82 / 276
生産したい、色々作りたい
7:兄の誘い
しおりを挟む昼食を終えて、ログインした。
予定は特にない。元は生産に当てるつもりだったのだけど、先ほどのショックが抜けていないので、生産をする気力は無い。なので、予定が未定になった訳なのだけど、どうしようかな。
今はまだ夜の時間だから、いくつか依頼を受けてギルドポイントを稼ぐでも良いのだけど、それでも直ぐにはギルドランクは上がらない気がする。
うーん。とりあえず、依頼を受けよう。納品系で出来る依頼は全て終わってしまっているから討伐系の依頼しか受けられないけど、むしろちょうどいいか。
そして依頼を受けてギルドを出ようとしたところでフレンドチャットが届いた。とりあえず歩きながら確認すると、まあフレチャを送って来るのは1人しかいないので、わかっていたことだけど兄からのものだった。
ファルキン:アユさん 一緒に プレイ しません か?
アユ:何で
何か文面からしてイラっとしたので端的に返事を返す。
ファルキン:いや、昼にギルドランクが足りなくて設備が使えないって言っていたから、ギルドポイントを稼ぐのを手伝えないかなって
アユ:別に要らない それに手伝って貰ったからって効率が上がる訳でもないし
む。何かを感じ取ったのか兄からのフレチャの文面が普通になっているな。
ファルキン:うっ、確かに討伐系の依頼でも人手が増えたからって確実に早く終わるとは限らないか
アユ:だから要らない
ファルキン:そうだよな。あ、そう言えばエリアBOSSって再戦すると少しだけどギルドポイント貰えるって知っているか?
アユ:え?
ファルキン:最初の討伐時に貰えるのに比べると少ないけど、元の3割くらいは貰えるぞ?
アユ:そう
ファルキン:BOSS討伐のお供に、どうですか?
アユ:別に一人でも問題ない
ファルキン:回復・ヘイト・壁として使えますが
アユ:・・・
回復か。確かにBOSSを周回するなら必要かもしれない。ああでも、私は自動回復があるからそこまで重要ではない気もする。
ファルキン:周回中に取得したアイテムは全てあなたに差し上げますよ
アイテムかぁ。それにここから移動して周回できるようなBOSSってオルグリッチ以外に居ないよね。ゴフテスだと周回できるような相手ではないし。
BOSSドロップって1人当たりの量が基本決まっているらしいから、2人で行けば2倍取れることになるんだよね。それを考えれば悪くはない…かもしれない。
でもオルグリッチ素材って、何に使える? ダチョウだから羽…と皮? そう言えばダチョウの皮って高級素材だった気がする。ブランドには興味は無いけど、あの粒粒な感じの素材がダチョウだった気がする。
と言うことは、オルグリッチ素材で出来るのは、ポーチとか小物入れようのバック? いや、その前にポーチとかを作るには【裁縫】のスキルが必要だったな。
うーん。BOSS素材だし、オルグリッチの素材が沢山あっても困らないよね?
ファルキン:あの・・・アユさん? 大丈夫ですかね? 反応がありませんが
アユ:あ、ごめ
ちょっと考え込んでいたせいで無かったから兄から少し心配していそうな感じの文面が送られてきた。
ファルキン:それで、どうします?
アユ:うーん。行くならダチョウになるけど
ファルキン:オルグリッチ? いやまあ、場所的に他に選択肢はないか
アユ:……まあ、さっき行ったみたいに素材を渡してくれるなら、一緒でも
ファルキン:いいんですか!?
アユ:あ、うん。まあ
ファルキン:よっしゃあ!
ちょっと早まったかもしれない。何かもうこの後のテンションについて行けない気がする。
アユ:あ、でも討伐依頼受けているから、先にそっちを消化する
ファルキン:了解! して、今どちらに?
アユ:………ギルド
そこはかとない不安はあるけれど、許可した手前、今更やっぱりダメとは言いづらかったため私は現在地を伝えた。
そして兄は数分もしない内にギルドにまでやって来ていた。今見た感じ、フレチャから伝わってきた変な感じは伝わってこない。基本的にいつも通りの兄だ。
「さてアユ、もう出発するのか?」
「うん」
「走る速度は…まあ、俺がアユに合わせればいいか」
「じゃあ、行く」
そうしてギルドから出発したのだけど、ステータスの差なのかRACE的な物なのか私が全力で走っているにも拘らず、兄はかなり余裕を持った表情で並走してきている。確か獣人の兎はAGIが高いRACEだったからその影響かもしれないけど、それだけなのだろうか。
「何だ? そんなに見てきて。何か気になる事でも在ったのか?」
「走る速度」
「速さ? ああ、俺が思いの外早いから気になると?」
「思いの外ではないけど、そう」
「一応これでもAGIは190くらいあるからな。その差じゃないか?」
190…確か私のAGIは140を超えていなかったはずだから、差にして50ちょっとか。うーん、50でこんなに余裕そうになる?
「ステの差だけじゃない気がする」
「ステ以外となると、アバターのサイズか? それとも…、あ。そう言えばアユは【走法】のスキルは持っているのか?」
「走法?」
「あ、無いのか。だったらそれかもな」
【走法】? 見たことが無いから、おそらく取得可能スキル一覧にも載っていない気がする。もしかして何か条件がある系のスキル?
「見たこと無い」
「ああ、【走法】は戦闘中に一定時間走ることで取得可能になるスキルだからな。条件を満たしていないのなら知らなくても変じゃないさ」
「なるほど」
条件系か。それなら早めに条件を満たして取得しておいた方が良いかもしれない。今後満腹度が実装されれば、今のようにずっと走り続けられるとは思えないから、それを補助するようなスキルは必要だろう。ただでさえUWWOのマップは広いから、どうあれ必須級のスキルだと思うし。
そうして走りながら兄から情報を得つつ、オルグリッチが居る場所までやって来た。
44
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!
ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です)
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様でも公開しております。
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる