along-side(BL)

kotori

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好きだって言ったら、なぜか那波は驚いていた。
俺はむしろその反応に驚いた。

「なに?」
「……や、初めて…言われたから」

那波の顔が少し赤くなったのを見て、思わず吹き出す。

「なに照れてんだよ。だいたい俺、好きでもない奴とこんな事しないけど」
「……うん」

那波が俺の髪に顔を埋める。

「……俺さ、」
「ん?」
「……ずっと…おまえが断れないのわかってて、無理矢理相手させてる気がしてて…」
「………」

……まあ確かに、押し切られた感はあったけど…

てゆうか普段はほんと図々しいくせに、変なとこを気にするんだよな…。
そういうとこは、昔から変わらない。

「……バカ」

手をそっと、背中にまわす。
貸したTシャツはサイズが合わなかったらしく、直接触れた肌から那波の体温が伝わってきた。



那波の顔には、古い傷跡がある。
高校の頃の那波は喧嘩三昧で、よく怪我をしていた。

……あの時俺、泣いたんだよな…

血がいっぱい出てたし、失明してるかもしれないと思って気が動転した。
泣いてる俺を見て、那波の方がおろおろしてたっけ。
左瞼の少し上にあるそれは、もう殆ど目立たない。
そっと触れると、那波はぴくりと動いた。

「………」

傷跡に口づけて、そのまま唇を重ねる。
自分からした、二度めのキス。

「ん…っ、ふ…、」

乱暴に頭を引き寄せられ、それはどんどん濃厚なものになっていく。
どちらのものともつかない唾液が顎を濡らした。

「浩介…」

耳たぶを甘咬みされて小さく身じろぐと、Tシャツに手が侵入してくる。

「……ぁ、…」

小さな声をあげたと同時に、身体を起こした那波が俺の上に覆い被さってきた。

「……な…なみ…」

Tシャツを捲り上げられ、至る所に口づけられる。
時折強く吸われて、ちりりとした痛みを感じた。

「ふっ…、あ…」

恥ずかしくて身をよじると、背骨に舌を這わされる。
その瞬間、びくりと身体が震えた。

「あっ…、」
「背中、気持ちいい?」
「…っ、そ…んなんじゃ、」

ぎゅっとシーツを握りしめ、枕に顔を押しつける。

「……浩介、こっち向いて」
「……やだ」

恥ずかしすぎる。

「浩介」
「………」

シーツと身体の間に腕が入ってきたと思ったら、ぐいっと持ち上げられた。

「…ちょっ…!」

そのまま向き合うようにして座ると、那波は俺の胸に顔を埋める。

「…ひあっ」

ぺろりと乳首を舐められて、自分でもびっくりするような声が出た。

「あっ…んっ…、やめ…っ」

そのまま吸われて軽く歯をたてられると、甘い痺れが全身に疾る。
思わずのけぞって身体を離そうとしたけど、那波はそれを赦さない。

「あっ…あっ、」

固くなったそれをくちゅくちゅと舌先で転がされて、もう片方の手が反対側のそれを弄る。
初めての刺激は強烈で、その手を掴んでいやいやと首を振ると、ようやく那波は顔をあげた。

「……えっろい声」
「……っ!」
「もっと聞きたい」
「バカっ…」

泣きそうになっていた俺の頬に軽くキスをして、那波は笑った。

「……かわいい」



不意に那波がベットから降りた。
すっとした冷気が汗ばんだ肌をなぞる。

「……那波?」
「そろそろ寝よっか」
「え?あ、ああ、うん」

唐突だったので、戸惑いつつ、頷く。

「あ、もしかして明日早いのか?」

……てゆうか俺も明日、授業じゃん…

時計を見ると、三時過ぎだった。
冷蔵庫から水を出してきた那波は、ソファに座る。

「……てゆうか、ヤバい」
「……は?」
「これ以上続けたら、俺がもたない」
「………」

その言葉の意味を理解して、心臓が跳ね上がった。

「……そ、れって」
「しばらく大人しくしてれば平気だから」

那波は苦笑いして言うと、飲む?とペットボトルを差し出した。

「……あ!じゃあ俺、もう一回口で …」
「……嬉しいけど、それはそれでヤバいから」

……そっか…俺下手なんだった…

しゅんとしつつ、こうなったらと決意する。

「那波!俺頑張るから!」
「は?」
「いつか絶対、極めてみせる!」
「ちょっと待て浩介、なんの話?」
「……だから、その…、いいよ…?」
「……は?」
「……しても」



「……おまえ、自分で言ってる事わかってる?」

僅かな沈黙の後、那波が言った。

「え?」
「セックスするんだよ?俺と」
「……うん」
「………」
「あ、でも俺どうやってするのか、わかんない…」

すると那波は、俺の隣りに座った。

「……浩介、足広げて」
「……こう?」
「……ここに、俺のを入れんの」
「…………えええ?!それは無理だろ!」

てゆうかどう考えても入らないだろ!

「マジかよ……いや、でもっ…」
「だから、いいって」

那波はそう言うと、くしゃくしゃと俺の頭を撫でた。

「………。でもそれしたら、那波は気持ちよくなれるんだよな?」
「……うん、まあ」
「なら、いいよ」
「…………まじで?」
「うん」

那波は信じられない、という顔をしている。

「……やっぱ駄目」
「なんで?俺じゃ嫌?」
「……そうじゃないけど…」

怖くないっていったら嘘になる。
それにまだ、心のどこかに迷いはあるけど。
でもそれはきっと、那波も同じで。

「……俺はいいよ?」

ぎゅっとTシャツを掴んで言う。

「那波となら、いいよ」
「……浩介…」

その綺麗な瞳が揺れた。



「……どうしよ、俺…幸せすぎて、怖い」

俺を抱きしめた那波の声は、少し震えていた。

「……らしくないじゃん」

首に手をまわしながら、少し笑った。

……怖い、なんて

おまえにそんな言葉は、似合わないよ。


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