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第3章
2.
しおりを挟むよほど誰かに話したかったのか、春日さんはよく喋った。
そして気づいたら、店に入ってから一時間が経っていた。
「……どうしたの?」
箸を持ったままぼーっとしていた俺は、ミケの声で我に返った。
「あぁ、わり…」
「………」
実に面倒くさい事になった。
……つーか上原のヤロウ、見当違いな事言いやがって…意識した自分が恥ずかしすぎるっつの…
「……なんか、あった?」
別になんもねーよ?と笑いながら答える。
「……でも今日、いつもより遅かったし」
「え?」
「………」
目があった瞬間、ぷいと顔を背けるミケ。
「……別に、どうでもいいけど」
「………」
……かわいい…
拗ねてるミケを抱き寄せて、実はさと今日の出来事を話した。
「……で?あんたはなんて言ったわけ?」
俺の腕のなかで、ケラケラ笑いながらミケが言う。
「……別になんも。てゆうか、ほんとの事とか言えるわけねーじゃん」
同棲してる女がいて、浮気が原因で刺されそうになったとか。
はぁ、と溜め息を吐く。
マジ、どうすっかな…。
「じゃあ、カスガさんを応援するわけ?」
「……いや、そこんとこは曖昧に…てかおまえ、また痩せたんじゃね?ちゃんと食ってる?」
後ろから抱きしめたら、すぐにわかる。
夏バテかも、とミケはちょっと笑った。
「あんま食欲ない」
「ぶっ倒れるぞ」
「平気。毎年こうだから」
「………」
その折れそうに細い身体を抱きしめたまま、床に押し倒して額に軽くキスをする。
「……今度、特製スタミナ丼作ってやるよ」
そう言うと、ミケはくすくす笑いながら俺の首に腕を絡ませた。
「それは結構、楽しみかも」
あ、とミケが掠れた声をあげた。
「……っ、そこ…っ」
背中にまわされた手に、力がこもる。
「あっ、あっ、っ…!」
「……気持ちい?」
「……イイっ…そこ、もっと…!」
腕の中でよがりまくるミケ。
抜き差しするたびに結合部から滲みでているのは、さっきなかに出した俺の精液だ。
そこ、を抉るように思いきり突き上げるとミケは小さく悲鳴をあげ、弓なりに身体をしならせた。
最近ようやく、ミケが感じる場所がわかってきた。
なぜならミケが素直にそう言うからだ。
――だって、ヤダとかヤメテって言ったらあんたほんとにやめるじゃん
――あたりまえだろ
――………
どんなに自分が気持ちよくても、好きな子が嫌がることはしたくない。
……でも、
「あ…っ…!」
再び深く繋がった瞬間、ミケのなかがいやらしく蠢いて俺のモノを締めつけた。
「………っ」
「あっ…!あ、…っ、も…やば……っ、あ、」
「……ミケ、」
「ふぁ…っ、すご…気持ちい…」
すっげえヤラシイ顔でそんなこと言われたら。
……ガマンできるわけねーし!
結局俺は、夢中になってミケを求め続ける。
「……あああッ!かい…っ、激し、あ、ああ…っ!!」
「ミケっ…!」
目の前が真っ白になり、身体中の熱がそこに集中する。
「―――っ!」
腕の中でミケの身体が痙攣したと同時に、また奥にぶちまけた。
「っ…!!」
まるで搾り取るように絡みついてくる、ミケの内部。
「あ、ぁっ、かい…海斗のっ、いっぱい…ッ」
「……ッやば」
「……んっ、いっぱい…でてる…」
ぽろぽろと綺麗な涙が頬を伝う。
「海斗…海斗っ…」
彷徨うように伸ばされる、細い腕を掴んだ。
「……もう一回、して…?」
……発情期…?
でもどうしよう、マジで。
こんなん、止められるわけないし。
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