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第一章
―Multiple Indications―
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菜奈花は朝は苦手だ。
毎朝目覚ましのベルを自分で止め、二度寝するまでがデフォルトであった。
が、今日はそうもいかなかった。
リリリと鳴り響く金属音に堪らずルニが止めろと菜奈花を叩き起こしたのである。
で、そういう出来事もあり、菜奈花は皮肉なことに二日連続の早起きの成功、という事になった。
「おはよう」
「おはようございます」
菜奈花が挨拶を投げながら入った教室からは、香穂の聴き慣れた何時もの挨拶が帰ってきた。
「昨日は付き合ってくれてありがと」
自分の座席に着き、学校指定の赤い手持ちレザーバッグを、机の右のフックにかけながら、菜奈花はそういった。
「いえ、私こそ昨日は楽しかったです」
「そういえば――」
言おうとして、菜奈花はその言葉の続きをやめた。
折角昨日わざわざ誤魔化した内容を、なぜぶり返す必要があるのか、と。
「そういえば?」
「き、昨日買った本なんだけどね、やっぱりすっごく面白かったの!」
結局会話は、苦し紛れにも昨日買った漫画の話にシフトした。
「まぁ」
「帰ってね、夕御飯食べた後、気になって気になって……。一気に読んじゃったの」
先ほどの苦し紛れな様相はどこへやら、といった様子で明るく喋る菜奈花に、香穂の表情も釣られて明るいものになっていた。
「確かにあの幕引きでしたもの、私も気になっていましたし」
「そう言うと思って、持ってきたんだ」
そういうと菜奈花は、昨日の書店の紙袋をバッグから取り出して、香穂の机の上に置いた。
今の菜奈花の体制は、ナチュラルに何時もの、座席を九十度右に旋回して香穂の正面を向いている状態である。
「まぁ、ありがとうございます。私も今日中に読んじゃいますね」
「うん」
そう言うと香穂はその紙袋を自分のバッグにしまった。ちなみに、香穂の、学校指定のレザーバッグは白。
さらに言うと、中学校であるのだから、当然漫画の持ち込みはNGである。
ましてや読むなど言語道断である。
本来慣れるまでの数週間は、大抵の子が大人しく校則を守るのに対して、菜奈花は割と平然にそういうことをやらかしていたりする。
つまり、菜奈花のカバンの中には、持ち込みNGのスマートフォンもキッチリ入っているのだ。
「ところで」と香穂、「部活動、菜奈花ちゃんはどうするのです?」
「そうだなぁ」と菜奈花、「考えたんだけど、テニス部にしようかなって。果穂ちゃんは吹奏楽?」
「えぇ、クラブでもやってましたから」
「香穂ちゃんの引くビオラ、私好きなんだよねぇ」
香穂は、小学生時代から楽器を習っていたという。
弾けるのはピアノとビオラ。
最も、吹奏楽に弦楽器はない場合も多く、ましてやビオラは弦楽器の中でも割とマイナーな方である。
「ありがとうございます」と香穂、「けれどピアノなどになる可能性もあるのですよね」
香穂もそのことは理解しているらしく、ともすれば楽器の変更も視野に入れているらしく、右の人指し指を顎に当てて首を僅かに左に傾けた。
「そっかぁ」
「もしくは、新しい楽器をやるかも」
「そうなったら頑張らないと、だね」
「ええ」
香穂がそう頷くと、見計らったように朝の予鈴が鳴り響いた。
最も、教師がやってきたのは本鈴のその二分ほど後だった。
それまでの間教室内は喧騒に溢れており、しかし菜奈花と香穂も当然、その喧騒の中の一つであった。
菜奈花が異変を感じたのは、予鈴のすぐ後だった。
「え――?」
感じたのは、昨日モールの屋上から感じたのと同じ気配。
けれど今日は違った。
「どうしました?」
香穂の問いかけに直ぐには答えられないほど、昨日よりも鮮明にその気配を感じ取ったのである。
(近い――)
「――また、変な気配がするんですか?」
「うん……」
その答えは半ば条件反射的なものであった。
「けれど、もう予鈴はなってしまいましたし……」
「うん……」
昨晩、この気配の事、駐車場での出来事を菜奈花はルニに話していた。
ルニ曰く、「それは間違いなくアルカナだね」と。
しかしさらにルニは、「けれど車が二つに?」と疑問を口にした後、唸り始めてしまった。
そうしてしばらくした後、
「心当たりはあるにはある」とルニが言ったあとで、「もし私の予想が当たっているのなら、これはラッキーね」
と続けた。
「もし私の予想が当たっているのなら、そのアルカナはナンバー一、『魔術師』」
「マジシャン?――って、あのトランプとかコイン消したりする?」
菜奈花の返しに、しかしルニは意外なことに、「近いっちゃあ近いかな」とさらに続けた。
「漢字だと魔術師、なんて銘打っているけど、その実近いのは奇術師とか、手品師の方だと思う」
「へぇ」
「『魔術師』の意味は起源とか、可能性とか……創造とか」
「イメージ?」
しかしルニは首を横に振った。
「――いいえ、クリエイトの方」
「けど私、行ってくる!」
ほんのわずかな時間、思考を巡らせた次の瞬間、菜奈花は気が付けば駆け出していた。
「ごめん、適当にごまかしといて!」と菜奈花、「すぐ戻るから!」
そう言い終わる頃には、菜奈花は教室から既に半分出かかっている所であった。
「えぇ、いってらっしゃい。菜奈花ちゃん」
しかし香穂はその背中をただ、微笑みと共に見送るだけであった。
菜奈花の教室は一階にある。
一階が一年生のフロアで、学園が上がるたびに階も同じく上がる。
北校舎と南校舎とで分かれており、後者が教室、前者が特別教室となっており、それぞれを二階の渡り廊下で繋ぐ、というのが構造である。
(気配は、上から!)
菜奈花は後者中央の階段を一弾飛ばしで駆け上がり、迷うことなく気配のする方向へと走っていた。
上の階の喧騒すら気にせず、ただその場所を目指して。
一回目の踊り場を過ぎると、あっという間に二階に。そうしてまた二階を過ぎるとあっという間に二回目の踊り場に。そうやって足を休めることなく三階へ着いたとき、初めて理解した。
(この上――)
気配の場所は、屋上だ。
三階を抜け、三度目の踊り場を過ぎたとき、初めてその光景を目の当たりにした。
踊り場の先には、行く末を遮るように、机が山積みにされていた。
「そんな……」
確かに気配はこの先から感じられる。
「こうなったら……」
菜奈花が机に手を触れ、どかそうとした時、丁度本鈴が鳴り響いた。
電子音の鐘の音に、しかし菜奈花は意にも返さずにその机をどかし始めた。
どかす、といっても通れる道を開けるだけに過ぎない。
二つ木面を重ねるようにして積まれた机、その上に無造作に乗っている机をどかし、経路を取れればそれでいいのである。
ようやく一つ目の机をどかし終えた後、菜奈花はどかした机の合った場所、重ねられた二面の木面のうちの上の裏、そこに足を乗せ、ぐらつくのを無視して次の机の同じ面に、細い線をたどるようにして渡りに行った。
何分かかっただろうか、すっかり下からの喧騒も消え失せた頃、ようやく菜奈花はその険しすぎる登山を終え、ついに屋上への扉の前まで来ていた。
「とは言っても、鍵はかかっているよね」
意を決してその先の押戸のノブを回した。
――キィ。
菜奈花の予想とは反して、嫌な金属音を鳴らして、そのノブは軽く回った。
「嘘……」
重い扉を体当りするように押すと、不透明な型板ガラスで見えなかったその先が、顕になった。
「な――」
扉の奥には、確かに気配の正体がいた。
けれど菜奈花が絶句したのは、彼だけに対してではなかった。
つまるところ、彼の周りには、正真正銘山が出来上がっていたのである。
「これ、全部……」
机。菜奈花が先程まで格闘していた、菜奈花も使っている、学校の机。
それが文字通り山のように、彼――左側が白、右側が黒のツートンカラーのローブに、先端が金色の巻き髪に帽子、側面から二つの金の輪っかが垂れ下がった異様なそれをかぶっており、の上に佇んでいるのである。
「あんたが『魔術師』のアルカナね」
彼は菜奈花を見据えて、頷いた。
「やっぱり」と菜奈花、「悪いけどここで退場してもらうわよ」
『魔術師』は微笑んだ。
「ルニ、来て!」
ブレザーの右ポケットに入れてあった指輪を直ぐにはめ、その名を呼んだ。
刹那、菜奈花の目の前に魔法陣が浮かび上がり、そこの上にルニが現れた。
しかし菜奈花はそんな事には気にもせず、真っ直ぐ『魔術師』を見据えていた。
「呼ばれておいでまし!ルニちゃんだぞぉ?」
「バカなこと言ってないで」と菜奈花、「あれは『魔術師』で間違いない?」
ルニは頷いた。
「ええ、間違いない。けれど――」
ルニは、この異変に気がついたらしい。
菜奈花が気づいていない、ある異変に。
「けれど、何?」
「菜奈花、私は説明したよね」とルニ、「アルカナと対峙すれば結界が張られるって」
「うん」
と、ここで菜奈花がハッとした。
あたりを見渡してから、そんな事ないと、ルニに訪ねた。
「今、その結界って……」
ルニはゆっくりと、『魔術師』であるはずの彼を見据えて、言った。
「――無い」
毎朝目覚ましのベルを自分で止め、二度寝するまでがデフォルトであった。
が、今日はそうもいかなかった。
リリリと鳴り響く金属音に堪らずルニが止めろと菜奈花を叩き起こしたのである。
で、そういう出来事もあり、菜奈花は皮肉なことに二日連続の早起きの成功、という事になった。
「おはよう」
「おはようございます」
菜奈花が挨拶を投げながら入った教室からは、香穂の聴き慣れた何時もの挨拶が帰ってきた。
「昨日は付き合ってくれてありがと」
自分の座席に着き、学校指定の赤い手持ちレザーバッグを、机の右のフックにかけながら、菜奈花はそういった。
「いえ、私こそ昨日は楽しかったです」
「そういえば――」
言おうとして、菜奈花はその言葉の続きをやめた。
折角昨日わざわざ誤魔化した内容を、なぜぶり返す必要があるのか、と。
「そういえば?」
「き、昨日買った本なんだけどね、やっぱりすっごく面白かったの!」
結局会話は、苦し紛れにも昨日買った漫画の話にシフトした。
「まぁ」
「帰ってね、夕御飯食べた後、気になって気になって……。一気に読んじゃったの」
先ほどの苦し紛れな様相はどこへやら、といった様子で明るく喋る菜奈花に、香穂の表情も釣られて明るいものになっていた。
「確かにあの幕引きでしたもの、私も気になっていましたし」
「そう言うと思って、持ってきたんだ」
そういうと菜奈花は、昨日の書店の紙袋をバッグから取り出して、香穂の机の上に置いた。
今の菜奈花の体制は、ナチュラルに何時もの、座席を九十度右に旋回して香穂の正面を向いている状態である。
「まぁ、ありがとうございます。私も今日中に読んじゃいますね」
「うん」
そう言うと香穂はその紙袋を自分のバッグにしまった。ちなみに、香穂の、学校指定のレザーバッグは白。
さらに言うと、中学校であるのだから、当然漫画の持ち込みはNGである。
ましてや読むなど言語道断である。
本来慣れるまでの数週間は、大抵の子が大人しく校則を守るのに対して、菜奈花は割と平然にそういうことをやらかしていたりする。
つまり、菜奈花のカバンの中には、持ち込みNGのスマートフォンもキッチリ入っているのだ。
「ところで」と香穂、「部活動、菜奈花ちゃんはどうするのです?」
「そうだなぁ」と菜奈花、「考えたんだけど、テニス部にしようかなって。果穂ちゃんは吹奏楽?」
「えぇ、クラブでもやってましたから」
「香穂ちゃんの引くビオラ、私好きなんだよねぇ」
香穂は、小学生時代から楽器を習っていたという。
弾けるのはピアノとビオラ。
最も、吹奏楽に弦楽器はない場合も多く、ましてやビオラは弦楽器の中でも割とマイナーな方である。
「ありがとうございます」と香穂、「けれどピアノなどになる可能性もあるのですよね」
香穂もそのことは理解しているらしく、ともすれば楽器の変更も視野に入れているらしく、右の人指し指を顎に当てて首を僅かに左に傾けた。
「そっかぁ」
「もしくは、新しい楽器をやるかも」
「そうなったら頑張らないと、だね」
「ええ」
香穂がそう頷くと、見計らったように朝の予鈴が鳴り響いた。
最も、教師がやってきたのは本鈴のその二分ほど後だった。
それまでの間教室内は喧騒に溢れており、しかし菜奈花と香穂も当然、その喧騒の中の一つであった。
菜奈花が異変を感じたのは、予鈴のすぐ後だった。
「え――?」
感じたのは、昨日モールの屋上から感じたのと同じ気配。
けれど今日は違った。
「どうしました?」
香穂の問いかけに直ぐには答えられないほど、昨日よりも鮮明にその気配を感じ取ったのである。
(近い――)
「――また、変な気配がするんですか?」
「うん……」
その答えは半ば条件反射的なものであった。
「けれど、もう予鈴はなってしまいましたし……」
「うん……」
昨晩、この気配の事、駐車場での出来事を菜奈花はルニに話していた。
ルニ曰く、「それは間違いなくアルカナだね」と。
しかしさらにルニは、「けれど車が二つに?」と疑問を口にした後、唸り始めてしまった。
そうしてしばらくした後、
「心当たりはあるにはある」とルニが言ったあとで、「もし私の予想が当たっているのなら、これはラッキーね」
と続けた。
「もし私の予想が当たっているのなら、そのアルカナはナンバー一、『魔術師』」
「マジシャン?――って、あのトランプとかコイン消したりする?」
菜奈花の返しに、しかしルニは意外なことに、「近いっちゃあ近いかな」とさらに続けた。
「漢字だと魔術師、なんて銘打っているけど、その実近いのは奇術師とか、手品師の方だと思う」
「へぇ」
「『魔術師』の意味は起源とか、可能性とか……創造とか」
「イメージ?」
しかしルニは首を横に振った。
「――いいえ、クリエイトの方」
「けど私、行ってくる!」
ほんのわずかな時間、思考を巡らせた次の瞬間、菜奈花は気が付けば駆け出していた。
「ごめん、適当にごまかしといて!」と菜奈花、「すぐ戻るから!」
そう言い終わる頃には、菜奈花は教室から既に半分出かかっている所であった。
「えぇ、いってらっしゃい。菜奈花ちゃん」
しかし香穂はその背中をただ、微笑みと共に見送るだけであった。
菜奈花の教室は一階にある。
一階が一年生のフロアで、学園が上がるたびに階も同じく上がる。
北校舎と南校舎とで分かれており、後者が教室、前者が特別教室となっており、それぞれを二階の渡り廊下で繋ぐ、というのが構造である。
(気配は、上から!)
菜奈花は後者中央の階段を一弾飛ばしで駆け上がり、迷うことなく気配のする方向へと走っていた。
上の階の喧騒すら気にせず、ただその場所を目指して。
一回目の踊り場を過ぎると、あっという間に二階に。そうしてまた二階を過ぎるとあっという間に二回目の踊り場に。そうやって足を休めることなく三階へ着いたとき、初めて理解した。
(この上――)
気配の場所は、屋上だ。
三階を抜け、三度目の踊り場を過ぎたとき、初めてその光景を目の当たりにした。
踊り場の先には、行く末を遮るように、机が山積みにされていた。
「そんな……」
確かに気配はこの先から感じられる。
「こうなったら……」
菜奈花が机に手を触れ、どかそうとした時、丁度本鈴が鳴り響いた。
電子音の鐘の音に、しかし菜奈花は意にも返さずにその机をどかし始めた。
どかす、といっても通れる道を開けるだけに過ぎない。
二つ木面を重ねるようにして積まれた机、その上に無造作に乗っている机をどかし、経路を取れればそれでいいのである。
ようやく一つ目の机をどかし終えた後、菜奈花はどかした机の合った場所、重ねられた二面の木面のうちの上の裏、そこに足を乗せ、ぐらつくのを無視して次の机の同じ面に、細い線をたどるようにして渡りに行った。
何分かかっただろうか、すっかり下からの喧騒も消え失せた頃、ようやく菜奈花はその険しすぎる登山を終え、ついに屋上への扉の前まで来ていた。
「とは言っても、鍵はかかっているよね」
意を決してその先の押戸のノブを回した。
――キィ。
菜奈花の予想とは反して、嫌な金属音を鳴らして、そのノブは軽く回った。
「嘘……」
重い扉を体当りするように押すと、不透明な型板ガラスで見えなかったその先が、顕になった。
「な――」
扉の奥には、確かに気配の正体がいた。
けれど菜奈花が絶句したのは、彼だけに対してではなかった。
つまるところ、彼の周りには、正真正銘山が出来上がっていたのである。
「これ、全部……」
机。菜奈花が先程まで格闘していた、菜奈花も使っている、学校の机。
それが文字通り山のように、彼――左側が白、右側が黒のツートンカラーのローブに、先端が金色の巻き髪に帽子、側面から二つの金の輪っかが垂れ下がった異様なそれをかぶっており、の上に佇んでいるのである。
「あんたが『魔術師』のアルカナね」
彼は菜奈花を見据えて、頷いた。
「やっぱり」と菜奈花、「悪いけどここで退場してもらうわよ」
『魔術師』は微笑んだ。
「ルニ、来て!」
ブレザーの右ポケットに入れてあった指輪を直ぐにはめ、その名を呼んだ。
刹那、菜奈花の目の前に魔法陣が浮かび上がり、そこの上にルニが現れた。
しかし菜奈花はそんな事には気にもせず、真っ直ぐ『魔術師』を見据えていた。
「呼ばれておいでまし!ルニちゃんだぞぉ?」
「バカなこと言ってないで」と菜奈花、「あれは『魔術師』で間違いない?」
ルニは頷いた。
「ええ、間違いない。けれど――」
ルニは、この異変に気がついたらしい。
菜奈花が気づいていない、ある異変に。
「けれど、何?」
「菜奈花、私は説明したよね」とルニ、「アルカナと対峙すれば結界が張られるって」
「うん」
と、ここで菜奈花がハッとした。
あたりを見渡してから、そんな事ないと、ルニに訪ねた。
「今、その結界って……」
ルニはゆっくりと、『魔術師』であるはずの彼を見据えて、言った。
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