アブノーマル・ラブ〜五つ子に囲われる俺〜

桜羽根ねね

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⑮びいだま遊戯(産卵)

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【花緑×蓮】

 良い物を用意した。

 その言葉を聞いて、蓮はまたかと嘆息した。
 花緑が言う良い物とは、蓮が好むお菓子などではなく、いかがわしい大人の玩具が大半を占めている。ローターはまだ可愛い方で、グロテスクなディルドを持ってこられた時には流石に全力で拒否した。あんなにぶっとい物を挿れられたら確実に裂けてしまうと言えば、仕方ないと諦めてくれた。その代わりにイき狂うまで攻められる羽目になった……と、そこまで思い出して蓮はふるふると首を振った。

 昔のことより、今のこと。また碌でもない物を持ってきたんだろうなと諦め半分期待半分の蓮に、花緑は嬉々とした表情でそれを取り出した。

 ビニール袋に入れられた、沢山の小さな球体。光が当たって煌めく様にはどこか懐かしいものを感じる。

「ビー玉……?」

 それはどこからどう見ても、ビー玉だった。
 困惑する蓮を余所に、花緑はにこにこと屈託ない笑みを浮かべ、

「蓮ちゃんのかわいーところ、見せてほしいっス♡」

 あざとく小首を傾げて、ベッドに腰掛けていた蓮に唇を寄せる。何に使うのか分からないビー玉に不安を煽られながら、蓮は口づけられたままゆっくりと押し倒されていった。


*****


「い、あっ……、ん……!」


 服を全て剥かれ、腰だけを高く上げた状態で、蓮は花緑から与えられる刺激を必死に耐えていた。

 細長い3本の指が、ローションを塗り込むようにアナルをじゅぷじゅぷと責め立てる。ばらばらに動かされるそれが時々しこりを掠り、その度に甘い嬌声が漏れてしまう。もっとそこを弄ってほしいとは思うが、恥ずかしくて声に出すことが出来ない。触られていないのに勃起している性器からはぽたぽたと先走りが零れ、シーツに小さなシミを作っていた。

「……蓮ちゃん、そろそろ限界っスか?」
「んんっ……♡ んなこと……いちいち、聞くなし……!」
「限界みたいっスね。耳まで赤くなってる蓮ちゃん、かーわいい」

 ちゅ、ちゅ、と背中や腰に落とされる接吻にすらぞくぞくと感じてしまう。まるで全身が性感帯になってしまったかのようだ。

 ちゅぱ、と後ろを弄めていた指が抜かれ、ほっと一息つく。この後に指よりも太く熱い物が挿入ってくるのかと思うと、無意識の内に胎の奥ががきゅんと疼いた。

「花緑……、焦らさないでよ……」
「焦らすつもりはないっスよ。お望み通り挿れてあげるっス」
「ん……。…………っふ!? な、何……?」

 てっきり花緑のペニスが挿入されるとばかり思っていた蓮は、全くもって異なる感触が後孔に侵入してきたことに目を見開いた。少しひんやりとした無機質で固い物が、次々と花緑の手によって挿れられていく。

「……ねえ、何だと思う? 当てるまで止めてあげないっスよー」
「ひぁっ、や……っ、ごつごつ、して、るっ……!!」
「んーと、これで8個目っスかね」

 かつり、とそれらが当たる音がして、蓮のとろけた思考の中でピースがぱちりと嵌まる。

「びっ……、びぃだま……、いれないでよぉ……っ」
「ん、正解っス。……じゃあ、ご褒美」
「う、ぁ、ああぁんっ♡♡」

 8個目のビー玉が、花緑の指と一緒にアナルの中に吸い込まれていく。既に中に挿れられているビー玉にこつんと当たり、連動してその刺激が奥へと伝わる。
 快感をどうにかして逃がそうとするも、逆に肉壁を締め付けてビー玉の形を感じてしまう悪循環。

「やだ、これやだぁ……っ♡ 花緑、取おねがい、取って……っ♡」
「俺がわざわざ取らなくても大丈夫っスよ」
「へ……?」
「ね、蓮ちゃん」


産んで?


 その、有無を言わせない声音と欲にはらんだ眼差しに、蓮は声もなく頷くことしか出来なかった。

 ──花緑を含め、本当に嫌がることはやめてくれる五つ子だが、以前、喧嘩の延長で『大嫌い』と言ってしまった時は散々な目にあった。
 媚薬を飲まされ後ろに塗りたくられ、玩具を身体中に張り付けた状態で一日放置される体験は、もう二度としたくない。

 花緑はそれこそ人懐っこいわんこのようだが、内に秘めたサディズムは相当なものなのだ。
 だからこそ、今の彼に逆らっても得にはならない。

「う……っ、ふぁ……ん……♡」
「力が入りきれてないっスよ。さっきからビー玉が見え隠れしてるっス」
「あ……、そんなこと言われても……っ」

 ベッドヘッドによりかかって座る花緑に、尻を向けて四つん這いの状態で跨がる蓮。至近距離で自分の恥部が見られていると思うと、顔から火が出るくらいに恥ずかしかった。

「少しだけ手伝ってあげるっス」
「え……、っんぁ♡」

 滑らかな尻を両手で掴まれ、ぐいっと左右に割り開かれる。

 そして。
 れろり、と。

 ぱんぱんに張った陰嚢の裏からひくつく後孔までを一気に舐め上げられた。

「んあああぁっ♡」

 突然の刺激に身体が跳ね、その衝撃でアナルからぽろりと1つ目のビー玉が零れ落ちた。

「あ、あぁ……やぁ、見んな……あっ♡」

 1つ出てしまえば、後は力が抜けきったそこから卵のようにぽろぽろと溢れてくる。
 まるで排泄をしているかのような感覚に、羞恥で目頭が熱くなっていく。

「可愛い……、すごく可愛いっスよ、蓮ちゃん……」

 恍惚とした花緑の声が聞こえ、あと1つ残っている状態で体勢を変えられる。
 アナルにぴたりと添えられる熱は、蓮が待ち望んでいたモノだ。だが、まだナカにビー玉が残っているのに挿れられるのか、と未知の感覚に身体が震えた。

「蓮ちゃん、大好きっスよ……」
「……ん、俺も、好きだよ。花緑」

 自分はもしかするとマゾヒズムの気があるかもしれないと考えながら、蓮は囁くように愛を紡いだ。


(可愛いからこそ弄めたくなるんスよ)
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