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第3章
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しおりを挟む「……おっせーなー」
ソファーにごろりと横になって、携帯を見る。
メールが届いてから三時間。
悪戦苦闘してなんとか出来上がった晩メシが、テーブルの上に並んでいる。
……仕事でなんかあったかな
ここ一ヶ月ほどミケは本当に忙しそうで、仕事を家に持ち帰ってくることもよくあった。
……前は、プライベートな時間を潰したくないってぶつぶつ言ってたけど
そんなことも言ってられない状況なんだろう。
だけど最近のミケは、疲れててもどこか楽しそうな様子で。
俺としてはちょっと寂しいけど、仕事を頑張っている恋人を応援したいと思っていた。
……けど、連絡くらいしてくれても…
何回かメールしたし、電話も掛けてみたけど出ないし。
やっぱり心配になる。
……帰り道で事故にあったとか、誘拐…はさすがにないよな、一応大人なんだし…いやでもまてよ、あいつ昔から変な奴に言い寄られてたよな…
「うーん…」
悶々とする気持ちを落ち着けようと煙草に火をつけながら、待つって結構しんどいなと思った。
だけど普段遅くなるのは大抵俺の方なのだ。
仕事とはいえ、毎日のように酒を飲んで帰ってきて。
なのにあいつは、文句一つ言わないで…。
「………」
とその時、テーブルの上で携帯が震えた。
「ミケ?おまえ今、どこにいんだよ」
開口一番そう言うと、短い沈黙の後にごめんという彼の声が聞こえた。
ーーやっぱり今日、帰れそうにない。仕事、終わんなくて…
「そっか…わかった。けどなんで電話に出ねーんだよ、心配するじゃん」
ーーごめん…
「や、いいけど…。大丈夫か?無理しすぎじゃね?なんか声、変だし」
ーー……うん、平気。ちょっと疲れてるけど
その声が少し明るかったのでほっとした。
あんまり頑張りすぎんなよと言って電話を切ると、またソファーに転がる。
そして天井を眺めながら、ミケはいつもどんな気持ちで俺の帰りを待ってるんだろうと思った。
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