159 / 276
新規プレイヤーとあれこれ
14:[真祖覚醒]を試す
しおりを挟むエンチャントを試している内に日が昇り始めたので切りの良い所で一旦生産をやめ、ギルドの外に出る。
さっき作った短剣については既に兄へフレチャを送ったけど、まだログインしていないようで返事はまだ来ていない。
他の短剣は全て委託に流している。出来れば全て売れて欲しいところだけど、低Quの銅の短剣は売れ残りそうな気がする。
サウリスタの街中を抜けフィールドに出る。
[真祖覚醒]を試すためにどこかのエネミーと戦う……必要は無いか。でも、使うのは誰にも見つからない場所が望ましいよね。見つかったら面倒そうだし、どんな感じのエフェクトが出るかわからないから隔離空間が望ましい。
となれば、隔離空間が発生する場所で一番近いのはBOSSエリアなのだけど、フクロウと羊だと弱すぎて[真祖覚醒]を使って戦うには勿体ない気がする。まあ、残りのカエルもそう時間はかからずに倒せるとは思うけど、他の2匹よりはマシかな。それに戦闘前の準備を進めるのもカエルの方が都合はいいかもしれない。あ、ゴフテスまで行くと確かめるついでに、とはいかないので除外している。
フィールドを進み、ベテュードの戦闘エリアに近付いたところで複数のプレイヤーが戦闘エリア前に集まっているのが見えた。おそらく他プレイヤーに寄生して第2エリアへ行こうとしているプレイヤーたちだろう。絡まれても面倒なのでそのままの速度で戦闘エリアへ突っ込んだ。
「あ――」
「待っ――」
入ると同時に再戦のアナウンスが表示される。元から戦うつもりで入っているのですぐにYESを選択した。
『アナウンス
エリアBOSSの戦闘フィールドに入りました。これからエリアBOSS:【不動のベテュード】との戦闘が始まります』
フィールドがBOSSエリアに切り替わる。元々この周辺は沼地とはいかないまでも湿地に近い環境で所々泥濘が存在しているが、ベテュードと戦うのは今回で5回目なので、その辺りは問題ない。
ベテュードは二つ名の通りほとんど動かないエネミーであり、こちらから動かない限り初動はゆっくりだ。そのため、ペテュードが動き出すまでに準備を進めることが出来る。
まずはステータスの変化がわかり易いようにフードを外す。それと同時に少し体が重くなったような感覚を覚えた。
すぐにステータスを確認すると、RACE特性によりしっかり3割減少した数値になっていた。
「それじゃあ[真祖覚醒]」
スキルが発動すると同時に赤黒い靄のエフェクトがアバターの周りを漂い始めた。そして、その靄はアバターにまとわりつくように動くとスッと消えてしまった。
「ん? あ」
すぐに効果が出なかったので失敗したのかと思ったけど、一気に体が軽くなった感じがしたのでしっかり効果は出ているようだ。ステータスも確認した限り元々のステータスに戻っている。
アバター自体に変化は無いっぽいね。薄ら光っているとかもなさそう。
しかし、発動時のエフェクトがあるとなると目立ちかねない。光らないだけマシではあるけれど、視界に入れば気にはなるだろうし。
……うん。ステータスウィンドウで見られる範囲でも変化はないね。説明外の効果があったらそれはそれで驚きだけど。
まあ確認は出来たからさくっとカエルを倒そう。
[(モンスター・BOSS) 不動のベテュード LV:18 Att:水・毒]
HP:2400 / 2400
MP:550 / 550
スキル:粘膜反射・毒液・舌槍・舌鞭・ハイジャンプ
ベテュードが持っている粘膜反射スキルは魔法や物理攻撃を反射、正確には逸らすだけでカウンター的な物ではないけれど、そういう面倒な能力を持っている。
それは攻撃スキルの熟練度に依ってそれに抗うことが出来るのだけど、それ以外にも方法はあって状態異常にすることで反射能力を抑えることが出来る。まあ、完全になくすことは出来ないので結局ある程度スキルが育っている必要があるのだけど。
「パラライズミスト」
前回と同じように最初に状態異常にしていく。ベテュードは微毒よりも微麻痺の方が効きやすいので、パラライズミストを使用。最初からエンチャント:パラライズだと攻撃が逸らされてしまうので、先にミストを放つ必要がある。
まあ、それから先は作業みたいな物。
攻撃しつつベテュードの舌を躱し、状態異常を維持。それを繰り返し最後の特殊行動を大きく回避することでスタンを回避。そして攻撃の反動で動けなくなっているベテュードに数度攻撃を叩き込んで終了。
途中の特殊行動は舌乱舞なのでシャドウダイブでやり過ごせば攻撃を食らうことなくやり過ごすことが出来るので、あまり気にする必要は無かった。
『アナウンス
エリアBOSS【不動のベテュード】を討伐しました。討伐時間00:2:43。
それにより討伐特典としてベテュードの毒腺を獲得しました。
このまま第2エリアへ移動しますか? YES/NO』
うーん。このままサウリスタに居続ける必要もないし、セントリウス側に戻ることにしようかな。
それにしてもまだ効果時間が残っているのだよね。しかも7分くらい。……あと何回か戦ってもいいかもしれない。ギルドポイントがもらえる上限まではまだ戦っていないし、今戦ってもいいかな。後2~3回で[真祖覚醒]の効果が切れそうだけど、フードを被っていれば問題なく倒せる相手だし、丁度いいかな。
戦闘エリアが浮乗フィールドに切り替わる前に素早くフードを被る。そして通常フィールドに戻ったらまた、ベテュードの戦闘エリアに入る。
戦闘エリアに入って直ぐ確認したステータスは、フードを被った状態と被っていない状態の時で変化はなかったので、発動中はどちらの状態でも良いみたいだ。まあ、一々フードを外すのは面倒なので同じならそれで問題はない。
むぅ。[真祖覚醒]本当にステータスが通常に戻るだけで他の効果は一切ないっぽい。【闇魔法】の威力が上がる訳でもないし、【血魔法】も同じく変化はなし。熟練度で変化するようになるのだろうか。それとも他のスキルが生える?
ほんの少しくらい強化されるかもと期待していたのだけれど。まあ日光下でしか発動できないスキルなのだから、光が当たらないところでステータスが強化されるようなことはないのだろうね。残念。
そしてそれから何度かベテュードの討伐を繰り返した後、セントリウスのギルドへ向かった。
―――――
ベテュードの見た目は某グルメ漫画で最後に出て来た最強のカエルに近い? あそこまで強くはないけど。弱点は、目・眉間・舌の3か所。ずんぐりむっくりなので首はなく胴体に弱点はない。体を覆う粘液に毒があるため近接はつらい。ぬるぬる。
ついでに寄生しようとしていたプレイヤーは2陣。
27
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!
ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です)
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様でも公開しております。
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる