nesessary(BL)

kotori

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翌日、祐希の家に電話した。

「……すみません、今日はご自宅にいらっしゃいますか?」

――……え?えぇ、

「祐希くんの荷物が幾つか残ってたので、今から持っていこうと思うんですけど」

――まぁ、そんな…

後日取りに伺いますと言う母親に、近くに行く用事があるのでと告げる。

母親は俺の言葉に、なんの疑いももっていないようだった。





インターホンを押してからしばらくすると、玄関の扉が開いた。

「わざわざすみません…」

祐希の母親は、前に会った時より更にやつれたようだった。
顔色もよくない。

「……祐希くん、見つかりました?」
「……いえ、まだ」
「すみませんでした。結局、何もできずに…」

頭を下げると、そんなと母親は首を振る。

「こちらこそ、息子がご迷惑ばかりおかけして…」
「………」

彼女が、嘘を吐いたりするだろうか。
その様子はいなくなった息子や家族の問題に心を痛め、憔悴しきっているようにしか見えない。

「……ご主人は、」
「出張に…。今夜、戻る予定です」
「そうですか…」

そもそも彼女は、祐希の実の母親なのだ。
そんな嘘を吐く理由がない。
やっぱり考えすぎかと思ったその時。
ふと、靴箱の脇に目がいった。



そこには、見慣れたスニーカーが押し込むようにして入れてあった。

「……それ、」

俺の目線に気がついて、母親がハッとした顔になる。

「あ、いえ、これは…」

その時、がたんと何かが倒れるような音がした。

「……誰か、いらっしゃるんですか?」
「……上の子が…」



――母親が再婚してさ、連れ子が超感じ悪いの



「………。すみません、ちょっとお邪魔します」
「……え?」

返事を待たずに靴を脱ぐと、ずかずかと家にあがり込む。

「ちょっ…、ちょっと待ってください!」
「少し話をさせてください」
「困ります!ちょっと!」

階段を昇る途中、母親に腕を掴まれた。

「やめてください」
「……どうしてですか、」
「あ、あの子は人見知りが激しいので…」

震える声。
何かに怯えている、彼女の瞳。



「そろそろやべえよなぁ」

上から聞こえてきた声に顔をあげる。
階段を降りてきたのは、金髪の男だった。

「てか目隠しとかエグすぎだろ」
「……あ、どーも」

男は母親と俺に気づいてにやりと笑う。
そしてすれ違いざまに言った。

「……あいつ、しばらく使えないと思うよー?」

おまえやりすぎなんだよ、と後から降りてきた男が呆れたように言う。

「かわいそーに、わけわかんなくなってっし」

……どういう、意味だ

「あっ…ちょっと!」

母親の手を振りきり階段を駆けあがると、手当たり次第ドアを開けていく。

「やめて!」

そして、一番奥の部屋のドアを開けた瞬間。

そこに広がる光景に、息を飲んだ。


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