現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐

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次なる場所へ行こう

油断大敵

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 マップも埋め終わり宝箱もあけたので、ゲートキーパーと戦うためにあの開けた空間があった場所まで移動する。マップ埋めの過程で視界に入ったモンスターはすべて倒したので、移動中モンスターに出会うことなく減っていたHPや満腹度を回復させながら移動することができた。

 そして、開けた場所に到着してゲートキーパーと戦うためにその場所に踏み込んだ。

「キュァァァッ!」

 開けた場所に踏み込んだ瞬間、ゲートキーパーである蛾が私たちに気付き奇声を上げる。

 現実の蛾は声を上げることは無いのでモンスターらしいと言えばそうなんだけど、それ以上にこちらに向いた際に顔? 頭? の部分に牙の生えた口っぽいところが見えたので、そもそも蛾と似て非なる生物なんだろうね。蛾は肉食ではないし、牙なんて生えているわけないんだよね。まあ、吸血するのはいるみたいだけど。

「とりあえず、しばらくは距離を取って様子見だね」
「です!」
「状態異常系の攻撃をして来るらしいから、接近する時はある程度距離を取って攻撃する時だけ近づくようにしてね」
「なのです!」

 攻撃する前に看破を発動して蛾の情報を確認する。


[(ゲートキーパー)フォレストモス LV:14 属性:風]
 HP:1200
 MP:360
 総合攻撃力:128
 総合防御力:74
 スキル:鱗粉・体当たり・不明


 ダンジョンマスターだったホブゴブリンに比べてレベルは高いけど、MP以外のステータスは低いようだ。まあ、この相手はゲートキーパーでホブゴブリンのダンジョンマスターだったからその違いなんだろうけど。

 フォレストモスの属性は風ね。もしかして風属性の魔術を使ってくるのかな。鱗粉を撒き散らすために使うだけかもしれないけど、警戒しても損は無いよね。

「キュァァ!」

 様子見を見ているとフォレストモスが攻撃をするために突っ込んで来た。速度はそれほどでもなかったので回避自体は簡単だったけど、フォレストモスが通過した場所には鱗粉と思われる粉が舞っていたので、攻撃そのものに状態異常系の効果が乗っているのかもしれない。

「ライトボール、ライトショット。それと、パワーアップ、ガードアップ!」
「っです!」

 横を通過していったフォレストモスに光魔術による攻撃を放つ。そして、攻撃を仕掛けに行ったシュラに補助魔術を掛け、STRとVITを一時的に上昇させる。

「キュァアアァ!?」

 背後から攻撃されてフォレストモスが悲鳴を上げる。
 与えたダメージは全体の5分の1くらいかな。割合は私が4で、シュラが6といったところ。補助魔法の影響もあるだろうけど、フォレストモスの防御はMNDのようだ。
 見た目的にも物理には弱そうだから、こんなものだろうね。

「キュァヮワワァ!」
「です!?」

 シュラが追撃を掛けようとしたところで、フォレストモスが身を捻り羽を広げ周囲に鱗粉を撒き散らした。シュラは咄嗟に躱したようでダメージや状態異常は受けて居ないようだけど、一旦距離を取っておかせた方が良いよね。

「シュラ! 戻って来て!」
「です」

 フォレストモスは鱗粉を撒き散らしながらこちらに近づいて来ているけど、先ほど体当たりを仕掛けて来た速度よりも大分遅い。
 移動速度が遅いのは後衛の私にとっては好都合なので出来るだけ攻撃を当てていく。ただ、どうにもノックバックなどの怯みが無効になっているのか、HPは減っているものの移動が止まることは無かった。

「シュラちゃん。ここからは遠距離攻撃メインで。ただし、あなたの遠距離攻撃は自損ダメージがあるから回数は抑え目でお願いね」
「なのです!」

 フォレストモスが近付いて来たので私たちは左右で2手に分かれた。フォレストモスが攻撃対象にしているのは……私のようだ。近づいてきているときに何度も攻撃しているからその分こちらにヘイトが寄った感じかな。

「ライトボール、ライトショット!」

 なるべくシュラの方にヘイトが行かないように可能な限り攻撃をしていく。

「なの…です!」

 フォレストモスを挟んで反対側に居るシュラが攻撃を放つ。そして、シュラが放った攻撃がボゴンという音を立てフォレストモスに激突した。

「ギュァァアァ!?」

 背後からの重い攻撃にフォレストモスが悲鳴を上げ、地面に落ちた。
 私の攻撃よりも多いダメージが入っているので、やっぱり物理攻撃に弱いんだね。でも、さっきシュラが直接殴った時よりもダメージが大きいのはそうしてだろう。背後から攻撃したことでクリティカルでも入ったのかな? 

 とりあえず、地面に落ちたんだけど残りのHPはまだ1割近く残っているので、最後に私が光魔術を放ち残りのHPを全て削り切ったことで、フォレストモスはポリゴンとなって消えていった。

 フォレストモスを倒したことで開けた場所の中央に次の階層へ移動するための転移陣が現れ、それと同時に宝箱が転移陣の横に現れる。

 中身を確認してみればゴブリンダンジョンと同じく魔石(小)。もしかしたらゲートキーパーの報酬は魔石で固定なのかもしれない。

 報酬である宝箱の中身の確認も終わったので次の階層へ移動する。

 2層目は1層目と同じく森が広がったフロア。出て来るモンスターも変わりはないらしいけど、ややプレンテの出現数が多いらしいので、ぷらてあ用の素材を確保するために1層目と同じように端から順にマップを埋めつつ、モンスターを倒して行こう。


 1層目と同じようにマップ埋めを進めること1時間弱。マップを7割方埋めたところでゲートキーパーのいる空間を見つけることが出来た。

 2層目のゲートキーパーは1層目と同じフォレストモスと、ダンジョン内にモブモンスターとして出て来ていたスモールスパイダーが5匹という構成になっていた。

 戦うとなれば先に面倒なスモールスパイダーを倒してからフォレストモスに攻撃を加えていく手順で戦うことになるだろうけど、まずはマップを埋めてからだね。


 そうしてマップを埋めきると1層目と同じように宝箱が出て来たので、この宝箱はマップを埋めきったことによる報酬でほぼ確定だね。中身は1層目と同じシルバースパイダーシルクとその他素材だった。そう言えばシルバースパイダーシルクはまだ鑑定をしていなかったな。


[(アイテム・素材)シルバースパイダーシルク レア度:4 Fs:1200]
 蜘蛛から取れる糸を撚ることで糸素材として使えるようにしたもの。独特の光沢が銀色に見えることからこの名前が付いた。蜘蛛の糸が元になっているため火には弱いが、通常のスパイダーシルクよりは火に耐性がある。
 育成傾向:器用・蜘蛛(強化)


 ほほう? これは次にテイムするモンスターを蜘蛛系にしないさいという暗示なのかな。まあ、まだ2つしか持っていないので育成スキルで使ってもほとんど意味は無いだろうけど。

 しかし、育成傾向の蜘蛛(強化)ってなんだろうね? 普通の育成傾向にある蜘蛛とは何が違うのだろう。強化という事は普通よりも経験値が多いのか、それともステが多く上がるのか。どちらにしろ蜘蛛系モンスに使うならありがたいので問題はないけども。

 おっと。いつの間にか3匹目のテイムモンスターを蜘蛛にしようとしちゃっているけど、これは暗示の効果かな。

 ま、とりあえずゲートキーパーを倒しに行こう。まだ3匹目がテイムできるようにはなっていないし、捕らぬ狸の皮算用と言うか、先のことはその時考えればいい。


「キュァァ…」

 宝箱の確認も終わり、ゲートキーパーとの闘いになったわけなんだけど、難なく取り巻きのスモールスパイダーを倒し、今フォレストモスが目の前でポリゴンに変わっていった。

 楽勝という程ではないけど、苦戦するほどでもなかったかな。数がいた分1層目よりは面倒だったけど、2層目だからといってフォレストモスそのものはそれほど強くはなっていなかった。

 拍子抜けなんだけど、変に苦労するよりはいいよね。ってあれ? そう言えばフォレストモスを倒したのに報酬が出て来てないような……?

「ですぅ!?」
「んあ? シュラちゃー!?」

 背後で待機していたシュラが変な声を上げたので、直ぐに背後を確認するとそこには蜘蛛糸が絡みついたシュラと、空からぶら下がっている大きい蜘蛛が居た。

「え、ちょっと! シュラちゃんを離して!」

 蜘蛛糸に拘束されているシュラがそのまま蜘蛛に持って行かれそうになっていたので、咄嗟にライトショットを放ち蜘蛛の行動を阻害する。しかし、蜘蛛はお尻から出ている糸を手繰り寄せることで難なくライトショットを躱した。たが、その代わりにシュラを持って行くことが出来なかったらしく、少し安心する。

「っシュラちゃん、大丈夫?」
「だい…ょぅなのです」

 シュラの元に駆け寄り、絡まった蜘蛛糸を引きはがす。蜘蛛糸は粘着性があったけど特別固い訳ではなかったので、簡単に引きちぎることが出来た。このくらいであればシュラがスライム魔法を使えば自力で抜け出せたかもしれないけど、むやみにHPを減らしてさらに危険な状態になりかねなかったのでよしとする。

「まさかもう1匹隠れていて奇襲されるとは思っていなかったよ」
「です」

 先ほど蜘蛛が逃げた上を確認すると、開けた空間の上に蜘蛛の巣が張り巡らされているのが薄らと見えた。そして、その蜘蛛の巣の上を蜘蛛が移動し、虎視眈々とこちらのスキを伺っている。

「まあ、姿さえ見えていればそこまで脅威ではないよね。ライトショット!」

 頭上に居る蜘蛛目掛けて攻撃を放つ。しかし、蜘蛛は蜘蛛の巣を伝い攻撃をあっさり回避し、射線上にあった蜘蛛の巣の一部を壊すだけに終わった。

「む」

 弾速の速いライトショットは、その分軌道がほとんどまっすぐだ。今のはその所為で蜘蛛に回避されたので、弾速は遅いけど軌道をある程度曲げることのできるライトボールを使って攻撃した方がよさそうだね。
 蜘蛛の巣を攻撃して蜘蛛を地面に落とす方法もあるけど、正直どのくらい時間がかかるかわからないので最終手段として考えておく。

「ライトボール」

 蜘蛛が蜘蛛の巣を伝いライトボールの軌道から逃げる。しかし、私はライトボールの軌道を曲げ、蜘蛛を追う。
 地味にライトボールが蜘蛛の巣を破壊していくけど、次第に蜘蛛に近付いて行く。そして偶然、蜘蛛の巣の切れ目に蜘蛛を追い詰めることに成功し、ライトボールが蜘蛛に当たった。

「シュァァ!!」

 何度も蜘蛛の巣に当たっていたため、威力が弱まったのか与えられたダメージは少ないみたいだったけど、蜘蛛はライトボールが当たった衝撃で地面に向かって落下した。

「シュラちゃん! 追撃!」
「なのです!」

 地面に落下しのたうっている蜘蛛目掛けてシュラが飛び出し、その勢いのまま体の一部を鞭状にしてそれを蜘蛛に叩き込んだ。

「っです!」
「シュァァア!? アァァ…」

 シュラの攻撃はビシャッ。っという感じで蜘蛛にクリーンヒットした。
 リアルのイメージの関係で、ちょっと虫系のモンスター相手に潰すような攻撃はしてほしくなかったんだけど、まあ今の流れでは仕方ないか。

 そして、シュラの攻撃を受けた蜘蛛はそのままポリゴンになって消えていく。そして、今度はちゃんと転移陣が現れた。

「ふぅ」

 転移陣が現れたことで戦闘が終わったことが確認できたので、私は安堵のため息を吐いた。さすがに何でも奇襲されるのは精神的に辛いからね。

 
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