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第二章
vs.恋人Ⅵ
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「あらら、随分と手こずったようですね」
公園から少し離れた場所に、彼女は居た。
「別に、そんなことはない」
弘は先ほど水面へと身を投じており、であれば当然全身はびしょ濡れであった。
「スマホとアルカナが防水で助かった」
そういう彼に、彼女は純白のタオルを横した。
「使ってください」
「準備がいいな」
訝しむ弘に、彼女は 微笑んだ。
「念のため、持ってきていました」
「そうか」
ふと、柔らかい風が彼女の外ハネが特徴的なソフトグレーの髪が靡かせ、思わず弘が見とれた。
「どうか、しましたか?」
「――いや」
すぐに目をそらした弘を、むしろ彼女は不審に思ったらしい。
だがそれ以上の言及はしてこないらしく、彼女は「そうですか」とその話題を途切れさせた。
「そういえば」と弘、「どうして、お前は向こうに行かなくて済んだんだ?」
「簡単な話です」と彼女、「要するに、指輪を持ってこなければいいのです」
少女の会話から察するに、彼女もオーナー、そういう事らしい。
第二オーナー、それが彼女の正体であった。
「いいのか、それは」
「今回に限っては大丈夫です」と彼女、「二人もいれば、流石に大丈夫だと、そう信じていたに過ぎません」
けれど弘はかぶりを振った。
「そうじゃない、おまえはまだ一枚らしいけど、回収はしなくてよかったのかって」
すると彼女は弘から視線を外し、くるりと踵を返すと、おもむろに空を見上げた。
それは、相変わらずの快晴であった。
「そうですね、これまではそうでした」と彼女、「けれど四人目が出た以上は私も動かなくてはなりません」
「四人目は、誰だ」
しかし彼女は再び弘に向き直ると、かぶりを振った。
「わかりません。ですから、紅葉君に、接触をお願いしたいのです」
「随分と無茶を言うな」と弘、「俺にはそれを見つけることはきっと難しいぞ」
けれど彼女は否定の代わりに微笑んでみせた。すると弘も、咄嗟に斜め下に目線を沈めた。
「結局はオーナーです」と彼女、「なら、何れきっと会えます」
「それも、そうだな」
改めて弘が彼女に目線をやると、彼女は不意に、先ほどの真面目くさった雰囲気からいつもの感じに戻っていた。
「ところで、菜奈花ちゃんとは、進展はありまあしたか?」
彼女のその瞳の奥は柔らかいものであったが、けれどあたかも誂うような表情を見せていた。
「特に」
「けれど、庇って水に落ちたんでしょう?」
「それは、そうだが」
とはいえ、あれは菜奈花だけであったら重症案件、或いは最悪それ以上であり、となればむしろ庇わない方がどうかしている、と弘は考えていた。
「でしたら、きっと進んでいると思いますよ」
けれど彼女はそうでもないらしく、語尾に音符がつく程には弾んでいたように思えた。
「お前的には、それでいいのか?」
「確かに、菜奈花ちゃんは可愛いですから、紅葉君のモノになるのは惜しい、そういう思考が無いといえば嘘になりますね」
その言葉には僅かな沈みがあり、であればきっと真意なのだろう。
「けれど、菜奈花ちゃんが、紅葉君が望むのなら、それは間違いなく私にもいいことのはずです」
「望むのなら、な」
中学に上がってから間もないような人が、こんな会話をするというのはどこか可笑しいようにも思えなくもないが、けれど彼女からはやっぱりそれが真意だと言わんばかりの強い、けれど優しい意思が感じられた。
「損な生き方だな」
皮肉に聞こえたかもしれない呟きは、けれど本人は自覚してないらしく、すぐに「そんなことありません」と否定を顕にしてきた。
「私は一歩引いて見ているのが性に合ってる、ただそういうことです」
「すごいな」
(それを損じゃないと言い切れる性分が)
二人は、それっきりでその会話を終え、そうしてしばしの沈黙が流れた。
タオルで髪や顔などを拭くが、やはりびっしりと肌に張り付いてきていて、気持ちが悪いらしく、弘は顔を顰めた。
春とは言え、そこまで高くない程よい気温に油断することなく、弘の服装は長袖であったが、それが返って仇になったらしい。
(水中でアルカナを戻さなければ良かったか――)
そんなことを考えるも、結局は後の祭りでしかない。
そもそもそれで戻ってきたとして、その異様な様相をどう説明すればいいのかが分からず、ならば結局そうする他には弘には何も思いつかないでいたのも事実であった。
そんな弘を見守るように眺め続けていた彼女が、ふと口を開いた。
「迎えは用意していますから、どうぞお乗りください」
「――助かる」
実を言うと、ここに来たのも彼女の車であり、であればそうなるとは分かってはいた。
だからこそ、どうにか早く服が乾いて欲しいとも思うのだが、けれどそこまで甘くはない。
躊躇いがちに返事を返した弘を見透かしたらしく、彼女微笑んだ。
「大丈夫です、すぐ乾きますから」
「どういう事だ?」
彼女がそう言って手を前にかざすと、弘の足元にとある文様が浮かび上がった。
「これって――」
文様はゆっくりと回転しており、まるで立体映像を思わせるものであったが、足元にある以上そうでないことぐらいとっくにわかっていた。
そうして文様が光り輝き、弘は咄嗟に目を覆った。微かに暖かい感覚が弘の全身を襲った。
光が止めば、先程までのベタつきが嘘のように消えていた。
――足元の文様も、消えていた。
「何を、した?」
「紅葉君を弱い熱で覆いながら、水分を外の一点へと吸収させました」
そうして彼女が指をさす弘の足元のには、先程よりも多い水が滴った後らしく、その地面が先程よりもぬかるんでいた。
一方の弘には、先ほどまでのべたべた感はなく、代わりに乾燥機を回したあとの独特の匂いのようなものが漂っていた。
「そんな事、どうやってやったんだ」
「分かることを態々言うのも、あまり好きませんから」
彼女は答える気は無いらしく、それは弘に、察しろと言わんばかりであった。
「さ、車はこっちにありますよ」
そう言って、彼女は踵を返してしまった。
弘は納得の行かないような、けれどどこか微かに納得してしまったような表情でゆっくりと、距離を取るようについていった。
(今のはやっぱり――)
けれどそれ以上の思考を放棄すべく、かぶりを振ると、あとはその事については暫く忘れるように務めることにしたらしく、真っ直ぐ彼女の背中だけを追いかけた。
タオルを握る右手に思わず力が入っていたことさえ、弘自身は自覚していなかった。
公園から少し離れた場所に、彼女は居た。
「別に、そんなことはない」
弘は先ほど水面へと身を投じており、であれば当然全身はびしょ濡れであった。
「スマホとアルカナが防水で助かった」
そういう彼に、彼女は純白のタオルを横した。
「使ってください」
「準備がいいな」
訝しむ弘に、彼女は 微笑んだ。
「念のため、持ってきていました」
「そうか」
ふと、柔らかい風が彼女の外ハネが特徴的なソフトグレーの髪が靡かせ、思わず弘が見とれた。
「どうか、しましたか?」
「――いや」
すぐに目をそらした弘を、むしろ彼女は不審に思ったらしい。
だがそれ以上の言及はしてこないらしく、彼女は「そうですか」とその話題を途切れさせた。
「そういえば」と弘、「どうして、お前は向こうに行かなくて済んだんだ?」
「簡単な話です」と彼女、「要するに、指輪を持ってこなければいいのです」
少女の会話から察するに、彼女もオーナー、そういう事らしい。
第二オーナー、それが彼女の正体であった。
「いいのか、それは」
「今回に限っては大丈夫です」と彼女、「二人もいれば、流石に大丈夫だと、そう信じていたに過ぎません」
けれど弘はかぶりを振った。
「そうじゃない、おまえはまだ一枚らしいけど、回収はしなくてよかったのかって」
すると彼女は弘から視線を外し、くるりと踵を返すと、おもむろに空を見上げた。
それは、相変わらずの快晴であった。
「そうですね、これまではそうでした」と彼女、「けれど四人目が出た以上は私も動かなくてはなりません」
「四人目は、誰だ」
しかし彼女は再び弘に向き直ると、かぶりを振った。
「わかりません。ですから、紅葉君に、接触をお願いしたいのです」
「随分と無茶を言うな」と弘、「俺にはそれを見つけることはきっと難しいぞ」
けれど彼女は否定の代わりに微笑んでみせた。すると弘も、咄嗟に斜め下に目線を沈めた。
「結局はオーナーです」と彼女、「なら、何れきっと会えます」
「それも、そうだな」
改めて弘が彼女に目線をやると、彼女は不意に、先ほどの真面目くさった雰囲気からいつもの感じに戻っていた。
「ところで、菜奈花ちゃんとは、進展はありまあしたか?」
彼女のその瞳の奥は柔らかいものであったが、けれどあたかも誂うような表情を見せていた。
「特に」
「けれど、庇って水に落ちたんでしょう?」
「それは、そうだが」
とはいえ、あれは菜奈花だけであったら重症案件、或いは最悪それ以上であり、となればむしろ庇わない方がどうかしている、と弘は考えていた。
「でしたら、きっと進んでいると思いますよ」
けれど彼女はそうでもないらしく、語尾に音符がつく程には弾んでいたように思えた。
「お前的には、それでいいのか?」
「確かに、菜奈花ちゃんは可愛いですから、紅葉君のモノになるのは惜しい、そういう思考が無いといえば嘘になりますね」
その言葉には僅かな沈みがあり、であればきっと真意なのだろう。
「けれど、菜奈花ちゃんが、紅葉君が望むのなら、それは間違いなく私にもいいことのはずです」
「望むのなら、な」
中学に上がってから間もないような人が、こんな会話をするというのはどこか可笑しいようにも思えなくもないが、けれど彼女からはやっぱりそれが真意だと言わんばかりの強い、けれど優しい意思が感じられた。
「損な生き方だな」
皮肉に聞こえたかもしれない呟きは、けれど本人は自覚してないらしく、すぐに「そんなことありません」と否定を顕にしてきた。
「私は一歩引いて見ているのが性に合ってる、ただそういうことです」
「すごいな」
(それを損じゃないと言い切れる性分が)
二人は、それっきりでその会話を終え、そうしてしばしの沈黙が流れた。
タオルで髪や顔などを拭くが、やはりびっしりと肌に張り付いてきていて、気持ちが悪いらしく、弘は顔を顰めた。
春とは言え、そこまで高くない程よい気温に油断することなく、弘の服装は長袖であったが、それが返って仇になったらしい。
(水中でアルカナを戻さなければ良かったか――)
そんなことを考えるも、結局は後の祭りでしかない。
そもそもそれで戻ってきたとして、その異様な様相をどう説明すればいいのかが分からず、ならば結局そうする他には弘には何も思いつかないでいたのも事実であった。
そんな弘を見守るように眺め続けていた彼女が、ふと口を開いた。
「迎えは用意していますから、どうぞお乗りください」
「――助かる」
実を言うと、ここに来たのも彼女の車であり、であればそうなるとは分かってはいた。
だからこそ、どうにか早く服が乾いて欲しいとも思うのだが、けれどそこまで甘くはない。
躊躇いがちに返事を返した弘を見透かしたらしく、彼女微笑んだ。
「大丈夫です、すぐ乾きますから」
「どういう事だ?」
彼女がそう言って手を前にかざすと、弘の足元にとある文様が浮かび上がった。
「これって――」
文様はゆっくりと回転しており、まるで立体映像を思わせるものであったが、足元にある以上そうでないことぐらいとっくにわかっていた。
そうして文様が光り輝き、弘は咄嗟に目を覆った。微かに暖かい感覚が弘の全身を襲った。
光が止めば、先程までのベタつきが嘘のように消えていた。
――足元の文様も、消えていた。
「何を、した?」
「紅葉君を弱い熱で覆いながら、水分を外の一点へと吸収させました」
そうして彼女が指をさす弘の足元のには、先程よりも多い水が滴った後らしく、その地面が先程よりもぬかるんでいた。
一方の弘には、先ほどまでのべたべた感はなく、代わりに乾燥機を回したあとの独特の匂いのようなものが漂っていた。
「そんな事、どうやってやったんだ」
「分かることを態々言うのも、あまり好きませんから」
彼女は答える気は無いらしく、それは弘に、察しろと言わんばかりであった。
「さ、車はこっちにありますよ」
そう言って、彼女は踵を返してしまった。
弘は納得の行かないような、けれどどこか微かに納得してしまったような表情でゆっくりと、距離を取るようについていった。
(今のはやっぱり――)
けれどそれ以上の思考を放棄すべく、かぶりを振ると、あとはその事については暫く忘れるように務めることにしたらしく、真っ直ぐ彼女の背中だけを追いかけた。
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