29 / 39
29
しおりを挟む
またまた中山side
掠めた、という表現が合ってるかは微妙なところだ・・・・・・でもまぁ、触れてないし。
結ちゃんの頬を触ろうとしたんだろう裂の手は、悲しくも空を切る。
ここで改めて言おう。どんなに結ちゃんが元気な子であっても、あの子は幽霊なのだ。触れるわけがない。
俺は見えるから、一度だけ試してみたことがある。でも無駄だった。今の裂と同じように、空を切る・・・というか、彼女を突き抜けてしまうのだ。
『・・・・・・うおぅ』
『やっぱ中山さんでもダメかぁ・・・残念だなぁ』
そう言って笑う割に寂しそうに俺の手を見ていた結ちゃんの顔は、なんとなく忘れられなくて。
裂は空を切った自分の手を不思議そうに見て、グーパーと動かす。
そんな無邪気というか、純粋に分からないと言うような裂の様子が切なすぎて。俺は意味もなく下唇を噛んだ。
でも、そんな俺の思いに反して裂は納得したように「そっか、夢だもんなぁ・・・・・・」と言う。どうやらこれが夢か何かだと思い込んでいるらしい。
・・・・・・これが本当に夢だったのなら、どんなに楽だっただろう。
掠めた、という表現が合ってるかは微妙なところだ・・・・・・でもまぁ、触れてないし。
結ちゃんの頬を触ろうとしたんだろう裂の手は、悲しくも空を切る。
ここで改めて言おう。どんなに結ちゃんが元気な子であっても、あの子は幽霊なのだ。触れるわけがない。
俺は見えるから、一度だけ試してみたことがある。でも無駄だった。今の裂と同じように、空を切る・・・というか、彼女を突き抜けてしまうのだ。
『・・・・・・うおぅ』
『やっぱ中山さんでもダメかぁ・・・残念だなぁ』
そう言って笑う割に寂しそうに俺の手を見ていた結ちゃんの顔は、なんとなく忘れられなくて。
裂は空を切った自分の手を不思議そうに見て、グーパーと動かす。
そんな無邪気というか、純粋に分からないと言うような裂の様子が切なすぎて。俺は意味もなく下唇を噛んだ。
でも、そんな俺の思いに反して裂は納得したように「そっか、夢だもんなぁ・・・・・・」と言う。どうやらこれが夢か何かだと思い込んでいるらしい。
・・・・・・これが本当に夢だったのなら、どんなに楽だっただろう。
0
あなたにおすすめの小説
二年間の花嫁
柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。
公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。
二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。
それでも構わなかった。
たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。
けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。
この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。
彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。
期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。
――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件
さこの
恋愛
好きな人ができたんだ。
婚約者であるフェリクスが切々と語ってくる。
でもどうすれば振り向いてくれるか分からないんだ。なぜかいつも相談を受ける
プレゼントを渡したいんだ。
それならばこちらはいかがですか?王都で流行っていますよ?
甘いものが好きらしいんだよ
それならば次回のお茶会で、こちらのスイーツをお出ししましょう。
運命の番より真実の愛が欲しい
サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。
ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。
しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。
運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。
それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
盲目公爵の過保護な溺愛
クマ三郎@書籍&コミカライズ3作配信中
恋愛
伯爵家の長女として生まれたミレーヌ。平凡な容姿に生まれた彼女は、美しい妹エミリアと常に比べられ、実の両親から冷遇されて育った。
パーティーでは家族の輪に入れて貰えず、いてもいなくてもいい存在。
そんな現実から逃れようと逃げ出した先で、ミレーヌは美しい容姿をした目の不自由な男性と出会うが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる