18 / 70
第一章
―Multiple Indications.7―
しおりを挟む
「それで、どうしよっか」
菜奈花が漸くおちついてルニと話をしたのは、実に八時過ぎである。
叔母さんの帰りが遅く、料理をしながら幾つか話し合ってはいるものの、あまりいい案は出なかった。
そうして食事を終えた後、菜奈花はお風呂に入り、今に至るわけである。
菜奈花は自室でドライヤーをかけ追え、白のクッションに腰掛けていた。
「って言っても、行ってみないことにはなんとも……」
「だよねぇ」
こんなやりとりはもう何回かやっている。
菜奈花はまた手持ちカバンの中から国語のプリントを取り出し、筆箱からシャープペンシルを取り出した。そうして指でクルリと器用に回し始めた。
「あ、そうだ」と何かを閃いた菜奈花は、「あの小アルカナ使うのは?」と提案した。
手持ちの小アルカナは、五枚。何れも『ソード』列の『エース』、『ペイジ』、『ナイト』、『クイーン』、『キング』。
菜奈花はそれらの具体的な効果は知らないらしく、ルニは「無理」と言い切った。
「どうして?」
「厳密には無理じゃないかもしれないよ?」とルニ、「けど『正義』を使ったほうがよっぽど効果的だもん」
そう言われると菜奈花は「そっか」と肩をすくめるが、「じゃあさ」と切り出した。
「せめて、効果くらい教えてよ、ね?」
ルニは「それもそっか」と納得したらしく、『正義』を浮かせ、そうして輝きだしたそれから五枚の小アルカナを出して見せた。
「まず、『ソード』の『エース』。これは、突風」
そうしてそのまま、『ソード』の『エース』をルニの顔の前まで動かした。
「突風?」
菜奈花が聞き返すと、ルニは頷いて、続けた。
「そ、突風を作り出すの」
そう言うとルニは、続いて『ソード』の『ペイジ』を同じようにして動かした。
「で、これは監視」
そう言われると菜奈花は怪訝な顔をして、「何に使うの?それ」と訪ねた。
聞かれるとルニは手を横にやって、極めて涼しい顔で言った。
「さあ、気になるあの子の覗き……とか?」
「ストーキングじゃない、それ!」
しかしルニは平然とした様子で、同じように『ソード』の『ナイト』を動き呼び寄せた。
「これは暴風」
「突風と何が違うのよ」
するとルニは「ふふん」、と得意げになって腕を組んだ。
ルニは現在、菜奈花の勉強机の上に、足を組んで腰掛けている様である。
「暴風っていうくらいだからね」とルニ、「風が拳になって襲いかかるわけ!」
しかし菜奈花は、「あっそ……」と嘆息し、続きを促した。
「むぅ、冷たいなぁ、もう」
ぼやくルニだが、仕方なく、次の『ソード』の『クイーン』を呼び寄せた。
「これは簡単、鎌鼬ね」
「って、妖怪の?」
ルニもまた嘆息すると、「どうして、そういう知識はやたらと豊富なのかな……」と呟きながら、
「切りつける風、ってとこ」
「うん、まあ知ってた」
平然とルニを手玉に取る菜奈花に、ルニは眉をピクリと動かすと、怒りの色を示しながら説明をぶっきらぼうに続けた。
「最後、『キング』」
呼び寄せたそれを見せながら、ルニは説明を続けた。
「これは鷲を呼び出すの」
「呼び出してどうするの」
しかしルニはそっぽを向いて、
「んなもん知るかっての」
と言い放った。
「なぁんで、ルニは怒ってるわけ?」
「人をからかうからでしょ」
「説明だけ聞いててもつまんないもん」
ルニは、「だから実践でやらせたんじゃん」とぼやいた。
菜奈花は苦笑いを浮かべると、「ごめんごめん」とルニに続きを促した。
そうされるとルニは嘆息し、「仕方ない……」と呟いてから、改めて説明を加えた。
「ただの鷲じゃないよ。風を操る鷲」
菜奈花は「へぇ」、と相槌をうった。
「案外、ていうかめちゃくちゃ使いやすそうね」
「けど今だと生身でしか使えないからね、どちらにしても『正義』を使ったほうが確実でしょう」
そう言われると同意を示すしかなく、菜奈花は「それもそっか」と諦めたようにその話を切り上げた。
「てことはやっぱり『正義』でどうにかするしか無いのかな」
「それが一番無難だとは思うけど、後は臨機応変に、でしょうね」
そう言われると、菜奈花は改めて嘆息し、「結局はまたノープランかぁ……」と嘆いた。
「仕方ないでしょ、取れる選択肢がないんだから」
ルニがそう言うと、菜奈花は目の前の国語のプリントをスラスラととき始めた。
これから大仕事、というのに呑気に構える菜奈花を見て、ルニは何度目かの溜息をついた。
「菜奈花って、順応だけは早いよね」
「そう?」
視線をプリントから外すことなく帰る菜奈花に、ルニは呆れた様に続けた。
「普通は、もっと慌てるものだと思うんだけど」
けれど菜奈花は、極めて平然と、「いや?」と続けた。
「単に諦めただけよ?ほら、もう何かどうしようもなさそうだし」
「肝が据わっていて大変宜しい事……」
「それに、魔法少女なんでしょ?」と菜奈花、「だったら、多少のお仕事くらいはね」
そう答える菜奈花に、ルニはもう何も返す言葉は無かった。
精々ただ、「それもそっか」と呟くくらいしか、ルニにはできなかった。
菜奈花が漸くおちついてルニと話をしたのは、実に八時過ぎである。
叔母さんの帰りが遅く、料理をしながら幾つか話し合ってはいるものの、あまりいい案は出なかった。
そうして食事を終えた後、菜奈花はお風呂に入り、今に至るわけである。
菜奈花は自室でドライヤーをかけ追え、白のクッションに腰掛けていた。
「って言っても、行ってみないことにはなんとも……」
「だよねぇ」
こんなやりとりはもう何回かやっている。
菜奈花はまた手持ちカバンの中から国語のプリントを取り出し、筆箱からシャープペンシルを取り出した。そうして指でクルリと器用に回し始めた。
「あ、そうだ」と何かを閃いた菜奈花は、「あの小アルカナ使うのは?」と提案した。
手持ちの小アルカナは、五枚。何れも『ソード』列の『エース』、『ペイジ』、『ナイト』、『クイーン』、『キング』。
菜奈花はそれらの具体的な効果は知らないらしく、ルニは「無理」と言い切った。
「どうして?」
「厳密には無理じゃないかもしれないよ?」とルニ、「けど『正義』を使ったほうがよっぽど効果的だもん」
そう言われると菜奈花は「そっか」と肩をすくめるが、「じゃあさ」と切り出した。
「せめて、効果くらい教えてよ、ね?」
ルニは「それもそっか」と納得したらしく、『正義』を浮かせ、そうして輝きだしたそれから五枚の小アルカナを出して見せた。
「まず、『ソード』の『エース』。これは、突風」
そうしてそのまま、『ソード』の『エース』をルニの顔の前まで動かした。
「突風?」
菜奈花が聞き返すと、ルニは頷いて、続けた。
「そ、突風を作り出すの」
そう言うとルニは、続いて『ソード』の『ペイジ』を同じようにして動かした。
「で、これは監視」
そう言われると菜奈花は怪訝な顔をして、「何に使うの?それ」と訪ねた。
聞かれるとルニは手を横にやって、極めて涼しい顔で言った。
「さあ、気になるあの子の覗き……とか?」
「ストーキングじゃない、それ!」
しかしルニは平然とした様子で、同じように『ソード』の『ナイト』を動き呼び寄せた。
「これは暴風」
「突風と何が違うのよ」
するとルニは「ふふん」、と得意げになって腕を組んだ。
ルニは現在、菜奈花の勉強机の上に、足を組んで腰掛けている様である。
「暴風っていうくらいだからね」とルニ、「風が拳になって襲いかかるわけ!」
しかし菜奈花は、「あっそ……」と嘆息し、続きを促した。
「むぅ、冷たいなぁ、もう」
ぼやくルニだが、仕方なく、次の『ソード』の『クイーン』を呼び寄せた。
「これは簡単、鎌鼬ね」
「って、妖怪の?」
ルニもまた嘆息すると、「どうして、そういう知識はやたらと豊富なのかな……」と呟きながら、
「切りつける風、ってとこ」
「うん、まあ知ってた」
平然とルニを手玉に取る菜奈花に、ルニは眉をピクリと動かすと、怒りの色を示しながら説明をぶっきらぼうに続けた。
「最後、『キング』」
呼び寄せたそれを見せながら、ルニは説明を続けた。
「これは鷲を呼び出すの」
「呼び出してどうするの」
しかしルニはそっぽを向いて、
「んなもん知るかっての」
と言い放った。
「なぁんで、ルニは怒ってるわけ?」
「人をからかうからでしょ」
「説明だけ聞いててもつまんないもん」
ルニは、「だから実践でやらせたんじゃん」とぼやいた。
菜奈花は苦笑いを浮かべると、「ごめんごめん」とルニに続きを促した。
そうされるとルニは嘆息し、「仕方ない……」と呟いてから、改めて説明を加えた。
「ただの鷲じゃないよ。風を操る鷲」
菜奈花は「へぇ」、と相槌をうった。
「案外、ていうかめちゃくちゃ使いやすそうね」
「けど今だと生身でしか使えないからね、どちらにしても『正義』を使ったほうが確実でしょう」
そう言われると同意を示すしかなく、菜奈花は「それもそっか」と諦めたようにその話を切り上げた。
「てことはやっぱり『正義』でどうにかするしか無いのかな」
「それが一番無難だとは思うけど、後は臨機応変に、でしょうね」
そう言われると、菜奈花は改めて嘆息し、「結局はまたノープランかぁ……」と嘆いた。
「仕方ないでしょ、取れる選択肢がないんだから」
ルニがそう言うと、菜奈花は目の前の国語のプリントをスラスラととき始めた。
これから大仕事、というのに呑気に構える菜奈花を見て、ルニは何度目かの溜息をついた。
「菜奈花って、順応だけは早いよね」
「そう?」
視線をプリントから外すことなく帰る菜奈花に、ルニは呆れた様に続けた。
「普通は、もっと慌てるものだと思うんだけど」
けれど菜奈花は、極めて平然と、「いや?」と続けた。
「単に諦めただけよ?ほら、もう何かどうしようもなさそうだし」
「肝が据わっていて大変宜しい事……」
「それに、魔法少女なんでしょ?」と菜奈花、「だったら、多少のお仕事くらいはね」
そう答える菜奈花に、ルニはもう何も返す言葉は無かった。
精々ただ、「それもそっか」と呟くくらいしか、ルニにはできなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる