現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐

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現実逃避にゲームは最適

プレイ開始

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 FSの第一陣の当選通知が届いてから直ぐに新しいデバイスを購入した。元々持ってはいたのだけど使っていたデバイスは大分前に買った奴だったから型落ちになっていたし、今後長時間プレイするつもりだから良いやつを買うことにしたのだ。

 そして買ったデバイスはベッド型と呼ばれているが、実際は卵を横にしたような形のものだ。これを簡単に説明すれば、廃人御用達のデバイスである。長時間フルダイブしていても体に負担がほとんどかからない優れモノである。
 ただまぁ、その分値段が異常に高い。1台何と100万越え。普通であれば今までがっつりゲームをしてこなかった私みたいな人が買うようなものではないのだけど、お金があるからね。新しくするなら一番いいものを買うのは当然。

 そして今日はFSのサービス開始日だ。既にデータはダウンロード済みで、サービス開始時間を今か今かと待っている状況だ。

 サービス開始は16時から。現在は16時5分前だ。
 時間的にそろそろデバイスを使い始めても良いだろう。そう思い、私はデバイスの中に入っていった。



 16時。サービスが始まった。ログイン自体はスムーズに進んでいる。最初は注意事項が表示されていたが、今は目の前にFSのロゴが表示されているところ。

 そしてロゴが消えると目の前にウィンドウが表示され、そのウィンドウに表示されているアバター制作のボタンを押した。

 ボタンを押すと直ぐに目の前の光景が変わっていく。ロゴすらなくなった何もない空間から、周囲にマス目が表示されている、いかにもグラフィックの設定です、といった空間に切り替わる。

『ようこそ、Full × Stories Onlineの世界へ。
 ここは貴方様がFull×Storysの世界で活動するための体を作成する空間です。
 これより、アバターの製作に移りますがよろしいですか?』

「はい」

『では、アバターの製作に移ります。
 こちらではデバイスに登録されている貴方様の現実での体を元にアバターを作成していきます。
 アバターの性別も変えることも可能ですが、現実の体と異なる性別や体格が大きく異なる場合、Full × Stories Onlineの世界を十全に楽しめない可能性がることを理解した上で製作してください。
 では、アバターの製作を開始します』

 私の現実の体が目の前に現れる。裸だね。何も着ていない状態。詳しく見ていなかったけどこのゲームR18なんだよね。通常だとそういうプレイができるわけでもないのだけど、結構アバターはリアルというか明け透けというか、うん。局部まで結構作られている。ちょっと恥ずかしい。
 あ、でもR15モードもあるのか。ならそっちに設定しておこう。

 アバターの見た目は結構いじれみたいだけど、どうしようかなぁ。リアルの身長は低い方だし、逆に胸はあれなんだよねぇ。
 TSして男性アバターでやるのも良さそうだけど、別の性別のアバターを動かすのって結構違和感あったんだよね。デバイスを新しくしたから違和感は少なくなっているだろうけど、ちょっとなー。

 性別はこのままでいいか。身長は、伸ばす。胸もいじろう。

 軽く身長と体の凹凸をいじって試しに動き回ってみる。

「違和感がひどい」

 思った以上に身長を高くしたことで視界に違和感がある。正直ちょっと酔う。胸もなんか違う。動きにくい。あるものが無くなるのはこんなにも違いが出るのかと思うほどに差がある。
 人によっては操作感に差があるとは聞いていたけどこれほどまで違いがあるとは思っていなかった。

 知り合いがいる可能性があるからできればリアルの私から大きく変えたかったのだけど、これではちょっと難しいな。
 
 身長も多少弄る分には問題なさそうではあるけど、他は無理そう。髪色と髪型。あとは目つきを少し変えればわからなくなるかなぁ。
 あざとい系にはしたくないけど、むしろそういったアバターを使っているのって男の人が多いからむしろバレない? 


 グラフィックを操作すること30分ようやく納得できるアバターが完成した。正直、リアルの見た目とそれほど変わらないけど、髪型とかが違うしじっくり見られない限りわたしだってわからないんじゃないかな。

『アバターの製作は以上でよろしいですか? 現在、現実とそれほど差のないアバターが選択されていますが、よろしいでしょうか?』

「大丈夫です」

 というか、これじゃないとうまく動かせません。

『では、先に進みます。
 次はアバターの種族を選択してください。種族選択後、アバターの見た目が多少変更される可能性がありますが、その場合アバターの再製作が可能です。
 現在、選択できる種族は、ヒューマン・エルフ・ドワーフ・犬獣人・猫獣人・ランダムになります』

「ランダム?」

 テストプレイのβ版について事前に調べた限り、種族をランダムで選べるとはどこにも記載されていなかったのだけど、正規版で新しく追加された要素なのかな? 
 もともと猫獣人でプレイするつもりだったんだけど、ランダムも面白そうだよね。

『ランダムは1アカウントごとに3回まで選択が可能です。選択した場合、Full×Storysに存在する全ての種族からランダムで選出されます。ランダムで選ばれる種族は、種族ごとに設定された確率により選出される確率が異なります。ただし、選出される確率が低いからといって必ずしも強い種族とは限りません』

 なるほど。最初の選択に無い種族になれる可能性があるって、荒れそうな気配がすごい。過去にも同じようなことをして荒れたゲームもあったような気がするよ。

『また、ランダムで選出された種族はFull × Stories Online内のオークションシステムに出品する事で売買可能です。アバター種族の最低価格は選出確立によって決まっておりますが、上限価格は決まっておりません。
 アバター種族を売りに出した場合、アバターの種族がヒューマンになりますのでご注意ください』

 これも荒れる要素ではあるような気もするけど、ランダムで出なかった人でも一応基本種族以外になれる可能性があるのか。しかもランダムとは違って、選べる……いや、目当ての種族が無かったら買えないけど、買える可能性がある、というだけでやっかみは多少減らせるかな。まあ、ゼロには出来ないだろうけど。

「とりあえず1回ランダムで」

『了解しました。種族ランダムを選択します。……選出中です。……ドラゴンレイス(光)が選出されました』

 初っ端から基本種族以外ってどういう確率なんだろうか。しかも、ドラゴンレイスってことは竜人ってことだよね? っておっと!? アバターの見た目が変わった。おお、全体的に白っぽい感じになった。顔つきも若干違うけど、これはこれで似合う……か? 所々鱗っぽいのが見えるのはドラゴンだからかなあ?

 これどうしよう。この種族でもいい気がする。猫耳も捨てがたいけど、ゲーマーとしてレアの響きを無視することは出来ない。

 ……この種族でいこう。ああ、その前に目の色を変えよう。猫獣人のつもりで作ったから瞳の色が蒼なんだよね。今は見た目が白いから蒼よりも赤の方が何となくしっくりくるんだよね。


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