の面影はゼロだ。もしかして俺、のぼせてぶっ倒れて夢でも見てんのか?
「ごほん、……私の言葉は分かりますか。もし通じておりましたら、貴方様のお名前をお聞かせください」
「えっ、あ、はあ、鞍馬霞……ですけど、ここ、どこですか。あと、よかったら服を貸してくれませんか」
白い髭をたくわえた、偉い立場っぽいじいさんに話しかけられた。見た目からして外人っぽかったけど、聞こえてきたのが日本語でほっとする。とにかく、夢にしろなんにしろずっとこのままなのは避けたい。
「ここはアクアラルド王国のバブルア神殿です。貴方様は、こちらにいらっしゃいますグウェン殿下の伴侶として召喚されました。お召し物はすぐにお持ちしますので、少しばかりお待ちください」
「ん……?いや、……はん、りょ?」
「そうでございます。伴侶、嫁、番……、呼び方はいくつかございますが、通じましたでしょうか」
「…………」
通じる通じないの問題じゃない。
いまだ俺のことを驚いたように……というより値踏みするように見てくるイケメンが、きっとグウェン殿下って奴なんだろう。青くて長い髪を高いところで一つに結っていて、なんかこうファンタジーって感じだ。宝石みたいな緑の目に俺の裸が映っているかと思うと、妙に居心地が悪い。
そんなイケメン王子の、伴侶?誰が?……俺が?
「いや、いやいやいや!?普通に考えて無理!俺は男だし、そっちも男だろ?そういうわけで、俺は女の子が好きだから元の世界に返してください!」
「ですが……、その、もう決まったことでして。それに、カスミ様がいらっしゃった世界と魔力経路が繋がるのは1年後になるので……、この場で帰すことも出来ません」
「はあぁ!?拒否権ぐらい用意しておけよ!」
「囀るな。そんなものがあるくらいなら、私はここに居ない」
「ひっ」
イケメン王子の圧がすごくて思わず縮こまってしまった。
顔もよければ声もいいとか何なんだ。コツコツと音を立てて近付いてきた王子が、座り込む俺を見下ろしてくる。……いやこれ、見下されてんのか?怖ぇよ。
「この国では、繁栄を齎すために、100年に一度、異世界人を第一王子の嫁として召喚している。例外はない」
「えぇ……、何そのめちゃくちゃな理由……。というか繁栄って男同士でどうしろと?」
「伝統であり、歴史だ。……故に、たとえ貴様が嫌がろうと、男であろうと、『異世界人』である限り私の妻となってもらう」
暴論すぎるし無理矢理すぎるし、乾いた笑いしか出てこない。ついでに身体が冷えてきて、小さくくしゃみをしてしまった。
「お待たせしました。タオルと衣類一式をお持ちしました」
タイミングよく服を持ってきてくれたのは、まだ中学生ぐらいの子供だった。茶色い癖っ毛にアーモンドみたいな瞳。小さいけど、じいさんと同じような服を着てるから、この子もそういう役職なんだろう。
とにかく、まずは服を着よう。受け取ったタオルで全身を拭いて、背を向けて下着らしきものに足を通そうとした、瞬間。
『装備できません』
そんな機械音声が聞こえてくると共に、持っていた下着が弾かれてしまった。パサリ、と下に落ちたそれに、俺も、周りの人達も「???」状態だ。
もう一度試しても、やっぱり同じように弾かれた。それならと下着を無視してシャツとズボンを身につけようとしても、
『装備できません』
結果は同じ。
べしんと弾かれた服が、床に放られてしまった。こうなったらとタオルを巻こうとしても、駄目だった。
いや、待て、何なんだよこれ。
「……成程、貴様がヒューマンではないからか」
「は……?え?ヒューマン……って、人間?いや俺どっからどう見ても人間だろ」
「話は最後まで聞け。この世界には、ヒューマン族とモンスター族、二つの種族が存在している。そして、男物女物問わず、衣類……装備はヒューマンのみが着用出来る物だ。そして、貴様はヒューマンではなく『異世界人』という例外的な三つめの種族となる。故に、貴様が服を着ることは不可能というわけだ」
「へー、なるほど…………って、納得出来るわけないだろ!?じゃああれか?俺は今後全裸で過ごさなきゃいけないってことかよ!?」
「ふん、そうしたいならさせてやってもいいが?」
「嫌に決まって……!……ん?そんな言い方するってことは、何か解決方法があるのか……?」
「ああ、異世界人からヒューマンになる儀式をしてしまえばいいだけの話だ」
「じゃあ、そうしてくれ!」
「カ、カスミ様、どうか落ち着いてください。即答していいことでは……」
「ラド、控えていろ」
「……っ、……かしこまりました」
口を挟んでくれた中学生くんの名前は、ラドというらしい。……確かに、詳細も何も分からないのは怖いな。この不遜な王子様が100パー好意で言ってくれてるわけがないだろうし、少し確認しておくか。
「それって、何か痛かったり苦しかったり……死んだりする時もあるのか?」
「死にはしない。痛みや苦しみについては貴様の努力次第だ」
「にべもないな……。なあ、その儀式をしてヒューマンになっても、俺は元の世界に戻れるんだろうな?」
「ああ。1年後にはなるがな」
「……何をされんのか、詳しく聞いてもいいか」
「それは不可能だ。この国の情報を易々と渡す訳にはいかない」
極秘情報みたいなものなんだろうか。まあ、それならホイホイ教えられないよな。
うーん……、こうなったらもう、なるようになれってやつか。
「…………分かった。俺をヒューマンとやらにしてくれ。服が着れないまま1年なんて御免だからな」
「私とて、露出狂の伴侶を傍に置く趣味はない」
「っ……!好きで裸になってるわけじゃないからな!?」
くそ……、一言多い王子様だな。
何にせよ、服問題は解決出来そうでよかった。ラドって子も心配してくれてたけど、死なないんならきっと大丈夫……、な、はずだ。
「それで、結局何をすればいいんだよ」
「……ここは雑音が多い。移動するぞ」
「ちょっ、……わ!」
無理矢理引っ張られたかと思えば、景色が一変した。さっきの神殿はどこへやら、めちゃくちゃ広くて豪華な部屋に立っていた。
「い……っ、今のって魔法か何かか?瞬間移動?すっご……、わぷっ!」
感心していたのに、まるで物のようにポイッと放られた。さっき弾かれた服の気持ちが分かったかもしれない。
投げられた先は、これまたどでかいベッドの上で……、いや、裸で乗るようなもんじゃない気がするんだけど。
「動くな」
「んっ……!?」
これも魔法なんだろうか。王子の言葉通り、身体が動かなくなってしまった。
やばい、股間を隠す暇もなかったから脚も開きっぱなしでちんこが見えてる。
「み、見るな……ってか何すんだよ!」
「黙っていろ」
「ひあっ!?」
な、ななな何してんだこの王子!?俺の玉を掴んできたんだけど!?
「へ、変態……!揉むな馬鹿!」
「変態ではない」
「どう見てもそうだろ!あ、んくっ、そこ、強く……すんな、ぁっ!」
「……ふむ、この辺りか」
「なに、が、…………っお゛っっ♡♡♡」
それは、あまりにも唐突すぎた。
金玉に直接電気を流されたような、精液全部搾り取られるような、強すぎる快感。痛みはないけど、その代わりに死ぬほど気持ちいい。
動きたくても動けない身体がビクビク震えて、気がつけば射精していた。
「あ゛ああぁっ♡な、なんで、ぇ……っっ♡♡」
「必要なことだからだ、騒ぐな」
鬱陶しいとでも言いたげに眉を顰めた王子は、クズで最低だと思う。
玉から手を離した王子が指を振ると、その動きに合わせて俺が出した精液が集まっていく。白いそれが空中で体積を増していって……、ポンッ、というコミカルな音と共に一冊の本に変化した。
何が起きてるのかさっぱりだし、無理矢理射精されて余韻がやばいし、身体は動くようになったけどベッドから起き上がれそうにない。
「はあ、は、ぁ……っ♡せ、説明……っ、しろ、変態……!」
「次、変態と呼んだら潰すぞ」
「…………」
ナニをとは言われなかったけど、口を噤むしかなかった。この冷たすぎる瞳……、クズ王子ならやりかねない。
「……今のは、儀式をする上での前準備だ。貴様の睾丸にヒューマンの紋をつけた。この紋が全て桃色に染まれば儀式完了だ」
ふわりと出現させた鏡には、ぱかっと脚を開いて股間を剥き出しにしている俺の姿が映っていた。やっぱり変態なことしてきてるじゃない、か……って、うわ、これ……。
「い、淫紋じゃん……」
「紋と言っただろう」
「そうだけど!えっちなやつ!なんで金玉にこんなのつけるんだよ……!」
俺の玉に描かれた、黒いハートマークの……どう見ても淫紋にしか見えないモノ。とんでもないところにとんでもないものをつけられて、早速心が挫けそうだ。
「ここに刻むことで、貴様の精本が抽出される」
鏡を消した王子の手に、ふわふわ浮いていた白い本が近寄っていく。……それって、さっき俺の精液から出来たやつだよな。それが何、せいほん?もう訳が分からない。
「この本のページに、一つずつ儀式の内容が記されていく。その内容は千差万別だ。過去にモンスターからヒューマンになった事例では、『卵を綺麗に10個割る』『教会で清掃活動』等があったな」
「何そのお手伝いみたいなやつ……。それくらいなら、俺にも出来そう、だけど。せめて説明してから始めてくれよ……」
「ふん、そうしたところで、貴様は反抗するだろう?」
「う……」
まあ、玉に淫紋いれるから射精してね~って言われたら逃げるわな。
「……っ、と、とにかく、その本に書いてあることをさっさと終わらせればいいんだろ?」
ようやくひくついた余韻が抜けてきて、足を擦り合わせつつ起き上がる。いつまでもちんこ晒しっぱなしってのも恥ずいしな……。
卵割るとか掃除とか、日本でもやってきたことだし。こんな儀式さっさと終わらせて服を着るんだ……!
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