迷子猫(BL)

kotori

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第5章

13.海斗side

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部屋に戻ると、ミケは眠っていた。
その顔色は悪く、眼の下にはうっすらと隈ができていた。

「………」

……わかってたのに、

この二日間、色々なことがありすぎてあっという間だったような気がするけど。

……でもその間、ミケはずっと俺を待ってたんだよな…

腫れてしまった瞼を見て、胸が痛くなる。
そっと口づけると、ミケは小さくみじろいだ。



それからしばらくして、ミケは目を覚ました。
泣いている彼を宥めていると、申し訳なさと同時にどうしようもない愛おしさがこみあげてくる。

「……どうしよ、」
「え…?」

少し不安げに見上げてくるミケの、柔らかい髪を撫でる。

「……すっげぇシたいのに…眠い」

すると一瞬ぽかんとした後、ミケは小さく笑った。

「寝ればいいじゃん」
「けどさ…、」

ここはやっぱ、愛を確かめあっときたいじゃん。
そんなことをぶつぶつ呟く俺の腕のなかに、ミケはすっぽりとおさまった。

「……てゆうか俺も眠いし。誰かの帰りが遅い所為で」
「……すみません」

そう謝るとミケは笑って、おやすみ、と頬にキスをしてくれた。

「……だからさぁ、そんなんされると…」

おさまるもんもおさまらなくなるだろ。

「いいから、さっさと寝ろよ」

少し呆れたようなその声は、優しさを含んでいて。

「……おやすみ、」

俺は腕のなかのぬくもりを確かに感じながら、ゆっくりと意識を手放していった。


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