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「何か未練ある感じ?」

聞いてしまった。

俺がそう言うと結ちゃんは、はたとして、少し考えるような表情を見せた。

でも、ドラマとか、本とかでいくと、そういう展開って多いじゃん?なんか未練があって現世に残っちゃって・・・・・・ってやつ。

結ちゃんは、んーっと悩む声を上げて、ぽそっと呟いた。



「未練かぁ・・・よくわかんないけど、強いて言うなら『ただいま』とか?」

「・・・ただいま?」

「・・・・・・というか、そんなの、未練ばっかに決まってるじゃないですか。やりたい事もあったし、あんな形で終わりなんて・・・さ」



少し、彼女の口調が強まった。でも最後は尻すぼみになっていた。

それは、俺に対する嫉妬とか、そういうのもあったように感じる。

考えてみれば軽率な事を聞いちゃった。死んじゃった人に、生きている事を自慢するような。

結ちゃんだって、まだやりたい事だらけで、死にたくて死んだわけじゃないのに。無神経な事聞いたな・・・。



「・・・ごめん」

「・・・あ、いや私も・・・すいません」



俺が謝ると、ハッとして結ちゃんも謝ってきた。なんとなく気まずい。

でも、平気そうにしてるけど、結ちゃんも思うところは多いんだろうね、やっぱりさ。

その未練かもしれない『ただいま』、というのは俺にはよくわからない。でも、さっき言っていた「あんな形で」というのと関係あるのかな、なんて俺の勘。

俺、これでもサトリだからね、割と当たるんだよ!俺の勘!!伊達にサトリって呼ばれてないからね!!


~後書き~
先日はァ、連載をサボってしまいィ、申し訳ありませんでしたァァァ!!!
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