現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する

にがりの少なかった豆腐

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ダンジョンいじいじ

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 アンゴーラに外へ出るための転移陣を出してもらい、ダンジョンの外に出た。

 とりあえず、第3エリアに戻って、先の第4エリアに行くための準備をすることにしよう。確か、第4エリアに進むにはいくつか条件があって、その中にギルドランクがD以上というのがあるんだよね。
 他の条件は一応クリアしているから問題はないんだけど、これが一番のネックなんだよ。他のプレイヤーがすぐに第4エリアに行けなかったのもこれの所為だし。

 私はまだEランクだからもう少し時間が掛かる。ランクをDにするにはギルドポイントを300以上にしないといけないんだけど、今私が持っているギルドポイントは100を少し超えたところだ。だから残りの200ポイント近くを稼がなければ先には進むことができない。

 ダンジョンを出てから最短ルートで進み、第2エリアのエリアボスをさっくり倒して、第3エリアに入る。

 さて、とりあえずこの後は、ギルドに行ってクリア可能な依頼を片っ端から受けることにしよう。ああ、それと、ダンジョンマスター用の空間に設置する家具とかも買っておいてもいいかも。あそこ殺風景すぎたし。

 寄り道せずに第3エリアの町へまっすぐ向かい、町に着くとすぐにギルドに入る。

「うん? プレイヤーが少ない。何で……ああそうだった。今はイベント中なんだっけ。時間的に個人戦はもう終わっているから、今はパーティー戦の最中かな」

 最初からイベントに参加するつもりが無かったから、イベントのタイムスケジュールが曖昧だ。
 確認がてらイベント用の掲示板をチラッと覗いてみた感じ、パーティー戦の予選はもう終わっていて、今は準々決勝中らしい。掲示板では結構、賭けについての話題が多めのようだ。まあ、私はかけてはいないし興味もあまりないからどうでもいいんだけど。
 確認が終わったので掲示板が表示されているウィンドウをさっさと消した。

 まあ、プレイヤーが少ないのは問題ないよね。むしろ好都合でしかない。
 そう判断して、ギルドの依頼が表示されている場所に向かう。

「とりあえず受けられる奴は受けてっと」

 同時に受けられる依頼の上限は20。今私が受けられる依頼の総数は19なのでギリギリすべて受けることが出来た。

 しかし、この依頼を全て完了したところで獲得できるポイントの合計は78。300ポイントまで全く足りない。中には常設の、1日に何度も受けられる依頼も存在するけれど、そういった依頼は獲得できるポイントは少なく設定されているため、どうあがいても今日中に第4エリアまで到達できそうにない。

「どうしようかなぁ。常設は受けられるだけ受けるとして、それでも足りないよね。うーん……ん?」

 そういえば、確かエリアごとに依頼の種類って変わったような。多少獲得できるポイントが少なくなるからって、今まで無視していたけど、そっちも受ければ1日で稼げるポイントはもっと増えるよね?

 となると、さっきダンジョンから出てきてすぐに第3エリアに移動してきたのは失敗だったかも。あのまま第2エリアの街に行って依頼を受けてからここに来他方が効率は良かったかもしれない。

 まあもう過ぎたことだし、また第2エリアに戻ればいいよね。時間はより掛かることにはなったけど、面倒くさがってしないよりはいいはずだし。

 さっそく依頼を熟して……の前に、ダンジョンで使う家具を委託掲示板で買わないと。確か一部の木工職プレイヤーが家具を委託に流したと掲示板に書き込んでいたのを見たことがあるから、売れていなければ残っているはず。まだ、自宅というかハウス機能を手に入れたプレイヤーが出たという話は聞かないし、売れ残ってはいると思うんだよね。NPCが購入していなければだけど。

 委託掲示板で家具を探し、見つけた中で一番質の良い物を購入した。購入した物は、ログアウトの際に使用するベッド、4脚セットの椅子、椅子に合わせた机、ついでにアンゴーラが入りそうなペット用のドーム型ベッド。何でペット用の家具があったのかはわからないけれど、アンゴーラがどのような反応をするのかが気になったので購入してみた。

 さて、家具の購入も終わったし、依頼を消化していこう。



 アイテム納品系依頼、指定されたモンスターの討伐依頼、手伝い系の依頼、受けた物を次々とクリアしていく。

 アイテム納品系で委託掲示板から購入可能な物はギルドを出る前に完了させた。ただ、中には依頼を受けないと採取できない特殊系のアイテムも存在するため、地味に手間がかかるものもある。
 まあ、そういう依頼は大抵獲得できるギルドポイントが高いからいいんだけどね。

 討伐系の依頼は採取の合間を使って進めていくので、そこまで手間がかかるという感じはない。そもそもシュラたちの強さが第3エリアで出て来るモンスターに比べて圧倒的に上だから、苦戦するという事はまずないんだよね。私もシュラたちのレベル上げをしているおかげで、トッププレイヤーには劣るけれど平均的なプレイヤーに比べればレベルは高い方だし楽にモンスターは倒せる。

 一番手間がかかり面倒なのは手伝い系の依頼。まあ、その分得られるギルドポイントが他に比べても圧倒的に高いから、受けないという選択はしない。
 この依頼に関してはギルドを出てフィールドに向かう前に、出来るものは全て完了させ、一部のフィールドからアイテムを持ってくる依頼は採取依頼と同時に、モンスターから得られる素材の物も並行して進めていく。

 そして、第3エリアで受けた依頼は2時間程かけて全て完了させた。

 あっさり終わるのはありがといんだけど、その分報酬やポイントが低いから、率先してやりたいとは思わないんだよね。攻略に関わるものでもないし。ま、そうやって避けてきたから今面倒なことをしているのだけども。

 さて、第3エリアでは現状受けられる依頼がなくなったので、次は第2エリアに向かう。そこそこ攻略が進んでいるというのにエリア間の転移機能が実装されていないため、エリア間の移動は面倒である。

 ただ、私の場合はダンジョンの最奥の空間が自室扱いになっているため、そこへの転移は可能になっているんだよね。だから第2エリアへの転移は自室への移動機能を使えばそれほど時間が掛からない。正直、これに関しては嬉しい誤算である。
 まあ、掛からないと言っても第3エリアにある町からだと30分程度の短縮なのだけどさ。それに第2エリアから第3エリアへの移動は従来通りだし。

 とりあえず、第3エリアでの用事が終わったから、一旦ダンジョンの自室に戻って、さっき購入した家具を設置してから、第2エリアの街へ行くことにしよう。


 ウィンドウを操作して、自室へ移動するを選択。転移でダンジョンの自室に戻ってすぐ、インベントリから家具を出し設置していく。

「うぬ? 何じゃ。もう戻って来たのか」
「うん。まあ、移動の時間を少し減らすために一旦戻ってきただけなんだけどね。それに、ここに設置する家具を買ってきたからついでにやっておこうと思って」

 私が戻ってきたことに気づいたアンゴーラが声をかけてきたので、そう言葉を返した。

「そうか」
「あ、そうだ。アンゴーラちゃん用のベッドも買ってみたんだけど、使う?」
「は?」
「これなんだけど」

 アンゴーラの前に種類はわからないが植物の蔓のような物で出来ているドーム型のベッドを置いた。

「ぬぅ……」

 アンゴーラは小さく唸りながら目の前に置かれたドーム型ベッドの周りを一周し、一度中に入った後、何度か出たり入ったりを繰り返し、最後には中に入ったまま、出て来なくなった。

「アンゴーラちゃん?」

 なかなか出て来ないので声を掛けてみたんだけど反応がない。とりあえず気に入ったという事なのかな? と言うか、さっきの反応ってウサギというよりも猫の反応な気がするんだけど。今までウサギを飼ったことは無いから正確にはわからないけどさ。

 うーん、どうしよう。別にダンジョンの外へ出るための転移陣はもう設置してあるし、アンゴーラはこのままでも問題はないかな。出ていくときに一言くらいかけてから行きたかったんだけど。

 とはいえ出て来なくなったアンゴーラの事は仕方がないので、私はアイテムを整理した後、ベッドの中にいるアンゴーラに向かって一声かけた後、部屋の好きに設置していた転移陣を使ってダンジョンを出た。


 ダンジョンを出て、第2エリアの街に着いてからすぐにギルドへ駆け込み、依頼を出来るだけ受注していく。

 残念なことに第3エリアに比べて以来の数が少なかったため、第2エリアで受けられる全ての依頼を受けたとしても、ギルドランクがDに上がらないことが確定してしまった。

 第1エリアのギルドで依頼を受ければ行けるかなぁ、と一瞬だけ考えたものの、第1エリアで受けられる依頼は駆け出しプレイヤー限定の依頼しかなかったことを思い出した。

「やっぱ、今日中は無理だったかぁ」
「です?」

 ちょっとだけ落ち込んでいた私を励ましたいのか、移動中ずっと私の頭の上に居座っていたシュラが慰めるように声をかけてきた。

「ありがとうシュラちゃん」

 できればフィールドが空いている今日中に第4エリアに行っておきたかったんだけどなぁ。

 そして、1時間半ほど掛けて受けた依頼をすべて消化し、第2エリアでの目的はこの段階で達成したため、そこから第3エリアに戻った。

 町に戻った時には、ログインできる残り時間が1時間を切っていたため、遠出は難しいと判断して、町の近くのフィールドでモンスターを倒し、軽くレベル上げをしてからログアウトした。


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